シャングリラ・ウィズ・フロンティア~黒猫の魔法使い、惑星ユートピアに挑まんとす~ 作:雷琉太
目の前に広がる光景はセツナにあった時とは違っていた。桜は咲き誇り、彼岸花はなかった。そして、墓の前にいたのはセツナではなかった。
「墓守のウェザエモン、いざ尋常に」
「断風」
「勝負!」
先ずはサンラクが突っ込む。君はしばらく蘇生役だ。サンラクとオイカッツオがウェザエモンと対峙する。…十分間これをしろと?
「見ている感じ一番やばいのは雷鐘にゃ、あれをどうにかするにゃ」
開始3分ごろ、師匠から有難い言葉がかかる。
「雷鐘」
とっさに防御障壁を上に展開、発生源の近くで雷がはぜる。
「サンキュー黒猫氏!」
サンラクが少し生きながらえてそんなことを言う。
「断風」
…あっという間に死んでしまった。
「儚い命だったにゃ…」
「まだ死ねらぁ!」
「ゾンビにゃ?」
…師匠も絶好調だ。そうこうしていると、いつの間にか十分が過ぎたようだ。
「……質量転送・及び展開、戦術機馬【騏麟】」
魔法陣のようなものが現れ、そこから巨大な馬が現れる。
「火砕龍」
ウェザエモンが自分の技を使って飛び上がった。…まずい!
「麒麟に乗る気にゃ!」
牽制のための魔法を打つ。
「灰吹雪」
しかしその魔法は新たな技に打ち消されてしまった。…声が変わった?
「ウェザエモンの方も乗ろうとするとか聞いてねーぞ鉛筆!」
「私も初見だよ、鳥頭!」
ウェザエモンが麒麟に乗ってしまう。
「お主らには、これくらいしてもよさそうじゃ」
ウェザエモンが笑う。しかし、その声は間違いなくシュリのものであった。
「阿朱羅シュリ、推してまいる」
「よく言うぜ閻王!卑怯者がどっちかわからんくせに!」
サンラクが啖呵を切る。
「幕末志士に正々堂々なんて言葉は響かないんだよ!」
サンラクがかける。
「要請:麒麟のとこから出る攻撃はあたしが何とかするから、他は上を頼む」
「笑顔:魔法使いも知らない異界の力見せてやるよ」
そう言って彼女は1枚のカードを取り出す。
「実装:銃爪にかけた指で夢をなぞる」
そう唱えると、彼女に赤い鎧がつく。
「解説:聖遺物を使って戦える」
そう言ってミサイルをぶっ放していた。…それを全部斬ったように見えるウェザエモンはやはりおかしい。
「なら、私も切り札出そうかな」
ペンシルゴンが出したのは1本の槍。と、もう一つ小さな棒。
「ヴァイシュラヴァナ、開門」
「…ようやくお披露目かにゃ?」
その武器はセツナが恋人を止めるために作った槍。
「紫電一閃、限定発動」
時間を止める槍が、修羅の王に牙を向く。第2ラウンドが始まろうとしていた。