犬の少女   作:シベリアのハスキー

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ソフトボールのルールがよくわかってません、特にDPとFP。違ってたら教えてください。
ちなみに主はソフトボール経験ちょっとしかありません。許してね☆









練習試合

12月28日のこと。俺が家でゴロゴロしていると、スマホの着信音が鳴る。

 

「ん...敬三からか...」

 

着信の相手を確認した後、電話に出る。

 

「もしもし?」

 

『もしもし山野?頼み事あんねんけどええか?』

 

「ん?頼み事?」

 

『そうそう、あのな~ーーー』

 

ーーーーーーーー

 

~翌日~

 

俺とナナは朝早くから市立南前川小学校に来ていた。...何でそんなところに来ているかって?それは、昨日の電話で...

 

『そうそう、あのな~ソフトボールチームに俺入ってるんやけどな?明日の練習試合こっち側の人数が足りひんねん。だから、助っ人として来てくれへん?』

 

と敬三から言われたからだ。明日は特に予定もないし、別にいいやと思ってオッケーと返事しておいた。ちなみに、ナナは呼ばれていなかったのだが、俺がこの旨の話をすると、「ナナも行く!」と言って譲らなかったため、敬三に「行ってもいいか?」と連絡を取ると、

 

『え?ナナちゃん来てくれるんか?それならめっちゃくちゃ助かるわ!実はな~出場選手は二人足りひんかったんやけど、あと一人でも来てくれたらもう一人はコーチが出場することになってたんや。でもナナちゃん来てくれるならコーチ出場せんでええから、ぜひ歓迎やで!』

 

と言ったので、連れてきた。

 

「ようナナちゃん!来てくれたんか!めちゃくちゃ頼もしいわ!」

 

「わう!ありがと!」

 

ナナが敬三と戯れている間に、俺は他の人に挨拶に行く。ベンチと思われる場所には、16から50代ぐらいの男性が八人ほど集まっており、皆同じユニフォームに身を包んでいる。

 

「初めまして、おはようございます。助っ人で来ました山野秋です。宜しくお願いします」

 

「おう!よろしくな山野君!前川オーシャンズの監督、江崎(えざき)和夫(かずお)だ」

 

俺が挨拶をすると、チームの監督が反応する。他の人たちも、口々に「おはようございます」と言って軽く会釈をする。

 

「あ、あともう一人」

 

「あー!その話なら敬三から聞いてるぞ!ナナちゃんだっけか?相手のチームの人にも話してるから大丈夫だぞ!」

 

「そうですか、なら良かったです」

 

ナナの事を紹介しようと思ったが、すでに情報が知れ渡っていた様子で少し安心する。すると、監督が立ち上がって、

 

「よし!それじゃあ皆集まったし!練習をするぞ!」

 

と言って、手を叩く。すると、他の人たちは各々動き始めグランド整備をする。俺も、一応野球部の経験があるのでグランド整備を手伝う。視界の端でふとナナを見ると、敬三がグラウンド整備の仕方を教えており、ナナもそれに従って仕事をこなしていく。偉いねえ。

 

ーーーーーーーー

 

~一時間後~

 

午前十時ごろ。相手チームの人たちが次々にやってきて、ベンチへと向かう。ちなみにチーム名は山田ユニオンズと言うらしい。一方、こっちのベンチではスタメン発表が行われており、監督が打順、守備位置、名前を読み上げていく。

 

「一番、セカンド野本(のもと)康太(こうた)

 

「はい!」

 

「二番、ショート橋本(はしもと)(ゆう)

 

「うっす!」

 

「三番、DP兼FP越田(えだ)大志(たいし)

 

「はい!」

 

「四番、ファースト藤本(ふじもと)清野(せいや)

 

「はい!」

 

「五番、ライト片柳(かたやなぎ)敬三(けいぞう)

 

「おっす!」

 

「六番、レフト山野(やまの)(しゅう)

 

「はい!」

 

「七番、キャッチャー伊那(いな)宝生(ほうせい)

 

「えい!」

 

「八番、サード土肥(どひ)次郎(じろう)

 

「はい!」

 

「九番、センター山野(やまの)ナナ」

 

「わう!」

 

「以上だ!皆、楽しんでやるぞ!」

 

「「「おおっーー!!!」」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

二回裏、ツーアウトランナーなしでナナに打席が回ってくる。監督によると、相手のピッチャーは山田ユニオンズのエースらしく、俺も一打席既に対戦したが、玉の重さに押し負けてセンターフライに終わってしまった。正直、ナナがボールにバットを当てられるか心配で見ていた。

 

(野球って言っても、キャッチボールとかノックぐらいしか経験ないからな...ナナ。大丈夫かな...)

 

...その時、

 

 

 

コツン

 

 

 

「あ!」

 

思わず声を漏らしてしまう。ナナが選んだのはバントだった。完全に不意を突かれた相手さんだったが、キャッチャーがすかさずバント処理に入って、一塁へ送球しようとする。そのスピードはとても速く、普通なら余裕でアウトにできるはずだったのだが...。

 

「セーフ!」

 

ナナが一塁ベースを駆け抜ける方が早く、キャッチャーはボールも投げられないまま、それを見つめているしかなかった。

 

「え?早っ...」

 

敵味方共にその感想で一致する。当の本人は、俺の方を見ながら「打てたよー!」と無邪気に手を振っている。そして、次の打席。野本君がセンター前へのヒットを放つ。...そこでも異常さを発揮するナナ。ただのセンター前ヒットのはずなのに、打った瞬間にスタート&自慢の快足を飛ばして、ホームベースに突っ込んできた。相手のセンターは、深めを守っていたとはいえ、まさかそこまで進まれるとは思っておらず、慌ててバックホームをするが間に合わず、ゆうゆうとナナがベンチへと帰ってきた。

 

「ご主人!どう?早かった?」

 

「...うん、早かったぞ!」

 

「えへへ~♪ナナ凄いでしょ~わんわん!」

 

...相手さんが可哀そうだ。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

~試合終了後~

 

結局、試合は6回までで9-3と大差をつけ此方の勝利、俺の打撃成績は4打数2安打1三振。敬三は5打数3安打1本塁打2三振。

...ナナはというと、4打数4安打5盗塁の大暴れだった。怖っ。ちなみに監督からはめちゃくちゃ感謝された。「また来てくれてもいいよ!大歓迎だ!」とさ、ありがたいことだ。そんなことを考えていると、グローブを返してきたナナが戻ってくる。

 

「ナナ」

 

「ん?」

 

「今日は楽しかったか?」

 

「うん!皆良い人だったし!ソフトボールも楽しかったよ!」

 

「はは、それなら良かった」

 

笑顔でそう言ってくるナナに、俺も笑顔でそう返すのであった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

~家に帰る途中の車内~

 

「またソフトボール行ける?」

 

「うん、また行こうな」

 

「わーい!わうわう!」

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