真剣で世界を変えてみなさい!   作:アイン会長

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何かとてつもない違和感が体に包み込まれたことを感じた。
「これは・・・!」
その違和感に覚えがあった。以前、別の世界にて沖田が川神学園の体育館に張った結界に似ている。
「つまり、あの三人の奇襲が失敗したということか」
彼女はすぐに、イヤホンを取り出して叫んだ。
「全員よく聞け! プランBを発動する。すぐに帝様達に連絡とってアイツ等を九鬼のシェルターに入っていただくようにしろ! いいか、これは最重要命令だ!!」
しかし、内心は彼女は知っていた。この闘いは誰が決着をつけ、誰が勝利を導くのかを。
「あずみさん!!」
直江大和が彼女の前に現れた。
「大和か。すぐに英雄様の護衛に行くぞ」
「了解です」
二人は急ぎ、英雄の元へと走り出す。そんな向かう中で、直江あずみは懐から懐中時計を取り出した。
「・・・敵の狙いはアタイか。それとも」
あずみはぎゅっと時計と握るのだった。


第八話 『実行』

川神市の上空に人間が二人浮いていた。

いや、浮いているよりも空を地面のように立っているといっても過言じゃない。そして、そんな非常識なことが川神市で出来るのはあの二人しかいない。

「・・・っ! 来たな」

武神として最強と言われている川神百代。

「どうやら行方不明者達は何か改造されてしまったらしいのう・・・」

武術の総本山とも言われる川神院のトップ、川神鉄心。

二人はいち早く川神市に取り巻く結界から気付き、発動前に抜け出して発生源場所にいた。

そして、二人の読み通りそこから数名の人間が現れた。

「予想通り、川神百代と川神鉄心がこの場にいましたか」

最初に二人を見て、発言したのはマルギッテ。彼女も行方不明者の一人として誘拐されていたらしい。

「予想通りか。ならば後は手筈通りに此方達の活躍次第というわけじゃな」

その次に現れたのは不死川で、その後も次々と行方不明者達が音もなく現れる。ただし、数名ほど見たことない新顔もいるが、その者たちも行方不明者達なのだろう。

「おい、マルギッテ。これは一体どういうことか説明してくれるか?」

百代はその中で、一番話がわかりやすくて顔見知りのマルギッテに事の次第を尋ねた。

「いいでしょう。教えましょう」

マルギッテは懐から、数枚の写真を二人に見せた。その写真には、自分の仲間達の顔も入っている。

「我々はこの写真の人物達を誘拐しに来ました」

「あ”?」

百代に闘気が発現する。その意味を知っているのかとマルギッテに尋ねる意味を込めて。

「嘘は言わない。これは我々を誘拐した犯人の命令で私達はここに来たのですから」

「話にならんの」

鉄心は話を斬り、その次に彼女がぶら下げている懐中時計を破壊しようと瞬時に動いた。

だが。

「む・・・っ!」

鉄心の動きは止まり、それと同時に百代と一緒に球体の中に閉じ込めてられてしまった。

「おい、ジジイ。完全に閉じ込められたぞ、これ」

百代はこの結界を破壊する時間を見極めつつ、先ほどのマルギッテの発言を含めて鉄心に激怒した。二人にとって、この結界を破壊するのは可能だが、時間がかかることが問題だった。

時は金なり。

そのロスが命取りになることは、武道家なら一番に自覚しているからだ。

「・・・まずいかもしれん」

今のところ完全に相手のペースを握らてしまっている以上、武神や武術の総本山と言われる二人も形無しである。

「みんな・・・」

百代はこれから起こる出来事に不安を抱え、全員が無事であることを願うのだった。




仲見世通り。
彼女はとても気持ちが悪いと感じて、自宅から外に出てみた。
「な、何、あの赤い空は!?」
空が紅く染まっていた。まるで何かを包んでいるように。
「小笠原千花じゃな」
そこへ声がした。
振り向けば不死川が立っていた。
「え、不死川さん? 一体今まで・・・」
行方不明とされていた彼女が、どうしてここにいるのかを尋ねようとした小笠原だったが、不死川は瞬時に彼女の首元へ扇子を軽くトンと叩いた。
「・・・」
ドサリと倒れこむ小笠原千花。
「安心しろ。気を失わせただけじゃ」
不死川はそう言うと彼女に自身がぶら下げている時計を触らせた。
「さて、後は高みの見物と行こうかの・・・」
そう言い残して、二人は消えるのだった。
そして。
「・・・千花ちゃん」
彼女の誘拐を目撃した者は震えながら彼女の安否を気にするのだった。
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