あいえす! ~一夏の従兄は自由人で混沌(カオス)~ 作:レタスの店長
「…であるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は刑法によって罰せられ…」
休み時間が終わり一夏と箒がシバかれた後の授業…やはりIS学園と言う事もあってISに関係する授業を行っていた。真耶が授業を行っている中、一夏は……
(お、俺だけか?俺だけなのか?みんな分かってるのか?このアクティブなんちゃらとか広域うんたらかんたらとか…全然分からねぇ…!これ全部覚えろってのか…!?)
案の定教科書を見ても全然分からないのか少し青ざめながら内心で思う。そんな事を思いながら周りの生徒達をキョロキョロ見ると真耶の話に頷きながらノートを取っていた。無論、翔もちょっとふざけているようにも見えるがちゃんとノートを取っていた。
「織斑君、何かわからない所がありましたか?」
「あ、えっと……」
そんな一夏の様子に気付いた真耶はそう尋ねる。すると一夏は少し申し訳なさそうにしつつも言葉を詰まらせていたが…
「分からない所があったら遠慮なく言ってくださいね?」
「ほ、ホントですか?」
「勿論、何せ私は先生ですから♪」
真耶が柔らかい微笑みを浮かべながら一夏に優しく声を掛けた。そう言われたので一夏は正直に言う事にした。
「先生!ほとんど全部分かりません!」
「え…?ぜ、全部…ですか……?」
しかし流石の一夏の発言に真耶は唖然としてしまう。そんな真耶の反応に思っていた反応とは違った為に一夏も「あれ?」と言う表情となっていた。
「え、え…えっと…今の段階で解らないっていう人は…どれくらいいますか?」
真耶は苦笑いで生徒達に尋ねるも全員分かっているのか手を上げる者はいなかった。
「あ、天崎君も…大丈夫ですか?」
「問題ナッシングっす」
一応同じ男と言う事で真耶は翔にも尋ねるが問題ないのか翔はそう言いながら人差し指と親指で〇を作っていた。
「…織斑、入学前の参考書は読んだか?」
「古い電話帳と間違えて捨てまし(スパァァンッ!)いってぇ!?まだ全部言ってない!?」
「必読と書いてあっただろうが馬鹿者、と言うか何を間違えればそれと間違えるんだ」
千冬が一夏に尋ねると一夏は正直に答える…が言い切る前に得意の出席簿アタックを炸裂させ、痛がる一夏を見ながら千冬は呆れた表情でそう言った。
「あとで再発行してやるから一週間以内に覚えろ、良いな?」
「い、いや…一週間であの分厚さは「やれと言っている」は…はい…。」
千冬が一週間で覚えろと言う横暴に一夏は困るが睨まれては従うしか無かった。
「しょ、翔兄…助けてくれぇぇ…」
「阿呆、お前のミスだろうに。自分のケツは自分で拭け」
「ぅぅ……」
一夏は翔に助けを求めるが翔にそう切り捨てられる為に一夏はアメリカンクラッカーのような涙を出しながら落ち込んだ。
「……まぁ少なからずとも千冬さ…千冬センセにも原因はあるかもな。コイツはこういうヌケた所があるから幾ら忙しかったとて注意深くコイツを見てやれなかったのも少しは原因があるんじゃね?」
「………………まぁ、一理はあるか…」
しかし一応は助け船を出してやろうと思ったのか翔はそう言う。確かに千冬は色々と忙しかった為に家を空ける事が多く中々一夏を見てやる事が出来ず、意外とヌケた部分がある一夏が参考書を間違って捨てないようにと注意深く見れなかった事も少なからず原因はある為に千冬は認めそう呟く。その事に一夏は少し嬉しそうにする…が…
「ならケジメとしてマンツーマンでお前に教えてやるとするか」
「ゑ?あ、え…その……」
「なんだ?不満か?」
「い、いえ…が、ガンバリマス………」
千冬の発言に一夏は同様するが少し威圧を込めてそう言われた為に一夏は諦めてそう返すのであった…。無論、生徒の中に「いいなぁ~羨ましい~変わって欲しいなぁ~」とか言ってる者も居たが…
「うちの馬鹿のせいで中断させて済まなかったな。山田先生、続きを…」
「ゑ?あ、はい……」
授業を中断させてしまった事を千冬が真耶に謝罪をし、真耶は授業の続きを再開させた。
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「この時間は実践で使用する各種装備の特性について説明……と言いたい所だがその前に再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないので決める事にする」
「クラス対抗戦?代表?」
先ほどの授業とは違い、今度は千冬が教壇に立って授業を行おうとしていた…が、千冬がそう言い出すので何が何だか分からない一夏は首を傾げた。
「クラス代表とはまぁそのままの意味だ。対抗戦だけでなく生徒会の開く会議や委員会への出席…まぁクラス長だな。因みにクラス対抗戦は入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点では大した差はないと思うが競争は向上心を生む。一度決まると一年間は変更はないからそのつもりでな」
千冬の説明に生徒達がざわざわと色めき立った。一夏は深い意味は分からないが要するにクラス長を決めると言う事で面倒な仕事をさせられるであろうと思いやるつもりは無い様子であった。
「で、ではわたくしが…「はい!織斑君を推薦します!」ゑ…」
「私もそれが良いと思います!」
「ゑ!?お、俺!?」
セシリアが手を上げて立候補しようとする前に他の生徒が一夏を推薦する声が沸き、周りがワイワイ騒ぎ立候補できる状況では無かった為にセシリアはしょんぼりとしてしまった。
「では候補者は織斑一夏……他は無いか?自薦他薦は問わないぞ?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺はそんなの…」
「自薦他薦は問わないとは言った。他薦された者に否定件など無い。選ばれた以上は覚悟をしろ」
「い、いやでも……」
そう言う一夏に千冬はそう言って反論をバッサリと切り捨てる。まだ反論しようとする一夏であったが…
「じゃあ私は天崎君を~」
「そうだね、私も!」
今度は翔を推薦する生徒が現れた。そんな生徒の声に翔は何処か呆れた表情をしていた。何故ならば一部の生徒が興味半分で推薦しているのであろうと分かっていたからだ。
「じゃ、じゃあ俺も翔兄に推薦するぜ!」
「……………」
そんな中、一夏も自分を推薦してきた為に翔は更に呆れた表情になった。一夏は一夏で自分が他薦された為に巻き添えにしようという魂胆が丸見えだったからだ。
……呆れた表情をした中でふとセシリアの方を向くと物凄くしょんぼりした彼女の姿が見えた為に……
「……セシリアを推薦します」
「!!」
翔は手を上げてセシリアを推薦した。それを聞きセシリアは物凄く嬉しそうな表情になった。自分を他薦してくれた人がおり、しかもその人物が自分が好意を抱いている翔であった為に今の彼女にとって1人の推薦が100人以上から推薦されたような気持ちとなっていた。
「ほぅ、その理由はなんだ?」
「そりゃあ勿論セシリアはイギリスの代表候補生。ここに居る生徒達と比べりゃ間違いなくトップクラスの実力を持っている筈だ。だからそう言った人物がクラス代表になるのがベストだと思ったからです」
「ゑ?そうなのか?」
「っっっ!!~~~~~~~~~~~っ!!」
そんな翔に千冬が理由を聞くので翔はそう答える。その理由を聞いたセシリアは先ほどよりも更に嬉しそうな表情となっていた。その一方自己紹介の時に考え事で何も聞いていなかった一夏は今になってセシリアが代表候補生である事を知るのだった。
「ほんっっとガキだな一夏は、自分がやりたくない中で推薦されたからって巻き添えにしようと俺を推薦しやがって。お前はもっと周りをよく見やがれ」
「うっ……す、すみません……」
翔にそう言われ謝罪する一夏。ごもっともであった為に反論すらできなかった。
「それに恐らくセシリアは入試で教官を倒している筈だ。だからこそかなり実力のあるセシリアが相応しいと俺は思う」
「い、いや翔さん…そこまで言わなくてもいいのですよ。逆にそこまで言われたらプレッシャーが……」
更に入試の時にセシリアの実力ならば実践にて教官を倒していると予測した翔はそう言いセシリアの株を上げようとするが逆にプレッシャーになる為にセシリアはそう言うのだった。
しかしそんな時、千冬は呆れながら少しため息を吐くと…
「お前どの口が言っているんだ。お前なんかその教官を圧倒していただろうに」
「え!?」「そ、そうなの!?」「あ、天崎君って…そんなに…?」
千冬の発言に教室はざわめく。翔が実践の教官を圧倒していた事に一同が驚いたからだ。
「しかもお前なんか専用機ではなく訓練用のラファールで「あーもういいもういいそれ以上言わんでくれ」…やっぱりお前もやりたくないんだろうが」
更に千冬は続け、セシリアは専用機だったのに対し翔は訓練機で圧倒していた事を話そうとするが翔はそう言って止める為に結局翔もクラス代表をやりたくないのだと分かり千冬は呆れながらそう言うのだった。
「え、えっと…その教官、俺も倒した…「アホか、お前の場合はまぐれだろうが。」…ハイ、ソーデスネ」
そんな中、一夏も手を上げて自分も教官を倒したと言おうとするも千冬にそう言われ不貞腐れるようにそう言うのだった。実際一夏は倒したというよりも相手が突っ込んできた為にそれをかわしたらそのまま勝手に壁に激突して気絶したのかそのまま動かなくなり勝利した…と言う感じであった。
(……専用機ではなく…訓練機で教官を……?翔さん……あなたはそこまで…!?)
それを聞いたセシリアは翔の実力に驚きつつも……何処か嬉しそうに、そして何かが沸き上がるような思いが浮かび上がった。
「ではこの3名でISでの戦闘を行い勝利数が多い者がクラス代表になる事にしよう。それで構わないな?」
「は、はい!」「せやな」「確かに四の五の言うより分かりやすいよな」
千冬はクラス代表を決める為に翔、一夏、セシリアの3人でISでの実践を行い勝利数が多い者が代表になるという事を決めると3人は了承した。
「それじゃあハンデだけれど…」
「…えぇ……い、いきなりそのお願いですか…?」
「いや、俺がどれくらいハンデを付けたらいいのかなって…」
(…いや、寧ろお前はハンデ付けてもらった方が良いんじゃねぇのかな…?ある意味初心者だしよ……)
その途端に一夏がそう言い出す為にセシリアは少し意気消沈するかのように言うが逆に一夏がハンデを背負うと言い出す為に翔は内心でそう思っていると…
「お、織斑君、それ本気で言ってるの?」
「男が女より強かったのって大昔の話だよ?」
「織斑君は確かにISを使えるかもしれないけどそれは言い過ぎよ」
そんな一夏の発言を生徒達は馬鹿にするように笑っていた。そんな生徒達に翔は呆れた表情をしていた……が…
「……はぁぁぁぁぁぁ…………」
「…お、オルコットさん、どうなさいました?」
セシリアが全員に聞こえる位に、そして間違いなく怒りを含めたため息を吐く為にそんなセシリアを見た真耶がそう尋ねると…
「申し訳ありませんが…わたくし、そう言うの嫌いなのですわ。その女尊男卑の考え。聞いていて不愉快になりますわ」
セシリアは怒り、呆れ、不快感を込めるかのようにそう吐き捨てる。……特に先ほどの発言をしていた生徒達に向けて…
「世間じゃISの登場で女が偉くて男が下等生物とかいう風潮を漂わせてますがそれはISを上手く扱える人だけであってそれらを持っていない人が偉そうにしている意味が分かりませんわ」
「第一、何かしらの取っ組み合いの喧嘩になった時に余程鍛えていない限り力では男に劣る女性が勝つビジョンなんて見えますか?」
「そもそも女はISを扱えるとか言いますがそれはIS適性者である場合であって誰も彼もが使える訳では無いでしょうに」
「それなのに世間は男は女の奴隷と言う風潮が漂って女は偉そうにふんぞり返って……馬鹿げてる」
「………そこまでだオルコット」
セシリアの怒りが混ざった怒涛の口撃に生徒達は反論も許されず押し黙る事となった。そしてまだ続きそうである為に千冬がセシリアに待ったをかけた。
「………お前の気持ちはよく分かった。だから後は私達教師の役目だ。」
「…織斑先生………」
セシリアの気持ちをよく理解した千冬はそう言い、これ以上続ければ馬鹿な生徒達はセシリアを批難対象に向ける可能性があると思い後の事は自分達が受けると主張した。
「オルコットの言った事は間違いではない。女はISを使えるとは言うがそれはIS適性者だけで全ての女が使える訳では無い。だから実際に生身で男と女が殴り合いをすれば女の方が余程鍛えて無ければ男の方が強く下手をすれば殴り殺されるだろう。」
「「「「…………………………」」」」
「貴様らは何のためにこの学園に来た?ここはIS学園、ISの事を学ぶための学校だ。貴様らは女尊男卑と言う優悦に浸る為にここに来たのか?だとしたらハッキリ言って不愉快だ、ここに居るべき存在ではない。今すぐとっとと荷物をまとめてこの学園から消え失せろ、そして二度とそのツラを見せるな」
千冬はセシリアの言った同じことを付け足すかのように説明する。世界最強と呼ばれた千冬が言うのだからこそ説得力があり生徒達は何も言う事が出来なかった。そしてISの事を学ぶ事以外でこの学園に来たのであれば今すぐ消えるようにと言い放った。
「………兎に角、ハンデは無しだ。勝負は一週間後の月曜日、放課後にて第三アリーナで行う事にする。織斑とオルコット、そして天崎はそれぞれ用意をしておけよ。それでは授業を始める」
とりあえずこの話は終え、来週に勝負をする事を決定しては千冬は授業を開始するのであった。そして千冬の放った言葉が響いたのか教室の空気は重苦しく感じる程になっていた……。