地底スタートの幻想郷生活   作:四国の探索人

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第四十一話 紅魔館への帰還

 ユウスケは霊夢の腕を掴んだ瞬間、彼女は最初は不快感を示し、顔に怒りの色が浮かびました。「なんで私の邪魔をするの?」という思いが伝わってくるようでした。しかし、腕を掴んだのがユウスケであるのを確認すると、彼女の表情は一瞬驚きに変わり、そして涙を見せました。すぐに彼女は背を向け、「あなたがいないとマトモな飯が食べられないのよね」とつぶやきます。その言葉には、彼を失いたくないという切実な思いが込められていました。

 

 ユウスケは目の前で倒れているレミリアに視線を移します。彼女は血まみれで苦しそうに地面に伏せていました。「彼女を助けなければ…」と感じたユウスケは、自身の能力を用いて彼女の傷を癒そうと決意を固めます。周囲のエネルギーを感じ取りながら、彼の手にはその力が集まっていきます。意識を集中し、レミリアの負傷を癒すための活力を送り込みます。

 

徐々に、レミリアの身体に光が宿り、傷が回復していく様子がはっきりと見えるようになります。血色が戻り、彼女の表情も少しずつ穏やかになっていきます。ユウスケは、彼女がフランのためにここまで頑張る姿を見て、心の中に尊敬の念が湧き上がりました。「フランのために、ここまで庇ってくれるなんて…やはり伊達に紅魔館の当主をやっていないな。」そう思うことで、彼女の強さを改めて感じました。

 

ひとまず、ユウスケは霊夢に向き直り、「霊夢、確かに殺されたけど、なんとか僕の能力で復活できたんだ。だから、彼女を許してあげてほしい」と言います。その言葉には真剣さがこもっており、どこか胸の内で迫ってくるような思いが伝わってきました。

 

霊夢はしばらくの間、眉を寄せてユウスケをじっと見つめていました。やがて彼の真剣な眼差しと、言葉の重みを感じたのか、少し心を和らげてうなずきます。「あんたもお人好しね。まあ、本人がいいと言ってるなら、引き下がらざるを得ないわね。」彼女の言葉には、少しばかりの不満と共に、ユウスケの友情への敬意が混じっていました。

 

 その日は、ユウスケと霊夢は博霊神社の床につき、穏やかな睡眠に入ります。しかし、夜中にユウスケは誰かに揺り起こされる感覚を感じました。目を開けると、目の前にはレミリアの姿がありました。

 

「ユウスケ、大丈夫?生きてる?」とレミリアは不安そうな声で尋ねます。彼女の目には心配の色が浮かんでいました。

 

ユウスケは少し驚きながらも、心配する彼女に微笑みを返して、「そっちこそ大丈夫?」と聞き返します。レミリアは少し顔を赤らめてから言いました。「あなたの能力のお陰で、むしろ体調がいいくらいだわ。そんなことより、やっぱり能力で生き返れたの?」

 

「うん、元の体はバラバラになっていたから、魂は戻れないと思ったんだ。だから、博霊神社の中に自分の身体を生成したんだよね。本当ならもっと早く帰れたのだけど、いろいろあって復活するのに時間がかっちゃった。痛い思いをさせてごめんね。」

 

レミリアは軽く頷いて、「私も紅魔館の主としてやるべきことをしたまでよ。それに、フランのことが悪かったわね。あの子は狂気に支配されることがあって、最近は何も無いから大丈夫だと思ってたんだけど…」と心を痛めるように言います。

 

ユウスケは少し考え込んでから言いました。「正直、しばらくトラウマになりそうだけど、一回死んだおかげか、狂気をどうにかできる策があるよ。」

 

レミリアは目を大きく見開き、「本当!!?」と驚きますが、すぐに顔を引き締めて、「でも、殺されたばかりなんだから無理しないでね。」と優しく注意します。

 

ユウスケは少し微笑みながら頷きます。「流石に今日はもう寝るけど、紅魔館のみんなを安心させるために明日には紅魔館に行くよ。」彼の言葉には、明るい希望が感じられました。

 

レミリアは彼を見つめながら、少し安心した様子で「ありがとう、ユウスケ。待ってるわね。」とさやき、彼のそばにいて安心を感じた後、再び自分の部屋へと戻っていきました。

 

 次ユウスケとレミリアは紅魔館へ向かう道中、ユウスケは少し不安を感じていました。「一回殺されたってみんな悲しんでるだろうに、ひょっこり会いに行くのもなんか辛いな…」とつぶやきます。

 

レミリアはその言葉に少し笑いながら返しました。「案外フラン以外は死体も見たことあるから、気にしてないかもよ。」

 

紅魔館に到着すると、最初に現れたのは美鈴でした。「お帰りなさいませ、お嬢様。あれ?ユウスケさん、生きてるんですか?タフですねぇ。」

 

ユウスケは少し恥ずかしそうに「いやまあ、一回死んだんですけどね。」と答えます。レミリアはそっと自室に帰りました。

 

館の中に入ると、咲夜が現れました。彼女は生き返ったユウスケに驚き、「ユウスケさん、方法は知らないですけど復活したんですね。正直、博霊の巫女と全面戦争になる覚悟をしてたので、ホッとしました。」と安堵の表情を見せます。続けて、小声で「心配させたバツを与えないといけないですね。」と囁いていました。

 

館の中を歩いていると、パチュリーが姿を現しました。「ユウスケ、復活したのね。あなたの遺体、あっちで復活するかもと思ってそのまにしてあるわ。要らないなら、研究に少し貰っていい?余ったらレミリアの食事にでも出すわ。」と提案します。

 

ユウスケは少し困惑しながら答えます。「いいけど、自分だったものを解剖されるのは複雑な気持ちだな…。」とつぶやきました。

 

最後にフランの部屋に訪れたユウスケは、ノックしましたが、中からは何かが扉に投げつけられるような音が聞こえました。

 

フランの声が響きます。「誰も来ないで、一人にして!」

 

外からユウスケは「フラン、僕だよ。」と声をかけます。

 

しばらくの沈黙の後、フランが言いました。「ユウスケ兄、生きてたの?死体は目の前にあるのに…。」

 

ユウスケは「なんとか新しい体を生成するのに間に合ってね、生きてる。開けてもらっていい?」と強い声で応じます。

 

フランは少し迷った後、声を震わせて言いました。「もしかしたらまたユウスケ兄のこと傷つけるかもしれないから嫌。ユウスケ兄にもう傷ついて欲しくない。」

 

その言葉がユウスケの心に深く響きました。彼はフランの不安を理解しつ、「大丈夫、もう一度傷つくようなことはないよ。だから、少しだけ顔を見せてほしいんだ。」と静かに話しかけました。

 

彼の声には、フランを安心させたいという強い思いが込められていました。

 

 フラン部屋の中は静まり返り、緊張した空気が漂っていました。ユウスケはフランの声が心配と恐怖で満ちているのを感じます。彼は、彼女の不安をどうにか和らげたいと思い、少し考えてから言いました。

 

「フラン、僕は確かに一回死んだ。でも、今はここにいる。君やレミリアたちのために、生きて戻ってきた。もう絶対に傷つかないようにするから、信じてほしい。」

 

フランはしばらく無言でしたが、次第に心の中で葛藤しているようでした。「ユウスケ兄、本当に大丈夫なの…?」

 

「本当だよ。僕が生きているのは、みんなと一緒にいたいからだから。だから、お願い、開けてくれないかな?」

 

扉の向こうで、フランは小さくため息をついたようでした。ユウスケの心臓が高鳴ります。彼女が開けてくれるのを願うばかりでした。

 

その後、しばらくの沈黙の後、ドアがゆっくりと開きました。フランの顔は険しい表情で、目には涙が溜まっていました。しかし、その涙は恐れの涙とともに、安堵の気持ちも含まれているようでした。

 

「ユウスケ兄…」彼女は声を震わせて言います。その瞬間、ユウスケはフランに近づき、彼女をぎゅっと抱きしめました。

 

「大丈夫だよ、フラン。もう心配しないで。」

 

フランはその瞬間、彼の温もりと存在を感じて、彼女の心の中の重荷が少し軽くなったような気がしました。「ユウスケ兄、ほんとうに生きてるのね…私、何があっても遠ざけたいと思ってた。もう、あなたが傷つく姿は見たくないから…。」

 

「分かってるよ。それでも、君が僕のことを心配してくれるのはすごく嬉しい。だから、これからは一緒に強くなっていこう。どんなことがあっても、僕たちはお互いを支え合えるから。」

 

フランは少し顔をあげ、ユウスケを見つめました。彼女の目には、少しずつ明るい光が戻ってきていました。「うん、分かった。ユウスケ兄がそばにいるなら、私も頑張る。」

 

 ユウスケはフランの目をじっと見つめ、彼女の心に響くように問いかけます。「フラン、君の狂気をどうにかする方法があるんだけど、やる?少し辛いことがあるかもしれないけど…」

 

フランはその言葉に真剣に耳を傾け、一瞬考え込みます。彼女の中にある恐れや不安がよぎったものの、ユウスケの優しさと思いやりを思い出し、彼女の心は強くなりました。「やる!私、やりたい!」と元気よく答えました。

 

その言葉は、ユウスケにとって一筋の希望の光となりました。彼はフランのその決意を見て、少し安心した表情を浮かべます。「本当に?君の意思が強いのは、僕も知ってる。これから一緒に頑張っていこう。」

 

フランは目を輝かせ、「ユウスケ兄がいるから、私は大丈夫!」と力強く頷きました。彼女の決意に満ちた表情が、ユウスケの心をさらに奮い立たせます。

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