この素晴らしい剣士に祝福を!〜可惜夜に希った後に〜   作:はらみ

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独自解釈があるかもです。


プロローグ可惜夜に希った者に祝福を!

 

 

 

「ハァッ!!」

 

「くっ…!」

 

満月の下、江戸の民草を守らんと共に戦っていた、相手を理解し二刀流で戦う青年と、圧倒的な剣の才能で相手を倒していく蛇行剣を持つ優美の剣士が鍔迫り合いになっていた。

 

数多の強者を誘う為の災いとして、盈月を残そうとする青年とそれを阻止し壊そうとする優美の剣士が争っていた。

両者共に剣を弾き後ろに下がり構え直しそして。

 

「はぁっっ!」

 

優美の剣士が蛇行剣を、水の鞘から開放しながら青年に仕掛ける。

 

「来るか、八岐怒涛!」

 

それは何度も目にした、何度も助けられた剣の神の如き必殺の剣一度に八度の斬撃を放つ絶技。

目を閉じてその技を想像する理解しようとする、そして優美の剣士が踏むこんでくる所で──。

 

目を開き、間合いに入った優美の剣士の首片方の刀で狙うがそれは首を少しずらすだけで躱される次に自分は絶技で殺されるだろうだが、そこには必ず技の起こりがあるそれを狙いもう片方の刀で頭を突く。

 

「ここッ!」

 

青年の理解している中で絶対に当たるはずだった一突き。必ずここで優美の剣士は八岐怒涛を放つそう思い理解し──。

 

「───なぜ」

 

青年の一突きは躱され、水の鞘から開放された界剣・雨叢雲剣が青年にただの一突きで刺されていた。

ただ唖然と静止していると剣士が言葉を発する。

 

「───きみの云う通り勝つ為に、相手の気持ちを考えたんだ」

 

それは、青年と出会う前の剣士では持ち得なかった考え。つまり青年の敗因は自分だった、相手を理解し切り伏せるそう考えていたあの日見た誰も彼もに勝つ剣になりたいと思っていたのに─。

青年は自分が相手に与える影響を考えていなかった。

 

「ああ…」

 

青年が刀を落とす、苦笑ぎみに笑い自らの負けを理解した。

 

「それは、勝てないな」

 

剣士が、剣を抜く血が飛び散り青年の口からも血が垂れているそのままゆっくりと後ろに倒れた。血だまりが出来る刀の柄に付けていた妹とお揃いのお守りが血に染まっていく。

 

───戦いは終わった、だが勝者の顔は曇っていて、逆に敗者の表情は満ち足りたものだった。

 

こつっこつっと剣士が近づき青年と共に寝転がったちらりと青年は剣士の顔を見ておおきな満月を眺めながら語った。

 

「生まれる時代を、間違えた─己の我を殺し、欲を殺し太平の世の空気を拒んだ」

 

「─それこそ、息をしない屍のように剣の道は、潰えていたんだ」

 

「だが、剣として、お前に打ち壊された」

 

「まさに望んだ通りの人生だ…」

 

「───長い、夢のようだったが」

 

剣士が青年に向かって名前を読んだ。

 

「イオリ……」

 

「あの夜……殺される筈だった、湊の一夜からずっと続く……月に焦がれるような夢だった」

 

「───なんだ。まったく…師匠も人が悪い…」

 

「剣であっても、これ以上ない……」

 

彼の…宮本伊織の右手から残り1画の令呪が消えかかっていく

 

「友に、恵まれることがあるじゃないか」

 

宮本伊織は、残り1画の令呪に込めて心の中でつぶやいた友の願いを叶えてくれと。それは効果が発揮したのかもわからぬ願い、俺の願いが満たされた様に友に祝福をと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

目が覚めたありえない自分は死んだ筈だ満月の下で友に敗れて、そう思い周りを確認しようとして。

 

「宮本伊織さん」

 

「ようこそ、死後の世界へあなたは先程不幸にも亡くなりました」

 

足音を鳴らしながら歩いてくる少女。

 

「短い人生ながら、貴方は死んだのです」

 

そう言い放ち青髪の少女は対面の椅子に座ると、ふっと微笑んだ。

 

死後の世界?なるほど道理だと伊織は思った、自分は死にあの災いを残そうとした己は、今からこの神気を放っている神に地獄に落とされるのだろうと考えた。

 

「俺は地獄に、これから行くのですか?」

 

そう自分の考えを言葉にして…

 

「え?行かないけど?」

 

「え」

 

「貴方は確かに災いもたらそうとしました、だけどあなた負けちゃってできなかったじゃない!」

 

「な、なるほど」

 

なるほどではない、確かにセイバーに阻止されたがやろうとした事は事実だ、それは悪しき事許されぬ事だ。

 

「しかし俺は」

 

「わかってるわ!」

 

何がだ。

 

「貴方は確かに、盈月を残そうとした罪はあります」

 

「ですが江戸の民を守っていた事実もまたあります」

 

それは…ただ、太平の世を理解しようと。

 

「どのような考えがあろうと貴方のお友達と妹さんを守ったのは本当にそれだけなのかしら」

 

助之進、カヤ…確かにそうだ、理解しようとしただけでは無くただ、守ろうと刀を抜いたのだ。

 

「そういえば!私の名前を言ってなかったわね、私はアクア日本において若くして死んだ人間を導く女神よ!」

 

「貴方には2つの選択肢があります、0から新たな人生を歩むか天国的なところに行って、おじいちゃんみたいな暮らしをするか」

 

「生まれ直すか、天国に行くか…」

 

天国に行く資格など俺には無いだろうならば俺は。

 

「俺は生まれなお」

 

「まって!」

 

はい待ちます。

 

「貴方程の人間が生まれ直すなんてもったいないわ!」

 

「ちょっといい話があるのよ!あなたゲームはって江戸時代の人だったわね」

 

「その世界はッ!長く続いた平和が魔王の軍勢によって脅かされていた!人々が築ぎあげてきた生活は魔物に蹂躙され魔王軍の無慈悲な略奪と殺戮に怯えてくらしていたッ!いた!」

 

「そんな世界だからみんな生まれ変われるのを拒否しちゃって人が減る一方なのよ」

 

「なるほど、つまり俺にその世界に行って欲しいと」

 

「そう!他の世界で死んだ人なんかを肉体と記憶そのままで送ってあげてはどうかって事になったの理解が早くて助かるわ」

 

「だが俺の刀が無いんだが、それはどうにかなるのか?」

 

「そこで大サービスよ!」

 

「さあびす?南蛮の言葉か」

 

「あーえっと、おまけみたいな?まあつまり!何か好きなものを1つだけ持っていくことができるの!強力な武器だったり才能だったり」

 

「すまないその…強力な武器や才能はいらない、生前持っていた刀を持っていきたいんだがいいか?」

 

俺にはセイバーが持っていたような武器を扱える気がしない、それに才能と言われてもあまり想像ができないのだ

 

「はあ…わかったわあの、二振りの刀でいいのね?」

 

「ああ、それで頼む」

 

「あ!あと言葉に関しては大丈夫、こっちで何とかするから私達神の親切サポートによって、あなたの脳に負荷をかけて一瞬で習得させられるわ、副作用として運が悪いとパーになるかもだけど」

 

なるほど異なる世界であれば言語も違うかさぽーと、とやらも言葉の前後で意味は大体分かる、だがぱーとはなんだ。

 

「まあ、運が悪ければと言う話だからな。その時に考えるとしてありがとうアクア神」

 

「どういたしまして、それじゃあ魔法陣に出ないように立ってて」

 

「ああ」

 

「さあ勇者よ!願わくば数多の勇者候補達のの中から貴方が魔王を討ち倒す事を祈っています!さすれば神々からの贈り物としてとしてどんな願いでも叶えてさしあげましょう!さあ旅立ちなさい」

 

俺の身体が浮いていく、あの青髪の少女が離れていくこれから異なる世界で生きて行くのだろうと、考えた時ふと不安になった俺はまたあの様な事をしてしまうのではないかどんな願いも叶えるそれはあの盈月を思わせる謳い文句だ。──そんな事は…

 

 

ふと目が覚めると、俺は見知らぬ夜の街の道にいたこれが異世界と言うものか、ふと視線を上に上げるそこには月があったあの時と変わらぬ満月が。月は変わらず美しいだがそうか、俺はもうあのような事はしないだろうもうその命は一度終わったものだ。

 

俺の願いは叶ったのだ、俺はもう満たされたのだ、望んだ通りの人生を駆け抜けて。

 

「月に焦がれるような夢は───たった一度でいいのだろう」

 

そう思いふと視線をさげると杖を持った少女がいた黒髪に赤い目そして眼帯をしているが…何か目が光っていないだろうか?

 

「かっかっこいい!!」




FGOコラボでこの台詞が出た時私は飛び起きました。
プロローグ読んでくれでありがとうございます!
独自解釈はサムレム知っている人ならわかると思います。
このすば世界でわちゃわちゃする伊織くんが見たかったんだ感想や気になった所など教えてくれると励みになります!

宮本伊織
友情も愛情も人並みに感じる。だが、そうした感情よりも上の次元に「剣の道を極める」という至上命令がある。
生来抱えた異常といっていい。どれほどのものに出逢おうと、この衝動から解放されないだろう。命ある限り。
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