無下限アーカイブ   作:サリム

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第10話 知らない天井

目を開くと白い天井が視界に映った

 

「知らない天井だ・・・」

 

「・・・!」

 

「・・・遅いですよ」

 

横を見るとアコさんがいた・・・泣いてる?

 

「どうして泣いてるんですか・・・?」

 

「ぐすっ・・・泣いてません!それになんですかっ知らない天井だ、って」

 

アコさんは袖で顔を擦りながら言う、泣いてるじゃないすか・・・

 

「知らないんですか?誰でも一度は言ってみたいセリフなはずですよ」

 

知らない天井だは俺の言ってみたい言葉ランキング上位に入っている、言うタイミングがないが・・・

 

「はあ・・・とりあえず、目か覚めて良かったです、ヒナさんももう少ししたら来ると思いますよ」

 

「そうですか・・・ありがとうございます」

 

可愛い子がお見舞いに来てくれる・・・それだけで俺は怪我して良かったと思える

 

「なんかアコさんとも久しぶりに会った気がします」

 

「それは・・・

 

ガラガラ

 

病室の扉が開かれる・・・

 

「あっヒナさん、来てくれてありが・・・?どうしたんですか?」タタタッ

 

バサッ

 

「えっ!?」

 

ヒナさんが俺に飛び込んできた

 

「サトル・・・心配した・・・うぅ」

 

「え?ごめんなさい・・・?」

 

「・・・もう起きないかと思ってた」

 

え?貧血で倒れたんだし1日くらいで目が覚めるはず

 

「えっと・・・俺が倒れたの貧血が原因ですよね?俺どれくらい寝てました?」

 

「・・・」

 

「・・・一年間、昏睡状態だった」

 

い、一年!?

 

「え!?冗談ですよね?だって・・・貧血ですよ?」

 

胸の傷はどれくらいかわからないけどどんなに悪くても肺が傷ついてるくらいだったと思う・・・

 

「・・・怪我は手術をしてすぐに完治しました・・・ですが原因不明の意識障害が起きて、今までずっと昏睡状態でした・・・」

 

「医者が言うには、あなたは普通の人と脳の構造がだいぶ違うらしいです・・・それが原因で詳しいことは何も分からないと・・・」

 

えぇ?原因不明って何?怖いんだけど・・・脳の構造が違うのはまだ分かる・・・俺が呪力をコントロールできるからだろう・・・

 

「そういえば長い夢を見てた気がする」

 

「どんな夢?」

 

「なんか・・・思い出したくない・・・?」

 

なんでだろ・・・

 

「どうせ変な夢でも見てたんでしょう」

 

「失礼な・・・」

 

「そういえばナースコールとか押さなくていいんですか?一年も寝てたんですよね?俺」

 

こういうのってすぐに医者がきて検査とか色々されるものだと思ってた

 

「あっ」

 

「忘れていました・・・」

 

「・・・」

 

 

あの後すぐにナースコールを押すとお医者さんがたくさん来た・・・

 

色々聞かれた、今の体調や寝ている間のこと、体に謎のエネルギー反応があると言われた時は結構ドキッとしたな

 

「はあ〜・・・疲れた」

 

一通り終わったが俺はまだ病室のベッドの上にいた、経過観察だとさ・・・

 

「お疲れ様です、私たちは風紀委員会の仕事があるのでもう少ししたら帰りますね」

 

そういえば二人とも制服が風紀委員会のものになっている・・・自然すぎて気がつかなかった

 

「俺も風紀委員になってるの?」

 

「一応・・・試験を受ければなれると思いますよ」

 

「やったー、早く帰りたい!」

 

「サトルは風紀委員に入る前に私たちと特訓」

 

そういえばまだ途中だったな・・・

 

「風紀委員になってからでも良くないですか?」

 

「ダメ、また怪我をするかもしれない・・・」

 

なんて過保護なんだ・・・、でも戦いたいしな〜

 

チラッ

 

「私の方を見ても何も変わりませんよ・・・」

 

「・・・まあ?俺が病院を抜け出しても二人は気づかないでしょう」

 

「・・・本気で言ってる?」

 

ヒナさんに睨まれる、あっ怖い・・・

 

「・・・もちろん冗談ですよ」

 

 

「じゃあ私たちはもう行くから・・・明日も来る」

 

「はい、ありがとうございました」

 

二人が病室を出ていった・・・何しようかな、あの二人がいないと話し相手がいないので暇だ・・・

 

「あっ」

 

そういえばユメとホシノは今頃どうしてるんだろうか、モモトークも交換してないし連絡する手段がない・・・

 

うーん・・・病院抜け出しちゃうか?でもあとが怖いしなー

 

ガラガラ

 

そんなことを考えているとまた病室の扉が開かれた・・・お医者さんかな?

 

扉の方に視線を向けるとそこに居たのはユメとホシノの二人だった

 

ホシノ髪伸ばしてる・・・

 

「サトルくん〜」

 

ユメが俺に飛びついてくる・・・

 

「うぅ・・・くるしぃ・・・」

 

どっちの意味でも死にそう・・・

 

「ユメ先輩・・・離してあげてください・・・」

 

「あっ、ごめんね〜・・・」

 

「二人とも久しぶり、俺どうやら一年くらい寝てたみたいでさ・・・」

 

「ごめんなさい・・・!」

 

いきなりホシノが頭を下げて謝ってきた・・・

 

「私があの時、あなたを撃ってしまったから・・・」

 

ああ、あのことか・・・痛かったけど自分から当たりに行ったかしなー

 

「多分ホシノのせいじゃないと思うよ?あれだけで一年も寝るわけないし」

 

「それでもです!私のせいで怪我もしたし・・・長い時間あなたは眠ることになってしまいました・・・」

 

「でも・・・銃弾には俺から当たりに行ったし、実質ホシノは当たり屋の被害者みたいなものだよ?」

 

「それに、あの場面だと客観的に見て俺怪しすぎるからね・・・いつも屋上から見てくるだけのやつが急に居なくなったと思ったら行方不明だったユメを抱えて歩いてきたんだからさ・・・」

 

「でも・・・」

 

「俺はホシノに全然怒ってないし、ユメも無事なんだからこれでハッピーエンドだろ?」

 

「・・・ありがとう・・・ございます・・・うぅ」

 

泣き出してしまった・・・事故でも自分が撃った相手が一年も昏睡状態になったんだ・・・責任を感じてたんだろう・・・悪いことしちゃったな

 

「わたしもごめんね・・・あの時寝ていなければこんなことにはならなかったのに・・・」

 

ユメまで謝り始めた・・・どうしよう

 

「・・・あの時寝てていいって言ったの俺ですよ!?ユメもそんなこと気にしないでくださいよ・・・」

 

「・・・うん、ごめんね、ありがとう」

 

ユメも俺に謝れてスッキリしたのかいつも通りの雰囲気に戻った気がする・・・病室に入ってきた時ちょっと暗い感じがしたし。

 

「そういえばユメは3年生だったよね?今はどうしてるんですか?」

 

「わたし?えっと、今は・・・アビドスの先生をやってるよ!?」

 

え・・・?なんか怪しい

 

「自称ですよね?ユメ先輩」

 

いつの間にか泣き止んでたホシノがそう言う

 

「え、つまり?」

 

「ユメ先輩・・・教員試験に落ちたんですよ・・・」

 

ええ・・・

 

「落ちたのはわかったんだけど・・・アビドスの先生になるつもりなの?」

 

「だ、だって二人と別れたくないし・・・」

 

「俺はいつからアビドス生になってるんですか・・・」

 

「あ、そうだった!」

 

「まあ、そのことはいいんですけどアビドスって給料出るんですか?」

 

「でない・・・けど・・・」

 

「ユメは大人になったんだから自分で稼がないと・・・」

 

「・・・でも」

 

「でもじゃないですよ、そのまま学校に居続けるつもりですか?他のみんなは卒業していくのに・・・」

 

「うう・・・サトルくんがホシノちゃんみたいなこと言う・・・」

 

「ユメ先輩・・・私もいつか卒業したらアビドスを離れるつもりですよ」

 

「うへぇ・・・わかったよ、わたし・・・就職する!」

 

「その意気ですよ」

 

このまま学校に居座り続けるモンスターが生まれなくて良かった・・・

 

「・・・サトルくんなにか失礼なこと考えてない?」

 

「・・・何も考えてないっすよ」

 

「ほんとかなぁ?」

 

「・・・」

 

「まあいいや、退院したらまたあれやってくれるんだよね!?」

 

「あー、約束してましたね、もちろんですよ」

 

「なにを約束してたんですか?」

 

ホシノが不思議そうに質問してくる

 

「ふふん!一緒に空を飛ぶ約束だよ!」

 

「空ですか?・・・あ、そういえば飛んでましたね、あれどうなってるんですか?」

 

「わたしも知りたいな〜」

 

二人がこちらを見てくる、別に秘密にしてないから教えるけど・・・

 

「まあ俺の能力の応用ですかね・・・宙に自分を引っ張って空中で自分を固定するを繰り返してるだけですよ」

 

「よくわからないけど・・・すごいね!」

 

「私もよく分からないです・・・」

 

「まあこの説明だけだとね・・・、それに俺もよく分かってないし・・・」

 

「なんですかそれ・・・」

 

話していると外が暗くなってきていた・・・

 

「二人とも、もう帰ったほうがいいんじゃない?暗くなってきたし・・・」

 

「そうですね・・・」

 

「え?わたし泊まる!」

 

何言ってるんだこの人は・・・

 

「泊まるって・・・寝るところないですよ?」

 

「一緒に寝ればいいじゃん!あの日みたいにさ」

 

「いや、このベッド一人用だし」

 

「・・・あの日?一緒に寝た・・・?」

 

ホシノの様子がおかしい

 

「どういうことですか!?」

 

 

ホシノにいろいろ説明して納得してもらった、そして暗くなったので二人には帰ってもらった、ユメはホシノが送るらしいので安心だ・・・

 

それにしても・・・

 

「一年か・・・」

 

つい口に出してしまう・・・それほど衝撃的だった。

一年間も修行の時間を失ってしまったとなるとちょっと惜しい

 

原作が始まるたらまでおそらくあと1年・・・それまでに力をつけないと・・・

 

そういえば反転術式とか使えるようになってないかな・・・一応死にかけ?みたいなものだし

 

 

手に傷をつけて試してみた結果・・・治りませんでした・・・はい。

 

まあ当たり前だよな・・・でも、呪力が前よりも強くなってる気がする・・・ほんのちょっとだけど・・・

 

ガラガラ

 

また誰か入ってきた・・・もう知り合いは居ないはずだけど

 

「クックック、お久しぶりです・・・サトルさん」

 

うっわ

 

「あ、もしかしてお前か・・・?俺が一年も昏睡してた原因!」

 

なんかこいつが原因なら納得いく、理由はないけど・・・

 

「クックック・・・一応私があなたを助けたことになってるんですよ?」

 

え?なんて?

 

「・・・俺が眠ってた原因は?」

 

「そうですね・・・端的に言うとあなたが生きていると面白く思わない人もいるということですよ・・・」

 

多分ゲマトリアの誰かだよな?ゲマトリアの中でこんなことしそうなのは・・・

 

「・・・もしかしてベアトリーチェ?」

 

「・・・!まさか覚えているとは・・・その通りです」

 

まあ覚えてるってのも・・・一応合ってるか

 

「ベアトリーチェ・・・マダムと呼びますが、急激に成長するあなたがいつか我々に牙を向くとおっしゃっていましてね・・・」

 

「マダムはあなたが眠っている間に悪夢の世界に永遠に閉じ込めておくオーパーツを使ってあなたを死ぬまで眠らせておくつもりだったようです」

 

「え?なんでそのまま殺されなかったの?」

 

「それはゲマトリアのルールに反するからです・・・仲間同士で争わない・・・、あなたは私の契約者ですから・・・、マダムがやった事はグレーゾーンですがね・・・ククッ」

 

何笑ってんだこいつ・・・ていうか

 

「なんで一年も経ってんだよ・・・すぐ起こせなかったのか?」

 

「起こす必要が無かったので・・・サンプルが切れたので回収しに来ました」

 

やっぱ黒服嫌いだわ・・・

 

「・・・わかったよ、じゃあ早く瓶渡して帰ってくれ」

 

「クックック、言われなくともすぐ帰りますよ・・・」

 

呪力が入った瓶を渡すと黒服は帰った

 

ベアトリーチェ・・・いつか借りを返しにいかないとな

新しく投稿するならこの小説は残しておきます、タイトルは変えますが・・・上書きだと残念ながら元の話を読み返すことは出来なくなります

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