ブルーアーカイブ Day After Day   作:燃え殻の灰

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各キャラの口調やら、呼び方がよく分かってない気がする今日この頃。
誤字脱字報告は大変助かっております。ありがとうございます!


第3話

 先生side

 

 シャーレ 部室

 

「ワカモ、先程の書類は終わりそう?」

 

「あと少しで終わります。ただ、こちらの書類、先方に記入してもらった箇所に不備がありますね。アロナ、訂正のメールをお願いしても?」

 

『はい、任せてください! えーっと……連絡先は……』

 

 私がキヴォトスを訪れ、シャーレの特別顧問となり数日が過ぎ去った。挨拶回りやワカモ関連の謝罪、備品の買い出しなどで忙しい日々ではあるが、とても充実している。

 そのワカモだが、私のサポートを的確にこなしてくれるので本当に助かっている。まだ左腕が自由に動かないので、戦闘面でも彼女はとても頼りになる存在だ。まあ、若干やりすぎてしまうこともあるが、そこは私がストッパー役となれば問題はない。

 アロナも電子の存在ということで、メールや連絡などの役割を担当してくれているので大助かりだ。

 

「ふむ。それならば急ぎの仕事は終わりかな。ある程度は慣れてきたかな。ワカモも何時もありがとう。本当に助かるよ」

 

「いえ、そんな滅相もありません!! あなた様のお役に立てるのでしたら、このワカモ、どんなことでも致します!! どんなことでも……です♪」

 

「はいはい、頼もしい限りだ。けど、今日はこれから出かける用事があるからね。ワカモも準備をしなさい」

 

「もう、いけずなお方。今日はゲヘナ学園まで行くんですものね。準備は念入りにいたします」

 

「さて私は、お弁当を用意しよう。ワカモはお茶をお願い出来るかな。君のいれたお茶が私は好きでね」

 

「まあ、まぁまぁ! わかりました!! 腕によりをかけまして、最高のお茶を準備いたしますわ! まずは茶葉から用意しなくては!!」

 

 すり寄ってくるワカモの頭を撫でつつ、苦笑いを浮かべてしまう。

 念入りに準備とは、恐らく弾薬や爆薬も用意しておくということなのだろう。確かに他の学園自治区と比べて、ゲヘナの治安は悪いから仕方がない事でもある。なぜあそこまで乱闘や銃撃戦が多発しているのか、ある種の謎でもあるが……。

 なんにせよ、今日も疲れ切っているだろう彼女達(風紀委員会)の手伝いに行くとしよう。

 ただ、ワカモ。茶葉から用意するのは時間がかかるから、それはまたの機会にしてくれないか。

 

 先生out

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゲヘナ学園

 

 その日、このゲヘナの抑止力を務める風紀委員のトップである委員長、空崎ヒナは朝から機嫌がよかった。何時もの無表情、というかあまり表情が変わらない少女なのだが、どこか浮足立つような柔らかい雰囲気を身にまとっている。

 

(今日は先生が来る日……また会えるんだ)

 

 ヒナと先生の出会いは少し前になる。何時ものように喧嘩からの銃撃戦が発生し、近くにいたヒナが鎮圧に向かった時だ。

 現場に到着したら、暴れていた生徒達は全員が正座しており、その前には仁王立ちする狐面の生徒とスーツ姿の男性がいた。

 何事だと、珍しく目を丸くして戸惑っているヒナに気が付いたのか、男性は振り返ると優し気な笑みを浮かべて、一言「こんにちは」と挨拶を述べた。それがヒナと先生の出会いである。

 後で聞いた話だが、挨拶回りにゲヘナを訪れた先生とワカモが偶然銃撃戦現場に居合わせ、喧嘩両成敗ということで二人で鎮圧したらしい。その後、生徒達に説教しているところにヒナが到着した、という流れである。

 

「委員長、今日はなんかウキウキしてるね」

 

「今日は先生達が来る日だからじゃない? 手伝いに来てくれるようになってから、治安もかなり良くなってきたし」

 

「あー。確かにね。乱闘とかはあるけど、銃撃戦までは発展しなくなってきたもんね」

 

 一般の風紀委員たちの言う通り、先生とワカモの二人が、ヒナを筆頭に多忙すぎる風紀委員の面々に手助けを始めてからというもの、ゲヘナの治安は格段に良くなってきていた。

 二人はまず乱闘や銃撃戦が多発する地点を調べ上げ、徹底的に分析し、巡回の優先度を付けた地図を作成。ワカモは実働部隊としてゲヘナで大暴れしながら、自身の破壊活動やらの経験を生かして、襲撃や銃撃戦が起きた場合に迅速な対処ができるよう、地形を徹底的に風紀委員に叩き込んだ。

 先生はその情報を元に戦闘指示を出し、空いた時間は書類仕事や喧嘩の仲裁に奔走し、万魔殿の無茶ぶりがあったときは議長をデコピンで沈めたとかいう噂まで流れていた。

 

「こんにちは、ヒナ。今日も手伝いに来たよ」

 

「途中で喧嘩を見かけましたが、大事になる前に止めておきました。まったく血気盛んですこと」

 

「あ、こんにちは先生。何時もありがとう。あとワカモ、キヴォトス全域で暴れ回ってた貴女が言えたことじゃない」

 

「どうやら軽口を言える元気はあるようですねぇ。目の下の隈も消えていますし、少しは安心しましたわ」

 

「ふふ、ワカモも素直じゃないな。けど、ゆっくり休めているようで私も安心したよ」

 

 何時もの様ににこやかな先生と、その三歩後ろをついて歩くワカモを出迎えるヒナの顔は、小さく微笑みを浮かべていた。

 

 ゲヘナ学園 風紀委員本部

 

「ヒナ、こっちの書類は終わったらチェックを頼むよ。アコ、次はどれを片付ければいい?」

 

「ありがとう先生。……うん、どれも問題なし。正確だね」

 

「こちらの書類をお願いします。しかし本当、手慣れてますね」

 

「シャーレでも書類仕事は基本だからね。ああ、イオリ、そこの書式間違えてるよ。ここはこうだ。チナツ、その書類は決裁済みだから万魔殿で出してきて。何か言ってきたら、デコピンと言えば大丈夫だから」

 

「なに、間違ってる!? ……あ、本当だ。すぐに書き直すからちょっと待ってくれ」

 

「ふふ。わかりました先生。けど、本当にデコピンで沈めたんですか?」

 

「その場におりましたが、それはもう……見事にバチーン!! と音が議長のマコトさんの額から響いておりましたわ」

 

「……現場に居たかったと思うのは、議長に失礼でしょうか」

 

「あ。アコちゃん、ちょっと良い笑顔浮かべてない? 気持ちはちょっとわかるけど……」

 

「アコ、あんまりそういう顔しないで……先生、こっちの書類も問題なしよ」

 

 和気藹々、とまでは行かないが穏やかな空気が風紀委員本部に流れていた。先生はテキパキと書類を片付けながら、処理が終わったものはヒナにチェックしてもらう。

 そして彼女の秘書的な存在のアコから新たな書類を受け取りつつ、書式で間違っているイオリの訂正を行うなどしていた。

 他にも書類仕事をしている一般風紀委員の間違いや案件の相談に乗りながら、通報があればイオリやワカモと共に現場に急行して鎮圧。という具合で風紀委員の仕事をこなしていた。

 そんなこんなで気が付けば、お昼の時間を過ぎていた。

 

「んんー、みんなお疲れ様。ここまでにしてお昼休憩にしよう」

 

「わかったわ先生。みんなも一旦休んできて。午後の仕事はそれからよ」

 

「私はイオリと一緒に書類を提出してきます。一足先に休んでいてください」

 

「チナツ、さっさと行って休憩にしよう」

 

「二人とも、お願いしますね。お疲れ様です委員長、先生。今、コーヒーをいれますので」

 

「ああ、先生のでしたら私が用意したお茶がありますので、ご心配なく。さあ、あなた様。お茶ですわ。冷たいのと暖かいの、二つ用意しております♪」

 

「ああ、なら今日は冷たいのをお願いしようか。ヒナやアコ、みんなもどうだい? ワカモのお茶は絶品だよ」

 

「そうね。折角の機会だし、いただこうかしら。ワカモ、私に貰える?」

 

「本当は先生だけのお茶ですが……ええ、構いませんわ。どちらにいたします?」

 

「委員長がそう言うのでしたら……私も、後でお茶の入れ方を勉強した方が……」

 

「後でメモで教えてあげますわ。あなた方も如何ですか? 今日は特別に振る舞って差し上げますわ」

 

「あ。ありがとうございます、ワカモさん! ……わあ、本当だ。すごく美味しいです!」

 

「それなら、私は暖かいのを貰ってもいいですか?」

 

 先生だけの、と言っているが、満更でもない様子でヒナとアコだけでなく他の風紀委員にお茶を振る舞っていた。

 最初こそ危険人物だと恐れられていたが、一緒に戦ってるうちにある種の絆が芽生えてきたのか、一般風紀委員もワカモに話しかけるようになっているし、銃撃戦でワカモに助けられた風紀委員たちもいる。

 勿論、先生が居るからという理由も大きいだろうが、他者を気に掛けるというのは大きな前進だ。

 お茶を貰った風紀委員たちに礼を言われているワカモを見ながら、やはり彼女はとても良い子だな、と先生はにこやかに微笑むのであった。

 

 一方その頃、万魔殿に必要な書類を提出してきたチナツとイオリも風紀委員本部に戻るため、話しながら廊下を歩いていた。話題は先生達のことに関してであった。

 

「本当、お昼に休憩が取れるようになるなんて、ちょっと前までは信じられなかったな」

 

「ええ、先生が色々と手伝ってくださいますし……ワカモさんもヒナ委員長並にお強いですからね。銃撃戦もお一人で制圧してきますし」

 

「あれば驚いたな……っていうか、あの先生もなんか強さおかしくないか? 左腕と右目を怪我してるのに、滅茶苦茶強いぞ?」

 

「初対面の時、狙撃しながら戦闘指示も出していただきましたが……本当、一体どんな事をしてきた方なんでしょうね?」

 

 ゲヘナ最高戦力であるヒナと、【災厄の狐】と呼ばれるワカモはキヴォトス全域でトップクラスの実力者であるので、実力の高さは納得できる。

 それにキヴォトス全域で見れば匹敵する実力者は存在するとはいえ、怪我をしているのにその二人に匹敵する戦闘能力を誇る先生は、最早バグなのでは? と風紀委員の中ではまことしやかに噂されていた。

 

「それに先生がミレニアムに依頼して用意してくださった監視型ドローンや鎮圧型ドローンも、かなり役に立ってくれてますよね」

 

「そうそう。それに計算や書式ツールも用意してくれたもんな。書類はあるとは言え、結構な数をデータ上で捌けるようになったし」

 

 流石に人手が足りないということもあり、先生はミレニアムサイエンススクールを訪れた際にユウカに相談し、エンジニア部やヴェリタスを紹介してもらい、必要な装備の開発などを依頼。

 その際、エンジニア部に YWH16HR-PYTHON(ハンドレールガン)を交渉材料の一つとして受け渡している。それはもうエンジニア部全員のテンションが爆上がりして、色々なタイプのドローンを用意してくれたらしい。

 それには若干、ユウカもドン引きしつつ、あまり物騒なものを渡さないようにと先生に説教をする一コマもあった。

 ヴェリタスに関しては、何故か先生の手料理にハマり、定期的に保存のきく食事の提供などで話がついた。勿論、依頼料は支払っているが、その二つのお陰でそれなりに安く済んだらしい。

 それ以降ゲヘナから定期的に開発依頼も入り、仲介料としてセミナーに臨時収入も入る様に先生が融通してくれたのでユウカも喜びつつ、二つの部活にも部費以上の資金が流れ込むので滅茶苦茶をやりすぎないように監視しているのが、少しだけ悩みの種だという。

 ミレニアムは依頼料と運用データを、ゲヘナ──というか風紀委員会は早期警戒網の構築に治安向上、そしてなにより人員の生活改善が出来たので、win-winの関係を続けている。

 そんな話をしながら風紀委員本部に入れば、先生とワカモが用意したお弁当を広げて昼食を取っている所であった。

 

「お疲れ様、二人とも。おにぎりとサンドウィッチあるけど、良かったら食べないか?」

 

「貰うよ先生。んー……私はこのおにぎり貰うかな。中身はなんだ?」

 

「私はハムサンドをいただきます。ふふ、先生のお料理はとても美味しいですから楽しみです」

 

 ワクワクといった様子でおにぎりを選ぶイオリと、シャキシャキレタスとハムのサンドウィッチを取りながら、チナツはチラリとヒナの方に視線を向ける。

 

「……? チナツ、どうかした?」

 

 モッキュモッキュと効果音が付きそうなくらい、幸せそうにおにぎりや卵焼きやらを食べているヒナが首をかしげる。

 いえなんでも、と笑いながら答えるチナツだが、周囲の風紀委員たちの心は一つになっていた。

 

(うちの風紀委員長、可愛すぎる!!)

 

 周囲にキラキラとエフェクトを出しながらお弁当を食べているヒナは、どこか小動物に見える。何時もは頼りになりカリスマもある彼女のその姿は、とても可愛らしい。

 アコなんて恍惚とした表情で鼻を押さえているし、そんなアコにドン引きしているワカモの姿が面白い。

 

「ふふ、ヒナに喜んでもらえて何よりだよ」

 

「何時もありがと、先生。食事がただの栄養補給じゃないって、わかった気がする」

 

 ワイワイガヤガヤ。これほどまでに穏やかで楽しい食事を経験してしまうと、味気ない栄養剤や一人での食事には耐えられないかもしれない。

 そんなヒナの不安に気が付いた先生は、安心させるように微笑んでみせた。

 

「大丈夫だよ。私やワカモだけじゃなく、ヒナには頼りになる仲間が、友達がいるでしょう?」

 

「まったく……一人でやるには限度もあるでしょうに、私達がお手伝いしてあげますわ」

 

「そうですよ、委員長! 私がお傍にいますので!」

 

「まだまだ頼りないかもしれませんが、私も頑張ります!!」

 

「そうですよ、ヒナ委員長だけに無理はさせません」

 

「「「わ、私達もお手伝いしますので!!」」」

 

 アコやイオリ、チナツに他の風紀委員の言葉を聞いたヒナは、ちょっとだけ戸惑った後、少しだけ顔を背けて小さく「ありがとう……」と返すのであった。

 勿論、そこにいた全員にその言葉は聞こえているし、彼女の顔が真っ赤になっている事も全員が気が付いていた。

 

「そう言えば、ヒナはアビドス高等学校って知ってるか? 出向くことになったんだが、情報を仕入れてなくてね」

 

「生憎、私も矯正局から出たばかりですので、新しい情報がないのですよ」

 

「ええ……ある程度は知ってるけど。かつては最大最強と呼ばれた学園よ。ただ、今は砂漠化の影響で生徒はあまり居ないわ。それにカイザーコーポレーションが砂漠で何か企んでいるらしい」

 

「ふむ……なるほど。支援物資の要請はそれに関係することかな。相変わらず企業が絡んでくるか……」

 

「ただカイザーコーポレーションについては心配しなくて良いかも。【何でも屋ハウンズ】とトラブルあってから、各地の拠点とか補給路を壊滅させられて、押されているらしい」

 

「あら、確か有名な生徒が一人居りませんでした? 異名で呼ばれていたような……」

 

「今も在籍してるはず。【暁のホルス】名前は小鳥遊ホシノ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アビドス市街地

 

「いらっしゃい……って、なんだお前か。ん? ハンドラーからの差し入れか。届けに来てくれたのか、ありがとう。後で大将と頂くとしよう。

 む、人に会いに行く途中だったか。なに? シャーレは何処にある? こちらの方角ではないが……。調べずに出てきたのか。お前らしいと言えばお前らしいが……」

 

「ん? 知り合いかい?」

 

「ああ、大将。私の仲間だ。差し入れを持ってきてくれたらしい。後で食べよう」

 

「おお、わざわざありがとうよ。お礼と言っちゃなんだが、ラーメン食べて行ってくれ。それともお昼はもう食べたかい?」

 

「まだ食べてないらしい。しかし、良いのか?」

 

「なぁに、折角差し入れ持って友達が来たんだ。ご馳走してやるよ」

 

「大将、恩に着る」

 

「すいませーん!! バイト募集のチラシ見て来たんですけど!」

 

「ん? バイトの面接か。休憩前にお願いしてもいいかい?」

 

「私でいいのなら、構わないが……」

 

「そこは信頼してるよ。バイト期間もそれなりだし、頼むよバイトリーダー!!」

 

「バイトリーダー……なんだお前まで。頑張れ……か。うん、頑張ってみよう。

 まて、ハンドラーに連絡するな。他のみんなにも教え……「あのー!」

 ああ、いま行く!! ええい、覚えていろ!!」

 

「はっはっは。あの子があんなに大きな声出すなんて、随分と仲が良いみたいだな!」

 

「待たせてすまない。まずは所属している学校と名前、教えてくれるか」

 

「はい! アビドス高等学園の黒見セリカといいます!」




根回し&ゲヘナのお助け回。次回からアビドス編に突入します。



YWH16HR-PYTHON

アーマードコア ラストレイヴンから登場したハンドレールガン。
OPで凄まじい高威力を誇り、新時代の武器か!!と思われたが……フロムお得意のOPマジックであった。その威力たるや!!なんと攻撃ヘリを一撃で落とせない程の威力である。
そう、ただのヘリコプターを一撃で落とせないのである。そしてレールガンなのに弾速が遅い。つまり産廃兵器である。とあるルートではラスボスが装備しており、ラスボスがプレイヤーに配慮したのでは、言われている。通称ハン【デ】レールガンと呼ばれている。

今作では先生がミレニアムサイエンススクールのエンジニア部に提供した模様。
なにやらインスピレーションを受けたようだが……?
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