個性〝悪役令嬢〟のヒーローアカデミア   作:匿名の悪役令嬢

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作者つ【カンペ】
「はぁ……。作者代理のレイでございます。皆様ごきげんよう。えーと? はぁ……自分でお伝えなさいな。え? ワタクシの方が皆様もお喜びになる? 当たり前のことをわざわざ言わなくても結構ですわ」

「こほん。失礼いたしました。まず、皆様には感謝の言葉を伝えさせてくださいまし。日頃よりご愛読ならびに誤字報告、そして感想等をいただき誠にありがとうございます。この場を借りて重ねて御礼申し上げます」

「そして、折角ですので皆様に一つ暴露を! この作者は皆様からの感想を一つ一つ口に出して読み上げては嬉しさに飛び跳ねている限界さんで返信をしたくとも長文過ぎて気持ち悪くない?? やっぱりやめよう……と尻込みしているだけですので!」

「それでは、今後ともワタクシと平民(へいみ)の悪役令嬢成り上がり譚をよしなに」


2 個性把握テストですわ!えっワタクシ参加資格停止ですの??

鳥のさえずりが朝から聞こえる四月。

春先でまだ寒さは残るが、陽の光が当たる場所は十分温かくなり、うっかりすると眠ってしまいそうな陽気となった。

 

レースのカーテンで光が少し遮られた部屋の中、パリッとまだノリの効いたブレザーの袖に腕を通し、スカートを履いて、姿見の前でウキウキを隠し切れず平民(へいみ)はフワリとスカートを広げながら一回転する。

 

「よ、よし……。ねぇレイちゃんどっか変な所ない?」

 

体を捻って、右、左と姿見の前で背中を確認する平民(へいみ)はレイに声をかけて確認してもらおうとした。

しかし、何度声をかけてもレイから返事が来ることはない。

 

「……まだ怒ってるの? 試験の結果、同率とは言え雄英高校ヒーロー科の主席だよ?」

 

意地っ張りで可愛い所があるな、と仕方ないと思いながら、平民(へいみ)は自室から出て、階段を下りていく。そのまま玄関前まで着くと、使用人さんが鞄を持って来きて、平民(へいみ)に渡す。その使用人に感謝の言葉を告げて、玄関を出ようとすると、後ろからドタドタといったせわしない足音が聞こえてきた。

 

平民(へいみ)、レイ! もう……少し待ちなさい」

「あれ? お母さん? どうしたの……」

 

小走りに近づいてきた痾苦嬢(あくじょう)平民(へいみ)の母である痾苦嬢真姫(まき)にキョトンとした顔で平民(へいみ)は首をかしげるが、母は何やら感極まった顔で目を見開いて、平民(へいみ)の恰好を上から下、下から上と何度も見て、そして牡丹が花開くような美しい笑顔と共に少しの涙を目じりに溜めた。

 

「とっても似合っていますよ平民(へいみ)

「……ありがとう。お母さん」

 

耳を少し赤くして、平民(へいみ)は思わず下を向きながら、母に返した。

そんな娘の微笑ましい様子に真姫は笑みを深める。

 

平民(へいみ)。レイは?」

「あっ……え、と……入試の結果がそのまだ……」

「ふふ……負けず嫌いで一生懸命な所は二人とも一緒ですね。……レイ。お願い顔を見せて頂戴」

 

そう真姫が平民(へいみ)に言うと、薔薇の匂いが吹き上がり、真姫の前で平民(へいみ)の出で立ちが変わっていく。

服装は雄英高校ヒーロー科の服のままだったが、その髪型、髪色は短めの黒髪である平民(へいみ)とは全く違う腰まで伸び、巻かれた金髪に変化していた。

 

「……」

「ふふ」

 

気まずげな表情をするレイに真姫はまた一つ笑みを浮かべると、そのまま優雅な足取りで自然にレイと平民(へいみ)を抱きしめた。

 

「えぇ、レイ。貴女もとても良く似合っていますね。まるで貴女のためにあるみたい。……レイ、わざわざ言葉にしなくともコレは貴女が一番よく理解してるでしょう。ですが、私は貴女()()の母ですから、きちんと口にいたしましょう」

 

そこまで言い切ると真姫は一度息を吸って、真剣な眼差しでレイの目を見つめてから顔をほころばせ、言葉を続けた。

 

()()()、頑張りなさい」

「ッ! ……えぇえぇ! もちろんですわ! 平民(へいみ)が使えないことなぞワタクシが最も理解しています。それでも仕方がないのでワタクシが平民(へいみ)を助けて差し上げますわお母様! さぁ平民(へいみ)何をしてますの早く行かないと遅刻しますわよ!」

 

僅かに赤く染まった耳元を隠すように平民(へいみ)をまくし立て、レイは慌てて玄関を潜ろうとする。

そんな娘たちの微笑ましい言動に母は笑顔を更に深めながら、口元に手をあてて、ふふふと笑いをこぼしていた。

 

「それではお母様、行ってまいりますわ!」

「い、行ってきます! お母さん」

「えぇ……行ってらっしゃい」

 

────────

母とのやり取りや新学期初めの影響で少し交通機関の乱れが生じてしまい、始業時間ギリギリに平民(へいみ)たちは学校にたどり着いた。入学実技試験の時と同じように広い校内の道を今度は足早に駆けていく。

下駄箱にまで着くと、平民(へいみ)はスマートフォンを取り出し、事前に学校側から推奨されていた学内の地図アプリを起動して自分の教室へと歩みを進める。

 

「……結構遠いですね。入試の市街地演習場とかそもそも敷地面積で分かっていたけど、学内もこんなに広いし高いんですね……間に合うかな?」

〝確かに。ここまで〝個性〟のバリアフリーが徹底されているのは娯楽施設でも稀有ですわね〟

「ねー。すごいよね。て……あ、あったここだ1年Aぐ、み??」

 

合格通知と同時にメールで届いたクラス分けに従い、何とか遅れまいと平民(へいみ)はA組前にまで辿り着く。

すると、前方では入試の時にレイが見かけた鳥の巣ような男子とその背後には芋虫……いや、寝袋に包まれている何かがあった。

 

「……」

〝………〟

〝ね、ねぇレイちゃんアレ〟

〝黙りなさい平民(へいみ)。目を合わせてはいけません。体が上下してますし、生きてはいるのでしょう。気にせず早く教室に入って扉を閉めておきなさい〟

 

なんとか遅刻せず、何事もなく教室まで辿り着いたが、前の扉が他の生徒に塞がれていたため、後ろの扉を開けるて教室に入る。扉を開けると、もうほとんどの生徒が通学して席についており、席は1つか2つ程度しか空いていなかった。

平民(へいみ)は教室に一歩踏み入り、周囲を見渡すと、前の黒板に座席表が貼られているのが目に付く。

 

扉を開けたと同時に向けられた多数の目に一瞬ビクッとそながらも、そのまま黒板の方へと行こうとした直後ガタッという机と椅子が揺れる音がして、すぐにすっかり聞き慣れてしまった人物の声が耳に届いてきた。

 

「まぁ! 痾苦嬢さんではありませんか!」

 

隠し切れない背中の後光を惜しげもなく放出し、プリプリという楽し気な効果音を背負った一人の女子。いわゆる同じ中学校、同中の純正培養型お嬢様である八百万(やおよろず)(もも)がそれはそれは嬉しそうに平民(へいみ)の方へと歩みを進めていた。

 

八百万は平民(へいみ)の前にたどり着くと、徐に平民(へいみ)の手を取り、胸元ほどまでにあげると更に顔を近づけて話し出す。

 

「合格なさったのは中学校でもお聞きしていましたが、まさか、まさかまた同じクラスになれるだなんて! 私思いもしませんでしたわ!」

「あ、お……おはようございます八百万さん……はい、また同じクラスですね……不束者ですが今年度もよろしくおねがいします」

「えぇえぇ! もちろんですわ! あっ! すみません私ったら毎回こんな事ばかりで痾苦嬢さんには恥ずかしい所ばかりをお見せしてしまってますわね……」

「いえ、我々の業界ではご褒美です」

「え? なんですの?」

「あ、イエな、なんでもないヨー?」

「ふふ。痾苦嬢さんの席は私の後ろですわ。また仲良くしていただけたらこちらこそ嬉しいですわ」

 

平民(へいみ)と八百万がなんとも微笑ましいやり取りをしていると、前の方の席からは机の上に足をのせたヤンチーと生真面目そうで委員長じみた眼鏡を付けた男子生徒が言い合いをしていた。

もっとも八百万と平民(へいみ)は「よろしくお願いします」と「こちらこそ」というのを手を繋げたままずっと上下に振り続けていて他の生徒の様子に気づいていないようだった。

 

しかし、暫くすると低い男性の声が聞こえてきて思わず八百万も振っていた手を止めて前の方に目線が移る。なにやら前方にいた三人組にその人物は話していたようでモゾモゾと布の擦れる音がしてから、一人、長身で全身くたびれた男性が教室に入ってくる。

 

「担任の相澤(あいざわ)消太(しょうた)だよろしくね」

 

そう、髪も髭も伸ばしクタクタでヨレヨレといった風貌の男がいうとクラス一同困惑したようでザワザワと驚きの声が漏れ出て騒然としだす。

 

「うわっ! 貴方前方にいた不審物ではありませんの! 担任の先生でしたの!? なぜ??」

 

驚きのあまりレイが平民(へいみ)の口からクラスメイトが皆思っているだろうことを声に出してしまう。

しかし、そう言われた担任の相澤は平民(へいみ)たちの方へと視線を向け、少し黙ってから気にせずに自身が入っていた寝袋に手を突っ込み衣服─―雄英高校の運動服(ジャージ)――を取り出し、教室にいる生徒たち向け話し出す。

 

「早速だがこれを着て、グラウンドに出ろ」

「「「「「「え?」」」」」」

〝あぁ…なるほど。コレ、今年もやりますのねこの方〟

 

平民(へいみ)も含め多くの生徒が困惑した様子で担任の指示を聞くが、レイだは何か心当たりがあったようで納得するように一つ頷いていた。

担任に促されるまま1年A組の生徒たちは疑問と困惑を残したまま、着替えて足早にグラウンドの方へと向かっていく。

 

〝ね、ねぇレイちゃん。何するのか知ってるんでしょ?〟

〝……えぇ。知ってますわよ。でもすぐに分かりますから早くグラウンドに行きなさいな〟

〝……分かった〟

──――――――

 

グラウンドに着くと、すでに男子生徒は全員着替え終わって女子生徒たちを待っていた。

全員がそろうと相澤は一回見まわして揃っているか確認してから話始める。

 

「これから君たちには個性把握テストを受けてもらう」

「「「「「「個性把握テスト?」」」」」」

「入学式は? ガイダンスは?」

 

字面だけでなんとなく何をしたいのか把握はできるが、具体的にどうするのかは分からず、一人の女子生徒が悲鳴を上げるように疑問を飛ばす。まだ入学式もガイダンスも終えていない中いきなり行う、という出来事に生徒たちの困惑は一層深まるのは当然だろう。

……もっとも一人を除いてだが。

 

「……先ほどからウェッジウッドの香りがいたしますけど私、風邪でもひいて鼻がおかしくなってるのかしら?」

 

しかし、相澤は淡々と現実を突きつけるように生徒たちへと言葉を返す。

 

「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよー。雄英は自由な校風が売り文句。ほらお前らアレ見ろ」

 

そう相澤が促すように指を指し示した方を見ると、どこから出現させたのかアンティーク調の椅子に座った痾苦嬢平民(へいみ)が波打つような形で金と赤で装飾されたティーカップを使い皮肉なほど優雅な恰好で紅茶をキメていた。

 

「な、なにをしてますの!? 痾苦嬢さん!」

「? 紅茶を飲んでいますわ」

 

驚いた八百万の様子やクラスメイトのそうじゃない、という心の声を気にすることなくレイは、スゥと音を立てることなく、伏し目に摘まむようにカップを持って紅茶を飲む。

一口飲んだところで、あぁと気づいたようにレイは手で持っていたカップを置こうとすると、今度は繊細なレースのテーブルクロスが掛かったテーブルが出現し、そのテーブルの上のソーサに音を立てることなくカップを置く。

 

そして左手を上に向けて握るような動作をすると、その手には八百万には見慣れたレイの愛用する扇子が出現した。

 

「ワタクシとしたことが気が回りませんでしたわ。今、皆様の分も用意いたしますね」

「「「「「「いや、そうじゃない!!!」」」」」」

 

扇子を振って、新しく4脚ほどテーブルを出現させ、端に人数分のティーカップとテーブルの真ん中には熱い紅茶の入ったティーコージーに包まれたティーポットが出現する。

その様子を見て相澤はため息をつき、ほかの生徒たちは突っ込みを入れるが、八百万だけは何か閃いたようにレイへと質問を投げかける。

 

「あの、もしやレイさんですの?」

「? 何をいってますの百。ワタクシ以外誰に見えると?」

「あ、いえ……その言葉遣いで薄々気づいておりましたが、その……お姿が平民(へいみ)さんと同じだったので……」

「ん? あぁ。そういえば百は見てませんでしたわね。別に出で立ちを変えずともワタクシが表に出ることはできますわよ」

「まぁ……そうだったんですのね」

 

ガヤガヤと生徒たちが今のレイの行動に驚き、話が脱線してしまいそうになると、相澤が一言「そろそろ話を戻すぞ」と言って生徒たちの意識は少しレイと紅茶の匂いに釣られながらもしっかりと相澤の方を向いて話を聞く姿勢になっていた。

もちろんレイも座りながら、紅茶をしばきながら、という前提はつくがしっかりと相澤の話を聞いている。

 

「雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは、先生側もまたしかり」

 

レイの行動を見てから自由な校風、ということに生徒たちはビクビクと何をさせられるのか固唾をのんで相澤の話を聞き続ける。

 

「お前たちも中学の頃からやってるだろ? 個性使用禁止の体力テスト。あぁ、実技試験のトップは爆豪と……痾苦嬢、お前たちだったな」

「あ゛?」

「へぇ?」

 

画一的な平均を求めて怠慢のように行われてきた個性使用禁止の体力テストを、〝個性〟使用ありで行おうと相澤はしているようで、まずはデモンストレーションとして生徒の中から実技試験でトップだった()()を指名した。

爆豪と呼ばれた人物とレイはお互いにプライドが高いようで同率のトップという茶番に二人して目線を合わせガンを飛ばしあっていた。

 

〝ほら見てレイちゃん! やっぱ実技試験の時に会場同じだった爆発の怖い人だよ!〟

〝あらまぁ偶然ですわね。ふふ……同じクラスになったからには格の違いをしっかりと教育しなくてはなりませんわね〟

〝なんでそんな物騒なことを言うの!? この体は私の体でもあるんだよ! それにティーセットも! もう遅いかもだけど早く! 早く消してってば!〟

〝あら? 証拠隠滅ですの? 平民(へいみ)もなかなかやりますわね〟

〝ちがうからぁ!!〟

 

と半分涙目の平民(へいみ)を内心レイがおちょくりつつ、爆豪とガンを飛ばしあっていると、相澤から次の指示が飛んでくる。

 

「あぁ、爆豪でいいか。中学の時ソフトボール投げ何メートルだった?」

「67メートル」

「んじゃあ、〝個性〟を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい、早よ」

 

そういいながら、相澤は爆豪にソフトボールを投げし、受け取った爆豪はそのまま円の中心に進んでいく。

ちなみに、ソフトボール投げの平均はどうしても異形型の〝個性〟を持つ子どもがいることから、超常以前の年々右肩下がりの平均値からは一転、年々右肩上がりになっている。とはいえ前年度の男子中学3年生の平均は40メートルほどなので、爆豪の元の身体能力が既に高いことは間違いないだろう。

 

「思いっ切りな」

「んじゃまぁ……」

 

爆豪は円の中心にたどり着くと、少しボールの形を確かめるように掌で回して遊び、腕を十字にして伸ばす。そして流れるように腕をほどき、体幹によってピクリとも動かないきれいな片足立ちの投球フォームになり、そして踏み込んでボールを投げる。

 

「死ねぇッ!!!」

 

(巧い。言動から粗雑さばかりに目が行きますが、根は繊細、いえみみっちぃですわねあの男。しかし、あれだけできるのなら驕るのも少しは理解できますわね……)

 

思ってもみなかった〝個性〟の巧みな使い方に本心からそうレイは爆豪を称賛した。

 

〝はぇ……見た? レイちゃん〟

〝えぇ、見ましたわ。言動に似合わず随分と細かな調整が得意ですわねあの方〟

〝んね。そもそも投球フォームも揺らぎがなくて身体をしっかりと作ってきてるのが傍からみても理解できるし、それにあの〝個性〟の使い方凄いね。ボールを投げる瞬間に人差し指と中指を起点にせっかく回転を付けたボールの回転を殺さないように爆発の威力を微調整しつつ推進力として追加して一回。さらにボールが掌から離れた瞬間に筒状に手を窄めてさらにもう一回〝個性〟を使って爆風で押し出す形で球威に爆風をのせるなんて〟

 

爆豪の自然体でありながら細かな調整を利かせた〝個性〟の使用につい平民(へいみ)も見とれ、レイに話しかける。

2人でその使い方や身体の動かし方などを評価していると、担任の声が耳に聞こえてくる。

 

「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

生徒たちにこのテストのやる意義をしっかりと伝えるという教員としても優秀なところを感じさせつつ、相澤は今の爆豪のソフトボール投げの結果を生徒たちに見せる。

すると、生徒たちからは爆豪を称賛する声とともに、面白そう、というような楽観的な歓声があがる。

 

「面白そう、か……。ヒーローになるため3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?」

 

ピリッと重苦しい念のこもった声にすぐにその歓声はやみ、生徒たちはゴクリと相澤の言葉を待ち、さすがのレイもゴクリと紅茶を一口飲んだ。

 

「よしっ。8種目トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう」

「「「「「「「はあ!??」」」」」」

 

生徒の声を無視して、ニタリと吊り上げたままの悪人顔で髪をかき上げながら相澤は生徒たちに宣言と祝辞を述べる。

 

「生徒の如何は先生(おれたち)の自由。ようこそ! これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

 

相澤の突然の宣言におののき、絶句といった感じの生徒たちだったが、一人の茶髪の少女が果敢にも相澤へと入学初日に除籍処分という理不尽な措置に対しもっともな意見を言う。

しかし、相澤もまた、それに対し一つ納得のできる返答をした。

 

というのも自然災害やら身勝手な(ヴィラン)やらそういった理不尽(ピンチ)を覆すものこそヒーローであり、雄英高校は生徒を正しくヒーローへとするために3年間全力で苦難を与え続ける、という話だった。

 

「さらに向こうへ、Plus Ultraさ。全力で乗り越えて来い」

 

悪辣とした顔にわざと不信感を抱かせるような話し方をしても、生徒に乗り越えて来いといい、挑発気味に人差し指をクイクイッと曲げているその表情にあったのは、言葉にするなら期待というものだったと思う。

それを見て、そして聞いた生徒たちは皆、手を握ったりと気合を入れなおしたようだった。

 

「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」

 

──――――――

 

第1種目目は50メートル走で、レイが自分たちの番に近づくとこれまで座っていた椅子やテーブル、さらには結局使われなかったほかのティーセットをまとめて扇子で一振りすると消し去った。

レイたちの番、出席番号は名前順でいくなら最初の方になるはずがなぜかクラスで一番後ろの21番であった。そのため、番号順にペアで測っている50メートル走は一人で走ることになる。

 

他の生徒たちの記録や〝個性〟の使い方を見ながら、自分の番になったため、レーンに着こうとすると、相澤から声を掛けられる。

 

「あぁ、痾苦嬢。いや、今はレイか? お前たちの〝個性〟は見た。でもなぁ、自分の〝個性〟に振り回されるだけじゃヒーローにはなれない。今回は痾苦嬢。お前がやれ」

「なっ!」

「お前たち2人での行動が強みなのも理解してる。でも、校長のビデオレター見ただろ? あれを見てもなんも思わなかったなら好きにしろ」

「………ワタクシが一番理解してますわ」

「あっ、え? レイちゃん?」

「早よ早よ。合理的に行動しろ」

 

いきなり身体の制御権をレイから突き返され、びっくりしながらレイに声をかけようとするが、担任からの催促に今は集中しなくては、と思いスターティングポーズを平民(へいみ)は取る。

 

〝(あれ? もしやこれは除籍にしてもらって他の科に転属する一大チャンスなのでは?)〟

〝と、おバカな平民(へいみ)は考えているでしょうけど、あらあら今朝のお母様の愛らしい笑顔をもうお忘れになったのかしら〟

 

ポーズを取りながら、あれ? 自分は流されてここまで来たが、もともとはサポート科の志望では? とレイからの話題転換から抜け出し、気づいた。

しかし、それを見込んだレイがちゃっかり、幽体のように平民(へいみ)の周りで今朝の牡丹が花開くような心底嬉しそうな笑顔の絵画を見せつけ、チラチラ、チクチクと心に訴えかけてくる。

 

〝……がんばらさせて頂きます〟

〝ふふ……よろしい。とはいえ全員の〝個性〟を確認しましたけど、この種目に関しては特に心配いりませんわよ。貴女もともと体のつくりも頑丈で運動得意でしょうに〟

 

位置(イチ)ニツイテ、ヨーイ」

 

平民(へいみ)とレイが話していると、計測している機械の声が聞こえてきて、二人は話を中断する。

そして、ドンという号令が響き、平民(へいみ)は前へと踏み込んだ。

 

スターティングブロックがあるおかげで元々前傾姿勢になっているため、倒れるように重心をさらに前へ前へと移動させる。通常であれば普通に前へと倒れるだけだが、そこは悪役令嬢。人前でこけるそんな令嬢がいて良いはずがないため、姿勢をキープするための筋力が与えられる。

あとは、その重心を保ち、体のながらに添って足を自然に前へと進める。

 

もっとも、前に進む脚力も普段の何倍ともなっており、地面を少しばかり陥没させ、文字通り結果だけでなく現実にも足跡を残すこととなる。

 

「3(ビョウ)65」

 

そう機会が宣言すると、「オォ!」という歓声とそれに交じって「クソッ」というような声が聞こえてくる。

 

〝初速と器物破損は相変わらずちょっと問題だよね……レイちゃんはどうやってるの? 私よりも全然力入れ跳ぶのに地面とか陥没しないよね〟

〝? 女性が羽のように軽いのは世界の道理ですわ〟

〝でた……そういう観念というか概念的な使い方……〟

〝とは言っても、ワタクシは悪役令嬢。悪役令嬢ぽいことならなんでもできる。しっかりとそのような〝個性〟として個性届にも明記されているではありませんの〟

 

そこからの個性把握テストは握力の科目で100㎏を記録して周囲をどよめかせたが、それ以外は特に外見的変化もなくただの超パワーのような〝個性〟として周囲が受け入れ始め、特に反応はなかった。

 

順調に進み、ついに第5種目のソフトボール投げとなった。

平民(へいみ)の番は最後であるため、その間に他の人の〝個性〟の使い方を見てなにか参考にできないか、と熟考していた。

 

(あ、あの子は……)

〝あら? あの方はまだ一度も個性を使っていませんわね? それほどなにか制限があるのか限定的な使い方しかできない〝個性〟なのかしら?〟

 

そうこう考えていると緑色の髪色の生徒の番となっており、一部の生徒からは心配する声と共に気になる話が聞こえてくる。

 

〝えっ、〝個性〟が使えないんじゃなくて無いの?〟

〝……〟

 

確かに法律上〝個性〟がなくともヒーローに成ることはできるし、もちろんヒーロー科の入試に個性の有無は関係ない。

しかし、あくまでもそれらは法律上や書面の上では、という話でありどこまでいっても結局はヒーローというのは自分の命を賭して人を助ける職であるため、市民もだが何よりヒーロー自身が自分の身を守るために人とは違う〝個性〟が必要となるのだ。

 

とはいえ、戦闘向きの〝個性〟じゃなくともヒーローとなる人はいるのだから修練を積めば戦闘能力も上限があるとは言え身に着く。

しかし、今ボール投げを行おうとしている少年、緑谷(みどりや)と呼ばれた彼の体付きを注視してもある程度のトレーニングは積んでいるがここ最近から行ったであろう薄さと重心移動、歩法などを見てもそういった格闘技経験者の特徴も見えない。

 

レイと平民(へいみ)が各々、〝個性〟がない、という発言や緑谷の身体などをみて訝しんでいると、さっそく一球目を投げたが、その結果は46メートルと平凡なものとなった。

しかし、担任である相澤、いや〝個性〟の発動を制限するというこの超人社会において稀有な〝個性〟もつヒーロー、〝抹消〟ヒーロー「イレイザー・ヘッド」が〝個性〟を使用した、という事はそういう事なのだろう。

 

〝あぁ! 相澤先生、どこかで見覚えが、と思ったらメディア出演を嫌ってるアングラ系の方ですわね。以前一度だけ新聞で拝見しましたわ〟

〝じゃあ、緑谷さんは〝個性〟持ってるんだね。でも……なんで先生は〝個性〟を使ったんだろ?〟

 

レイが記憶から引っ張り出した「イレイザー・ヘッド」というヒーローの情報を平民(へいみ)に話している間に相澤はその首元に巻いた布で緑谷を拘束し、近づいて何やら話していた。

暫くすると話が終わったようで、緑谷は少し思いつめた様子でブツブツと考えをまとめる様にただ前を向いていた。

そして息をのんで、覚悟を決めた顔つきでボールを思いっきり投げ飛ばした。

 

「SMASH!!!!」

 

大きな声で彼、緑谷は自身の覚悟を示すように叫んで、そして力いっぱいにボールを投げた。そのボールは高く、そして遠くへと飛んでいく。

緑谷の投げた力はすさまじく、その投球だけで周囲に突風が吹いて、少し踏ん張らねばこけてしまいそうだった。

 

(! すごい。緑谷さんは肉体強化とか超パワーとかそういう〝個性〟だったんですね。でも〝個性〟の出力に対して本人の身体が合っていないような……。いえそうじゃない。あの使い方はシンプルだけど真似できるかも。一点集中。そっか、足とか腕とか大きな部位での意識はしたことがあったけど、指先とかだけっていう使い方はしたことないや)

 

緑谷の大番狂わせのようなヒーローらしい結果に周囲は盛り上がりを見せたが、平民(へいみ)だけは先ほどの緑谷のようにブツブツと唇だけを動かして思考をまとめており、周囲の騒ぎが耳に入ることはなく、自分の番になり、レイから大声で呼ばれるまで一切周囲のことは気づくことなく、考え続けた。

 

「ラスト。痾苦嬢」

 

相澤に呼ばれ、平民(へいみ)は円の中心に立つと、左足を軸にして、右足を限界まで左の肩に付くほど体を捻る。

そして一気にその捻りを戻す形で腕をしならせ、投げる速度を上げる。最後に〝個性〟によって強化されている身体能力を更に指先に凝縮していき、放出する。

 

(よし。体は柔らかい方だったからしなりを付けての速度をあげるのも、指先にさらに力を籠めるのも、投球した角度もいい感じ!)

 

確信して、結果を待つと、ピピッという音とともに相澤のスマートフォンに先ほどのボール投げの結果が表記された。500mと表示されたそれを平民(へいみ)に見せると、平民(へいみ)は一つうなずいて、相澤からもう一つボールを受け取る。

 

(多分投げる、ていう形じゃこれ以上はでないな……。八百万さんが万力を握力で使ったり、今のだって投石器とか使ってるのが〝個性〟を使用して円からでなければ何でもしていいならコレも認められるよね……)

 

受け取ったボールをじっと見つめてから、少し考えてから平民(へいみ)はボールを上に放った。

そして、トントンと跳ねてよくボールを見ながらクルリと回転して、回し蹴りをお見舞いした。

飛んでいくボールを傍目に平民(へいみ)は相澤の方を向くと、特に何かいう事もなく淡々とボールの行方を目で追いかけ、そしてまたピピッという機械音が聞こえると、スマートフォンを平民(へいみ)の方へと向け結果を見せた。

 

「605メートルだ。まぁ何してもいいって言ったのは俺だからな。よく考えたな痾苦嬢」

 

と、なんとお褒めの言葉、いや呆れ……。お褒めの言葉をいただけた。

 

その後の上体起こしと長座体前屈は特に〝個性〟の創意工夫させる方法も思いつかず、シンプルに身体能力を強化して上体起こしを、長座に至ってはもう本当になにもせず元々の身体の柔らかさを披露するだけになった。

 

〝全体的にあまり優雅、とは言えませんが貴女にそれを求めるのは今更でしたわね〟

〝……そんなこと言わないでよ〟

〝はぁ……にしても〝個性〟の使い方がここまで致命的だったなんて……普段はもうすこしまともにやっているでしょ? 次はもう最後の種目ですわよ? これまでの結果から最下位はありませんから心配しなくとも問題はありませんが、最後は悪役令嬢らしい方法で持久走に挑みなさい。この把握テスト、あの教員は伝えていませんがワタクシたちに自身の〝個性〟と向き合わせて、創意工夫を求めていますしね〟

〝あ……そうだよね相澤先生、そういう意図だよね……わ、わかった悪役令嬢らしく持久走してみるね! ……悪役令嬢って持久走する?????〟〟

 

レイに問いかけても「さぁ?」といったはぐらかす様な返事しか返ってこず、平民(へいみ)は一人で考え込んでいた。

そして迷走した結果、いやある意味ちゃんと令嬢とは何かを考えた結果、視界に移った八百万のバイクを見て平民(へいみ)は天啓を得てしまい、〝個性〟によって馬を出現させることに成功した。

 

なぜ〝悪役令嬢〟で馬なのか? 確かに様々なジャンルで取り上げられた悪役令嬢モノの小説には田舎に住んでいたり、階級が公爵など高位貴族の子女でもなぜか自然と戯れ泥んこになったりする作品はあるが、そういう捻った理屈ではない。

 

混乱した平民(へいみ)は単純に悪役という部分を排して、悪役であろうが令嬢であることは変わりないのなら、その移動手段は主に馬車だろう、と当たりをつけそして馬車なんてまだるっこしぃ! 御者とかどうするんだ! など変に考え詰めた結果、最良の手段、すなわち馬車の動力たる馬のみを〝個性〟を用いて顕現させることに成功した。

 

「さ、さぁ! 行きますよ! え、えっと……」

(は、速そうなんか強そうで速そうでそして速そうな名前!)

 

目をグルグルさせ、狂気じみた目つきをした平民(へいみ)はしっかりと馬を出現させることができている、そう思い込んでいる。

しかし、はたから見たら独りでにウロウロと落ち着きなく、さらにはブツブツと何かを視線の合わない目で話している平民(へいみ)の姿が見えた。

 

だが、それだけでは天下の雄英に集った個性豊かな愉快な仲間たちは臆したりはしない。

 

皆が一様に平民(へいみ)から僅かばかり距離を保ち、そして〝抹消〟ヒーローである担任の相澤がいつでも平民(へいみ)の方へと視線を向ける用意をしているのは、偏に平民(へいみ)の前に、平民(へいみ)が馬だと認識している物体が周囲からみたら、馬のような形状をしたまっさらな発光物に見えているからである。

 

「決めました! アナタの名前は〝クサントス〟です! よろしくお願いしますクサントス」

 

そう平民(へいみ)が宣言すると、周囲から見たその発光物は光が内側へと集約していき、次第にその馬の全容が伺えるようになった。

 

白を基調とした毛並みにたてがみは金。そして何よりも目に付くのは見ただけでもわかる引き締まる筋肉の重圧。ギチと力強くありがなら、上質な筋肉特有の柔らかさとそして適度な脂肪が織り込まれた最上の、正に竜馬(りゅうめ)という駿馬の手本のような馬がそこにはいた。

 

そこからは特に面白みもなく、ハイな状態な平民(へいみ)が鐙も鞍もそれこそ手綱すらもなかったが、クサントスと名付けられた白馬は幸い賢く、前足を折って平民(へいみ)が乗りやすいように跪き、そして平民(へいみ)がしっかりと自身の体を抱きしめているのを確認して落ちない程度の全速力で走り、持久走を1分という好タイムでクリアした。

 

最後の種目も終わると、相澤は生徒を全員集めた。

 

「んじゃパパッと結果発表だ。口頭では非合理的なので一括開示する。……ちなみに除籍はウソな。君らの全力を引き出す合理的虚偽」

 

そして、ポソッとなんてこともないように生徒たちに合理的虚偽、と言い放った。

多くの生徒が唖然としていたが特に最下位であった緑谷の反応は茫然自失といった感じで口も目もまろびでそうなほど開いていた。

 

〝2位ですの? まぁ、平民(へいみ)だけにしてはよくやりましたね〟

〝えっ? あぁ……良かったてっきり怒られるかと……〟

〝まぁ、言いたいことはそれなりにありますけど、最後の最後に貴女も〝個性〟によって悪役令嬢関連物の表出に成功致しましたしよしとしましましたわ。〟

〝ねぇ、たまに私がよく把握できてない〝個性〟に関する用語を言ってるけど、それなに? ルルブあるなら共有してよ……〟

〝フッ、ありませんわ! 強いて言うなら個性届ですわよ。いつも言っているでしょう。ワタクシたちは悪役令嬢らしいことなら何でもできますわ〟

〝そんな無茶苦茶な……〟

〝〝個性〟に不可能はありませんわ。それは転じてワタクシに、そしてワタクシたちに不可能はないということですわ〟

 

個性把握テストは恙なく終わり、最下位の除籍処分も合理的虚偽であったことが分かり、平民(へいみ)とレイは自分たちの結果を見て、さっそく反省会を行っていた間に相澤の話も終わったようで、解散の運びとなった。

 

〝あぁ、そうですわ最後に言いたいことがあるので変わりなさい平民(へいみ)

〝え? うん〟

 

皆が解散し、更衣室に向かう中、平民(へいみ)だけがポツンと動かずに留まっていた。

それを不思議におもったクラスメイトの一人が平民(へいみ)に声をかけようとした瞬間、摘みたての花の瑞々しく華々しい匂いが香ってきて、思わず歩みを止める。

 

「お待ちになってくださいな相澤先生!」

「んあ? なんだあく……ッ!? おま、レイの方か」

「えぇ。その通りですわ。平民(へいみ)もですけどワタクシも表に出ることがあり、学校側はワタクシも一生徒として扱ってくださるのでしょ? なので、担任の先生にご挨拶ですわ」

 

全身紅いドレスを身にまとい、巻かれた金髪、そして理想的なプロポーションを惜しげもなく出したレイが扇子を広げ、楽し気に上げた口元を少し隠しながら担任となる相澤に挨拶をする。

 

相澤も映像では確認していたが、実際にみるとより強烈な印象を焼き付けられるレイの出で立ちに思わず言葉を詰まらせてしまうが、なんとか返答することができた。

酸いも甘いも歳の数、いやヒーローという過酷な職ゆえに人よりも多く経験してきた大人だからこそすぐさま繕うことができたのだ。

 

「それと、随分と便利な言葉ですわね合理的虚偽だなんて。ふふ……まぁ噓ではありませんわね虚偽は虚偽でしたものね? ワタクシたちも先輩方のように相澤先生のお手を煩わせないように十分気を付けますわね」

 

言いたいことはそれだけ、といいレイは相澤の反応を見る間もなく平民(へいみ)と変わった。

一連のやり取りでまた唖然としてまう相澤だったが、平謝りしてくる平民(へいみ)にその毒気も抜けてしまい、そのまま平民(へいみ)と一言二言はなしてから立ち去ってしまう。

 

平民(へいみ)も振り返って更衣室に行こうと思ったが、後ろには目を見開いて平民(へいみ)を見て固まっている少女を見て、なんとか記憶から名前を引っ張り出す。

 

「あ、えっと麗日(うららか)さん? どうかしましたか?」

「ッえ! あ、いや今、え? なんか凄いお嬢様おらんかった!?」

「さ、さぁ……」

「さぁ、って事はないやろ!」

 

先ほどのレイのように「さぁ」の一言を貫き平民(へいみ)は更衣室へと足を更に速めていった。




痾苦嬢平民の合否通知より

やぁ! こんにちわ私が投影されたのさ!
オールマイトかと思ったかい? 残念私なのさ!
さて、早速だが痾苦嬢平民さんの合否の結果のお知らせするね!

〝個性〟の関係上、別途行われた筆記試験は満点だよ!
制作は全面的に私が行ったのさ! すごいねこれ難関ヒーロー大学の入試並みにしたけど、びっくりだ。

え? 話が長い……。

こほん。じゃあ結論から言おうか。
痾苦嬢平民さん。そしてレイさん。君たちはもちろん合格なのさ!
じゃあ、実技試験の点数だね。

実は実技試験の得点には公表していた撃破ポイントと、レスキューポイントがあったのさ。後者は採点方式でね、私たち教員は実技試験において受験生たちの行動を確認していたのさ。
君たちの撃破ポイントは48ポイント。そしてレスキューポイントは29ポイント。合計77ポイントで実技同率で主席合格さ!

おや? 大型仮想(ヴィラン)を倒したのに納得いかない、ていう顔だねレイさん。
ハハハ! 私たちはね、君だけでなく、そして平民(へいみ)さんだけでもない。君たち二人が最高のヒーローになる姿が見たいんだ。

だから、おいで二人とも。
ここが君の。君たちのヒーローアカデミアだよ。
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