あいえす! ~一夏の従兄は自由人で混沌(カオス)~ 作:レタスの店長
「……よくもまぁ持ち上げてくれたものだ。それでこの結果か、大馬鹿者め。」
帰ってきた一夏に千冬はそう言う。……まぁあんな事を宣言しときながらこのオチなのでそう言われても仕方がないであろう…。
「あ、あの…千冬姉「織斑先生だ」せ、先生……俺、何で負けたんすか?と言うか何でシールドエネルギーが急に無くなったんですか?別にオルコットから攻撃を喰らった訳でも無いのに……」
「……零落白夜は対象のエネルギーをすべてを消滅させる単一仕様能力だ。相手のエネルギー兵器による攻撃を無効化したりシールドバリアーを切り裂いて相手のシールドエネルギーに直接ダメージを与えられる攻撃能力だ。しかし自身のシールドエネルギーを消費して稼動するから……ここまで言えば分かるな?」
「………………」
千冬の説明に一夏は理解すると同時に結構納得いかなかった。ある意味出した武器のせいで自滅した…と言う事になるからだ。
「それってある意味欠陥機じゃねーかw」
「欠陥機言うなや!私はそれで今まで戦ってきたんだぞ!あぁん!?」
それを聞いた翔がヘラヘラ笑いながらそう言うので千冬は何処か怒ったかのように翔に詰め寄りながら言う。……何となく翔に言われるのは腹が立ったのであろう。
「…ゴホンッ…兎に角、武器の特性を考えずに使うからああなったんだ、身をもって分かっただろう。明日からは訓練に励んで暇さえあればISを起動しろ、良いな?」
「…あい……」
千冬にそう言われ一夏はしょぼんとしながらも頷く。…あんな大見得切って負けた為に頷くしか出来なかった。
「……とりあえず一夏はさて置き……俺の番だな」
「しょ、翔兄!が、頑張れよ!オルコットに勝ってくれよ!「うるせぇ負け犬w」ごぼぁぁっ!?」
「しょ、翔さん確かにその通りだがそんなストレートは酷いですよ!そこはオブラートに包んで敗北者って言った方が…「うぼぁぁっ!?」」
「……お前の方が酷いと思うぞ篠ノ之……」
そんな一夏を放っておき翔は自分の番だと言い立ち上がる。すると一夏は翔にはセシリアに勝ってもらいたいと思い応援するが翔は揶揄うようにストレートでそう言う為に翔の口撃が一夏の右ボディに炸裂し、そんな中一夏にフォローを入れる箒だが全くフォローになっておらず寧ろそれが口撃となって左ボディに炸裂し、一夏はダウンてしまい、ある意味トドメを刺した箒に引きながら千冬はそう言った。
(……スティレット…出番だぜ)
(…OKよ、マスター!)
翔は小声でそう言うとポケットからスティレットが出てきては翔の無色のガントレットの上に乗る。するとガントレットは小さく光っては上に乗っていたスティレットの姿が消えたが何故か無色のガントレットが青色になっていた。そして展開すると全身に装甲を纏い、セシリアのブルー・ティアーズよりも深い青色のISを纏った翔の姿が現れた。
「おぉ~!それが翔兄の専用機か~!…何かオルコットのヤツと似てるよな…」
「色だけだろ。
「…全身装甲型とは今時珍しいな。まぁいい、行ってこい」
「うっす!…翔、いきま~~~す!」
ダウンしていた一夏だったが翔のISを見てはすぐさま復活し、大いにはしゃぐ。千冬も今時全身装甲型のISは珍しいと思いつつも翔にそう言うと翔は某白い悪魔のパイロットのような出撃セリフを言って出撃し、アリーナにたどり着いた。
「よ、待たせたな。連続での試合で疲れちゃいないか?」
「え、えぇ…大丈夫ですわ」
「……なんかさっきと比べて覇気がねぇが…大丈夫か?」
「………………」
(…余程集中したいのか…話しかけない方が良さそうだな…)
先にアリーナで待っていたセシリアに翔が声を掛けると先ほどの様子とは違い何処か気難しそうになっていたので尋ねるも黙り込んでいたので何か集中したいのであろうと思い翔はそれ以上話しかける事を止めた。
「……翔さん…」
「…どした?」
「…わたくしはあなたに対して全身全霊で勝負を挑みますわ!!」
「…いや、そこまでしなくともいいだろうよ。ただのクラス代表決めでクラス対抗とかじゃねぇんだから…」
「いいえ!そうでもしないとわたくしは間違いなくあなたに勝つことはできませんわ!だから……勝負ですわ!!」
「………分かった、だったら俺も加減無しで行くからな…」
「当然ですわ!!」
セシリアは全身全霊を賭けて勝負を挑んで来るので翔は少し戸惑うも真剣な目をしていたので翔は受けて立った。
「……行きます!!」
「…!」
セシリアはそれと同時に先制攻撃としてライフルからレーザーを放つ。しかし翔は一夏とは違いそれを難なく回避した。
「…っ!……くっ……!!」
そして翔は反撃としてガトリングガンを放ちセシリアを狙う。先ほどの接近戦だけだった一夏とは違い中距離攻撃をしてきた為にセシリアは回避するも掠ってしまいシールドエネルギーを少し削られてしまった。
「ぶ、ブルーティアーズっ!」
「甘いな」
(は…早い……!織斑さんとは比べ物にならない速さと回避力……!)
セシリアは4機のビットと出して指示を出し翔に集中砲火を仕掛けるも翔はそれを難なく回避、更には先ほどの一夏とは比べ物にならないスピードを出していた為に驚きが隠せなかった。
「よそ見してる暇はあるのか?」
「ああぁっ!!」
しかしそんなスキを見逃さなかった翔は一気に懐に潜り込んでおり近接武器の日本刀で切りつけた。流石に雪片弐型の零落白夜程の威力は無いとはいえ直撃であった為にセシリアのシールドエネルギーはかなり削られてしまった。
「ま、まだまだぁ!!」
「…………」
「…っ!?」
しかしセシリアは負けじと翔の背後にビットを飛ばし、翔に向けて放とうとした…瞬間、翔は背後を向かずに左手のガトリングガンを後ろのビットに向けて放ち…そのビットを撃墜してしまった。
「う……嘘…っ!?」
「ホントのこぉ~とさぁ~♪」
「きゃあっ!!」
見向きもせずにビットを墜とされ驚きが隠せないセシリア…であったがまたもや隙を突かれ高速移動の蹴りを喰らい吹き飛ばされてしまった。
「うっ…はあぁぁぁっ!!」
吹き飛ばされたセシリアは態勢を整えつつもライフルを連射して翔を狙撃するもすべて回避され、当たる事は無かった。
…ただ、それだけでなく翔はセシリアがライフルを撃っている間に残りのビットの場所を確認しては腕部に付いているミサイル二発とガトリングガンを駆使して全て墜としてしまった。
「え…あ……えぇ!?」
そんな一瞬にて残り3つのビットを墜とされてしまった事に一瞬何が起こったのか理解できずに動揺してしまい、その事を数秒掛かってようやく気付いた。しかしその間翔は攻撃してこずにセシリアの方を向いていた。
「…さて、レーザーの方のビットは堕ちたぞ。残りは二つのミサイルビットだ、だがさっきの試合見てたから一夏のように不意打ちは効かんぞ?」
「……うっ…!」
4つのレーザービットが堕ち、残っている武装はライフルと腰部の二つのミサイルビット、そして展開が遅いショートブレードだけだった。ライフルを撃っても当たる事は無く、かと言って一夏との試合を翔も見ていた為に不意打ちでミサイルビットを当てる事は出来ず寧ろ不意打ちにまで持っていく事も不可能。更に射撃を得意とするセシリアとブルーティアーズで翔に接近戦を挑む事なんてもってのほかだ。
(か……勝てない……圧倒的過ぎますわ……!)
先ほどの一夏との試合とは違い自分と翔との実力は圧倒的である事にセシリアは翔に勝てないと思い始めてしまった。このまま何もできずに敗北してしまう事を頭によぎらせた…。
(…っ!い、いいえ…!ここで弱気になってはダメですわ!せめて……せめて一太刀でも浴びせないと…!)
しかしセシリアはすぐさま弱気な気持ちを振り払って諦めない気持ちを持った。勝てなくともせめて一太刀を浴びせる為に何か策は無いかと考えていた。……一方の翔はセシリアがどう言った戦法を行うのかを楽しみにしているのかセシリアが動くのを待っていた。
(……っ!…ほ、ほぼ無謀ですが……これしかない!!)
(…覚悟を決めたか。どう言ったので来るんだ、セシリア?)
そして思い付いたのかセシリアは翔の方に目をやる。そんなセシリアの目を見て覚悟を決めたのを察し、翔は構えた。
するとセシリアは腰部のミサイルビットを放ってきたのだ。
(…不意打ちでなく普通に撃ってきた?何か企んでるな。しかしそんな見え見えのミサイルなんて当たらないぜ…!)
その事にセシリアは何かを企んでいると判断するが先ほどの不意打ちで撃って来た時と比べ見え見えである為に翔は難なく回避した……のだがそのミサイルは反転して再び翔に目掛けて飛んできた。
(!追尾型だったのか…それは盲点だった…しかしそれならば墜とせばいいとの事!)
そのミサイルが追尾型であった事に今気付いたがならばと思い日本刀でそのミサイルを叩き切った。案の定爆破してダメージは無くとも翔の周りには爆破で煙が舞い上がった。
「……成程……そういう事か…!」
翔はこの一連のセシリアの行動を見てどう言った事をしてくるのかを把握した。するとそんな煙の中からレーザーが飛んできた為に翔はそれを回避しつつ当たりそうになれば日本刀で切り払った。……そう、セシリアが狙ったのは恐らくミサイルが爆破した際の煙で視界を奪いそこから翔を狙い撃ちするという事だった。しかし翔はすぐにこれを察した為にレーザーには当たらず通用しなかった……と思いきや…
その煙の中からセシリアが現れたのだ。ショートブレードを手にして…
「……おぉっ!?」
「…これでぇ!!」
流石の翔もセシリアのこの行動を予測できなかったのか驚いており既にセシリアはショートブレードを振り下ろそうとしていた為にすぐに日本刀で防げる状況では無かった。誰もがセシリアが翔に一太刀を浴びせられるかと思った状況……であったがその瞬間、翔の左腕のミサイルが外れそのショートブレードを防ぐべく左腕を出したかと思えばその左腕からブレードが出てはそのショートブレードを受け止めた。
「………うそ…!?」
「…やるなセシリア……!まさかこれを出す事になるとは思わなかった…!」
受け止められた事にセシリアは驚きが隠せずにいた…いや、恐らく誰もが驚いているであろう。そんなセシリアに翔はそう言う…どうやらこのブレードは滅多に使わない隠していた武器であった様子であった。
…そして翔はそのブレードでセシリアを弾き飛ばすと…
「スティレット、メガスラッシュエッジだ!」
『OK!』
翔は日本刀を仕舞いそう言うと日本刀を持っていた手には大型のブレードを手にしていた。そして高速移動でセシリアに近づくと翔は舞うようにセシリアに斬撃攻撃を与えていき……
「これでトドメだ!」
そして翔が構えるとそのブレードはボウガンのような形となってエネルギー弾が放たれセシリアに直撃した。
「きゃああぁぁぁぁぁっ!!」
エネルギー弾が直撃してセシリアは堕ちる。…体勢を整えられないのかこのままでは地面に激突してしまう状態であった…が、翔はすぐさま高速移動で飛び、セシリアを受け止めた。
「…あ……」
「おう、大丈夫か?」
間一髪翔に受け止められ地面に激突せずに済んだセシリア。そんな彼女に翔はそう声を掛けるが…
「………まだまだ課題は多そうだな。ビット攻撃時に他の攻撃が出来ないってのは致命傷だ、それじゃあビット攻撃の意味がない。」
「…そ、そうですわね………」
すぐさまセシリアの弱点等を容赦なく伝える為にセシリアは痛い所を突かれたような表情となっていた…。
「……けどさっきの戦法……俺は嫌いじゃ無かったぜ」
「…!は、はい……////」
しかし先ほどの最後の抵抗であった行動を翔が褒めるとセシリアは嬉しそうに笑顔となった。
………こうして翔とセシリアの試合は翔が圧勝したような形になったがセシリアにも何か得られるような経験となったのであった……
・スティレット(ISモード)=全身装甲型のISであり見た目はフレームアームズのスティレットそのもの。ISの中ではかなりのスピードを誇っており中距離~近距離での戦いを得意とする。
……何か圧倒的になってしまったような…w
翔「セシリアがよええんじゃねぇ…俺がつえぇんだ…」