第六十二話 パルスィはユウスケ成分が足りていない
幻想郷の地上では平穏な日々が続き、ユウスケは魔理沙や紅魔館の仲間たち、そしてなぜか博麗神社によく訪れる萃香と過ごしていました。その間、地底では新たな動きが始まっていました。
「あ~、ユウスケと会いたいよぉ。いつになったら帰ってきてくれるのよユウスケ。」とパルスィは目の前に勇儀がいるにも関わらず思いを零します。
地底の居酒屋で、パルスィは不満げに話しかけます。「ちょっと勇儀。」
「どうしたんだ、パルスィ」と勇儀が答えます。
パルスィは少し寂し気に、「ユウスケ成分が足りないわ。」と漏らします。
勇儀は思い出しながら、「まあ、私はアイツが地底を去ってから会ってないけど、パルスィは確か一度地上に古明地姉妹について行って会ったんだろ?」と尋ねます。
パルスィは渋々頷き、「確かに一回はあったけど、それでもあれからかなり経つわよ。ユウスケの奴、地上の女共からいいようにされてるんじゃ、、妬ましぃ。」と妬みの感情を隠しきれません。
勇儀は彼女をなだめようと、「ほら、パルスィ。でもユウスケも一応地底を追放処分になってるから帰って来れないだけじゃないのか?」と言います。
パルスィは不満を募らせ、「そんなの分かってるけど、あの追放処分も私達の責任を回避するためにユウスケが引き受けたものでしょ?もう解除されていいはずよ!」と強い口調で言います。
それに対し、勇儀は落ち着いて頷きます。「地霊殿のさとり様も言えば追放を解除してくれるとは思うけど、ユウスケ本人の意思もあるからなぁ、、。」
パルスィは意を決した様子で、「勇儀、決めたわ!」と宣言します。
勇儀はすぐに察し、「パルスィ、お前もしかして、、」と問いかけます。
パルスィは力強く、「古明地の姉にユウスケの追放解除を言ってくるわ!」と決意を新たにします。
「よし!それならパルスィの親友の私も一緒に行ってやろう!!」と勇儀も力強くサポートを申し出ます。
地霊殿についた2人は門にいた猫の火焔猫燐に話をして古明地さとりと会えるか聞きます。
暫くするとお燐がパルスィと勇儀のもとに戻り、微笑みながら言います。「さとり様がお通ししていいって。どうぞ。」
パルスィと勇儀はお燐に続きながら、少し緊張した面持ちで歩を進めます。扉を開けて執務室に入り、さとりと対面します。
さとりは机に積まれた書類に手を止め、穏やかに二人を見つめます。「いらっしゃい、何か話があるのかしら?」
パルスィが軽く咳払いをしつ、少し前に出て話し始めます。「さとり様、今日はお願いがあって参りました。あの、ユウスケの追放処分を解除してもらえないかと思いまして。」
勇儀も真剣な表情でさとりに続けます。「ユウスケが地底を去ってから、多くの時間が経ちましたが、そのきっかけになった事件も彼の責任でないことは明らかです。地底に戻れるようにしてやりたい。」
さとりは目を閉じ、しばし考え込みます。静かに目を開き、言葉を選びながら応えます。「確かに、ユウスケには彼自身が引き受けた状況があったことは今も私の心に残っています。そのような形で追放処分を受けたこと、私も胸が痛んでいます。」
パルスィはさとりの言葉に希望を見出し、「なら、解除の方向で考えてもらえるのでしょうか?」と少し身を乗り出します。
「もちろん、私から地底の者たちに話してみましょう。」さとりは優しく微笑み、一呼吸置いて続けます。「しかし、ユウスケ本人の意思も重要です。彼にとって戻ることが最善かどうかも問いただしてみましょう。」
勇儀が力強く頷き、「ありがとう、さとり様。アイツもきっと喜ぶはずだ。」と感謝の気持ちを伝えます。
パルスィも安堵の表情で、「本当にありがとうございます。」とさとりにお礼を言います。
さとりは小さく頷き、「彼の意志を確認し、その上で一番よい解決策を見つけましょう。それが私たちの役目ですから。」と優しく締めくります。
さとりが優しく話を締めくったその瞬間、扉が勢いよく開きました。そこに立っていたのは、や興奮気味の古明地こいしです。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん。文々。新聞見た?ユウスケお兄さんが異変を解決したみたいだよ!」と声を弾ませて言います。
さとりは戸惑いつつ、「こいし、その話はあとで、、」と話題を逸らそうとしますが、その内容に興味を持ったパルスィがすぐに反応します。
「本当!読ませて!」と叫び、こいしの手から新聞を手に取って読み始めます。
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**文々。新聞第千六十七号:驚異の異変を解決!**
最近、幻想郷で突如として連日のように開催されていた「宴会」。楽しいひときが続いていましたが、実はこれが異変だったと知る人は少なかったようです。
異変の背後には何者かの意図があると知った我らが博麗の巫女と、彼女の男である人間のユウスケ氏が調査を開始。二人は別の手段と隠密な道を選び、異変の源を探っていきました。
巫女が手掛かりを紡ぎ出す中、先に主犯を見つけたのはユウスケ氏でした。一人、危険な境地に突入し、異変を生み出した者と直接対決。戦いは想像を絶するもので、激しい魔力と戦術が幾度も交錯しました。
射命丸文が現場を目撃したところによれば、ユウスケ氏は冷静沈着、かつ果敢にその者へと立ち向かい、幾度もの逆境を乗り越えて瀕死になりながら異変を収束に導いたとのこと。彼の勇敢な行動により、幻想郷は再び平穏を取り戻すことができました。
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記事を読み終えたパルスィは、胸に熱い想いを感じ取ります。「ユウスケが瀕死?それに博霊の巫女の男って何よ!」と彼の無事を願いながら、いても立ってもいられなくなります。
「いますぐ行かなきゃ!」と、その場を飛び出そうと身構えますが、勇儀がすぐに彼女の肩を押さえ、「落ち着けパルスィ、異変は無事解決されたんだからユウスケも無事だって。」と声をかけます。
勇儀は慌てパルスィを止めますが、彼女は険しい顔で言います。「やっぱりユウスケは博麗の巫女に誑かされているんだわ!私が助けないと!」
さとりは穏やかに、「パルスィさん、地底の妖怪が特別な用事なしで地上に行くのは良くないですよ。」と諭します。
しかし、その言葉に耳を貸さず、パルスィは自分の理論を展開し、「ユウスケに婿入りすれば戸籍が向こうのものになるから、実質地上の妖怪よ!外の世界の本で読んだわ。」と不思議な論理を叫びながら、勢いよく駆け出します。
勇儀とさとり、そしてこいしは止めようとしますが、パルスィの決意は固く、そのま部屋を飛び出してしまいました。
こいしはパルスィの後姿を見送りながら、「あーあ、行っちゃったね、パルスィのお姉さん。」と少し残念そうにつぶやきます。
勇儀は苦笑しつ、「そのなんだ…タイミングが悪かったな。」と肩をすくめます。そして、後の騒動を想像しながら帰途につきます。
静かになった部屋で、さとりは小さく息を吐き、「ユウスケがパルスィに説得されて帰ってきたら、それはそれで頼みたいこともあるからいいか。」と少し微笑みながら、執務机に戻り、積み上げられた書類に手を伸ばします。
ユウスケが地底へ戻る道のりは少し難しい気がしますが、それぞれが心の中に思い抱くのは、再び巡り合い少し前の地底の日常へと戻るささやかな期待でした。
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