犬の少女   作:シベリアのハスキー

5 / 21
皆さんは小学校の頃、0の段ってありました?
あれ、覚えて意味あるんですかね...







勉強

「12×13は?」

 

「えーと...156!」

 

現在、俺はナナに勉強をしている。

 

「正解!じゃあ、21×39は?」

 

「うーんと...あー...819!」

 

ただ...一つ、悩みがある。別に、ナナが勉強嫌いとかそういうものではない。

 

「すごい...正解...。393×84は?」

 

「...ちょっと待ってね」

 

「...」

 

「...33012!」

 

「...正解」

 

「ふふん!褒めて褒めて~♪」

 

「ああ...えらいぞ」

 

(ナナ賢すぎない!?)

 

ナナが頭を差し出してきたので、それを撫でながら心の中で叫ぶ。そう、悩みとは、ナナが賢すぎること。別に良いじゃないかって?。うん、確かに賢いに越したことはないよ?でも、成長スピードがおかしいよ。だって、最初のうちは...

 

ーーーーーーーーー

 

「掛け算って知ってるか?」

 

「?何それ?足し算の仲間?」

 

「掛け算知らないのか...じゃ、教えてあげよう」

 

「?よくわかんないけど、わーい!」

 

ーーーーーーーーー

 

ぐらいの可愛いものだったのに、今となっては、二桁の掛け算は暗算でパッと計算するし、三桁同士の掛け算も時間は少しかかるけど、暗算で出来るようになっている。おかしいよ!?掛け算初めて教えたの二週間前くらいだよ!?なに?天才かなんかなの?

 

「...負けた」

 

「?どうしたのご主人?」

 

「いや、何でもない」なでなで

 

一緒に暮らし始めて早1ヶ月ほど。いや、薄々感じてはいたよ?犬モード(勝手に自分で名付けた)以外の時はなんか普通に賢くね?って。買い物に連れてったりしたときに、妙に計算が早かったり、一度言ったことはすぐに覚えるし、俺がお菓子を隠しても、すぐに場所を探し当てるし...最後のは違うか。

 

(ま、なんにしろ...)

 

「むふぅ~♪」

 

(この笑顔だけは守りたいな)

 

頭をすりすりしてくるナナを、俺は撫でながらそう思う。

 

「...そういえばご主人?」

 

「ん?なんだ?」

 

撫でてる最中だが、ナナが俺を見上げながら聞いてくる。

 

「ちょっと前に言ってた、会議の資料。明日までじゃないの?」

 

...俺は少し硬直した後、ナナを撫でるのを止め、机の引き出しを開いてみる。

 

「...あ、やっべ。俺死んだ」

 

中に入っていたのは、明日提出するはずの資料。まだ、完成していない部分があって、このまま会議に突入していたら、俺はもれなく死刑(クビ)になっていただろう。

 

「...間に合うかな」

 

魂が抜けた声でそう言う俺に、ナナは心配そうに、

 

「手伝おうか?」

 

と言ってくる。

 

「いや...流石に会社の仕事だから...」

 

「書類の整理とかぐらいならするよ?ほら、普段の恩返し♪」

 

「...お願いします」

 

(...本当にナナは良い子だな)

 

そのナナの行動に、俺は感動するのだった。あと、会議にはギリギリ間に合った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。