前回から二日後...。つまり、三が日の最後の日の事。
「明日から仕事かあ...」
雪がちらついている外を見ながら、ふとそんなことを口にする。
「わう?ご主人休みは今日でおしまい?」
「ああ、三が日は今日で終わりだしな」
長いようで、やっぱり3日間というのは短いものだと認識する。…主に最初の2日間敬三とナナが一緒になってはしゃぎまくるせいだけど。昨日やっと帰っていったし。
「え~、まだ遊び足りない!」
「敬三と昨日まで馬鹿みたいに遊んだだろうが」
昨日までのはしゃぎっぷり…いや、あれは暴れっぷりだな。それを知っている俺はナナにそう言う。
「あとちょっとだけ!ね?あとちょっと!」
だが、それに反発して遊びたい欲が収まらないらしいナナ。その無尽蔵のスタミナが欲しいよ。
「そんな事言ってもなあ…」
まあ、仕事が始まったら遊ぶ機会は少なくはなるだろうし、ナナには申し訳ないと思っているので遊ぶことについて前向きに検討する。
「…あ、そうだ」
「あう?」
そこで俺はあることを思い出す。
「たしか、この近くかなんかで内村さんが雪合戦の試合みたいなのをするって言ってたな」
「雪合戦の試合?」
「うん。今月末に雪合戦の北陸島大会があるんだけど、それに向けた練習試合があるらしいんだ。それに行ってみないか?」
「わうわう!なんか楽しそう!」
俺の提案に目をキラキラさせながら飛び跳ねるナナ。というわけで、思い立ったが吉日。俺は知り合いに連絡して、試合に参加していいかを聞いたら快くOKを貰った。ナナのことも説明したのだが、『全然大丈夫!チームメイトには話しとくから心配はしないでくれ!』との事だった。…俺の知り合いの順応度が高すぎるのは気のせいだろうか?
ーーーーーーーーーーー
〜練習場〜
「じゃ、AチームとBチームに分けるからくじ引きするぞー」
チームの監督がそう言って、割り箸の束を持ってくる。
「じゃ、順番に引いていけー」
そしたら、次々と監督が握っている割り箸が取られていく。俺は最後らへんにナナと一緒に引きにいった。
「お、Aチームか。ナナは?」
「Bチームだった!」
「ありゃ、それなら別チームか」
「不都合なら同じチームにしようか?」
俺とナナが別チームなことを見た監督は、気を使ってかそう言ってくる。
「いや、俺は大丈夫です、ナナはどうだ?」
「ナナも大丈夫!ご主人をコテンパンにしてやるぞ!」
「ははは、それならこのチーム分けでいくか」
というわけで、暫くして練習試合が始まったのだが...
ーーーーーーー
「よし!敵はあと二人だ!」
試合開始から10分ほど。相手の残り人数は2人で、対してこちらの人数は8人で圧倒的優勢だ。
「右から来てますよ!」
「分かりまし...うわっ!!」ボスッ
「畜生!こんにゃろー!あいつの仇だ!」
「ぐわぁ!やられた!」ボスッ
右から出てきた敵に不意打ちの形で一人やられたが、相手の人数も一人減らすことが出来て、相手の残り人数は一人となった。
「あと残り一人...ナナか...!」
「そういえば最初から動きがありませんでしたね」
「誰かナナを見たやつはいないか?」
「いいや?」
「見てないぞ?」
残り一人の行方を探して、3人と4人のグループに分かれてフィールドを探索する。そして、少し時間が経ったとき、3人グループの方から、「うわっ!」とか、「くぁwせdrftgyふじこlp」とかが聞こえてきた後、とぼとぼとこちらの方に3人グループが歩いてくる。
「...もしかしてお前ら...」
「...ハイ、ゼンインタオサレマシタ」
「うっそだろお前!!」
「化け物...化け物だよお...」
「...気を付けてくださいね、背後には...」
そんなことを言い残して、三人グループはフィールドを出ていった。
「「「「...」」」」
俺たちは無言になってしまった。
「...いや、警戒すればいい話だ!な?皆!」
グループのリーダーがそう言って、場の空気を盛り上げようとするが、俺たちはそんな気にはならなかった。なぜなら...
「...リーダー、後ろ」
「...?うし、ろ?」
そう言って振り向くリーダー。後ろに居たのは、雪玉を持ったナナ。
「...」
「...」ポイッ
「...」ボスッ
何も言わずにナナは、リーダーに雪玉を投げつけ、その場を目にもとまらぬ速さで去っていく。
「...は?」
「ぜ、全員周囲警戒!」
「ど、どこから来るんだ!」
「探せ!探すんだよ!」
「...」ポカーン
その場に立ち尽くすリーダーと、ナナを迎撃しようと必死な俺たち。この後、一人ずつ背後に回られて同じことをされ、Aチームは全滅した。めちゃくちゃ怖かった。
この回の戦闘過程(主にナナにボコボコにされる様子)とかは別の機会に書いてみたいところ。