12月の始め。俺とナナは山に遊びに来た。気温は非常に低く、山には膝に届くほどの雪が積もっている。
「ご主人!雪がたくさん積もってるよ!」
「まあ、冬だからなあ」
ナナは雪を見ながら、今にも飛び込みそうな表情をしている。現に尻尾がそれを表している。
「遊んでもいい?」
「山頂に着いてからにしてくれ」
「わう...わかった」
少し顔がしょぼんとして尻尾もしょぼんとする。まあ、少し山頂に行ったら思う存分遊ばせてやろうと思う。
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三十分後くらい...
「ほら、もうすぐで山頂だぞ!」
「わーい!雪遊び雪遊び!わうわう!」
俺がそう伝えると、ナナは最期の階段をダッシュで駆け上る。俺も、ナナを追いかけて、階段を上る。
登った先に広がっていたのは、永遠に続いているんじゃないかと錯覚するほどの山の連なり。それらは白銀に染まっており、絶景を生み出していた。
「よし着いた!」
「やったー!」
喜ぶナナと俺。
「じゃ、ここまで来たら“アレ”。やっとくか」
そう言い、俺は山頂のフェンスの近くまで行く。
「アレ?」
「そっか、ナナは知らないのか。なら、聞いとけよ!」
ナナは首を傾げながら?マークを頭に浮かべているが、俺はそれを横目に、息を吸う。冷たい空気が肺の中に入り込んだ次の瞬間、俺は思いっきりこう言った。
「やっっっほーーーー!!」
そしたら、山の奥から、「やっほー」と声が複数回帰ってくる。
「すごいすごーい!!」
それを聞いていたナナは好奇心にあふれた顔をしている。
「やまびこって言うんだ。ナナもやってみな?」
「わかった!」
俺がナナに同じようにやってみるよう促すと、ナナは俺と同じように息を吸う。そして、
「わおーーーーーん!!」
遠吠えをする。違う、そうじゃない。俺がそうナナに伝えようとした時、山のあちこちから、
わおーん! わおーん!
遠吠えが上がり始めた。それを聞いたナナは、
「ご主人、これがやまびこ!たのしいね!」
純粋な笑顔で俺にそう言ってきた。絶対にやまびこではなかったのだが、その笑顔に俺は、
(...もう、そういうことでいっか)
と思って、笑顔を返して撫でることしかできなかった。
ちなみにその後、めちゃくちゃ遊んだ。そして俺は風邪を引いた。
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~山に行く前の家にて~
「...ナナって寒さとか強いのか?」
「いや?別に強くはないけど...」
「?てっきり犬の遺伝子云々で強いのかと」
「体は人間だからね」ペラッ(服をめくってお腹を出す)
「そうか、ならナナの分の防寒着もいるな...ナナ、あとお腹を出すな」