犬の少女   作:シベリアのハスキー

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最近の子はテレビをあんまり見ないらしいですね。主は野球中継とか見ますけど。








テレビってあんまり見ないんだってね

〜とある金曜日〜

 

仕事から帰ってきた俺は、特にやることもないし机にヘタりこみながらテレビを見ていた。

 

『ーーャース、大谷翔平選手の50-50を記念して、この店舗ではグッズが販売されています!そして、こちらの金色に光る人形は、なんとお値段26万円!通常の人形のおよそ27倍の値段になっています!』

 

「へぇ〜」

 

「ご主人興味無さそうだね」

 

「まあ、興味が無いわけではないが…」

 

テレビの情報にへぇ〜としか言えない俺にそう言うナナ。実際テレビの情報に関することなんてそんなものじゃないのかなあ。それに最近はテレビを見る人も減っているっていうし。

 

「自分と関係あるニュースなんてそうそうないからな…」

 

「ま、そうだね」

 

そんな会話をしているうちに、次のニュースが流れる。そのタイミングで、俺はお菓子を取ろうと立ち上がりながら「お菓子いるか?」とナナに聞く。ナナは「うん」とテレビをじっと見ながら答える。俺は、(素っ気ない返事だなあ…)と思いつつお菓子を取りに行く。

 

『衣桜財閥が所有する中桜製薬が倒産。負債は200億円にも上り、衣桜財閥は事実上の崩壊ということになりました』

 

そんなニュースを聞くと頭の中で、

 

(そういえば経営難ってこの前も報道してたな…ついに倒産したのか)

 

と、少し考える。だが、思考をすぐにお菓子選びへとシフトチェンジし、数種類取り出して元の場所へと戻る。

 

「そんな真剣に見てどうしたんだ?」

 

お菓子を持って戻っても、まだじっとテレビを見つめているナナに声をかける。

 

「…いや?ご主人の会社に影響ないかなって…」

 

「ははは。衣桜財閥とは全く関係ないから大丈夫だよ。そんな難しいこと考えなくて」

 

そう言ってナナの頭を優しく撫でる。俺の事を考えてくれてくれているのだから、本当にありがたいものだ。

 

「むふぅ〜♪…ならいいんだけど」

 

体に顔を埋めながら、尻尾をぶんぶんと喜びを表す。

 

「…それじゃ、時間も時間だし。そろそろ風呂でも入るか」

 

少しの間撫でたあと、俺が風呂に入ろうと立ち上がった時、ナナが足にしがみついてくる。

 

「お風呂?わう!一緒に入りたい!」

 

こちらを見上げながら、犬のように体全体で感情を表現するナナ。まあ半分犬なんだけど…

 

「…ナナ、そろそろ1人で入れないか?」

 

そんな様子のナナにそう言葉をかける。別にナナと一緒に風呂に入るのが嫌な訳では無い。現に、今まで一緒に入っていて嫌だと思ったことは無い。じゃあ、何が問題かと言うと…まあ、俺の問題になるのだが…。仮にも男と女、それにナナもお互い裸にも関わらず、めちゃくちゃ距離(物理)を縮めようとしてくるので、俺の男の本能が抑えられないのだ。いくら発育していないとはいえ、やはりくるものがある。

 

(このままの状態が続いたら、いつかバレてダメな方でテレビデビュー…ヒェッ…)

 

とにかく、それだけは避けなければいけないため、そろそろナナには1人でお風呂に入ってもらおうというわけだ。

 

「…ナナのこと嫌いになったの?」

 

そしたら、目をうるうるさせながら小さな声でそう言ってくるナナ。

 

「いや、そういう事じゃなくて…ほら、あれだよあれ」

 

そう言って、テレビに映っている画面を指す。

 

『ーー昨年からの性犯罪者の数は減少傾向にありーー』

 

テレビの画面では、性犯罪者についての解説のようなものが行われており、「ああなったら大変だろ?」みたいな感じでナナ伝える。

 

「な?それに、ナナは気付いてないかもしれないが…ほら、色々…当たってるんだよ…」

 

今まで風呂に入っていた時のことを思い出す。ああ、あの様子が世間に知れ渡ったら俺はなんと言われることやら…

 

「ご主人」

 

「ん?」

 

「耳貸して」

 

「お、おう…」

 

ナナに伝えることを伝えたら、耳を貸すように言ってくる。俺は(どうしたんだ?)と疑問に思ったが、言われた通りに耳を貸してみる。

 

「ど、どうしたん「当ててるんだよ」…!?!?!?」

 

予想外の一言に人生トップクラスの衝撃を受ける俺。お風呂に別々に入る件は頑張って説得して受け入れてもらいました。というか、あんな発言の後に一緒に入る気になりませんでした。

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