この素晴らしい剣士に祝福を!〜可惜夜に希った後に〜   作:はらみ

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「…………………………」
「…ふう、めぐみん終わったぞ」
「あっえっと…爆裂魔法は大丈夫です!」
「?……そうなのか、しかし1日1回は撃たないと…」
「アクアとカズマに、着いてきて貰う事になったのでそれでは」
「アクアが?…そうか、気をつけるんだぞ」
「ええ、行ってきます!」


9話檻とワニとトラウマ!

冒険者ギルドで、これから如何するか会議をする事になったのだが、いの一番にドンっ!とアクアが机に手を力強く叩き付ける。

 

「もう限界…!借金に追われる生活…!クエストよ!あのデュラハンのせいできついクエストしかないけど受けましょう!!」

 

「お金が欲しいの!」

 

アクアの場合、お金を手に入れたらすぐ浪費する為の様な気がするが…。

 

「わっ、私は構わないが…」

 

「お願いよぉ!!もう商店街のバイトは嫌なのよ!コロッケが売れ残ると、店長が怒るの!頑張るから!今回は私全力で頑張るからあ!!」

 

とカズマに縋っているアクア。しかし、アクアの言うとおりこのまま何もクエストを受けないで、お金の余裕が無くなるのも事実だろう。

 

「まあなんだ、引き受けられそうなクエスト探すぐらい、良いんじゃないか」

 

「そうだな、俺の金もいずれ無くなるだろうし、良さそうなクエスト見つけてこいよ」

 

「わかったわ!」

 

そう言うとアクアはクエストの掲示板に向かって行った。少し心配だ…。

 

「あの?大丈夫でしょうか?とんでもない物を、持ってきそうですが」

 

「私は、無茶なクエストでも良いが…!」

 

「確かに、龍討伐等今の俺達では、無理難題のクエストを持ってこられても少々困るな」

 

「そうだよなあ…ちょっと様子見に言って来る」

 

「俺も共に様子を見て来よう」

 

 

 

「んーんー?、よし!」

 

「よし!じゃねぇ!お前、何を受けようとしてんだよ!」

 

とアクアからクエストの紙を取り上げカズマが読み上げる。

 

「マンティコアとグリフォンが、縄張り争いをしている場所があります2匹まとめて討伐してください、報酬は50万エリス、ってアホか!」

 

マンティコアとグリフォン…1体のみだったら何とかなるかもしれないが、同時に討伐か…厳しいな。そう考えているとアクアがまた、別のクエストを見つけたらしい。

 

「ちょっとこれこれ!街の湖の水質が悪くなり、ブルータルアリゲーターが住み着き始めたので水の浄化を依頼したい、湖の浄化が出来ればモンスターは生息地を他に移すため討伐はしなくてもいい!報酬30万エリス、私にぴったりのクエストじゃない!どうよ!」

 

「水の浄化なんて、出来るのかあ?」

 

「馬鹿ね、私を誰だと思っているの?名前や外見のイメージで私が何を司る女神かわかるでしょ!」

 

「宴会の神様だろう?」「違うわよヒキニート!」

 

「ふむ…元は水の神だったのか」

 

「そう、伊織正解!流石ヒキニートとは頭の出来が違うわね…元女神じゃない!現神よ私は!」

 

水の神とは…相当な神格だったのだなアクアは。

 

「じゃあ、それを受けろよ…お前一人で受ければ、報酬独り占め出来るだろ」

 

「え、えぇ…湖を浄化しているとモンスターが襲ってきそうだし、守って欲しいんですけど…」

 

「どれぐらい掛かるんだ?5分くらい?」

 

「うーん…?半日ぐらい!」

 

「長えよ!」

 

「お願い!お願いよ!協力してよ!カズマさん!伊織!」

 

「浄化は、どの様にやるんだ?その方法が分からないと手伝う物も手伝えないぞ」

 

「え?ああ、私クラスの女神なら水に触れているだけで、湖は浄化されていくけど…」

 

「なるほど…おいアクア多分、安全に浄化できる手段があるんだが」

 

「へ?」

 

ふむ?この短時間で思いつくとは、前々から思っていたがカズマは策士の才能があるのかも知れないな。

 

 

 

 

 

 

 

と、思っていたのだが。

 

「ねえ?本当にやるの?」

 

「俺の考えた好きのない作戦の、一体何が不安なんだ」

 

「あたし、今から捕まって売られる希少モンスターの気分なんですけど…」

 

その作戦とは、鉄格子にアクアを入れ湖に浸すと言う物だった。

合理的ではあるのだが、少し絵面が悪いのではと思ってしまった、いや安全ではあるのだろうが。

それを俺達4人は、少し離れたとこにある木陰から見ていた

 

「アクアー!何かあったら言えよー!檻ごと引き上げてやるからー!」

 

「…私出汁を取られてる、紅茶のティーパックの気分なんですけど」

 

──2時間後──

 

「鉄格子が312本、鉄格子が313本…」

 

「モンスターは出てこないな」

 

「その様ですね」

 

「にしても今日は、大人しいなお前」

 

「え?」

 

「何時もだったら、中二っぽい事言って湖ごとふっ飛ばそうとするだろ?」

 

「たしかに」

 

「いや、めぐみんは何時も何かを、ふっ飛ばそうと考えている訳ではないぞ、偶に何かをふっ飛ばそうと考えているだけだ」

 

「2人は私に、どんなイメージを持っているのですか!後イオリ、それ全然フォローになっていません!」

 

めぐみん、ふっと笑い。

 

「我が究極の爆裂魔法は、ワニ如きに使う物では無いのです…」

 

「普段は無駄にポンポン撃つくせに…!」

 

「静かな物だな魔物が生息していると言う話だったが」

 

「確かにそうだな、おーい!アクアー!湖の状態はどんなもんだー?」

 

「浄化は順調よー!」

 

「水に浸かりっぱなしだと、冷えるだろー?トイレ、行きたくなったら言えよ!」

 

「アークプリーストは、トイレ何か行かないし!」

 

いや、別にトイレにアークプリーストは関係無いだろう。

 

「何だか大丈夫そうですね、因みに紅魔族もトイレ何て行きませんから」

 

「お前ら、昔のアイドルか…?」

 

「わっ私も、クルセイダーだから…トイレは、トイレはぁ…くっあうう!」

 

「ダクネス…無理して対抗するな」

 

「トイレに行かないって言い張るアクアやめぐみんには今度、日帰りじゃ終わらないクエストを受けて本当にトイレ行かないか確認してやる!」

 

「えっ!やめてください!紅魔族は、トイレ何て行きませんよ!でも…謝るのでやめてください」

 

「流石は私の見込んだ男だ!」

 

「…然し、ブルータルアリゲーターは来ないな」

 

「そうですねえ、このまま何事も無く終わってくれれば良いのですが」

 

「ちょっ!お前ら!フラグとしか思えない台詞を!」

 

「カ、カズマー!」

 

「「「「ん?」」」」

 

「なんか来た!ねえ、なんかいっぱい来たあ!カズマ!カズマさーん!ああああ!!!」

 

まあ、鉄格子が破られる事はないようだし、無事ではあるんだろうが…

 

──4時間経過──

 

「ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」ガタンッ

 

「ぎゃああああああ!!!!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション」ガタンッ!

 

檻は様々な衝撃によって、揺り動かされどんどんと移動していった。

 

「アクアー!ギブアップなら言えよー!鎖引っ張って檻ごと引っ張って逃げるからー!」

 

「嫌よ!ここで諦めたら、報酬が貰えないじゃない!ぎゃあああああ!ビキってなった!檻から鳴っちゃいけない音鳴った!」

 

「あの檻の中、ちょっとだけ楽しそうだな…!」

 

「行くなよ?」

 

その後も泣きながら、アクアはピュリフィケーションを唱え続けた。

 

「提案があるんだが、今回の報酬全てアクアに渡さないか…?」

 

「まあ、そうだな流石に可哀想だし…」

 

──7時間経過──

 

そこには濁りの無い透明な湖が出来上がっていた、水の中にいる魚も見えるほどに。

 

「浄化は完了したみたいですね、ワニたちも全部何処かに行ったようです」

 

「生息地を他に移すという内容、間違いでは無かった様だな」

 

「アクア、無事か?」

 

「アクア?」

 

檻の中で体躯座りをしてこちらに背を向け返事をしないアクア、心の傷にでもなってしまったのだろうか。

 

「おーい、アクアー?アクアさーん?おーい?」

 

どうも様子がおかしい、前に回って覗きこんでみた。

 

「アクア、如何した?もしや何処か傷でも…泣いているのか?」

 

「ぐすっぐすっ!」

 

「あー…アクア話し合ったんだが、今回の報酬は全部アクアにって話になってな」

 

「そうだぞアクア!30万エリスは、全部アクアの物だ!」

 

「そっそうですよ!今回の働きは全てアクアの物ですから!」

 

「…………………」

 

「おっおい、いい加減檻出ろよー…?」

 

「そうだ、アクア周囲に危険なモノは…「このままつれてって」

 

「…なんだって?」

 

「檻の外の世界…怖い、このまま街まで連れてって…」

 

「無理矢理、引っ張りだす訳にも行かないこのまま連れて行こう」

 

「そうだな…」

 

 

 

 

そのまま心に傷を負ったアクアを、檻に入れながら街を移動しているのだが街の人達の視線が突き刺さる。さらに。

 

「ルールールルルーでがらし女神が運ばれてくよーきっとこのまま売られて行くよー」

 

とアクアが歌っているのだから余計に目立ってしまう。

 

「おいアクアー、もう街の中なんだからその歌をやめてくれ」

 

「ボロボロの檻に、膝抱えてる女を運んでる時点で人の注目集めてるんだからな?…というかいい加減出て来いよ!」

 

「まあ、カズマ気持ちは解るが、今はそっとしておいてやれ」

 

「けどさあ…」

 

「そう、この中こそが私の聖域よ、外の世界は怖いからしばらく出ないわ」

 

「すっかり引き籠もってしまいましたね…」

 

「そうだな…」

 

「以前の俺みたいだな…」

 

「「「ん?」」」

 

「いや!何でもない」

 

「女神様!女神様じゃないですか!?」

 

声が聞こえた檻の後ろを見ると、青い鎧を身に纏った金髪の日本人がいた。




休みの日なので今日、もう一話投稿するかもしれないです。でも体調も悪いので80%ほどの確率で投稿します。



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