今日はなんだか気分がいい、天気も晴れやか散歩がしたい、飲みきったら行ってこようか、そう思いながら紅茶を飲む、昨日は朝から不良に絡まれ、セリナさんに時間いっぱいまで髪遊びをされたあと、それなりに真面目に授業を受けた。
授業は初日なこともありどの授業も基本的な感じだった、私は勉強は出来ない訳ではない、中等部の時は中の上ぐらいには居た気がする、記憶の花弁が数枚取れていても流石に勉強の内容ぐらいは覚えていた。
まあそんな事は今はどうでも良い、今日は休日、久々に趣味を謳歌するとしよう、そんな事を思いそれなりに動きやすい服装に着替え、アトリエのドアを開ける、小柄で綺麗な黄色い髪の狐が扉の前に立っていた。
***
ティーパーティー、トリニティ総合学園の生徒会にして最高権力組織、昔は無数の学園があったトリニティ自治区の調停の場、現在は一つに統合された主要の学園、パテル、フィリウス、サンクトゥスが派閥として君臨している。
「すまないね急に押しかけてしまって、迷惑だったかな?」
「いえ、散歩行こうとしてただけなので」
そのティーパーティーの次期候補の百合園セイア様ともあろう方がこんな所へ何のようなのか、私なんかしちゃったのかな、怖いんですけどどうか痛いのだけは勘弁ください………
「君に折り合って頼みがあってね。」
「な、なんでしょうか………」
「私の友人が来月誕生日なのでな、プレゼントを作ってくれないか」
「……………はい?」
はい、という事でセイア様のご友人のプレゼントを作成することになりました、私別に受注生産はやってないんですが。
従業員は居ないし作れる量には限りはあるし、基本はネットオークションで出品をしていて直接アトリエまで頼み込む人はこれが初めてです。
ご友人は人の話を聞かず、気分屋でよく考えずに走り出す脳筋バカとのこと、本当に友人なんですかその人、悪口しか出てませんが…
「何渡すとか決めてるんですか?」
「いや、特には決めていない、君に頼むと良い気がした、それだけだ。」
「………???」
まぁいいです、決めてないなら今から決めましょうか、私に頼んでくれたのなら全力で頑張ります、セイア様にも手伝ってもらいますが。
「セイア様、今からお時間空いてますか?」
「特に予定はないがどうしたんだい。」
「プレゼント作りますよ、今から」
私は満面の笑みを浮かべ、セイア様は口をポカンと開けていました。
「こう言う事は今までした事がない、初心者が手をつけて良いものなのかい?」
「良いんですよ、私だってほぼほぼ趣味に近いんですから、それに手作りの方が思いが伝わって良いでしょ」
「趣味にしては大層な設備があるじゃないか。」
「……ほぼ仕事なのは否定しません。」
そんな雑談をしながら作業をします、今日は設計だけで終わりそうですね。作るものは馬蹄型のコインケースに決まりました、素材はコードバンにしましょうか、カラーは青紫とか良いかもしれません、どうなるか色々楽しみです。
おまけ
「…………私、来週来てと言いませんでした?」
「ああ、言っていたね、それがどうしたんだい?」
「なんで今日も居るんですか。」
「仕事は早く終わらせた方が良いだろう、それにここの居心地が良くて気に入ってしまった、美味しい紅茶と菓子も出る。」
「それ私の作ったお菓子、あとで食べようとしてたのに……。」
どうやら狐の餌付けに成功したようです、1人の時間が消えていく、トホホ…………。
主人公の料理スキルはレシピどうりならちゃんと作れて自分好みの味付けぐらいなら出来るレベルです、創作料理などは出来ません。
コードバンは馬の臀部の革です正確には革の中のコードバン層を削り出したものです、高いですよ、私は使ったことないです。