この素晴らしい剣士に祝福を!〜可惜夜に希った後に〜   作:はらみ

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14話冬将軍とカズマとの前世の語り合い!

そこには白い甲冑に身を包んだ巨大なヒト型、まさに冬将軍と言える存在が立っていた。

 

「はぁ…こいつはきっと将軍の地位を利用して、私を手篭めにする気だろう…!私も抵抗はするが恐らく力及ばず辱められ…!」

 

はぁはぁ!と息を荒げながら興奮しているダクネス…モンスターなのだから地位も何も無いだろう。

 

「馬鹿ー!このくそったれな世界の連中は、人も食い物もモンスターもみんな揃って大馬鹿だー!」

 

そんなカズマの怒号に反応してかは、解らないが冬将軍が刀を鞘から抜き、剣を向けているダクネス目掛け雪を滑走して来た。

 

「ウゥゥ……!」

 

「ああ!私の剣が!はっ!」

 

ダクネスの剣を半分に切り落とし冬将軍は、刀をダクネスに向け佇んでいた。

如何にダクネスといえ鎧を着ていない以上、あの太刀筋を受けるのは危険だろう、だがまずは動けないめぐみんを安全な場所まで移動させる。

 

「よし、この距離なら冬将軍も来ないだろう」

 

「ありがとうございますイオリ」

 

少し離れた木にめぐみんを寄りかからせ座らせる。

 

「精霊は、出会った人が思い描く思念を受けてその姿に実体化するの!けど冬に街の外に出歩くのは日本から来たチート持ちの日本人ばかりだから」

 

「つまりあいつは、日本から来たどっかのアホが冬と言えば冬将軍見たいなノリで連想したから生まれたのか!?なんて迷惑な話だよ!」

 

「カズマ!」

 

「何でしょう!?」

 

「冬将軍は寛大よ、きちんと礼を尽くして謝れば見逃してくれるわ、すぅー…ははぁ!」

 

「お?」

 

「土下座よ…!土下座をするの!ほら、みんなも早く武器を捨てて早くして!謝ってカズマも早く謝って!」

 

アクアは、女神にも関わらず綺麗な土下座をしていた。

 

「おい!お前も早く頭を下げろ!」

 

「誰も見ていないとはいえ、騎士たる私がモンスターに頭を下げるなどおぶ!」

 

「ぬう!何時もモンスターに、ほいほいついて行こうとするおまえが!こんな時だけくだらないプライドを見せるな…!」

 

「や、やめろぉ!下げたくも無い頭を下げられ、地に押し付けられる…!どんなご褒美だ!雪がちゅべたい」

 

カズマが、ダクネスの頭を無理矢理下げているがあれでは…!

 

「カズマ!早く武器を捨てるんだ!」

 

「そうよ!カズマ、武器を捨てて!」

 

「え?ああ…」

 

とその先の言葉は続かなかった、冬将軍がカズマの首を斬り落としてしまった。

 

「カズマ!くっ、アクア!死に貧しても直前なら蘇生が可能何だったな!?」

 

「出来るわ!てか伊織も頭下げて、冬将軍が来ちゃうわよ!」

 

今まで出会ってきた中で、魔王幹部のベルディアを除けばこの世界で出会ったモンスターで1番の難敵。

死合えないのが少し残念だが…。

 

『何いってんだよ!そのためのパーティだろ?』

 

ここで俺が冬将軍に勝負を仕掛ければ、カズマの蘇生出来る可能性が減るだろう、この様な衝動など…。

俺は刀を置き頭を下げた、すると冬将軍は此方を見て何を語るわけでもなく雪の中に姿を消した。

 

「消えたな…」

 

「カズマ!」

 

「カズマさんたら、仕方ないわね!さあ帰ってきなさいカズマ!」

 

「2人ともカズマを頼む、向こうに置いてきているめぐみんを連れてくる」

 

そう言いめぐみんの方へ足を進める、剣を極める為にはあのモンスターと戦うべきだったのではと思案する、しかし視界の端でカヤとお揃いの飾りが風に吹かれて揺れる。

それでいいんだよ、とカヤに言われたような気がした

 

「めぐみん、モンスターが来たりはしなかったか?」

 

「大丈夫でした…ですがカズマが…!」

 

「アクアが蘇生魔法で、生き返らせられる様だ」

 

「そうですか…」

 

良かったと胸をなでおろすめぐみん、なにやら騒いでいるアクアに向かってめぐみんを背負い向かう。

 

「ちょっと!カズマ、エリスがそれ以上ごたごた言うのならその胸パッドとりあげなさい!」

 

肉体はもう治ったようで、膝枕しているアクアがカズマに向かって呼び掛けている。

 

「ほら、めぐみん」

 

「はい…」

 

少し泣いているめぐみんを、カズマの側に下ろす。

 

「カズマ!」

 

「カズマ!カズマ起きてください!カズマ!」

 

「ん…?」

 

「あ、やっと起きた?たく…あの子は頭が硬いんだから」

 

「「カズマ!」」

 

側にいるめぐみんとダクネスがカズマに抱きつく。

 

「なっなんか無性に照れくさいんだが…」

 

「ねえちょっとカズマ、何照れてるのよなんとか言いなさいよ!この私が生き返らせて上げたのよ何か言うことあるでしょ?ねえねえ?」

 

「なんとか言いなさいよ、感謝の言葉とかあ?今まで高貴な女神様に舐めた口聞いて申し訳ありませんとかあ?」

 

「女神チェーンジ!!」

 

「ちょっとなによこの、クソニート!だったら今すぐエリスに合わせてあげようじゃないの!」

 

「まあまあ、落ち着けアクア…」

 

カズマに向かって鋭い拳を放つもダクネスに阻止されていた。

 

「具合はどうですか?どこか調子が悪い所は…」

 

「一応大丈夫そうだ」

 

「すまないカズマ、生き返ったとはいえお前の仇を取ってやれなくて」

 

「いや、戦ってたら危なかったのはみんなだろ?別に気にしてねえよ」

 

「そうだな…」

 

「そうですね…あんな酷い殺され方しましたもんね」

 

「酷い殺され方を…?」

 

「あんた冬将軍に首チョンパされたのよ、それはそれは見事な切り口だったわ!」

 

「首チョンパ!?」

 

全員でカズマの首から飛び出た血の後を見る。

 

「……はい、撤収」

 

 

 

 

 

冷えた体を温めるために、銭湯に行く事にした。

 

「はあー…湯船最高…」

 

「冷えた体に染みるな…」

 

「しっかし、あんな一瞬で殺されるなんて思わなかったぜ」

 

「すまなかった、俺も少し油断していたのかもしれない」

 

「いや別に、伊織はめぐみん担いでたしどう頑張っても無理だったろ」

 

「それは…そうだな」

 

「でも以外だな」

 

「何がだ?」

 

「伊織なら、冬将軍に戦い仕掛けると思ってたからさ」

 

「──そんなに俺はバトルジャンキーとやらに見えるか…?」

 

「だってあのデュラハンの時も、今思い返すと楽しそうだったしな」

 

「そうか…」

 

セイバーに指摘された事と同じ事を言われるとは…。

 

「まあでも嬉しかった、きっと俺の為に冬将軍に頭を下げたんだろ?バトルジャンキーだけど優しいよな」

 

優しいか…、少し話をするか。

 

「カズマには…俺の前世の話をした方がいいかもな」

 

「まじで?いや気になってたけど、死んだ時の話も関係してるかなって遠慮してたんだけど…」

 

「そんなに遠慮する必要はない…1人の剣にしか生きられなかった男の話だ」

 

俺はカズマに話をした、幼い頃に憧れた剣、盈月の儀や江戸の民草を守る為にセイバーと言う友と戦った日々の事そして最終的に盈月を自分の為に残すとセイバーと戦った話、カヤを残しセイバーに敗れ死んだ俺の人生を。

 

「えっと、いろいろツッコミたい所はあるけどさ…なんで伊織はその盈月を残そうとしたんだ?災いをもたらすんだろ?」

 

「そうだな、その災いに集まった強者と戦いたかった…と言う理由もあったが…」

 

「が?」

 

「話の中にいたセイバーと如何しても戦いたかった」

 

「友達だったのにか?」

 

「ああ、そうだ友でいてくれたのに…俺は破らねば立ち行かぬ、と思ってしまったんだ」

 

「唯一俺のパーティでまともだと思ってたのに…」

 

と少し戯けた様子で泣き真似をするカズマ。

 

「でも最初は江戸の人達を守ろうとしたんだろ?」

 

「そうだな…だがそれも泰平の世の人々を理解する為だった」

 

「理解するため?」

 

「そうだ、俺は弱いだからこそ相手を理解し勝つ、誰も彼もに勝つ為に理解すれば斬りやすい…そう思っていた」

 

「そして何より乱世無き江戸の世であるのに俺は剣を極めたかったんだ」

 

「それで、すげー強いセイバーって人に戦いを挑みたかった?」

 

「そうだ、もし俺が優しく見えているならそれは気の迷いだ、ただ他者を理解するために共感しているだけの剣に乾いた人でなし…」

 

「それって今もなのかよ?」

 

「何がだ?」

 

「その乾きってやつ」

 

「それは──剣の乾きはもう満たされた」

 

「誰も彼もに勝つ剣に成りたいと思っていたが、最後には剣として打ち壊された、まさに望んだ通りの人生だった」

 

「…………」

 

「正直に言って、このパーティは俺がいなくても成り立つだろう」

 

「一発限りだが強力な攻撃を持つめぐみん、剣は当たらないが並の攻撃では気絶すらしないダクネス、それに回復を出来るアクア、そしてそれを様々な策略で動かせるカズマ、だから…」

 

「だからなんだよ、まさかパーティ抜けますとか言うんじゃ無いだろうな?」

 

「そう言う訳じゃない、この様な剣にしか生きられなかった男をカズマは追い出す権利が…」

 

「あー!あー!聞こえません!」

 

「カズマ…聞け」

 

「いーや!聞かないね!伊織がいなくなってもパーティは成り立つう?そんな事を1回も思ったこと無いね!それにもう剣の乾きってやつはなくなったんだろ!?」

 

「…そうだな、もう盈月の災いを残すような真似はしないだろう」

 

「それに、伊織がどう思ってるか知らないけど…この世界で初めてできた男友達だし?」

 

「友達…」

 

『イオリ!』

 

「それに、めぐみんだってお前に懐いてるんだぞ?伊織を追い出すなんて言った日には俺に爆裂魔法を撃ってくるわ!」

 

「それは…たまたまパーティを組める相手が俺だっただけで…」

 

「それがあいつは嬉しかったんじゃないのかよ?」

 

「だが、俺は!剣の道を極める事しか頭にない男で…」

 

「そんな奴はあんな一発屋と組みません!」

 

「平和に暮らしている人々も勝つ為に理解し斬りやすくするだけの男で…!」

 

「そんな奴は、あのデュラハンがアンデットの大群を出した時あんなに慌てません!」

 

「お前やアクアやめぐみんやダクネスにも理解する為に共感する事しかしない男で!」

 

「そんな奴は仲間の死なんか気にせず冬将軍に突撃するだろ!」

 

「俺はただ敵を斬る為の剣だ…!」

 

「うるせぇ!そんなに剣だっていうなら俺が使ってやる!」

 

「……なんだって?」

 

「だから!そんなに剣にしか生きられないって言うのなら、俺が伊織を剣として戦える様に俺が考えるっていってんだよ!」

 

「俺はただの剣の鬼だとしても…?」

 

「剣の鬼だかも知らん!…さっき冬将軍に殺されて死んだ時にこのクソみたいな世界とおさらばできるって、思ったんだよ」

 

「でも、思い返して見たら自然と涙が出てきた、すっげー納得行かないけど、どうやら俺は案外このパーティで過ごす日々が楽しかったみたいだから」

 

「俺は穏やかに優しそうにみえているだけなんだぞ…?」

 

「そう見えるだけいいだろ、俺なんか鬼畜のカズマなんて呼ばれてんだから、伊織がバトルジャンキーなのは気付いてたっていっただろ?」

 

「それに俺は伊織と旅がしたいんだよ、それじゃ駄目なのか?」

 

「──────」

 

「なんだよ伊織、驚いたかよ?」

 

『どうしたセイバー、驚かないのか?』

 

「──ああ、驚いたよ」

 

そんなに、思われていた事もそうだし全く理解できていなかった自分にも驚いた。

 

「あと前世の話だけど…俺も言うことがある死んだ理由、嘘ついた」

 

「トラクターって乗り物に女の子が跳ねられるって勘違いして庇ったらショック死して死んだ」

 

「ショック死?」

 

「あー…ビビりすぎて死んだって事!無駄死にしたの!あと自宅の警護とかも嘘!家でずっと引き篭もってました!」

 

「……たとえ無駄だったとしても、人を救おうとした事は尊いことだ」

 

「じゃあ剣の為だったとしても江戸の人を守った事も尊いことなんじゃねえの?」

 

「─そう来るか…」

 

「そう来ます、ほら!この話終わり!」

 

そういいながらカズマは、風呂から上がった。




感想で言われてた風にはならなくてご期待に添えず申し訳ありません。感想なんですがこれからは返信は気分で返して行きたいと思います、全部に返していると精神が貧弱なので萎えてしまう可能性があるので、アドバイスなどは普通に来てほしい気持ちがあります。
後半感情のままに書き殴ったので解釈違いです!って人がいるかも知れませんが、許して下さい。
あと、投稿遅れてすみません体調がずっと治らなくて寝てました。



感想や誤字など気になったことを教えてくれると嬉しいです!
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