バレンタインイベントの前に書いた物なのでイベントのときとチョコの内容が異なっています。
バレンタインだ。今日は各学園のイベントに呼ばれたり、生徒に呼ばれたりといつもよりさらに忙しい日だった。シャーレに帰ってきてシャワーを浴び終わり、時計を見るともう10時をすぎていた。それなのに机の上には山のように書類が積み重なっている。昨日は珍しく日を跨ぐ前に終わったが、今日は徹夜コースになるかもしれない。そう考えていると、シャーレ執務室のドアが前触れもなく勢いよく開けられた。
???「ハーッハッハッハ!こんな時間なのに、まだ仕事が終わらないのか?先生。」
"うわっ!びっくりした。なんだ、カスミか。"
彼女、鬼怒川カスミはゲヘナの温泉開発部というロマンを求めて温泉を堀り、開発する部活の部長だ。
温泉開発と言うと聞こえはいいが、彼女らのやってることは温泉開発と称して至る所を爆発、破壊たまに建築をやっている。そのため風紀委員に目をつけられており、特段彼女は高い知能と扇動力、人を利用する狡猾さを日頃から遺憾なく発揮してそこらじゅうを開発(爆発)しているため、テロリスト認定されている。
そろそろ温泉開発部ではなく、破壊活動部に改名した方がいいんじゃないかと思っている。
それに、毎度の如く扉を勢いよく開けないでもらいたい。ココ最近毎日そんな感じだから、そろそろ扉が壊れるかもしれない。
"こんな時間にどうしたの?ごめんだけど、仕事が溜まってるから今日は会議はできないよ。悪いね。"
カスミ「ハーッハッハッハ。安心してくれ。今日はそれをしに来たんじゃあない。今日はバレンタイン。相手に思いを伝える大切な日だ。こんな日に先生を更に困らせる訳にはいかないからな。」
"困らせてる自覚はあったんだね。"
カスミ「ハーッハッハッハ!先生、今日はバレンタインだ。ということで、これを受け取ってくれ。」
"チョコ、大きな箱だね?"
カスミ「ああ、そうだ。ん?どうしたんだ?もしかして疑っているのか?そう警戒するな。さすがにこの私でも、先生にプレゼント称してと偽装したC4爆弾を渡したりはしないぞ?」
"そういうことではなくてだね。"
カスミ「んん?あ、そういうことか。そのチョコはいわゆる友チョコと言うやつだ。本来は学業を共にする仲間や職場の仲間などに送るものだが、先生にと私の仲でで義理チョコというのも、いささかよろしく無いのでは無いのかと思ってね。」
"そうなんだ。嬉しいよ。ありがとう。"
カスミ「ハーッハッハッハ!気にするな。ついこの先日も一緒に温泉開発ポイントを吟味してくれただろ?これは日頃のお礼というものだ。」
"カスミがお礼だなんて、明日は空から温泉が降ってくるかもしれないね。"
カスミ「ハーッハッハッハ!先生も面白い冗談を言えるようになったじゃあないか。だが、その温泉を降らせているのは今日の私かもしれないぞ?」
"確かに、午前1時時を25時とも言ったりするからね。ふふっ。まだまだカスミには勝てそうにないよ。"
カスミ「ハーッハッハッハ。そう言って貰えると嬉しいよ。やはり、先生と話すのは温泉開発をしてる時のように素晴らしいものだな。」
"それなら、シャーレに来てずっとそばに居てくれるかい?カスミがいてくれると私としても嬉しいよ。"
カスミ「ん?それは私を口説いているのか?面白い冗談じゃあないか。まだ、遠慮しておくよ。まだ私にはやるべきことが沢山あるんだ。」
"そっか、残念だよ。問題児を1人実質軟禁状態にできたのに"
カスミ「ハーッハッハッハ!やはりそういう魂胆だったのか。先生、とても面白いぞ!」
カスミ「それにしても。あの先生がこういうことを言うようになったとはなぁ、信じられないものだ。初めて出会った時はもっと気難しい人かと思っていたのだが、一体どこの問題児に絆されたのだろうなぁ?」
"私は君のことが好きだからね。好きな人の影響というのは受けやすいものなんだよ。"
カスミ「ハーッハッハッハ。そういうものなのか?しかし先生、もうそろそろこの話は終わりにした方がいいんじゃないか?でないと終わるものも終わらないぞ?」
"あっ、もう11時か。さすがにまずいね。手伝ってくれるかい?"
カスミ「あぁ。もちろんだ。任せてくれ!手早く終わらせて温泉にでも行こうじゃないか!ハーッハッハッハ!」
"そういえば、このチョコって友チョコだよね?"
カスミ「ん?どうしたんだ?まだ危険物だと疑っているのか?」
"そういう訳じゃないんだけど、チョコを渡す前、少し耳が赤かったのが、今では一目で分かるくらい赤くなってるからね。"
カスミ「外は寒かったからな、きっとそのせいじゃないのか?まさか、このチョコが本命だと思っているのか?先生も案外ウブなのだな。ハーッハッハッハ!」
"そうかもね。でも、耳はさらに赤くなったし、しっぽもいつもよりうごいてる。まるでソワソワしてるかのようにね。それに、いつもよりほんの少し早口になっているし、さっきもあからさまに話題を変えたよね?いつもならもう少しこっちが困るくらい伸ばすのに、、"
"これって本当に友チョコ?"
カスミ「先生。そういうものはわかってても口に出さないものなんじゃないのか?∕∕」
"ふふっ、そうだね。友チョコ。ありがたく受けとっておくよ。"
カスミ「ああ。そうしてくれ。さぁ、仕事を終わらせようじゃあないか!ハーッハッハッハ」
~1時間後~
"カスミのおかげで早く終わったよ。ありがとう。"
カスミ「ハーッハッハッハ。なぁに、気にする事はない。こういうのもたまにはいいものだな。」
"それなら、いつも手伝って欲しいんだけど?"
カスミ「ん?心外だな。いつも少し、は手伝ってくいるだろう?それに、たまに手伝うからこそいいのだよ。ハーッハッハッハ。」
"そういうことにしておくよ。"
カスミ「ああ、ありがとう。済まないな。」
カスミ「ところで先生。一緒に温泉なんてどうだ?きっと仕事のあとの温泉は格別だぞ?」
"たしかにいいね。けど、一緒はカスミが高校を卒業してからの楽しみにしておくよ。"
カスミ「ああ、先生。私の言ったのは一緒に温泉に入ろうという意味ではなかったのだが、先生が共に入りたいというのであれば、、
私は今からでもいいぞ?それとも、さらに過激なことを望んでいたのか?(耳打ち)」
"なっ!?"
カスミ「ハーッハッハッハ。冗談だよ。先生。ではまた会う日まで。」
"その時が面会じゃないことを祈ってるよ"
カスミ「ハーッハッハッハ。何を言ってるんだ?私が捕まるわけないだろう?もし捕まっても逃げてみせるさ。ハーッハッハッハ。」
"(風紀委員はまだまだ大変そうだ。)"
"じゃあね、カスミ。また会う日まで。"
カスミ「あぁ、先生。さようならだ。ハーッハッハッハ。」
カスミはいつもの高笑いをしながら執務室の外に向かっていた。カスミの姿が完全に見えなくなってからデスクに戻り、彼女から貰った可愛く包まれた箱を開けると、彼女のヘイローの形をした温泉マークのチョコがあった。温泉の風味でもするのかと思ったが、程よい甘さと苦さでとても食べやすいミルクチョコだった。なかなかの大きさだったので食べきず、明日の朝食べることにした。
朝のコーヒーは昨日カスミのせいなのか、はたまた残りのチョコのせいなのか、ブラックコーヒーがいつもより甘く感じた。
"お返しは何が喜ぶかな。"
その後カスミと本当に面会室で出会うことになったのは、また別のお話。
カスミってかっこかわいくてめちゃくそに好きなんですよね。顔とか声とか仕草とか性格とか。あの含みを持たせるような、こちらを試すような感じもいいし、無邪気に笑ってる姿もいい。嘘かほんとかわからない、だからこそそこにカスミの魅力があって僕は惹きつけられます。でもおそらくあの子のことなので、先生に向けた発言の大抵のことは本心なんでしょうね。キズナストーリーのネタバレがわずかに含まれますが、カスミは先生に私は演技をしていると、告白したあたりから先生のことを前よりも信用しているような気がしてます。いや、信頼してるもしくは頼りになると踏んであの発言をしていると思います。はたまたそれすらも何かしらの戦略かも知れませんが。でも、あの子は調子に乗りやすく、化けの皮が剥がれやすいという欠点を持っています。ということはおそらくですが、天真爛漫で大胆な性格もまた、彼女の本質なのかも知れません