One four all ~1人の中に4人おる~ 作:木奉 間人
いや〜書いてて楽しいけど他のヒロアカ二次に埋もれてなかなか読んでもらえません。
見切り発車だから文句は言えんけど。w
まさかの退学免除をかけて始まった個性把握のための体力テスト。流石にこういう物に向かない個性の生徒も多いため焦りは見えまくっている。
最初は50m走。テストの競技の中では1番わかりやすく個性を活かすことができる。相澤先生曰く、「個性の範囲内なら何してもかまわん」とのこと。
あるものはレーザーを出したり、地面を滑るなどさまざまな工夫を凝らす。
そうして出席番号が周り、切札と爆豪の番が来た。何故かこっちを殺しそうな目で見てくる爆豪を横目に見ながら、心は血流を加速させていく。爆豪も手のひらを爆発させながら準備を整えている。
「スタート!」
ロボットの合図で2人は一気に加速する。かたや爆豪は手のひらの爆発で一気に進み、間違いなくモブに勝ったと思い込み後ろを向いた。だが後ろには誰もいない。4秒台で走り抜けた爆豪の半分ほどの記録、つまり2秒弱で心は走り抜けたのだ。
「ちぃっ!」
「おいおい、初対面に舌打ちすんなよ。どんな神経してんだ」
「ああ!?殺すぞテメェ!?」
「おい、次詰まってんだ。はよ動け」
「…クソが!」
『あいつ、頭の中まで爆発してんの?いくら負けたからって人に取る態度じゃないわよ』
『まるで自尊心と劣等感の塊だねぇ』
『でもなんか、僕彼をどこかでみた気がするんだけど…』
(そうか?気のせいだろ)
なんと心くん、かつて自分が喧嘩をふっかけた相手をカケラも覚えていない。まぁ10年以上前なので仕方ないかもしれないが。
一悶着あって次は緑谷と峰田。そもそも走るのに活かせる個性ではない峯田はとりあえずできるだけ早く走ろうとアップをし、緑谷も準備をする。その様子をクラスメイトが見守っている。
「ふむ、次は緑谷くんか」
「ああ!?無個性の雑魚が碌な記録出せるわけねぇだろ!」
「無個性?君は彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」
「はぁ!?」
「おい、静かにしろ」
「スタート!」
その瞬間、緑谷は体に緑色の放電が現れ、一気にコースを駆け抜けた。記録は3秒台。全体でもトップクラスの好記録だ。最初は体をバキバキにするほど使いこなせていなかったが、今は足に5%を集中させて走り抜けられるまでに成長していた。ちなみに峰田はその衝撃に巻き込まれて大した記録は出せていない。どんまい!
「おお!すごい記録じゃないか!」
「前のやつと似た個性か!?」
「ちょ、すっごお!」
「な‥‥!!??」
周りのみんなが記録に驚く中、爆豪だけは別のことに驚いていた。小さい頃から体を鍛えてはいたが、それでも無個性だった幼なじみがあきらかに個性を使って、自分よりもいい記録を出した。今まで自分より遥かに下だったはずの木偶の坊が、自分より上に立った。それが何より信じれなかった。
「どーいうことだコラ!ワケを言えデクテメェ!」
「あチッ!」
「うわぁかっちゃん!」
爆豪が一気に緑谷に迫ろうとすると、細長い布が爆豪に巻きつき、動きを止めた。相澤の持つ特殊な捕縛布だ。おまけに個性「抹消」を使って手のひらの爆発を消している。さすがプロ、仕事が早い。
「おい爆豪…いい加減にしろよ。次やったら即刻除籍にするぞ…!」
「ちっ…!」
「他の奴にも迷惑かけやがって…最後は八百万だな」
そう言って布をとくと、相澤はまた気怠げな表情に戻った。ちなみにその後八百万はバイクで50mを走り抜けた。マジか。
第2競技は握力測定。今度は玄葉の蔓で握力計を縛り上げ、一気に力を込めることで好記録を狙う。すると…
べきっ!
「あ」
「「「こわれたぁ!!??」」」
「あの…すみません」
「構わん、たまにあることだ。記録には『測定不能』って書いておくぞ」
淡々と記録をつけていく相澤。まさかの測定不能に、他のクラスメイトは一気に駆け寄る。
「ねぇねぇ、さっきと違う個性だったよね!どうなってるの!?」
「どーやったら握力計壊せるんだよ!?」
「つーか今度は目の色変わったよな!?個性のせいか!?」
「おっと、質問は1人ずつ頼むよ」
そういうと玄葉は目を閉じ、切札に人格を代わる。基本的にこの手の質問を返すのは切札の役割だと決まっている。
「僕の中には「僕」以外に人格が4人いるんだ。そしてそれぞれが別の個性を持ってる。人格が切り替わると、使える個性も変わるんだ」
「なんだそれ、じゃあ個性4つ持ってんのかよ!」
「ずるっ!しかもさっき見た2つともめちゃ強いじゃん!他のはどんなの!?」
「えっとね…」
「おい、終わってからやれ」
「「「はい…」」」
第3種目は立ち幅跳び。心の強化された身体能力を使い、砂場を軽く飛び越え怒涛の記録を叩き出す。爆豪は手のひらの爆破でほとんど飛行しながら長距離の記録を出したが、心の跳躍力は一発の踏み込みでそれを軽く飛び越え、爆豪の表情はますます悪くなる。だが基本的に能天気な心にとってはどうでも良かったので気にもしなかった。それが余計に火に油を注ぐ結果になったが、相沢に釘を刺されている以上下手に手を出せずにイライラしているだけだった。続く反復横跳びも同じような感じで5桁の記録を叩き出す。もはや残像が見えるスピードで終わった後の地面には焦げ目がついていた。
「あ〜、結構スタミナ使ったな〜」
「いや、汗一つ書いてないじゃん…」
「オイラがトップになれるかもしれない競技だったのに…!」
「わり」
「そんな雑に謝るくらいならほっとけよぉ!」
第5種目のボール投げは1度心が投げたため、交代して玄葉が投げることになった。腕を蔓状にして先端にボールをくくりつけたのち、ハンマー投げの要領で遠心力を使いぶん投げる。ボールは一気に遠くまで飛んでいったが、心の1km越えには届かなかった。
「おや、もう少し行くかと思ったが…私もまだまだだね」
『よっしゃあ、俺の勝ち!』
『まぁ、遠心力だけでは限界があるな』
ちなみに1人だけ∞といういかれた記録を出した女子がいたため、一位にはなれなかった。緑谷も700mを超える記録で爆豪に勝ってしまいめちゃめちゃ睨まれていた。
上体起こし、長座体前屈も体から生やした蔓をのばし、どちらも3桁台の記録でトップに躍り出る。この競技はあまり個性を活かせるクラスメイトがいなかったのもあるが、ぶっちぎりすぎる記録に周りもかなり引いていた。
最後の持久走はまさしく心の独壇場。「スタミナがあまり残っていないから早く終わらせるわ」という謎の理論で、バイクで走っていた八百万に3周差をつけて走り去り、ゴールで優雅に水分補給をする様はもはや煽っているようにしか見えなかったという。
そうして終わった個性把握テスト。最下位は体の小ささが祟ってあまり記録が伸びなかった峰田だった。最初はみんな同情していたが、「オイラのハーレムハイスクールライフがぁ!!!」と叫び、一気に同情の目は軽蔑の目に変わった。
だが相澤は記録を消すと、冷めた表情で衝撃の事実を伝える。
「ちなみに除籍は嘘な。君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」
「「「「えええええええ!!!!!????」」」」
「あんなの嘘に決まってるじゃない…ちょっと考えればわかりますわ」
「いや…どうだろうねぇ」
「「「え?」」」
「嘘をつく人間は、大なり小なり心拍や動きに乱れが生じる…だが先生が最初に最下位の除籍宣告をした時、乱れは全く感じられなかったよ」
「「「…」」」
玄葉の言葉にクラスメイトは思わず固まり、ホッとしていた峰田は冷や汗を滝のように流した。作画が変わるぐらい驚いていた緑谷も思わず腰が抜けかけている。もし個性を使いこなせていなければ、自分がそうなっていたかもしれないのだ。
「まぁ…そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ」
それだけ言い残すと相澤はグラウンドを去る。残された1年A組は、ただただ何も言えず固まっていた。
〜まだまだ続きます キャラ紹介〜
馬場 玄葉(ばば くろば)
好きなもの 料理 豆苗
性格 掴みどころがない
個性 植物化
飄々として掴みどころのない人格たちのブレイン。個性で感情の機微を感知し、さりげなく周りをサポートするイケメンボーイ。大人の女性に大人気すぎて小中時代教師間とPTAにファンクラブが存在したという。
個性 植物化
体を植物に変化させるシンプルな能力。腕や脚を蔓にして伸ばして敵を捕縛したり移動に使うなど非常に多彩!また植物特有の特殊な感覚を持ち、ワン○ースの見聞色のように次の動きを先読みして行動できるぞ!