あいえす! ~一夏の従兄は自由人で混沌(カオス)~ 作:レタスの店長
一夏は箒や翔達からISの訓練を受ける為に第三アリーナへと足を運んでいた。翔とセシリアは既に準備ができており後はISを展開すれば準備完了であった。一方言い出しっぺの箒は未だに姿を見せずやはり剣道場に居るのかと思っていた一夏であったが……
「…ゑ?」
突然現れた人物を見て間抜けな声を漏らしてしまう。そう、箒であった。箒がISを纏ってアリーナに現れたのだ。
「…?どうしたのだ一夏、なぜにそんな顔をしているのだ?」
「いや…それはその……」
「どうしましたか一夏さん…って、箒さんそのISは……!」
「あぁ、一夏のISの訓練をする為にな」
そんな一夏の顔を見て箒はそう尋ねるが一夏は言葉に困っていた。一方そんな一夏の様子にセシリアと翔がやって来るがセシリアも箒がISを纏っている事に驚きの様子を見せていた。
「箒さんのIS……あれは『打鉄』ですわよね?」
「そうだ、日本の第二世代の量産機だ。近接戦を主にしているからモッピーにとっちゃ相性がいいISだな。」
「…訓練機を持ってくるとは考えましたね箒さん」
セシリアと翔は箒が纏っている訓練機『打鉄』を見てそう話す。訓練機であれば教師の許可を得れば使える為に箒なりに考えたという事を翔とセシリアはそう評した。
…するとセシリアは何やら閃いたような表情を一瞬浮かべては箒にプライベートチャンネルを送った。
『箒さん、聞こえますか?』
「…セシリア?態々無線を開かなくとも話せばよかろう」
『まぁそう言わずに……』
セシリアから無線で話しかけられる為に箒は疑問に思いつつもそう言う。
『…一夏さんの指導、箒さんに任せますわよ?』
「……は?え?」
突然一夏の訓練を全任せされた為に箒は少し唖然とし、驚いてしまう。しかしセシリアは続けて伝える。
『箒さんが言い出しっぺで一夏さんの特訓をすると言ったのですから箒さんが面倒を見るのはスジではなくて?』
「え、あ、いや、そ、それはそうなんだが何故に突然私にマンツーマンを任せるんだ!?」
『……箒さん的にも本当は私達のようなオジャマムシが居るよりも一夏さんと二人きりで特訓したいとは思ってるんでは無いですか?』
「お、オジャマムシとまでは思っていないが……ま、まぁ……」
突然一夏とマンツーマンで特訓するように言われた箒は願ってもない事ではあるが突然である為に驚き少し慌てた。
『……それにここで一夏さんとしっかりと親密にならなければあのちんちく鈴さんに一夏さんを取られてしまいますわよ?』
「ぬ………ぬぅぅ………」
『…………これはチャンスですわよ箒さん、一夏さんに接近でき、更に一夏さんを箒さんの手で強くしてあげれば箒さんにとっても一夏さんにとってもプラスになる事ですわ。』
「………セシリア…」
セシリアは箒にそう言う。鈴音と言う自分と同じく幼馴染であり恋のライバルが現れた以上、一夏を取られてしまう可能性が出てきたのだ。なのでセシリアはアドバイスとしてここで一夏とマンツーマンで特訓すれば関係も深まるし一夏を鍛えられると言う事を伝えた。……最もここに鈴音が居ればセシリアの発言は二つの意味で激怒不可避であろう……
『…なので一夏さんの特訓、お任せしてよろしいですわね?』
「………あぁ、任せろ!」
セシリアは箒に一夏の特訓を頼むと箒は力強く頷き引き受けた。そしてセシリアは一夏を箒に任せ、自分は翔の元へと向かうのであった。
(……セシリア…お前は私にとって…最高の友なのかも知れない……!)
(やりましたわ!これでわたくしは翔さんとマンツーマン……うふ、うふふふふ……♪)
箒は内心でセシリアに感謝するかのように思う。因みにセシリアは案の定自分が翔と二人きりになりつつもISの特訓を行いたかった故の理由だった為にセシリアは内心で大喜びしていた。
「………という訳で…お願いしますわ翔さん!」
「……まぁ良いが…モッピーに任せて一夏のヤツ大丈夫か…?」
「ま、まぁ箒さんなら何とかしてくれるでしょう!」
そして翔に自分の特訓を頼み込むセシリア。一方の翔は箒に一夏の事を頼んでも大丈夫かと考えていた。幾ら箒が篠ノ之束の妹だからと言って不思議と心配な部分がある様子であったがセシリアは何の根拠があるのかそう言う。
「………じゃあ……訓練すっか!」
「はい!」
セシリアがそう言うので翔は一夏を箒に任せることにし、セシリアへの特訓を行う事にした。セシリアはブルー・ティアーズを展開し、翔は……またもや前と違うISを展開した。朱色の装甲が特徴で腕には滑空砲、両肩にはククリナイフが装備されたISであり、翔が融合したFAガールは迅雷だった。
「……翔さんのISって不思議ですわね…今日も形が違いますわ…」
「まぁな。ただ今日のISは空が飛べないタイプのヤツなんだよ…」
「え?そ、それはちょっとマズイのではないのですか?わたくしのISは空を飛べるから……」
「その辺は心配ねぇよ、今日お前にする特訓に適したISだからよ」
「特訓に適した……ですか…?」
セシリアは翔のISがフォルムチェンジする事を信じている為にそう言うと翔はそう答える。……迅雷はスティレットやマガツキ、バーゼラルドとは違い地上戦主体の為に空を飛ぶことが出来なかった。その為にセシリアは自分のブルー・ティアーズは空をガッツリ飛べるために特訓をするとなれば支障が出てしまうのではと思ったが翔は今日セシリアにする特訓に適したISであるお答えた。
「セシリア、お前には接近戦をある程度克服してもらう」
「せ、接近戦ですか…?」
翔の言葉にセシリアは少しうっ…というような表情を浮かべた。恐らく接近戦が苦手なセシリアにとってはあまりやりたくない特訓だったからだ。
「しょ、翔さん……わたくしはどちらかと言えば遠距離からの射撃戦法を軸にしているのですが……」
「射撃に自信はあるのは良いがその接近戦に持ち込まれた時に俺だけでなく一夏にやられたのを忘れたかお前は」
「うっ………」
「………別にやりたくないんなら良いけどな、だったら俺は一夏の指導をしてくるし」
「あーっ!あぁ!や、やります!やらせてくださいませ!!」
セシリアは翔にそう言うが自分や一夏に接近戦でやられた事を指摘されてはぐうの音も出なくなってしまう。そんなセシリアを見て嫌であれば一夏の指導をしに行くと言い出す為にセシリアは翔を制止する。
「……ハッキリ言うとセシリア、お前は遠距離での戦闘はこれ以上伸ばさなくてもある程度の相手だったら戦い抜けると俺は見た」
「え?そ、そうなのですか?……わたくしはそこまで実感は無いのですが…」
「お前自身実感は無くとも俺はそう踏んだ。……結構力入れて鍛錬したんじゃないか?」
「そ、そうですね…分かってもらえますでしょうか…?///」
そんなセシリアに翔は射撃の腕前や遠距離戦に置いては既にある程度の相手であれば通用する事を教えつつ褒めるとセシリアは翔にそう評価してもらい褒められた事に照れた表情を浮かべた。
「だが接近戦においてはダメダメだ。代表決定戦においてもそうだったし訓練の時にも近接武器をすぐに出せなかったからな、それだと手慣れた相手だったら接近戦が苦手だと判断されてすぐに懐に潜り込まれる事になる。」
「……上げてから落とされるのショックなんですけど…一夏さんはこれを経験したという訳ですか……」
しかし接近戦におけるセシリアは全然ダメだと指摘されセシリアは落ち込みつつも普段から上げて落とされる一夏の気持ちを理解しては同情した。
「………更に言えば…お前のISのビット攻撃の時…お前はビット攻撃の制御に集中してしまうから他の攻撃ができないどころか動く事が出来なくなって無防備になっちまうよな?」
「……さ、流石翔さん…よ、よく見てらっしゃいますわね……」
更に落とされ、セシリアはブルー・ティアーズのビット攻撃を行った際にビットの制御に集中してしまい他の武器との連携攻撃はできないどころか動く事さえできない無防備な状態になってしまう事を指摘されセシリアは更に落ち込んでしまう。
「…まぁこっちはそれに慣れるまでに時間が掛かるから今は後回しだ。ニュ〇タイプでもない限りすぐに出来るようになる訳でも無いしな…」
「翔さん伏字が隠せてないです」
しかし今はどちらかと言えばセシリアの一番の弱点を克服する為にこちらは後回しにすると言う翔。すると翔が伏字を使うも隠せていない事にセシリアはツッコミを入れた。
「とまぁそういう訳で今日は接近に特化したISにフォルムチェンジしたという訳だ。お分かり?」
「は、はい」
「うむ、んじゃあ始めるか。早速だが近接武器出してみ?」
「は、はい…」
納得した…いや、翔がセシリアを強制的に納得させては指示を出す。セシリアは近接武器を出そうとするが相変わらず出すのが遅くかなり時間が掛かっていた。
「………まだ?」
「…んんんっ!い、インターセプター!!」
あまりにも遅いので翔がそう言うと急かされたセシリアはヤケクソ気味で叫んではようやく近接武器を展開した。
「………その遅さは致命傷だぞ?その間にボコボコにされるぞ?」
「ぅぅぅ……」
流石に展開するまで遅すぎるので翔がそう指摘するとセシリアは悔しそうに落ち込んでしまった。
「まぁいい、とりあえず打ち込んで来い。」
「は、はい…!」
とりあえず展開の遅さの話は後にしてセシリアの近接戦闘の実力を見計らう為に翔は二本のククリナイフを手にして指示を出す。翔にそう言われたのでセシリアは近接武器を手に翔に襲い掛かりブレードを振るう。そんなセシリアの攻撃を翔はいとも簡単に受け流しながらも彼女の動きを見計らう。
「やぁぁぁぁぁ!!」
「…」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「…」
「でやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
気合が籠った叫び声を上げながらもセシリアは翔に対して近接ブレードを振るうが簡単に受け流されており掠り傷一つも与える事が出来なかった。
「…はぁ……はぁ……はぁ………」
激しい連続攻撃の末、セシリアはスタミナが切れたのか息を切らしていた。普段は遠距離からの銃撃戦を行うためにここまで激しく動き回る事がなかった為であろう…。
「………正直接近戦は褒められないレベルだな…。初心者の時の一夏以下かもしれん…」
「」
翔の評価にセシリアはショックを受けた。流石に一夏以下と言われるとかなりのショックだった様子だ。…まぁその一夏は幼少期に箒の誘いで剣道をしていた為に剣を振るう感覚はあったのだが…。
「……一応鍛えはするが…展開の遅さといい今の動きといい…あまり実戦向きじゃないかも知れんな…」
「えぇぇ!?あ、諦める程ですかぁ!?」
更には実戦にも使えないレベルである事を言われて更にショックを受けるセシリア。得意な遠距離戦とは反対にここまで低い評価をされてしまえばショックは大きかった様子だった。
「…ま、一夏だってあん時とは比べてそれなりになってるんだから何とかなるって。」
「そ、そうですか…?そ、そうですわよね!が、頑張ります!!」
(…まず近接武器を展開する時点で絶望的なんだけどな……。まぁ接近戦は諦めて最悪近接武器をすぐに展開できるようにしては懐に潜り込まれた際に防御できるようにはしてやった方が良いな。最悪奥の手を教えても良いし…)
落ち込むセシリアを励ます翔。褒められて気合を入れるセシリアを尻目に翔は内心でそんな事を思っていた…が、なんだかんだそう思いながらもセシリアに色々と教え込もうと考えていたのであった……
その後、翔はセシリアに色々と教え込むが上達はそこまでは無かった模様。まぁまだ初日だし焦ることは無いと考えるのであった……
・迅雷(ISモード)=全身装甲型のISであり見た目はフレームアームズの迅雷(朱)。マガツキのような特機程ではないが装甲はそれなりにあり、空は飛べないが地上戦ではかなりの速度で走る事が可能。遠距離は腕部に付いた滑空砲しかないが多彩な近接武器を展開する事が可能である。