ユウスケは冷静になり、ナイフを生成してロープを切り、自由を取り戻しました。動けるようになった彼は、すぐに「通り抜けフープ」を生成して魔理沙の家から脱出します。
「脱出成功…!」と内心でほっとしながらも、すぐに状況を把握します。しかし、魔法の森には来たことがなかったため、道がわからず勘に頼って進むことにしました。
しばらく歩いていると、急に体が熱く感じてきます。「疲れてきたのかな…?」と思ったものの、動悸が止まらないことに気づきました。「なんだこれ…?」と不安を抱きつ、魔理沙に飲まされた液体の影響なのかと考え始めます。
その瞬間、意識が遠のいていくのを感じながら、ユウスケはついに気絶してしまいました。彼はそのま倒れ込み、周囲の音が徐々に遠ざかっていくのを感じたのです。魔法の森の静けさの中で、彼の体は無防備に横たわっていました。
倒れているユウスケの近くに、「シャンハーイ」と元気よく声をあげながら近づいてくる者がいました。それはアリス・マーガトロイドの上海人形です。「シャンハイ?シャンハイ!」と声をかけましたが、ユウスケは返答しません。
「仕方ないな…」と上海人形は思い、急いで主であるアリスを呼びに行くことにしました。
上海人形は、アリスの元へ駆け寄り、「シャンハイ!シャンハイ!」と、いつもより速いテンポで話しかけます。アリスはその様子を見て何か異常があったのかと胸騒ぎを感じ、上海人形に従って彼女の指し示す方向へ向かいます。
やがて彼女が辿り着くと、そこには無防備に倒れている少年(ユウスケ)がいました。「里の子じゃなさそう…」とアリスは考えますが、すぐに「まあとりあえず連れて帰りましょう。」と決断します。彼女は少年を抱えるようにして自宅へと運びました。
アリスの家に着くと、ユウスケは休むためにベッドの上に寝かされ、アリスは彼の様子を見ながら看病を始めました。優しい瞳で弱った少年を見つめながら、アリスは静かに彼の回復を願いました。
ユウスケは目を覚まし、周囲を見渡しました。「知らない天井だ…多分、魔理沙ではない、誰かに助けられたんだな。」そう思いながら背を起こすと、優しい声が耳に飛び込んできました。
「起きた?調子はどう?」アリスの顔が見えました。
ユウスケは助けてくれたアリスを見て、感謝の意を伝えました。「あ、あなたが助けてくれたんですね。ありがとうございます。この前の宴会でお会いしましたよね。」
アリスはちょっと不思議そうに眉をひそめ、「この前の宴会?男性はユウスケさんだけだったような気がするけど、あなたのような子がいたかしら…?」と問いかけます。
ユウスケは戸惑いながらも、「えっ、僕がユウスケですよ?アリスさん。」と返しますが、アリスは首をかしげて言います。「ぼく、流石に年が違いすぎるわよ。寝ぼけてるの?」
ユウスケは自分のことを不思議に思いながら、「鏡お借りします。」と言って近くにあった鏡で自身を確認しました。鏡の中には、確かに少年の姿が映っています。肌は若々しく、顔も見慣れた自分とは随分違って見えました。
「これ絶対魔理沙のせいだな…」とユウスケは心の中で思いながら、困惑の表情を浮かべました。アリスの前で何が起こったのか、そしてどうして自分がこんな姿になってしまったのか、頭の中で考えを巡らせます。しかし、現状ではまだ詳細を把握できないままでした。
ユウスケが考え事をしていると、玄関の扉をノックする音が聞こえてきました。外からは元気な声が響きます。「は~い」とアリスはその声に応じようとしましたが、ユウスケは急いでアリスの服を掴み、「僕のことは知り合いということにして」と真剣な眼差しで彼女を見つめます。
アリスは頷き、ユウスケの気持ちを理解した上で、扉を開けました。「よう、アリス。この辺でユウスケを見なかったか?あいつ、一緒に遊ぼうとしてたら迷子になったみたいでよ。」と、魔理沙が少し不安そうに尋ねます。
アリスは機転を利かせて、「いいえ、見てないわ、魔理沙。あなたが男と2人で何の遊びをしようとしてたの?」と問い返します。
魔理沙は少し恥ずかしそうに笑い、「いやぁ、ちょっと料理をご馳走しようと思ったんだけど、逃げられちゃってさ。また見つけたら教えてくれ。ん?そこに誰かいるな。誰だ?」と、アリスの背後に誰かがいるのに気付きます。
「人形劇を観てくれてた子どもよ。こっちにいらっしゃい。」アリスはユウスケを呼ぼうとします。
仕方なくユウスケは出て行き、「こんにちは、魔理沙さん。僕はアリスさんの人形劇を観ていて、今日はお話を聞きにアリスさんのお宅にお伺いしました。」と無邪気に挨拶します。
魔理沙はユウスケを一瞬見つめた後、にっこりと笑い、「よう少年、私は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだぜ!妖怪退治や異変解決なら私に声をかけるんだな。」と元気よく自己紹介をします。
その後、魔理沙は振り返り、「じゃあ、またな!」と短く言って、アリスの家を去っていきました。
ユウスケは大きな安堵感を感じ、「あ、助かった…」と心の中で呟きます。アリスは微笑みながら、ユウスケに向き直り、「大丈夫よ、今のところは安全みたいね。」と言いました。彼女の言葉に励まされ、ユウスケは少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
ユウスケは落ち着きを取り戻していると、アリスが好奇心を抱きながら話しかけてきました。「それで、ぼくはどこの子なの?」
ユウスケはちょっと困りつも、とっさに答えを思いつきました。「紅魔館の屋敷の見習いです。魔法の森にはパチュリーさんの実験に使う薬草を集めに来ました。」
アリスは少し驚いた表情を見せました。「あそこは、こんな小さい子に危険なことをさせるのね…。明日届ける時に文句言っておくわ。今夜は泊まっていきなさい。」
ユウスケは紅魔館の評判を少し落としてしまったかもしれませんが、なんとかこの場をしのぎました。
アリスはにっこりと微笑み、「ぼくが楽しめそうなものはないけど、クッキーと本くらいならあるわよ。」と優しく言いました。
ユウスケはせっかくなので、「じゃあ、魔法の本が読んでみたいです!」と興味を見せます。アリスは本を一冊棚から取り出し、彼に自分の膝に座るよう促しました。
ユウスケは少したじろぎながら、「本なら一人でも読めるよ。」と言いますが、アリスは愛情をもって教えるように、「だーめ、魔法の本は文字も人間が読めるものじゃないし、分厚いんだから君一人では読めません。」と膝に座るよう促します。
ユウスケはアリスの言葉に従い、膝に座って彼女と共に魔法の本を読み始めました。アリスとの魔法の勉強は楽しく、気づけば夕飯の時間になっていました。
夕飯では、アリスがコーンポタージュとパンオムレツを作ってくれました。「どう?美味しい?」とアリスが問いかけると、ユウスケは自然と「うん!美味しい!」と答え、アリスは嬉しそうに微笑みました。
楽しい雰囲気の中、ユウスケはつい思わぬ発言をしてしまいました。「アリスさん、なんで優しくて料理もできて可愛くて気配りもできるのに一人で暮らしてるの?」
アリスは一瞬考え込みましたが、ユウスケの肩を優しく掴み、真剣な声で話し始めました。「いい?ぼく、幻想郷では何故か女性の方が多くて男性が少ないの。勿論人里にはいるけど、人間は人間同士で付き合うからね。人間以外の男性は少ないの。
それに、私がモテないわけじゃないのよ。コンキ、ヲ、ノガスヨ、トカイワナイデ。(婚期を逃すよ、とか言わないで)。サイキン、フリー、ノ、ツヨイダンセイ、ガ、イルカラ、ワタシハ、ソノヒト、ツキアウノ(最近、フリーの強い男性がいるから私はその人と付き合うの)。
だから実際私は彼氏がいるようなものなのだよ、少年よ、分かった?私がモテないわけじゃないからね?」
ユウスケは少し驚きながらも圧倒され、「わ、わかったよ。アリスさん。」と応じました。アリスを安心させるために、それ以上この話題を続けるのはやめることにしました。
夕食を終えると、アリスが「それじゃあ、お風呂に入りましょうか。」と楽しげに提案します。ユウスケは「一人で入るね。」と申し出ますが、アリスは優しく笑いながら言い返します。「あなたみたいに小さい子が一人で入って溺れたらどうするの?」そう言って、ユウスケを風呂場へ連れて行きました。
ユウスケはなるべく目を閉じ、意識を他に向けながら入浴します。すぐに上がろうとすると、アリスは「まだ100数えてないでしょ?」と言って彼を優しく押さえ、一緒に湯船に浸かります。ユウスケは恥ずかしさを感じながらも100まで数え、無事に風呂から上がりました。
入浴後、ベッドへと向かいますが、部屋にはベッドが一つしかないため、アリスと共に寝ることになります。アリスは「お休みなさい、坊や。」と微笑みながらユウスケを抱きしめ、そっと眠りにつきます。ユウスケもアリスの暖かさに包まれ、心地良い眠りにつきました。
翌朝、ユウスケが目を覚ますと、体に違和感を覚えます。見下ろすと、自分の体が元の姿に戻っていました。「戻ってる…」と感極まり、思わず声を出してしまいます。それでアリスを起こしてしまい、彼に尋ねました。「おはよう、アリスさん。」
アリスは寝ぼけた声で「おはよう、ユウスケさん」と応じ、何か違和感を感じた様子で「ん?」と顔をしかめます。
ユウスケが振り向くと、アリスは驚きの表情を浮かべながら、顔を赤くしています。彼女は「もしかして、昨日の子ってユウスケさん?」と尋ねます。
ユウスケは背を向けたま「うん。」とだけ答えました。アリスはその答えに顔をさらに赤くし、昨日の出来事を思い出してしまいます。その場で震え、泣き始めてしまいました。「ごめんなさい、少年がユウスケさんと気付かずに夜中にあんなことしてたなんて。もうお嫁にいけない〜。」
ユウスケは焦りながら、「大丈夫だよ、アリスさん。何も知らなかったんだし、アリスさんは可愛いから誰でも振り向いてくれるって。」とアリスを慰めます。
ユウスケ心の声「俺は一体夜中に何をされたんだ?」
アリスは目を瞑ったま、「本当?」と確認するように問いかけ、ユウスケは力強く頷きました。すると、アリスは少し安心した様子で、「じゃあ、一回きりじゃ嫌だからまた一緒に過ごしてね。」と微笑みました。
ユウスケはまた頷き、アリスが機嫌を取り戻してくれたことにホッとしました。そして、アリスの案内で博霊神社へ向かいました。
通り抜けフープ
ドラえもんに出てくる秘密道具。
使うと壁を通り抜けられる。
今回は魔理沙の家から脱出するために使用。
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