カルナックの町にやって来たバッツ、レナ、ガラフ、ファリスの4人は、現地の武器・防具屋にやってきた。
「いらっしゃい、いらっしゃい。そこのみなさん。今日は特別セールをやっているよ!」
店主であり、うp主の分身でもあるキュウジ威勢のいい声を聞いた彼らは、試しに売られている品物を見ることにした。
「ところで、特別セールとはどういうことなんだ?」
「この中から一品だけ大安売りするよ!」
バッツの質問に対し、キュウジは儲け度外視の出血大サービスを宣言した。
「色々品物がありますね。どれがいいんでしょうか?」
「出来るだけ高いものを買えばよりお得になりそうじゃがな。」
「でも、ここは一番役に立ちそうなものを買いたいところだな。」
レナ、ガラフ、ファリスは品物とにらめっこをしながら色々考えた。
「じゃあ、君達。ここは氷のロッドを買ってみませんか?」
キュウジはこの武器は攻撃力こそ低いものの、道具として使えば、敵全体にブリザガの効果があることを伝えた。」
「敵全体というのは便利な効果だな。切り札として使えそうだ。」
「はい。ですが、道具使用すると無くなってしまうので、本当にここぞという時の切り札になります。」
「なるほど。まあ、店主が勧めるのであれば、それを買うことにしよう。」
バッツはキュウジの言うことを信じて、このロッドを買うことにした。
「まいど。それでは本来750ギルのところを75%オフの187ギルにします。」
レナ「えっ?そんなにまけてくれるんですか?」
「はい。ただし、1回だけです。次回からは定価で販売しますので、その点はご了承ください。」
ファリス「分かったぜ。じゃあ、ほらよ。代金だ。」
「まいどあり。」
「では、ありがたく使わせてもらうぞ。」
ガラフはカウンターに置かれた氷のロッドをありがたく受け取った。
その後。カルナック城にやってきた4人は、内部で優美な姿をした女性に出会った。
「こんなところでどうしましたか?」
「モンスターに出会ったら危ないぞい。」
「待って!その人、何だか様子が変よ。」
「ああ。確かに怪しい目つきをしているな。」
その人に話しかけようとしたバッツとガラフは、レナとファリスの忠告を受けて立ち止まった。
確かに良く見ると、彼女は明らかに怪しげな目つきをしていた。
そして「われの復活のじゃまをする者よ!消えてなくなるがいい!!」と言い出すと、戦闘態勢に入る構えを見せた。
「カルナック女王!」
「えっ!?女王!?」
レナが思わず放った言葉を聞いて、バッツは思わず驚いた。
それはガラフもファリスも同じで、女王と戦わなければならないという状況に、思わず動揺をしてしまった。
しかし、相手が本気で戦いを挑んできた以上、4人はもはや戦うしか選択肢が無かった。
(くっ!どうすればいいんだ。命を奪うような行動はしたくないし…。)
バッツは女王の繰り出す攻撃に耐えながら、けりで応戦した。
他の3人は守りを固めたり、体力をこまめに回復したりしながら応戦した。
その結果、戦闘に勝利したことを受けて女王の呪縛が解けた。
すると、彼女は受け身もとれないまま、その場にうつぶせに倒れ込んでしまった。
「カルナック女王!」
「大丈夫ですか?」
「気を確かに持つんだ!」
彼女のそばにやってきたバッツ、レナ、ファリスの3人心配そうに見つめる中、ガラフは即座にケアルラを唱えた。
その結果、みるみるうちに傷が回復していった。
「ふう…。これで大丈夫じゃ。」
ガラフがほっと一息つくと、間もなく女王が目を覚ました。
「私…。」
彼女はしばらく放心状態ではあったが、やがて落ち着きを取り戻した。
「私は何者かに操られていました。邪悪な心…、闇を求める者に…。」
レナ「邪悪な心?」
ファリス「闇を求める者?」
「はい、そうです…。クリスタルが砕け散るのは機械のせいだけではありません…。邪悪な心がそれを利用し、自らの復活を果たそうとしているのです…。お願いです…。火のクリスタルを守ってください…。」
ガラフ「火のクリスタル?どこにあるんじゃ?」
「そこのパイプからクリスタルのところに行けるはず…。」
彼女がその場所を指さそうとすると、途端に苦しみだした。
バッツ「女王!大丈夫か!
「私は大丈夫。それより…、お願い…。クリスタルを守って…。」
彼女はそう言い残すと途端にせき込みだし、気を失ってしまった。
「大変だ!ここは女王を安全な場所へ連れていかないと!」
バッツの提案を受けて、4人は彼女を連れて一旦城を後にしていった。
再びカルナック城に戻ってきたバッツ達は、女王様から教えてもらったパイプを通って、クリスタルの間にやって来た。
そこには中央に大きな台座があり、その上にはキラキラと輝く大きな物体が乗っていた。
「これが火のクリスタル…。」
ファリスをはじめ、彼らはそれにすっかり見とれていた。
しばらくすると、その場所にウェアウルフの男が姿を現した。
「おおっ!無事か!」
彼はガラフを見るやいなや、うれしそうな表情を見せた。
「おのれ!ウェアウルフ!」
バッツはとっさに武器を持って身構えた。
「よせ!俺は敵じゃない!」
「えっ!?」
彼はこれまでこういったキャラクターとは戦うのが当たり前だっただけに、思わずビックリだった。
一方、ガラフは意外な男が自分の名前を言ってきたことを受けて、両手を自分の頭に当てて考え込んでしまった。
「ガラフ!どうしたんだ!?」
「お主、わしを知っとるのか!?」
「ああ。だが、どうしたんだ?俺を覚えていないのか?もしかしたら人違いだったのか?」
「それは違う。しかし…、何も思い出せん…。一体わしは何者なんじゃ…。」
ガラフは必死に自分の過去を掘り起こそうとしたが、結局無駄な努力になってしまった。
ファリス「とにかく、せっかく再会したんだ。これからゆっくり語り合おうぜ。」
レナ「そうね。慌てることはないものね。」
2人が彼らのもとに歩み寄る一方、バッツはまだ警戒心を解いてはおらず、武器を持ったままだった。
しかし、それを見たウェアウルフが「俺は戦いたくない。頼むから武器をしまってくれ。」と言い出したため、最終的にバッツは彼を信じることにした。
それから彼らは色々会話をしながら、まるで時間を忘れているかのように過ごしていた。
ガラフは相変わらず記憶を取り戻せないままだったが、それでもウェアウルフから自分のことを教えてもらったおかげで、その表情には明るさがあふれていた。
すると、奥の扉から一人の軍曹が姿を現した。
「あの人は君の仲間なのか?」
「いや。俺はあいつと面識はねえぜ。」
「じゃあ、ここに何をしにきたんだ?」
「さあな。」
バッツとウェアウルフが会話をしていると、軍曹の男性は迷うことなくレバーに手をかけ、不気味な笑みを浮かべながら動かした。
「何をするんだ!そんなことをしたらクリスタルが砕け散ってしまう!」
「これで3つ…。あと1つで、封印が解けるぞ…。ファファファ…。」
「まずい!あいつは何者かにあやつられている!何としても止めなければ!」
はっとしたウェアウルフはとっさに軍曹のところに駆け出していった。
「このオオカミ、俺のじゃまをするな!」
「その手を離すんだ!さもなければ力づくで!」
「もう遅い!これで火のクリスタルも木っ端みじんだ。ファファファ…。」
軍曹はすでにレバーを必要以上に動かしていたが、それから一瞬間をおいてウェアウルフは体当たりをかまし、軍曹を弾き飛ばした。
そしてバッツはその場に駆け寄ってきて、レバーに手をかけた。
「ダメだ。レバーが壊れている!元に戻らない!」
それを聞いたレナ、ガラフ、ファリスもバッツのところにやってきて、4人でレバーを戻そうとした。
すると取っ手の部分が「バキッ!」と音を立てながら折れて外れてしまい、そのはずみで4人は体勢を崩してしまった。
「そんな…。嘘だろ…。」
「もはや打つ手無しだな。」
「じゃあ、この城は…。」
受け入れがたい現実を突きつけられたファリス、バッツ、レナはその場に呆然と立ち尽くしてしまった。
一方、ウェアウルフと軍曹は1対1での戦闘に入っており、お互いの武器が当たる音を辺りに響かせていた。
「大丈夫か?わしが助太刀するぞ。」
「ガラフ!俺にかまうな!俺が持ちこたえている間に逃げろ!最後の一つ…。土のクリスタルを守るんだ!」
ファリス「でもよ…。」
「さあ行け!クリスタルが砕け散れば、この部屋は炎でいっぱいになる!早くこの城を脱出するんだ!そして土のクリスタルを守ってくれ!」
ウェアウルフが叫んでいる一方、軍曹はお構いなしに戦っていたため、次第に戦況は軍曹有利な状況になっていった。
バッツ「まずいぞ。このままでは…。」
レナ「助けましょう!」
「いや、逃げろ!今すぐに!」
ガラフ「でも、お前さんを置いていくわけには…。」
4人が助太刀に入ろうとすると、クリスタルは大きな音を立てて砕けていった。
「炎が消えていく…。」
ファリス達は信じられない光景を目の当たりにし、思わず助太刀も忘れて立ち尽くしてしまった。
「とにかく、お前達は逃げろ!」
バッツ「でも…、君を放っていくわけには…。」
「いいから行け!俺もこいつを倒した後で行くから!」
ウェアウルフはダメージを受けながらも、逃げるように促した。
「こうなったら急がなきゃ!クリスタルが砕け散れば、城は爆発する。もうあまり時間が無いわ!」
レナは断腸の思いでこの城から脱出することにした。
「すまぬ…。ウェアウルフ…。」
「どうか無事でいてくれ!」
「この恩は忘れないぜ。」
ガラフ、バッツ、ファリスも胸が張り裂けそうになりながらもレナの提案を受け入れ、その場から駆け出していった。
「ぐわっ!」
ただでさえ劣勢だったウェアウルフは、4人がクリスタルの間からいなくなった後、軍曹から致命的な一撃を受けてしまった。
(どうやら、俺はここまでのようだな…。どうか、ガラフ…。頼んだぞ…。)
彼は持っていた武器を落としてしまい、その場に倒れ込んでしまった。
「ちっ。思ったよりも厄介な相手だったな。まあいい。これで封印を解除した。後はあの4人を始末して、爆発前にこの城を脱出するまでだ。」
ウェアウルフを倒した軍曹は不気味な笑みを浮かべながらウェアウルフをにらみ、けりを入れた。
そして、テレポを使ってその場を後にしていき、城の入口でバッツ達を待つことにした。
それから間もなく、クリスタルの間は激しい炎に包まれていき、爆発音があたりに響いた。
こうなってしまっては、もう誰にも止められる術は無かった。
バッツ達がいるカルナック城爆発まで、残された時間はあと…。
この作品を読んでいただき、誠にありがとうございます。
ゲームでは10分以内に城を脱出しなければならない設定になっていますが、それを適用すると10分以内に読めるように書かなければならなくなるため、あえて作中で制限時間を書かないことにしました。
さらに展開の都合上、ゲームとは設定をある程度変えています。
その点を何卒ご了承ください。