真剣で世界を変えてみなさい!   作:アイン会長

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九鬼家に侵入者の警報が鳴る。
すぐに警備の者や従者部隊が鎮圧に向かうが全く歯が立たない。
「あははははは!!!弱い奴ばかりだな九鬼の従者は。そんなで俺を止めようというのか?」
侵入者は九鬼が所持していた方天画戟を奪い、力任せに大暴れしていた。
「・・・」
直江あずみはそれを冷静に観察。
直江大和はその時間稼ぎ役を買って侵入者の進行を食い止めていた。
「無駄だ、こんな小細工など俺には効かん!」
大和が用意した罠が次々に発動するが、侵入者の頑丈な肉体の前にほとんど決定的なダメージを与えられずに侵入を進ませていた。
「おい、葉桜清楚。お前は何のためにここに来た?」
あずみは侵入者の正体を知っていた。そのため、彼女のがなぜここに来たのかを訪ねてみた。
「んはっ!俺は仲間を助けに来たのさ!!」
「仲間?」
その言葉にすぐにピンとくるあずみは、簡単な手話で大和に伝達する。すると大和はこくりと頷いて、その場から離脱した。
「隠しても無駄だぞ? ここに俺と同じ人間がいるっていうことはあの女から聞いているからな!」
「あの女って誰だよ」
「んはっ! 俺の体を治してくれた魔繰稟だ」
「・・・なるほど」
あずみはそれだけの会話で今回の騒動理由や目的が少し見え始めた。
「(・・・だが、どちらにせよ。ここでは)」
安全、策、解決、犯人、動機など今まで全ての情報が彼女の思考に集約されつつ、それらを彼女に見えないように九鬼従者全員に連絡をとり、目の前にいる彼女の闘いの対峙する。
あずみは忍者生まれとして育てられ生きてきた人間。
彼女にとって、この程度の思考及び連絡行動は朝飯前だった。ただし、実力勝負となると彼女はヒュームや川神百代などには遠いほど弱く、この目の前にいる葉桜清楚もまたそちら側の人間。
真っ向勝負では絶対に勝てないのはわかっていた。
しかし、活路はあった・・・それは。
「(葉桜清楚・・・アタイに情報を教えすぎだ)」
彼女が、直江あずみが優秀な人間であったことである。


第九話 『それぞれの戦場』

姉達の行方不明の連絡を受け、戦闘準備を終えて早数分後。

二人は何かとてつもない違和感が体に包み込まれたことを感じた。空を見上げると空の色が変色していることに気づく。

事態は二人が考えている以上のことが起こっていた。

「これは・・・一体?」

神羅が真相を求める中、二人の前に三人の顔見知りが現れた。

天使の姉兄達である。

「亜美姉、辰姉にそれに竜兵! なんだ無事だったのかよ?」

天は二人の安否を目視したことで、安堵してほっと肩の荷を降ろす。ちなみに、竜兵が行方不明になっていることは天は知らない。だから竜兵がそこにいたとしても気には留めていないらしい。

「・・・」

だが、三人の行方不明だったことは知っている神羅は違う。

彼は自分の腕時計を握り締めて、闘う体制を整える。

「心配かけてすまなかったね天。ご覧のとおり私達は無事だよ」

亜美が三人の代表として天に話かける。

「ったくよ。一体、どこに行っていたんだよ? 師匠とかも心配していていたんだぜ?」

二人の会話の間に、三人の身体を確認する神羅。

この状況化でこんな登場してきた以上『何か』あるのは必然。何か三人が変わっていないか、まずは目で確認する。

「仕事さ。新しい仕事が入ったからそちらを優先していたのさ」

「仕事?」

新羅は変化を見つける。三人全員が変わっていた部分を。

「そう、その仕事にはどうしても天も必要なのさ。だからこうして迎えにきたんだよ」

三人の首に下げているのは懐中時計。

「・・・」

神羅はもう一度自身の腕時計を握ってみた。

「・・・っ!?」

そして、気づく。『偽物であるが同じ力を所持した武器』だということに。

「天、その仕事やる気はないかい?」

「もち――」

「お断りです。亜美さん」

天は亜美の仕事に承諾しようするしたが、それを神羅が遮りって断った。

「ん? お前には関係ない話だよ神羅」

「そうだ結城、おまえは・・・」

新羅は天を顔を自身の真正面に向かせて。

「1の能力発動!!」

彼の能力である幻術を天に発動させた。

「・・・」

幻術にかけられた天はボーとした顔でただその場で立ち尽くす。

「神羅、天に何をするつもりだい?」

亜美は彼の行動に理解出来ない中、神羅は今度は三人に自身の瞳を見せる。

「・・・!!!」

だが、すぐにパキンと木の枝を折られた音のように三人は幻術を解除してしまった。

「・・・いきなりだね神羅は」

亜美は舌を舐めずり、彼がある程度事情を把握している人間だと理解した。そして、今まで黙っていた辰と竜兵が口を開いた。

「まぁー・・・天の夫になる以上はしっかりした人間じゃないとね~」

「くくく。これでようやく闘えるわけだな」

三人の闘気に混じるオーラが禍々しい。原因は完全にあの懐中時計だろう。

「・・・俺は天使が大好きだ」

そして、彼もまた懐中時計の能力を混じえた闘気オーラで三人に迎え撃つ。

「その天使を奪うなら、例えあなた方であっても容赦はしない」

亜美は自身のぶら下げている懐中時計を神羅に見せる。

「いいね、その意気込み。調教したくなるよ」

亜美の懐中時計が光を発して五人全員を包み込む。

「っ!?」

神羅が気づいたとき、そこは全く未知の場所であった。

「さぁ・・・調教の時間だよ?」

亜美は再び舌を舐めずり、蛇で獲物を見るような目で神羅を見るのだった。




とある廃ビルの屋上。
「約束通り、小笠原千花を連れてきたぞ」
彼女を誘拐した不死川心は捕らえた小笠原千花を引き渡した。
「ありがとう感謝するわ不死川さん。それじゃ、引き続き他のターゲットの捕獲をお願い出来るかしら?」
川神市に結界を張り、この事件を引き起こした張本人である魔繰稟は小笠原を指定の場所に寝かせるように指示すると次の指令を送った。
「いえ、主よ。どうやら探す手間は省けたようです」
彼女の傍に控えていた沖田が屋上の扉をチラリと見た。
「・・・」
扉から出てきたのは、川神学園の生徒である川神一子と黛由紀恵の二名であった。
「あら? もう居場所がバレてしまったの?」
魔繰は少し驚いた表情を見せるが、不死川は扇で少し顔隠しながら言う。
「そう仕向けたのじゃ。この小笠原の近くに彼女の友人が震えながら見ていたのを感じておったからの」
どうやら小笠原を誘拐する折に、その一部始終をあえて見せて追跡させることで、敵のターゲットを引き寄せてきたように仕向けたようだ。
「不死川さん・・・」
黛が刀を抜き、厳しい眼差しで不死川を見た。
「ふふ、ちょうどいいじゃ。二人まとめて此方が捕らえてやろう!」
どんっと不死川が着物姿でありながらも人間の目では捉えられるほどの神速の速さで、黛に向って行く。
だが。
「遅いです。不死川さん」
それを真正面から横に少しだけ避け、黛は不死川が首にぶら下げている懐中時計を斬った。
「なんじゃと!???」
信じられないような結末に不死川は驚愕しつつ、同時に彼女の体から黒い気のオーラが抜け出していく。そしてドサリと倒れて気を失ってしまった。
「・・・不死川さんは脱落のようね」
魔繰はため息をつき、彼女の再起不能を認めた。
「・・・」
一方で、川神一子も別の意味で驚愕していた。
「(・・・何も見えなかった)」
何をしたのかはわかる。
不死川の初撃をあっさりと避けて、薫は剣で首にぶら下げている懐中時計を破壊したことには、だがその『動き』の速さに全く目がついて行けていない。
この瞬間、自身と黛との力量の差にかなりあることを肌で痛感した川神一子。
「・・・」
「一子さん・・?」
彼女の感情が少し乱れていることに気づく黛は、一子に声をかけた。
「あ・・・少し気を抜いていわ。不死川さんが解放されて少し安心したから」
「そうですか・・・」
この時、二人は嘘をついた。
一子は己の悩みを隠すために、黛はそれを隠して嘘をついていることををあえて問わずに返事したことに。
「・・・」
それを魔繰と沖田は見逃さなかった。
「主には触れさせない。今度は私が相手をしよう」
だが、二人は黙って流した。
理由は簡単。

――この世界の『核』は彼女達でないからである。
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