One four all ~1人の中に4人おる~ 作:木奉 間人
サブタイトル考えんの楽しいけど難しい。
「
0p敵に向かって放たれた強力な一撃。
切札は、それを4つの個性だけでやってみせたのだ。
周りの目を一斉に集めたそれは0p敵を壊すどころか…
0p敵の頭を消し飛ばした。
もう一度言う。0p敵の頭を消し飛ばした。
まるでスプーンで抉られたように、0p敵の頭は吹っ飛ばされ、そのまま周りの敵ロボを巻き込んで倒れた。受験生達も驚きながら、点数稼ぎどころではないと遠くに逃げた。
そのまま切札は蔦を使って地面に着地したが、そのまま倒れ込んでしまった。一斉解放を使うと本来3分ほどしか体力は持たないはずだが、なにぶん必殺技にエネルギーを使い過ぎてしまったので、一気に力が抜けてしまったのである。意識こそあるが、しばらくの間体は使い物にならない。
まだ時間はあるのにこのままではまずい、そう思っていると…
『終〜了〜!!!』
ちょうど倒れ込んだのと同時に響く、試験終了の合図。幸か不幸か、ほぼ同時に切札の体力と試験時間は終わった。
その後、雄英高校のNo.2と名高いリカバリーガールによって治療が行われていく。
もちろん切札も治療を受けたが、切札の場合怪我をしたのではなくあくまで体力を消耗し切った状態のため、対象の体力を使って回復させるリカバリーガールの個性では回復されない。
ではどうやって体力を回復させたか…
「あの…何してるんですか?」
「ん…」
「いやだから、なんで僕を膝枕してるんですか!?」
まさかの膝枕である。身動き取れないせいで抵抗もできないうちに先ほど助けた女の子によって大変羨ましい状況になっていた。ちなみに彼女、小大唯は中学校にファンクラブ(本人非公認)があったほど美少女である。つまり、どうなったかというと…
「なんだあいつ…こんなところで膝枕してもらいやがって…」
「しかもあんな可愛い子に…」
「うらめしや…うらめしや…」
視線が痛い。あとなんか変な怨念みたいなものまで聞こえる。仮にもヒーロー志望が吐くセリフではない。
『まぁ役得だな。よかったじゃねぇか』
『お前が助けたんだ。そのぐらいしてもらってもいいだろう』
珍しく意見の合う心と剣に心の中で「もう静かにしてて…」と呟きながら、切札は今の状況を仕方なく受け入れた。流石に移動しなきゃ行けなくなったので先生方に手伝ってもらいながら会場を出たが、小大はその時もほぼ付きっきりだった。この男、まさかの入学前からアオハルを始めたのである…!
ところ変わって雄英のモニタールーム。ここでは教師たちが試験の結果とポイントを確認しながら合格者について話し合っていた。
「まさか同じ代で0pが二つも壊されるとはな」
『あれ見た時は思わずYEAH‼︎って言っちまったよ!』
「だがやはり特筆すべきは…馬場切札だな」
そう言って教師の1人がモニターを切り替えると、切札の顔が大きく映し出される。
「敵P50、救助ポイント50による堂々の1位。しかも筆記もほぼ満点。近年稀に見る原石ですね」
「しかも彼の個性…主人格以外に人格と個性が4つあるって…しかもどれもかなり強力。まさしく怪物だわ」
「4位ノ緑谷モ中々イイ。敵Pコソソコソコダガ、救助ポイントダケデ見レバトップダ。」
「しかしまさか最後の一発で身体を壊すとは…」
「あれだけ見ればまるで個性が発現したての赤ん坊ですね。それでもポテンシャルは馬場君に負けるとも劣らない」
「2位の爆豪は敵Pこそ高いが、救助Pが0。タフネスと個性は強力だが、ヒーローとしては些か難があるな…」
「10位の心操もいいですね。ロボットに負けそうになっている受験生を洗脳して後ろに下げさせ、自分が倒す。見かけは悪いかもしれないが、合理的な点の稼ぎ方だ。」
「なんにせよ、今年はみんな豊作だね!今後が楽しみだよ!」
実技試験から数日後、雄英から結果の通知が届いた。中には紙ではなく小さな機械が入っていた。というかこの時代にメールではなく郵送なのはなかなか珍しいな…と切札は内心思った。
「だ、大丈夫よね…?」
「一応、筆記の自己採点も問題ないし実技もちゃんとポイント取ってたから行けたと思うけど…」
「とりあえず、ボタン押してみよう」
自宅のリビングで両親と機械を作動させると、大きなオールマイトのホログラムが現れる。3人は思わず昔のコントのように倒れ込んだ。
『私が投影されたァ!』
「「「どわっ!?」」」
『ハッハッハ!!驚かせてしまったかな!?』
「いやこれ投影機かよ!金かけてるなおい!」
思わず声を荒げると、オールマイトから詳細が伝えられる。なんでも今年からオールマイトは雄英高校で教師を務めるという。No1ヒーローに直接教えてもらえるなんて、なんたる贅沢であろうか。
結果は筆記、実技共に1位通過だったらしい。敵Pだけでは1位には届かなったが、事前に伝えられていなかった救助Pを含めるとちょうど100Pだったらしい。なんともちょうどいい数字である。
『さあ、今日からここが!君のヒーローアカデミアだ!』
その言葉で締めくくられたのち、ホログラムは消えた。思わず家族で一斉に盛り上がり、ご近所に怒られたが、雄英に受かったんだと伝えると「それは騒ぐわ、ごめんなさいね」と真顔で返された。いやむしろ申し訳ないのはこちら側なのだが。
その後心操も合格したことを学校で聞き担任に伝えると「我がクラスから雄英合格者が2人も!」と喜びの感涙で危うく職員室が水没しかけた。クラスの友達も大喜びでその日はそのままカラオケで大騒ぎした。5つの人格が交代でメドレーしていく様子はその日一番盛り上がった。
「オールマイトォ!!」
「ダレソレ!」
「え、オールマイト!?どこどこ!?」
「リピートアフターミー『人違いでした』!」
「あっ…人違いでしたぁ!!」
「なんだよ人違いかよ」
「まぁこんなとこにいるわけないわな」
とある砂浜、
「まさかあそこまでボロボロになるとは思わなかったが…なんとか合格してくれてよかったよ」
「僕も驚きました…オールマイトが雄英教師になっていただなんて」
「以前から話は頂いてたからね、後継探し中に偶然誘われていたのさ」
そんなたわいもない話をし、程よく時間が過ぎた頃、オールマイトは少し神妙な面持ちで話を切り出した。
「ところで緑谷少年、受験会場にいたば…」
「え、なんですか?」
「…いや、なんでもない。とにかく合格おめでとう!」
オールマイトが聞こうとしたのは試験1位の馬場切札。彼は個性を4つ持っており、それを自在に操っていた。その様子はかつてオールマイトが戦った諸悪の根源、オール・フォー・ワンと余りにも似ていたのだ。
試験会場で会ってはいないかと聞こうとしたが、必要以上にいらない心配をさせるのはよくないと言うのをやめた。もし彼がかの魔王の手先だとしたら、手をかけるのは自分であるべきなのだから。
(馬場少年…君は一体…)
ちなみに2人は全く関係ない。赤の他人である。
入学初日、同じ中学の2人は新しい制服を着て雄英高校に登校した。さすがにヒーロー育成高校最大手だけあって校舎はとんでもなく広い。その上ヒーロー科だけでなく普通科、サポート科、経営科の教室やその他いくつもの施設が立ち並ぶ建物内は自分たちの教室を探すだけで一苦労である。現に今彼らの前にある教室のドアにたどり着くまでかなり時間がかかってしまった。
「クラス別になっちゃったのは痛いな…」
「まぁしょうがねぇだろ、放課後また会おうぜ」
「オッケー、またな」
そう言って切札がA組の巨大な教室のドアを開けると…
「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」
「思わねーよ!てめーどこ中だ端役が!」
『これが最高峰ヒーロー養成学校なの…?」
(大弥、僕もそう思うけど言わないで…)
前途多難だと、全ての人格の意見が珍しく一致した。
〜いつまでやるかわからんけどやっとけ キャラ紹介〜
馬場 心(ばば しん)
好きなもの バイク 豚キムチ
性格 戦闘狂
個性 血流加速
戦うことが大好きな切札の人格の1人。
脳筋に思われがちだが意外と戦いの際は冷静だけど、よく剣と喧嘩するぞ!
個性 血流加速
血の流れを早くして身体能力を強化し、身体から熱を発生させるぞ!スタミナが切れやすいが、アドレナリンが出まくるため超戦闘向き!
他の人格に切り替わる時熱を排出するために、体から煙を一気に吹き出すぞ!
一言でいえばワン◯ースのギア2!