この素晴らしい剣士に祝福を!〜可惜夜に希った後に〜 作:はらみ
「…(特に掛け声もせず静かに稽古とやらをしているイオリ、毎日素振りをして飽きないんでしょうか?まあ、これが終わるまで爆裂魔法を撃ちに着いてこないとの事なので、イオリの素振りでも見て暇を潰すしか無いのですが)」
「……ふう、終わったぞめぐみん」
「おっ、では爆裂魔法を撃ちに行きましょう!」
「なるべく街から遠くでな」
《街に飛来したキャベツを全て収穫せよ》
「行けー!!」「「「「「うおおおおおお!」」」」」
「カズマ、伊織、この世界のキャベツは…飛ぶわ、味が濃縮して収穫の時期が近づくと簡単に食われて堪るかとばかりに…」
「街や草原を疾走する彼らは、大陸を渡り海を超え最期には人知らぬ秘境の奥で、誰にも食べられず、ひっそりと息を引き取ると言われているわ……」
「それならば!私達は彼らを1束でも多く捕まえて、美味しく食べてあげようって事よ!」
「みなさーん!今年も、キャベツの収穫時期がやってまいりました!今年のキャベツは出来がよく、1束の収穫に1万エリスです!」
「出来るだけ多くのキャベツ捕まえて、ここに収めてください!」
「俺もう帰って寝ても良いかな…?」
「そう言うな、どんな形であれ大事な収入源だ、10束捕まえればジャイアントトード5匹分相当の報酬だぞ」
「こんな好機早々ない、と言う事で行ってくる…空の型!」
「それはそうだけど、キャベツだぜ?やる気でねー…てか伊織の刀から斬撃飛んでね?」
「カズマ、丁度いい機会だ私のクルセイダーとしての実力その目で確かめてくれ」
そうダクネスは言い放ち剣を構え、キャベツに攻撃を仕掛けようとしていた。
「はあぁ!とお!」スカッ「やあぁ!」スカッ
「でい!」スカッ「ふっ!」スカッ
一撃も当てられていない…攻撃が全く当たらないと言うのは、どうやら本当だったようだ。
「ぐあっ!」
そう考えていると近くの冒険者がキャベツに体当たりをされていた、キャベツとは言えあれだけのスピードで飛んでくる物に当たったら無事では済まないだろう。
「うお!」「ぐわあ!」と1人また1人と冒険者達がキャベツに体当たりされている。その様子を見たダクネスは倒れて動けない冒険者の前に剣すら捨て去り立ち塞がった。
「危ない!……ぐっ!此処は私が…!今のうちに…!」
「ダクネス!」
次々にダクネスに体当たりをしていくキャベツ達、ダクネスが装備している鎧すらも破壊していった。
「鎧が!」
「むっ無理だ!アンタだけでも逃げてくれ!」
「馬鹿を言うな!」
「ダクネスお前…!………ん?」
「倒れた者を見捨てる事など!できるものかぁ!」
周囲の冒険者達はダクネスのその姿を見て、「騎士の鏡だ!」「早く逃げてぇ!」等と言っているが、ダクネスのあの様子喜んでいないだろうか…?
しかしあの猛攻の中あれだけ耐えているのは流石は、クルセイダーといった所か、と考えていると今度はめぐみんがやる気の様だった。
「我が必殺の爆裂魔法を前において、何者も抗う事叶わず…!」
「ふふふふっ…!あれ程の敵の大群を前にして、爆裂魔法を放つ衝動が抑えようか…!いやない!!」
「いやあるよぉ!」
「光に覆われし漆黒よ、夜を纏いし爆炎よ、紅魔の名の元に原初の崩壊を顕現す、終焉の王国の地に力の根源を隠匿せし者、我が前に統べよ!」
「待てめぐみん、その位置は人を巻き込んでるぞ!というか俺もダクネスも範囲内だ!くっ…地の型!」
「エクスプロージョンッ!!」
「「「「うわあああああ!!!!」」」」「あ〜ん!」
「あなた流石クルセイダーね、あの鉄壁の守りには流石のキャベツ達も攻め倦ねていたわ!」
「いや、私など只硬いだけの女だ、誰かの壁になって守る事しか取り柄がない…」
「アクアの花鳥風月も見事な物でした、冒険者の皆さんの士気を高めつつ収穫したキャベツの鮮度を冷水で保つとは…!」
「まあねー!みんなを癒やすアークプリーストとしては、当然よね!」
「それ…大事か?」
「アークプリーストの魔法の水はとても清いのよ」「へー」
「めぐみんの爆裂魔法も良い爆裂度合いだったな、人を巻き込んだので差し引きゼロだが」「へー」
「ああ、キャベツの群れを一撃で吹き飛ばしていたしな」「へー」
「ふふん!紅魔の血の力思い知りましたか!イオリの空の型も流石ですね!飛んでいるキャベツばっさばっさと!」「へー」
「ああ!あんな火力の魔法の直撃食らったことはない!」「直撃させるなよ!」
「はあぁ…」
「あっカズマ!あなたも中々のものだったわよ!」
「確かに、潜伏スキルで気配を消して、背後からスティールで強襲するその姿は…まるで鮮やかな暗殺者の如くです!」
「そうだな、俺では斬る事でしか捕まえられなかったがあの方法なら保存状態もいいだろう」
「カズマ!私の名においてあなたを華麗なるキャベツ泥棒の称号を授けてあげるわ!」
「やかましいわ!あーもうどうしてこうなったあ…!」
「皆に私のクルセイダーとしての実力が解ってもらえて何よりだ、では改めて名はダクネス一応両手剣を使ってはいるが戦力としては期待しないでくれ」
「何せ不器用すぎて攻撃が殆ど当たらん、だが!壁になるのは大得意だ!」
「うちのパーティーも中々豪華な顔触れになって来たじゃない!アークプリーストの私に、アークウィザードのめぐみん!セイバー二天一流の伊織!そしてクルセイダーのダクネス!」
「5人中3人が上級職なんて殆ど無いわよ!」
「これからよろしく頼む!」
「はいお願いします!」
「私も!」
「俺も未熟にて迷惑を掛けるかも知らないがよろしく頼む」
「(はー…俺だって普通の仲間だったなら断る理由もない、だって美人だし?)」
「それではカズマ、これからも遠慮なく囮や壁替わりに使ってくれ!」
「(こいつはあれだ、ただのドMだ…完璧そうな布陣なのにそんな事は全く無く!まともな前衛が伊織しかいないし、これから苦労させられる気予感しかしない…!)」
「パーティーの足を引っ張る様な事があれば、強めに罵ってくれ!何なら捨て駒として見捨ててもらってもいい、そっ想像しただけで武者震いが……改めてこれから宜しく頼むぞ!」
「よしっと…」
「クリエイトウォーター!……へっ」
カズマは新しく覚えたスキル、水の初級魔法を早速試しているようだ。そういう俺は邪魔にならない場所で刀の手入れをしていた。
「ゴクッゴクッ!ぷはぁ!ま、初級魔法じゃこの程度だろう?スキルを覚えて俺も冒険者らしくなってきたかなぁ」
「カズマ!見てくれ、キャベツの報酬で鎧を直したのだがこんなにピカピカになった!どう思う?」
「なーんか成金趣味の貴族のボンボンが着けてる鎧みたい」
「そこは素直に褒めておけ」
「そうだぞ!私だって素直に褒めてもらいたい時もあるのだが……カズマはどんな時でも容赦ないなヘヘッ」
「今は構ってやる余裕は無いぞーお前を超えそうな勢いのそこの変態を何とかしろよ」
「魔力溢れるマナタイト製のこの杖の色艶!はぁ…」
「めぐみん、此処は公衆の面前だぞ…そこまでにしておけ」
「むっ!イオリも今よりもいい剣が見つかればこうなりますよ!」
「なってたまるか」
そう会話しているとアクアの怒号が聞こえてきた。
「何ですってー!ちょっとあんたどういう事よ!どれだけキャベツ捕まえたと思ってるの!?」
「それが…」「なによ!」
「アクアさんが捕まえてきた物は、殆どがレタスでして…」
「何でレタスが混じってるのよー!」「私に言われましても…!」
「確か、レタスの換金率は低いな」
「よく分からんがそうなのか?」
「アクアの運のステータスが低いのは聞いていたがそれの影響か…?」
「ふんっ!……カーズーマさん?今回のクエストの報酬はぁ、お幾ら万円?」
「100万ちょい…」
「「「なあっ!」」」
まあ、1束1万エリスをあれだけ捕まえていたら、そのぐらいになるか。然しその中にレタスが混ざっていないのはやはり運のステータスとは重要だな。
「「「100万!?」」」
「アハ!カズマ様、前から思ってたんだけどぉ…あなたってその……そこはかとなく良い感じよね!」
「特に褒める所が思い浮かば無いなら無理すんな!」
「ヒグッ…カーズーマさーん!私今回の報酬が相当額になるって踏んで持ってたお金全部使っちゃったんですけど!ていうか大金入ってくるって見込んでこの酒場に10万近いツケまであるんですけどぉ!」
「知るか!今回の報酬はそれぞれ個人の物にって言い出したのお前だろ!?」
「だって!私だけ大儲け出来るって思ったのよ!」「最低だな」
「お願いよ!お金貸してツケ払い分だけで良いから!」「煩い!駄目神!というかいい加減この金で馬小屋生活を脱出するんだよ!」
「そりゃーカズマも男の子だし?夜中にゴソゴソしてるの知ってるから、早くプライベートの空間が欲しいのはわかるけどぉ…「わかったぁ!よしわかったぁ!!貸してやるから黙ろうかぁ!?」
「カズマ!仲間って良いわね!私たち最高のパーティだわ!アハハ!ウフフ!」
「(この野郎…!)」ポン「は!何だ、伊織かよ脅かすなよ…」
「悪い悪い…ほら10万エリスだ」
「でも良いのか?」
「今回1番頑張ったのはお前だ、それに俺の方がこの世界に来て長い、お金の余裕もあるから気にするな」
「まじかよ…助かる、俺達最高のパーティたぜ……」
どれぐらいの頻度で伊織くんを出せばいいかわからぬ。と言うか書いてるとどんどんと伊織くんの口調が思い浮かばなくなるちゃんと出来てるだろうか。
投稿した直前に誤字がどこからともなく現れてきますたすけて
感想や誤字など気になったことを教えてくれると嬉しいです!