そして、母は姉は大嫌いでよく悪口や嫌がらせされていたが弟の吹雪は愛してくれた。父親もそれに影響してか姉の見る目はとても冷たかった。しかし、父親は代々からの弓道の家系であったため、弓の武芸は姉弟一緒に教えてくれた。
弟の吹雪は幼きながらも姉の現状を肌で感じ、何度も助けようとしたが姉はそれを拒否した。
「こっちに来るな! お前なんか死でしまえ!」
虐待の影響で心が歪み、愛される弟に妬みを持ってしまった姉。
「お前に私の苦しみがわかるものか! この体に、この心に、この顔に!!」
いつしか姉の心は狂いだし、姉は弟を襲う。愛も温かみもないただの悲しみの肉体経験を弟はした。
そして、次の日に母は浮気した男性と一緒に乗っていた車で、人をはねてしまってその衝動に巻き込まれて死亡。そのはねた相手が姉でその姉も死んだ。
残されたのは父親と弟。
生活は一変して変わった。浮気が原因での金銭不足が解消され、母が原因で悪い噂されていた椎名家は不幸な親子と見られていたのが、今度は被害者の家族ということで同情や好奇の目で見られる生活へ変わる。
「お、目が覚めたか。到着したぜ! 目的地に」
そんな目で見られ続けられた生活が続くある日、風間翔一と出会った。
最初は彼の取り巻く環境や人間性に嫌な人間だと思っていたが、そんな嫌な心さえも彼は吹き飛ばしてしまった。彼を通して沢山の信頼出来る仲間と出会いが、学園生活が楽しくなる日々までに発展してしていった。
「たく、お前が途中で居眠りしやがったから俺が全部持つ羽目になったじゃないか!」
全身の肉体が明らかにムキムキな男が大きな荷物類を一人で背負い込んでこっちに近づいてくる。彼の名前は島津岳人。吹雪が知る限りではかなりの筋肉質の男でかなりの豪腕。
「いやいや、荷物全部持ったらきっと女子に格好良いとか言われたいからって言って、自分で全部持っていったんだよね!?」
ツッコミと色々な情報を持ち、調べて教えてくれる師岡卓也。
「でも、ちゃんと自分の荷物ぐらいは自分で持っているから、それはある意味お前の持ち物だ」
なんだかんだで、ちゃんと色々と助けてくれて仲間想いの源忠勝。
「早く、早く!ここの屋上の夕焼け凄く綺麗だよ――!」
いつも元気で笑顔で吹雪の心も明るくする真田一子。
「なるほどな、確かにいい景色だ」
「えっ!? 百代義姉さま、もう上がってきたの!???」
世界最強の武道家と言われる武神、川神百代。
「いえ・・・あの私も・・・その・・」
「・・・いつの間にまゆっちも」
そして若くして剣豪の達人の領域を持ち、武神と同等の強さを持った黛由紀恵。
「おい、吹雪早く起きろ。みんなが先に言ってしまうぞ?」
ドイツ・リューベックからの留学生で、日本を何かと勘違いしている外国人のクリスティアーネ・フリードリヒ。
「じゃあ、僕が背負っていて歩いて行くよ?」
相手が吹雪だと特に優しい榊原小雪。
彼らは川神学園の生徒の中で出会い、いつしかかけがえのない親友となった吹雪の仲間達。
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掃除をしなければ全く機能しないこの廃ビルアパート。
さっそく、大掃除と大改造が開始される。
リーダーの風間が先頭にビルの中へ走込む。それに続く真田、島津の三名達。一方の残りの組はさらに二手に分かれて情報収集と掃除を開始する。
結果にこのメンバーで秘密基地探索が決定した。
突入組は風間、島津、真田の三名。このメンバーはいわば廃アパートの探検隊だ。どんな危険物やどんな構造になっているのかを現地調査する役で、それを掃除及び安全面の確認組のメンバーの四名に伝え、必要な物品を調べてもらう。そして、それを携帯を通して材料の買出し組が物品を買って揃えてくる作戦へと展開された。
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商店街は何でも売っているから便利な所だ。
椎名は掃除に必要な物を黛から連絡を受けて、買出しをしている。
だから、クリスや榊原が物珍しそうな顔で商品を見ていても無視をした。おそらく黛が、掃除のために『適材適所』として自分と一緒に二人を買出し係に回したんだろう。きっと秘密基地側でも黛無双が展開されて秘密基地は綺麗にされているはずだ。
黛の家はとても古風で文化的な家で、特に家事や食事に関しては剣道と同じくらいに厳しくされていたらしい。当然、それは外に出ても簡単に治るわけもなく、また不必要になるものではないので、掃除関連では黛は王様くらいだと認識した方がいいくらいだ。まぁ、本人曰く椎名達と出会うまではそんなスキルがあってもそれを活用して友達を作るという発想はなかったらしいし、知った自分達も可能な限りは『綺麗な』部屋は心がけている。大切なことだから。
椎名は過去の経緯から人に対して、少し歪んだ精神部分がある。
それは『優しさ』。自分を大切にしてくれる人に対して椎名は惚れてしまう。しかも、本人はかなり抑えているが近づけば近づくほど自身の束縛精神が生まれてしまい、本気で相手を束縛してしまうことおそれがあった。そしてその束縛度は重度化するほどの危険な性格。
風間ファミリー。
これはその自身としての束縛する愛する者たちの檻の象徴。きっかけは風間だが、それは些細なことでしかない。
でもある一つの悩みがあった。それは束縛に対する『鎖』である。
今のままでは卒業と同時に彼らは離れてしまう。
・・・過去の仲間の一人として。
それは親友とも仲間とも言えず、自分が求めるのは永遠に繋がっている『鎖』が必要。女性のみなら結婚すればいいが、男性はそうもいかない。ならばどうすれば『鎖』は繋がっていられるのか?
例えば、純粋で真面目な年下の美少女黛由紀恵。
そんな真面目な黛を椎名は少し惚れていた。もちろん友達と異性を含めて。
だが、椎名自身からは告白する気はなかった・・・というよりも出来なかった。それは、黛以外にも魅力的な女性がいて誰か一人だけを好きになることなど不可能に近いほどに美少女達が椎名の目の前にいたからだ。
「・・・これじゃ、ガクトと変わらないな」
「ん?」
クリスと榊原はキョトンとした顔で椎名を見るのだった。