この素晴らしい剣士に祝福を!〜可惜夜に希った後に〜   作:はらみ

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13話報酬と借金と雪精!

次の日、冒険者ギルドでは魔王幹部の1人を倒した事を祝い大いに盛り上がっていた。アクアは既に何杯ものシュワシュワを呑んでいたり、ダクネスも他の冒険者と会話をしながら呑んでいた。

めぐみんは、両手に肉を持ちながら何やら羨ましそうにダクネスを、と言うよりシュワシュワを見ていた。

 

「如何した?そんな食い入るように見て」

 

「私もシュワシュワ、飲んでみたいです」

 

「そうか…めぐみんには少し苦いかもしれないぞ?」

 

「……子供扱いですか、皆飲んでいるのですから美味しいのでしょう?ダクネスにも聞いてきます!」

 

「どうした?めぐみん」

 

「ダクネス!私にもシュワシュワを飲ませてください」

 

「いや、めぐみんには少し早いんのでは…」

 

「なっ!ダクネスまでそんな事を言うなんて…」

 

とトボトボと落ち込みながらめぐみんが帰ってきた。

 

「そう落ち込むな、少しだけだが飲むか?」

 

「良いのですか!?では、ひと口」ゴクリ

 

シュワシュワを飲んだめぐみんは、すぐ自分の水を飲み干した。

 

「美味かったか?」

 

「苦いです…」

 

「そうだろうな、別にダクネスも意地悪で飲ませないわけじゃない」

 

「はい、私は水でいいです…」

 

そうしていると、カズマがギルドに入ってきた。

 

「カズマ、来たかおはよう」

 

「カズマ、おはようございます」モグモグ

 

「おはようカズマ、遅かったな」

 

「おう、おはよう3人とも」

 

肉を食べているめぐみんと、シュワシュワを片手に持つダクネスと一緒に挨拶をしていると、奥から酔っ払っているアクアがカズマが来たのを確認すると絡みに来た。

 

「ああ!遅かったじゃないのぉ!ふーん」グビグビ

 

「(もう…出来上がってやがる…!)」

 

「ああ、カズマさんお待ちしておりました!実はカズマさんのパーティには特別報酬が出ています」

 

「え?まじで!?あの、何で俺達だけが…」

 

「魔王軍の幹部を倒すなんてなぁ…俺は初めからお前の中の輝きを信じていたぜ!」

 

「俺の中の輝き…!」

 

「地獄の入り口に光が指す、古い言い伝えだったかもしれん…」

 

「そうそう!カズマがいなきゃ、デュラハンだって倒せなかったんだからよ!」

 

「「「「「カズマ!カズマ!カズマ!カズマ!」」」」」

 

「おっほん!サトウカズマさんのパーティには功績を称え、3億エリスを与えます!」

 

「「「「「3億!?」」」」」

 

確かに、尋常ではない相手だったが3億とは…。

 

「奢れよ、カズマ!」「カズマ様奢って!奢って!」

 

「集合ー、お前らに1つ言っておくことがある」

 

「私の力で勝利したんだから、9/1で良いわよね?」

 

「大金が手に入った以上…!俺はのんびりと、安全に暮らして行くからな?」

 

「待ってくれ!「待ちません!」強敵と戦えなくなるのはとても困るぞ」「困りません!」

 

「私も困りますよ!私は、皆で魔王を倒して最強の魔法使いの称号を得るのです」「得ません!」

 

「またヒキニートに戻るつもり?」「戻りません!ニートじゃ無いからぁ!」

 

「私が帰れないじゃない!「いーや!もう決めた事なんだ」はぁ!?」

 

「落ち着け、皆それぞれやりたい事があるのは解るが…」

 

「……あのー、カズマさん?」

 

「小切手!小切手でしょ!?」

 

「えぇ!?」

 

カズマが紙を見て、とても驚いている。

 

「実は…アクアさんが召喚した、大量の水により外壁などに大きな被害が出ておりまして…まあ!魔王軍幹部を倒した功績もあるし全額弁償とは言わないから一部だけでも払ってくれ、と」

 

「うっ…さらー」

 

「待て」ガシ

 

「報酬3億そして弁償金額が3億と4000万か…」

 

「血で血を洗う魔導の旅は、始まったばかりですね!」

 

「明日は金になる強敵相手のクエストに行こう」

 

「しゃ、借金は等分で良いわよ…?」

 

「まだ、このパーティで旅が出来そうで何よりだ」

 

カズマの方を見ると、深く考え込んでいるようだった。金額が金額だこうなっても仕方ないだろう。

 

「(この、どーしようもない仲間と共にこの理不尽な世界で一生暮らす?俺はそっと目を閉じると深く魔王討伐を決意した、この碌でも無い世界から脱出する為に…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日経ったある日、冒険者ギルドで集まる事になったのでめぐみんとダクネスと共に向かっているとアクアとカズマの言い争っている声が聞こえてきた。

 

「このかまってちゃんが!お前の活躍がそんなに凄かったってんなら、報酬も手柄も借金も全部お前の物な!?借金…1人で返してこい」

 

「待って!ごめんなさい、調子に乗ったのは謝るからぁ!見捨てないでぇ!」

 

「朝から何を騒いでいるのだ?」

 

「言い争うのは構わないが、周囲の視線は気にした方がいいぞ」

 

「何か、いい仕事はありましたか?」

 

「いやあ、仕事はまだ探してないよ…この状況じゃあな」

 

そうカズマの視線の方を見ると、クエストに行かずに食事を楽しんでいる冒険者が大勢いた。

 

「魔王幹部撃破の報酬は、参加した冒険者全員に支払われましたからね」

 

「懐が潤ったら、わざわざ危険な冬のモンスター狩りに行く必要がありません、私は!むしろ大歓迎ですが!」

 

「そうだな、何もしないとなると剣の腕が鈍ってしまう」

 

「前から少し思ってたけど、伊織も大概バトルジャンキーだよな」

 

「わ、私もだ…敵は強ければ強い程良い!」

 

バトルジャンキー…そんなに敵と戦いたがっている風に見えていたのだろうか…?

 

「それより、今日のクエストを確認しよう」

 

「まっそうだな」

 

 

 

 

 

「報酬は良いけど、碌なクエストがないなあ…」

 

「カズマ、カズマ!「カズマです」これはどうだ?白狼の群れの討伐、報酬100万エリス!獣共の群れに滅茶苦茶にされた自分を想像しただけで…」「却下」

 

「カズマ!カズマ!「カズマだよ」これはどうですか?一撃熊の討伐!ふっ…我が爆裂魔法とどちらが強力な一撃か、今こそ思い知らせてやろう!」

 

「そんな物騒な名前のモンスターに関わりたくない!首を撫でられただけで即死しそうだ!」

 

「………?カズマ「カズマだぜ」起動要塞デストロイヤー接近中に付き進路予測の為の偵察募集とあるぞ、これなら危険も少ないんじゃないか?」

 

「デストロイヤーってなんだ?」

 

「デストロイヤーはデストロイヤーだ、大きくて高速移動する要塞だ」

 

「わしゃわしゃ動いて、全てを蹂躙する子供達に妙に人気のあるやつです」

 

「「(なるほど、わからん)」」

 

「じゃあそれも、無しって事で」

 

「これもだめか」

 

他に、良いクエストは無い物かと探していると、カズマが何かを発見したようだった。

 

「えーと、これは雪精の討伐…?なあ、この雪精って何だ?名前からしてそんなに強そうに見えないんだけど…1匹報酬10万エリスだってよ」

 

「雪精…俺も初めて聞く名だ」

 

「雪精は奥深い雪原に多くいて、1匹討伐する毎に春が半日はやく来ると言われています、とても弱いモンスターで簡単に倒す事が出来ますが…」「その仕事を受けるなら、私準備してくるわね!」

 

「おっおい待て」

 

「ふふっ、雪精かぁ…」

 

ふむ、雪精は弱いモンスターと言うことだがダクネスが嬉しそうにしているということは…何かあるな。カズマも同じ様に違和感を覚えている様だったが報酬に目が眩んだらしい、そのクエストを受ける事になった。奥深い雪原と言うことだし俺も厚着して、寒さに備えることにしよう。

 

 

 

 

 

 

雪原に来るとふわふわと大量の雪精らしきものがふわふわと浮いていた。

 

「これが雪精かあ…」

 

「思ったより可愛らしいものだな」

 

「てかその格好どうにかならんのか?冬場セミ取りに行く馬鹿な子供みたいだぞ」

 

アクアは持っている網を得意げに翳すと。

 

「これで雪精を捕まえて、小瓶の中に入れておくの!そして飲み物と一緒に入れておけば、いつでもキンキンのシュワシュワが飲めるって考えよ!どう?頭良いでしょ?」

 

「ダクネスは鎧どうした?そんな装備で、だいじょぶか?」

 

「はあ…問題ない、ちょっと寒いがそれもまた…ハアッハアッ」

 

「(頭の温かい変態は体温も平気らしい…)」

 

 

 

 

「3匹目、まてぇぇ!くそぉ、ちょろちょろと!」

 

「えい!4匹目取った!カズマみてみて!大量よ!」

 

「風の型!」

 

風の型で周囲を炎で燃やし一閃すると一気に3匹撃破した。しかし逃げはするが反撃はして来ないな他の冒険者がやらないのがますます気になるが。

 

「カズマ!」

 

「なんだ!?」

 

「爆裂魔法で辺り一面吹き飛ばしていいですか?」

 

「おーし!まとめて一掃してくれ!」

 

「了解です!我が深紅の流出を以て、白き世界を覆さん!」

 

「エクスプロージョンッ!」

 

爆裂魔法の爆風と雪によって、少し吹き飛ばされてしまったが…、そこには雪にうつ伏せになっているめぐみんがいた。

 

「…めぐみん大丈夫か?」

 

倒れてるめぐみんを抱え、顔に付いている雪を払う。

 

「ふふっ8匹やりましたよ…倒した雪精は合計で9匹です、レベルも1つ上がりました」

 

「おお!やるなあ、倒れて伊織に抱えられてなきゃもう少し格好良かったが」

 

「(雪精討伐美味しすぎだろ!うーん…なんで誰もやらないんだ?)」 

 

「出たな!ワクワク」

 

「イオリ、私を安全な場所までお願いできますか?」

 

「解った」

 

「カズマ!伊織!何故冒険者が雪精討伐を受けないか、その理由を教えてあげるわ」

 

「あなた達も日本で住んでいたんだし…まあ、伊織は知らないかもだけど、天気予報やニュースで名前ぐらいは聞いた事あるでしょ?」

 

「雪精たちの主にして冬の風物詩とも言える、そう冬将軍の到来よ!」

 

「は!?」

 

「おお…冬将軍!国から高額懸賞を掛けられている、特別指定モンスターの1体!」

 

「なんと…」

 

そこには白い甲冑に身を包んだ巨大なヒト型、まさに冬将軍と言える存在が立っていた。




言い訳がましくなりますが頭痛が酷くて細かいミスがあるかも知れません。



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