風の支配者 作:ベルト不使用
突然、空から二人の女の子が降ってきた。
映画みたいだけど、本当の話。
スカイランドという異世界から来た青い髪の少女──ソラ・ハレワタールと、その国のプリンセスだっていうエルちゃん。
二人と出会った俺、虹ヶ丘ふうかと妹のましろは、これをきっかけにして以降、もうとんでもない出来事に巻き込まれることになる。
ソラちゃんとエルちゃんを皮きりに、我が虹ヶ丘家には今、ツバサくんというスカイランド出身の男の子と、幼馴染の聖あげはちゃんが一緒に暮らしている。
みんな個性豊かな人物ばかりで、その上とある事情から、さらにぶっ飛んだ個性を与えられたんだけど、その話しはまたあとで。
現在、俺はエルちゃんを抱えて、ツバサくんとあげはちゃんと一緒に外出中だ。
ツバサくんはスカイランドに生息する「プニバード」という鳥で、人間にも姿を変えられる代わりに空が飛べないらしい。
今は人の姿で肩を並べて歩く彼は、いつか自分の翼で空を飛びたい、という夢を持っている。
とある出来事があって、ある意味でその夢はもう叶ったんだけど、外的要因のおかげなため、自力でも実現したいと頑張っているのだ。
夢に向かってひたむきな少年……若いっていいねぇ~。まあ、俺もまだ中学の三年なんですけど。
そんな訳で俺たちは、ツバサくんが独学で勉強している航空力学に関する書籍を求めての、買い物の最中なのだ。
まだ人間年齢に換算して十二歳くらいなのに、おっそろしく頭良いねこの子……。(戦慄)
「そういえばなんですけど……」
不意に、隣を歩くツバサくんが俺に尋ねてきた。
「ふうかさんは、将来の夢ってなにかあるんですか?」
「ないよ。なんにもないよ!」
「なんで得意げなんですか……」
胸を張って答えたが、彼はなんか呆れ顔だった。
でも、夢なんて無理して作りだすもんじゃないからね。
いずれ自然に見つかるまで、俺は待つ!
「けど、このままだったらフリーターかなー」
「若いのに、ヒマを持て余したままなのはよくないよ~」
あげはちゃんがやんわりと注意してくる。さすが年上。
さすがに成人したばかりなのに、すでに保育士を目指して専門学校に通っているだけはある。
自己確立してる人は言うことが違うねぇ。
「ふいーたてなに?」
今度はエルちゃんが、俺の腕の中から問いかけてきた。
舌足らずな喋り方が可愛いなコイツめ。
「自由なさすらい人だよ」
「そんなに風流なものかなぁ?」
俺の答えに、これまたやんわりと否定の言葉をのべるあげはちゃん。
「もし俺がニートになったら、あげはちゃん結婚して養ってよ」
「ふうくんって意外とみんなに好かれる
「どうしても俺を働かせたいのか……」
社会人候補は厳しいね。ていうかぁ
「俺、子ども苦手なんだけどな」
「そうなんですか? プリンセスはこんなに
「えるぅ~♪」
意外そうな顔のツバサくん。
驚きだろ? こう見えても俺、外面はいいのよ。
当のエルちゃんも、すっかり騙されている。
「苦手っていっても、人の言うことを聞かない生意気な子供はね。その点、エルちゃんは可愛いもんよ」
たまにわがまま発揮することもあるけど、どういう訳かこの子に対しては苦手意識が湧かないんだよな。
……強く主張するけど、幼児性愛者とかじゃないからね? 親の気持ちで接してるだけだからね?
まあ、理由はそれだけでなく
「みんなと違って、俺には出来ることがなにも無いからね。なら、せめてエルちゃんあやすくらいはやんないと、と思って」
いかん、つい自嘲してしまった。でもそれが事実。
このエルちゃん、異世界の皇女という立ち位置のせいか、アンダーグ帝国とかいう奴らからつけ狙われてるのよ。
ツバサくんとあげはちゃん、ソラちゃんと妹のましろは、そんなエルちゃんを守って戦う力を持っている。
……俺だけなにも無し。
危ないことに首を突っ込まなくて済むのはいいんだけど、やっぱ家族や友達だけに危険な役目を
そんな訳で、俺はせめてみんなの手を
と、自分の立場の弱さを再確認した時である。不意に街中から、多数の悲鳴が聞こえてきた。
ハッと、ツバサくんとあげはちゃんが顔を見合わせる。
「これって……!」
「アンダーグ帝国の新しい追手!?」
この間まで、カバトンというカバとブタが合わさったような怪人がエルちゃんを狙ってたんだけど、そいつはソラちゃんとの一騎討で負けて姿を消した。
それに代わる新幹部とでも言うべき奴が──まだ姿は見えないけど──やって来たようだ。
遠方で、アンダーグ帝国の人間が生み出す「ランボーグ」という怪人が暴れているのが見えた。
こいつはアンダーグエナジーと奴らが呼んでるエネルギーで、そこら辺にある無機物を媒介に作りだされる。
車より何回りも大きく、頑丈で、力も強いため、警察なんかじゃ相手にならない。
生身の人間なら尚更だ。事実、ランボーグを見た周りの人たちは、脱兎のごとく逃げ出して、辺りから人気が無くなった。
でもこれで、あげはちゃんとツバサくんの素性がバレることは無い。
「ふうくんは、安全な所に非難してて!」
「プリンセスのことも頼みます!」
「そっちも気を付けろよ」
二人は駆け出す。エルちゃんは元より、街を守るために。
「天高くひろがる勇気! キュアウィング!!」
「アゲてひろがるワンダホー! キュアバタフライ!!」
アイテムを通して、二人の姿が一変した。
キュアウイングを名乗るツバサくんは、夕日のようなオレンジの衣装に。
キュアバタフライとなったあげはちゃんは、朝焼けを思わせる淡いピンクのドレスをまとう。
ここにはいないソラちゃんとましろもまた、キュアスカイとキュアプリズムという姿に変われる。
この四人こそ、現代に現れたヒーローたちなのだ!……って、なんで俺が自慢気なんだよ。
とにかく、ランボーグ一体くらいなら、ウイングとバタフライで十分対処できるだろう。
俺はゆっくり見物、だけじゃなんだから、声援でも送りますかね。
「エルちゃんも一緒に、二人を応援しよう。ぷいきゅあ、がんばえ~」
「がんばえー!」
正直、こんなことしかできない自分が情けない。けど、泣き言いってもどうにもなんない。
なら、出来ることをやるしかないよな。
俺とエルちゃんの声かけの効果が少しでもあったのかは分からんけど、ウイングとバタフライはランボーグに危なげなく勝利した。
戻ってきたツバサくんとあげはちゃんは、そろって今回の襲撃に対する不信感を口にする。
「やっぱり、敵はまだプリンセスのことを諦めてないんでしょうか」
「だろうね。ほんっと、しつこいったら!」
子供好きなあげはちゃんは、赤ん坊を危ない目に合わせる敵に対してぷんすかだ。
「いい加減、いつまでもこっちの世界にエルちゃんを置いとくのも、マズいんじゃね?」
俺も思ったことを口にする。
敵の正体は、まだ名前くらいしか判明していない。帝国ってくらいだから、国ぐるみでエルちゃんを狙ってる可能性が高い。
なら、この子も親元であるスカイランドに帰した方がいいんじゃないかって。
まあ、その具体的な方法が難航していたから、現状エルちゃんらはソラシド市で暮らしてるわけで……。
しかし、それから数日して、唐突にその時は訪れた。
俺とましろの祖母であるヨヨおばあちゃんが、ソラシド市とスカイランドを繋ぐゲートを作りだすことに成功したのだ。
おばあちゃんは元々スカイランドの人間で、ハイパースゴスギゴージャスレジェンド名誉博学者だとかなんとかって偉い人らしい。
とにかくおばあちゃんのおかげで、エルちゃんとソラちゃん、ツバサくんは故郷へ帰れることになった。
今、当人三人に加えてプリキュアのましろと、ついでに俺も加わっての五人は、支度を終えてスカイランドへの旅におもむこうとしている。
あげはちゃんは別で外せない用事があるので留守番だ。
なんで俺もいるのかって、エルちゃんがグズるからだよ!
「やー! やー! やぁああああ!!」
ツバサくんに預けて別れようとしたら、服をガッチリつかまれて泣き叫ばれた。
一生懸命お世話をしてきたことが仇になって、離れられなくなったようだ。色男はツラいね。(白目)
ましろも、珍しくあたふたしていた。
「どうしよう、お兄ちゃん……」
「親の顔見たら安心して、俺のことなんかすぐに忘れるだろ」
とりあえず、一緒について行って、異世界観光でもして帰りますかぁ。
仮面ライダーウインドの装動とコンバージを買い
かっけー、けど本編で2話しか出ないんだよな、もったいねー
と思い、なら自分で活躍する所を書こう、となりつくりました。
今回は説明回でかけらも出ませんでしたが……