無下限アーカイブ   作:サリム

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第7話 ストーカーの本領

あれから1ヶ月が経った

 

アビドスはいつもと変わらない・・・借金の利子を受け取りにカイザーが来たくらいだ、ゲヘナでの生活も情報部の部活にも慣れて仕事が早く終わるようになった・・・その分仕事の量が増えたけど・・・ヒナさんたちとの特訓もこの1ヶ月間で上達していった、銃弾はほとんど避けれるようになったので次は射撃訓練をするとか・・・それとヒナさんは無意識にやってた神秘の操作を知覚できるようになったらしく前よりもさらに化け・・・力が強くなっていた、アコさんは変わらずだ

 

俺は呪力も前より緻密に操作できるようになった、まだまだ上達できると思う。

それと黒服はあれから見てない・・・多分研究に没頭してるとかそんな感じだろう

 

そんな1ヶ月だった・・・

 

 

今日も今日とてアビドスに向かう、最近は空中を移動する練習も兼ねて飛んで移動している・・・術式順転:蒼で飛んでニュートラルな無下限呪術で空中に留まる・・・それを繰り返して空を移動するのだが結構難しい。

 

アビドスに到着していつもの場所でアビドス高校を見ていた・・・そしてついにその時が来た、来てしまった

いつもは学校に居るはずの時間帯にユメ先輩が装備を装着して砂漠方面へ向かおうとしている・・・

 

ここでユメ先輩を止めてもまた別の日に砂漠に行ってしまうかもしれない・・・ならばユメ先輩が砂漠に行く理由を今から見つける方がいいと俺は思った

 

ユメ先輩の死因はまだわかっていないが砂漠で何かが起きるのはわかる・・・

 

 

ユメ先輩が砂漠に着いた、俺はそれを空から見守っている・・・目的地はどこなんだろうか、よく見るとスマホで地図のようなものを見ているのでやはり目的地はあるのだろう

 

 

結構奥まで来た、まだ目的地には着かないのだろうか・・・というかこのまま帰れるかな・・・俺コンパスとか持ってきてないんだけど、まあユメ先輩が持ってそうだから大丈夫だろう。

 

変わり映えのしない砂の山を進んでいると向こうに何か見えてきた、あれは・・・駅だろうか

 

ユメ先輩が駅に入っていく・・・、俺は地上に降りて出てくるのを待った。

 

少し経つと突然大きな起動音のような音が聞こえて建物から列車が出てきた、こんなに砂だらけなのにまさかまだ動いているとは・・・

 

ユメ先輩が列車に乗り込んだので俺も列車の上に不正乗車させてもらう。動いてる列車の上に乗るなんてロマンあっていいね、いつかここで戦いたい

 

そのまま列車は動き出して線路の上を進んで行った、というかこの列車、ユメ先輩が動かしているのだろうか・・・だとしたら凄いな・・・

 

そんなこんなで目的地らしきところに着いた・・・

遺跡のような建物があり、周りは大きな砂の岩で囲われていた・・・建物にはアビドスのシンボルマークがある

 

ユメ先輩が建物の一つに入っていった、俺はさっきと同じように外で待つ

 

 

どれくらい時間が経っただろうか外はもう暗くなってきていた・・・そしてようやくユメ先輩が外に出てきた、建物から出てきたユメ先輩はどこか悲しげな表情をしていた。

 

どうやら今日はここに泊まるようだ・・・俺も今日は野宿することにした、砂漠の夜は寒いが俺は呪力で寒さをある程度防げるので無問題、ユメ先輩はテントを持ってきているようなので安心した

 

 

次の日、ユメ先輩が起きるのを確認して体を起こす・・・他に用事が無ければあとはこのまま学校に帰るだけだろう・・・

 

ユメ先輩が帰りの列車に乗るので俺も列車の上に乗る、・・・そして最初の駅まで戻ってきた

 

そのまま来た道を戻っていると突然向こうから巨大な砂嵐が向かって来た・・・

 

俺は無下限バリアを発動させて砂嵐を防いだがユメ先輩は直に当たってしまったようだ・・・姿が見えない

 

まさか砂に埋もれてしまったのか?どうしよう・・・ホシノがユメ先輩を見つけたのは砂漠らしい・・・どうやらここでユメ先輩は亡くなったようだ

 

「落ち着け・・・俺の目なら見つけられるはず・・・」

 

六眼は神秘を可視化して見ることができる、ユメ先輩の神秘の量はそれほど多くはないがここは何も無い砂漠・・・集中すれば埋もれていても見えるはず!

 

俺は全神経を目に集中して砂の山を見つめる・・・・・

 

「いた!」

 

僅かに神秘が漏れ出ている場所を見つけ、すぐさま俺は地上へと降りていった

 

「術式順転:蒼!」

 

半詠唱した蒼で砂だけを吸い込む・・・すると、薄水色の髪の女性が砂の間から出てきた、どうやら気絶しているようだ・・・良かった・・・

 

俺はユメ先輩を抱き抱えて起きるまで待った

 

 

「あ、あれ?ここは・・・」

 

どうやらユメ先輩が起きたようだ

 

「・・・おはようございます」

 

「え?おはよう?・・・ところでここどこかな?」

 

「砂漠ですよ・・・」

 

そう言うとユメ先輩はハッとした様子で

 

「そうだ・・・私、砂嵐に巻き込まれて・・・君が助けてくれたんだよね?」

 

「一応そうなりますね・・・」

 

「そっか、助けてくれてありがとう!私はユメ、あなたは?」

 

「俺はサトルです、ユメさんは・・・」

 

「ユメでいいよっ、なんせサトルくんは命の恩人だからねっ!」

 

「・・・わかりました、ユメはどうしてこんなところに?」

 

そう聞くとユメはまた悲しげな表情を浮かべて、口を開く

 

「捜し物があったんだけどね・・・見つからなかったんだ・・・ところでその制服、ゲヘナ学園のだよね?サトルくんはどうしてこんなところにいるの?」

 

まずい・・・今一番答えられない質問が来てしまった・・・

 

「えっと、俺はたまたま砂漠を散歩してて・・・」

 

そう答えるとユメは少し考えてから

 

「もしかしてだけど・・・ホシノちゃんが言ってた不審者ってサトルくんのことだったりする・・・?」

 

「えっ?不審者?」

 

ホシノが言ってたって・・・まさか気づかれてたのか?

 

「マンションの屋上からずっとこっちを見てくる不審者が居るから気をつけてって」

 

不審者だと思われてたのか・・・まあ実際不審者なんだろうけど・・・

 

「いや・・・まあ見てたのは事実なんですけど・・・理由があってですね・・・?」

 

俺が弁解しようとするとユメがその言葉を遮って話し始める

 

「大丈夫!私は全然気にしてないよっ、それにサトルくんは悪い人じゃ無さそうだし!」

 

「まあ、はい・・・」

 

一応ユメにはわかって貰えたらしい

 

「ところで・・・そろそろ移動しません?俺学校あるんですけど・・・」

 

「あ!うん、そうだね・・・ちょっと待ってね・・・」

 

ユメがカバンやらポケットやらに手を入れて何かを探している・・・まさか・・・

 

「スマホ無くしたんすか・・・?」

 

「・・・そうみたい、どうしよう、サトルくんスマホ持ってる?」

 

「俺のスマホ・・・今充電0%です・・・」

 

俺とユメの顔が青ざめていく

 

「ちなみにコンパスとか・・・」

 

「スマホがあるからいらないかなってっ!」

 

「かなっ!じゃないっすよ!」

 

今の状況はかなり結構やばい・・・帰る方角もわからないなんて・・・

 

「一応ホシノちゃんに砂漠に行ってくるって書き置きしておいたからきっと助けに来てくれるよ!」

 

「助けが来る頃には二人とも干からびてるよ・・・」

 

「大丈夫!私、ある程度なら道覚えてるからっ」

 

本当だろうか・・・、でも他に方法もないしな・・・

 

「わかった・・・じゃあ道案内よろしく・・・」

 

「うへへ・・・任せてっ!」

 

ユメは張り切った顔でそう言った

 

 

ユメの道案内通りに進んでいくが一向に街に着く気がしない・・・どうやら俺の人生はここまでのようだ

 

「短い人生だった・・・」

 

「ちょっと!?まだ諦めちゃダメだよっ!?」

 

そうは言っても出発してからもう数時間は経ってると思うのだが・・・

 

「・・・ユメはどうしてアビドスに入学したんですか?」

 

「急にどうしたの?」

 

「最後に気になったことでも聞いておこうかと」

 

「最後じゃないよっ?」

 

「冗談ですよ・・・」

 

「ほんとかな〜?・・・えっとアビドスに入学した理由だよね?・・・うーんそうだなぁ・・・昔、アビドス砂祭りっていう大きなお祭りが砂漠のオアシスで開かれててさっ、またあの頃みたいに人が沢山集まればいいなって・・・何か私にもできることがあると思ってアビドスに入学したんだっ」

 

アビドス砂祭りか・・・確か数十年前の話だよな・・・

 

「夢物語な話だけど・・・叶うといいね」

 

「きっと叶うよっ奇跡はあるから!」

 

何十年後か分からないけどいつか叶うと信じていれば奇跡が起こってそんな夢も現実になるかもしれない・・・今の俺の存在が奇跡みたいなものだし。

 

「サトルくんのことも聞かせてよ、どうしてゲヘナに入ったのかとかさ!」

 

俺とユメは色んなことを話しながら砂漠を歩いていった・・・

 

 

「夜になっちゃったね・・・」

 

「そうだね・・・」

 

空は暗くなって月が出ている・・・

 

「昨日はよく見てなかったけど砂漠の星空は綺麗だね・・・」

 

「でしょっ!?私もこの星空が好きなんだあ〜」

 

都会の空は星が見えないらしい・・・なんでも、建物や街灯の光が夜空を照らして星を見えずらくしてしまうとか・・・前世では気にしたこともなかったな

 

「そろそろ寝ましょうか・・・」

 

俺はそう言って固い地面にそのまま寝転がる

 

「えっ毛布とか持ってきてないの!?」

 

ユメが驚いた様子で俺に言う

 

「まさか砂漠で寝泊まりすることになるとは思わなかったんで・・・」

 

俺も砂漠で寝泊まりすると分かっていれば寝袋の一つは持ってきていた・・・

 

「そっか・・・じゃあ一緒に寝よっか?」

 

そう言ってユメは自分の毛布に手を置く

 

「えっ!?いや大丈夫ですよ・・・俺寒さとか大丈夫なタイプだし、そのまま起きとくんで」

 

「ダメだよっ、それにサトルくん寝てないでしょ?」

 

気づかれていたのか・・・さすがにあの状況で寝る訳にはいかなかったからな・・・

 

「分かりましたよ・・・でも毛布は大丈夫です、ほんとに寒さは大丈夫なんで」

 

「サトルくんが入ってくるまで私も寝ないからね!?」

 

うーん・・・これは仕方ない

 

「わかりました・・・」

 

そう言い俺はユメと同じテントで夜を過ごした・・・ちなみに俺は昨日寝てないこともあり爆睡した

 

 

俺が起きるとユメ先輩が近くで朝食の準備をしていた

 

「おはようございます・・・」

 

「おはよう、よく眠れたみたいだね」

 

「おかげさまで・・・その、ありがとうございました」

 

「ううん・・・まだ助けてもらったお礼もできてないし気にしないでよ、朝ごはん一緒に食べよっか?」

 

「はいっ」

 

俺たちは朝食をとり、出発した

 

 

3日後・・・

 

あれから3日くらい経った・・・だいぶ歩いたけど街が全く見えない・・・廃墟はちらほらあるんだけど、それだけ

 

「サトルくん・・・私もうダメかも・・・」

 

食料も尽きてユメもずっと歩き続けている・・・、俺もそろそろ限界だ

 

「私もう歩き疲れちゃったよ・・・魔法で空でも飛べたりしないかなあ・・・」

 

ユメが砂の地面に寝転がる

 

「何言ってるん・・・あっ」

 

完全に忘れてた・・・

 

「どうしたの?何か見つけた?」

 

どうしよう・・・今言ったら確実に怒られる気がするんだけど。

 

「えっと・・・怒らないでくださいね?」

 

そう言ったあと、俺は術式で宙に浮く

 

「実は空飛べるの忘れてました・・・ごめんなさい」

 

ユメが無言で近づいて来る・・・

 

「・・・・・・・・・」 バシッバシッバシッ

 

そのまま無言の状態で頭を叩かれ続けた・・・

 

 

少し経って落ち着いたのか叩くのをやめてくれた

 

「・・・私だって怒るんだからね!?」

 

「ごめんなさい・・・」

 

「まあ許してあげるよ・・・じゃあちょっと休憩したら出発しようか?」

 

「そうですね」

 

数分後・・・

 

「じゃあ行きましょうか」

 

俺はユメを抱き上げようとする

 

「えっと・・・?」

 

「早く乗ってくださいよ」

 

「いいの?私結構・・・その、重いと思うけど・・・」

 

「気にしないよ・・・」

 

「じゃあ・・・お願いします・・・」

 

俺はユメを抱き抱えて空へと移動していった

 

「わっ!?高い・・・」

 

ユメは驚いて空中で少し動く、危ない・・・

 

「ユメは寝てても大丈夫だよ、学校に着いたら起こすからさ」

 

ユメは身体能力が高い方じゃないし、ずっと歩き続けて疲れているだろうし・・・

 

「うん、そうさせてもらおうかな・・・せっかくの空の旅を見れないのが残念だけど・・・」

 

「帰ったらまたしてあげるよ」

 

「わかった・・・約束だからね・・・」

 

そう言い残しユメは眠ってしまった・・・もう限界だったのかな。

 

 

砂漠の空を移動しているとどこからか声が聞こえてきた

 

「ユメ先輩っ!どこにいるんですか!?」

 

どうやらユメを探しに来た子がいるみたいだ・・・ユメは無事だって伝えないと・・・

そのまま俺は地上へ降りていった

 

「おーい・・・」

 

俺が呼ぶと少女は気づいたのかこちらに向く、よく見るとピンク色の髪・・・どうしてホシノがここに!?

近寄ってきたホシノの視線がユメを見つけた瞬間

 

俺の体が危険信号を発する・・・今まで感じたことの無い殺意が俺を睨んだ。

 

新しく投稿するならこの小説は残しておきます、タイトルは変えますが・・・上書きだと残念ながら元の話を読み返すことは出来なくなります

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