特異現象大量発生中   作:Rachel SR

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青葉アオイの足跡

私はミレニアムサイエンススクール1年の青葉アオイ。特異現象捜査部に入部しました。なんでこの部活に入ったかって?それには私の体質が関係するのですが…少し長くなりますよ?

 

 

そうあれは私が小学生の頃の出来事です。

 

 

「なあなあ肝試ししよ~ぜ。」

 

「肝試し?」

 

「そうそう。あの大五六山には幽霊が出るんだって。」

 

「あ~確かに聞いたことある。私のおばあちゃん家お寺やってるんだけど、絶対に大五六山には行くなって。」

 

友達が肝試しに行くかどうか話している。

 

馬鹿馬鹿しい。幽霊なんているわけないだろ。常識的に考えて。いたら学会で発表されてるだろう。

 

「ねえ、アオイちゃんはどうする?」

 

「えっ、私?どうしよっかな~」

 

友達に話しかけられた。

 

まあ暇だし、皆行くみたいだから行ってみるか。

 

「いいよ~。私も行く~。」

 

「よし!それじゃあ今週の土曜日。20時に集合な!」

 

「りょ~か~い」

 

家に帰った私は肝試しに備えて懐中電灯、電池の準備をする。

 

よし。これでいいかな。

 

肝試し当日。全員が集合した。

 

「これ肝試しって言ってもどう肝試しすんの?」

 

「山の中腹に祠があるみたいでな。そこに名前を書いた石を一人ずつ置いて最後の一人がその写真を撮って全員が祠に行った証明をすればいいかなって。」

 

「なるほど。」

 

「おっけ~。」

 

「ルールもわかったことだし登るぞ!」

 

15分ほど山を登り祠が近くなったとこで肝試しが始まった。

 

「私が一番乗りね!」

 

そう言って1人目が出発した。

 

こんな夜に出歩くなんて、初めてだからちょっとドキドキする。別に幽霊とか信じてないからそういうドキドキじゃないけど。…それにしても遅いな。祠はすぐそこって聞いてたけど…あっ、帰って来…2人?1人ずつ行くんじゃなかったっけ?あっ

 

「ひぃっ!」

 

「おいアオイ。どうしたんだよ。」

 

「あっ、あ。」

 

友達の後ろに人型の化け物がいる。あまりの恐怖に声が出ない。口から空気は出ているはずなのに上手く音にならない。化け物を指すだけで精いっぱいだ。

 

「ん?お、ちゃんと石置いてきたか?」

 

「う、うん。」

 

「どうかしたか?」

 

「なんかさっきから体調が悪い気がする…」

 

「…。」

 

「…。」

 

「ぷっ。なんだそりゃ。幽霊にでも憑かれたんじゃないか?」

 

「「「あはははは。」」」

 

笑い事じゃない。本当に憑いてる。皆は見えてないの!?あっ肩組始めた。

 

「う~ん。肩が重いかも。」

 

「ばあちゃんかよ!」

 

皆笑いあってる。こんな異常事態なのに誰も気が付かないなんて。

 

私がその化け物から目を離せずにいると、化け物もこちらに顔を向ける。

 

あっ。“目”合っちゃった。

 

ゆっくりと近づいてくる。

 

「あれ?体調治った!」

 

嫌。来ないで。

 

「なんだよ体調いいのか悪いのかどっちなんだよ。」

 

足が動かない。

 

「じゃ次行くのは誰だ?」

 

動け!動け!

 

「私が行く~。」

 

化け物が私の隣まで来て顔を覗き込んでくる。

 

「石忘れんなよ。」

 

見るな見るな見るな見るな見るな。私は強く目をつぶった。

 

「あっ石なら向こうに丁度いい感じのが転がってたからそれに名前書けばいいよ。」

 

肩を組むな!

 

「いってら~。」

 

…体調が悪くならない?いや体調はさっきから最悪だが…もしかして気のせいだったり?夜に出歩くのは初めてだし肝試しをするということで自分でも気が付かないほど緊張していたのかもしれない。そうだ。そもそも幽霊というのは人の恐怖心のせいで何でもないことなのに脳が勘違いして見えるものだ。だからさっきのはきっと葉っぱの揺れとか懐中電灯の光とかがうまくかみ合って見えた私の幻覚なんだ。ははっ。これじゃあ人のこと笑えないな。よし。自分の見間違いだとわかれば何も怖いことなんてない。

 

目を開くと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上から化け物が覗きこんでいた。

 

「ひゅ」

 

私はそのまま気絶してしまった。

 

気が付くと私は友達の家のベッドに寝ていた。

 

「あ、起きた!おばあちゃ~ん。起きたよ~!」

 

先ほどの化け物の顔がフラッシュバックする。

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ…あ、あぁ。」

 

「ちょ、大丈夫?おばあちゃ~ん!」

 

「そんなに叫ばなくても聞こえてるよ。ありゃ。これは重症だね。大丈夫だよ。悪い幽霊はおばあちゃんとっちめてやったからね。」

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ…ホント?」

 

周りを見渡す。確かにあの化け物はどこにもいない。

 

「ああ。本当だよ。だから安心してお眠り。」

 

そっか。あいつはいなくなったのか。安心しどっと疲れが押し寄せ眠りにつく。

 

 

おばあちゃん視点

 

 

眠りについた孫の友達を見て一安心する。

 

それにしてもなんでこの子はあんなにも怖がっていたんだろうか。この子に憑いていた幽霊は体調が悪くなるだけで怖がるようなもんじゃないはずだが。まあそれはそれとして。

 

「あんたあれほど大五六山には行くなって言ったのになんで行ったんだい!」

 

一晩中孫を説教した。

 

アオイ視点

 

 

この前肝試しは本当に最悪だった。あの後友達のおばあちゃんに話を聞いたら幽霊が憑いていたのは本当だったらしい。嘘でもいいから幽霊はいなかったって言ってほしかった。あれは幻覚だったって思いたかった。それと友達から何度も謝られた。自分が止めるべきだったと。正直あの化け物の顔がちらついて何を言ってるかほとんど聞いていなかった。辛うじて「いいよ。」って言った気がする。学校は1週間休んだ。学校には体調不良で倒れたと伝えた。

 

まあしかし、肝試しとしては大成功だったのか?…いやそんなわけない。ジェットコースターだって落下のスリルを楽しむものだが線路から外れて落下しまえば楽しむどころじゃない。あくまでそうなりそうだからいいのであって、本当に幽霊が出たり線路から落下してしまうの違うのだ。

 

 

肝試しから1週間後、学校に登校した。

 

「おはよう!」

 

「おはよう。」

 

なんだか今日はやけに声をかけられる気がする。皆、妙にニコニコしている。

 

「皆久しぶり~。」

 

挨拶をしながら教室に入ると教室の皆が一斉にこちらを見る。

 

「え?なに?」

 

「アオイちゃんだ!こっち来て!」

 

「…?うん。」

 

「アオイちゃんも“幸せ”になろう!」

 

友達がそう言いながらお香をこちらに向ける。

 

「なに、これ?」

 

「“幸せ”になれるお香だよ!」

 

…私がいない1週間で学校はカルト集団の巣窟になってしまったようだ。

 

「う、うん。あー幸せになってきた。うん。すっごい幸せ。」

 

適当に話を合わせておく。

 

「そう。良かった。」

 

私を見ていた皆がもとの態勢に戻る。もしかして私がそのお香を吸うのを確認していた?吸ったらヤバイ物だった?もう結構吸っちゃった。どうしよう。

 

ひとまず自分の席に座り様子をうかがう。皆いつもより幸せそうな顔をしているだけでそれ以外は普段通りだ。

 

担任の豪打先生が教室に入って来る。

 

「みなさんおはようございます。今日も“幸せ”な日を過ごせることに感謝を。」

 

…あれは本当に豪打先生か?いつも二言目には酒に合うつまみの話をするあの豪打が?

 

…あんなものを吸い続けたらまずい。どうにかしてお香を皆から引き離そう。

 

朝の会が終わった後お香を持った友達に話しかける。

 

「ね、ねえそのお香使ってみたいな。貸してくれない?」

 

「…。」

 

じっと見つめられる。

 

「うん。いいよ。」

 

意外とあっさり手に入った。あとはこれをどこかに隠してしまおう。

 

教室から出ようとすると私の前に2人の友達が立ちはだかる。

 

「そこどいてほしいんだけど。」

 

「お香を持ってどこに行くの?使うなら皆と一緒に使おうよ。」

 

隠そうとしたのがバレたか?…いやまだ大丈夫か?適当な嘘でごまかそう。

 

「私の家族にも幸せになってほしくて家で使おうと思うんだ。」

 

「なんだ。そんなことか。」

 

どうやら切り抜けられたようだ。正直こんな嘘が通用するとは思わなかった。

 

そう言って2人の間を通ろうとすると再び2人に止められた。

 

「大丈夫だよ。今週末に皆の家族を学校に呼んで“幸せ”になる会を開くんだ。だからそのときに“幸せ”になればいいよ。」

 

「…。」

 

これは想像以上にまずい。お香の影響範囲を拡大しようとしている。こうなったら…

 

2人を突き飛ばし無理やり教室から脱出する。後ろから大声と足音が聞こえる。

 

素早く靴を履き学校を飛び出す。振り返って後ろを確認すると上履きのまま追いかけてくる姿が目に入る。全速力で走り続ける。曲がり角を利用してなんとか追っ手を撒く。遠回りしつつようやく自分の家が見えてきた。すっかり夕暮れ時である。

 

やっと帰れる。そういえばお香の効果って何日くらいで切れるんだろう?…よくよく考えたら時間経過で切れるとしたら別にお香が無くなるまで待ってもよかったのでは?こんな必死になって逃げ回らなくてもしばらく学校を休むだけで済んだのでは?いや、万が一長期摂取で元に戻らなかったら絶対に後悔する。だからこれでいいんだ。

 

家に近づくと家の周りをうろつく同級生たちに気が付いた。とっさに塀に隠れる。バレなくてよかった。

 

結局その日は家に帰れず野宿した。まあカバン学校に置いてきちゃったからどっちみち入れないんだけどね。母もしばらく帰ってこないし。しかし幸いにも1日程度でお香の効果は切れたようで、皆が元に戻ったのを確認できた。

 

 

こんな異常事態に立て続けに巻き込まれた私はなんとなく自分は異常存在の影響を受け付けないのだと気づき始めていた。この考えは正しかったようでその後に起こる多くの事件がそれを証明した。

 

 

っとこんな感じで私は自分の体質を活用して人の役に立つために特異現象捜査部に入部したってわけ。自分にしかできない仕事って大変だけどやりがいがあるからね。

 




正直信じてもらえない思うけど、こんなホラー展開にするつもりはなかった。特異現象を解決していくのって面白そうだなって思っただけなのに…

意味が分からなかったりテンポ早すぎだったりしたら教えてください。

書いてほしい話を書いてくれたらいつか書くかもしれません(特異現象って何?本当にわからない)

次からはアオイが特異現象捜査部として活動していきます。
次も予約投稿しました。便利屋68事務所探し編。これもホラーになっちゃった。トホホ

追記
便利屋編の前に別の話を入れます。先生があんなにモテルっておかしくない?っていう話

結構テンポ重視で書いていますがどうですか?

  • もっとテンポ早くして
  • このくらいのテンポでいい
  • もっと丁寧に描写してほしい
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