クリスマスイブの当日。
「耳は帽子かなんかで隠すか...」
尻尾はロングスカートを穿いて隠すことにしたので、あとは耳をどうするかを考える俺。
「ご主じーん!スカート上手くはけなーい!」
その元に、ロングスカートを持った、下半身パンツ一丁のナナがやってくる。
「はあ、いつも穿いてるだろ?」
「だって!尻尾を入れる穴がないんだもん!それに長いからなんかはきにくい!」
「はいはい、分かったから」
そう言って、俺はナナからロングスカートを貰い、ナナに穿かせる。
「ナナ、尻尾触るぞ」
「うん、分かった!。...んんっ...ご主人くすぐったい~♪わうわう♪」
スカートを穿かせるとき、尻尾を触るとナナは身体を小刻みに揺らす。
「あとちょっと我慢しろ...はい、オッケー」
「あっ...」
スカートを穿かせ終わり、尻尾から手を離すと、ナナはなぜか名残惜しそうな声を出す。
「あっ...ってなんだよ」
「それは...ふんっ!乙女心が分からないご主人には教えないもん!」
「えー...なんかごめん」
俺が疑問に思ったことを質問すると、何故か拗ねてしまうナナ。
(乙女心が分からないって...俺なんかしたっけな?)
拗ねられた理由をバカ真面目に考える。...が、分からない。しょうがないよね、乙女心なんてわからないんだもん。とりあえず、そんなことは置いておいて、耳を隠すための方法を考える。
「...そうだ」
そして、方法を考え付いた俺は、クローゼットから一枚の服を取り出す。取り出したものはパーカー。これなら耳を隠すことが出来るだろう。ただ、俺用に買ったやつだから、ナナにサイズが合うかはわからないが。
「ナナ、これ上に着てみてくれないか?」
「...これ?」
「うん」
そう言って、ナナはパーカーを受け取ると思いきや、自分の今着ていた服を脱ぎだして、上半身を下着だけの姿にした。
「...ナナ?もう着替えるとき少しなんとか...いや、まあいいか。とりあえず早く着てくれ」
「?わかった!」
そうして、俺から受け取ったパーカーをナナは着る。やはり、ナナには大きいようでかなりダボダボだ。
「そしたらさ、後ろのフードを被ってみな?」
「んー...これを被るの?」
「そうそう」
ナナは、後ろのフードを掴んで、自分の頭に被せる。サイズが大きいおかげで、どうやら耳もちゃんとカバーできたようだ。それに、フードを被っても可愛いのは変わらない。
「...似合ってるぞ、可愛いな」
「...そう?えへへ~褒めて褒めて~!」
「ほら、こっちにおいで」
俺がそう言ったら、近くまで寄ってきたナナの頭に、右手をのせる。そして、フード越しに撫でる。暫く撫でていたが、ナナは少し考えたような顔をした後、
「やっぱり、撫でてもらうのはこっちの方がいい!」
と言って、フードを頭から外した。俺は、「そうですか」とだけ言って、もう一度頭を撫でる。
「むふふぅ~♪やっぱりこっちの方が気持ち良い~♪」
とってもいい笑顔で言ってくるナナ。やっぱり彼女には笑顔が似合っている。
そんなこんなで、外出の準備を終わらせた俺たち。電車に乗って目的地へは行く予定なので、駅へと向かうのであった。