初投稿です。自分が読みたい設定で、自分が読みたい話を書きました。具体的には未勝利で2年数ヶ月経つと退学になります。
続きません。誰か続けてくれ。

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勝つためにトレセン学園に入ったのにリミットまで勝てないってどんな気持ちでしょね。


第1話

「ちょっと!どうしたの!?ねぇ!!!」

「アヤちゃん!アヤちゃん!」

「ぅ……ぁ……」

夕方のトレセン学園、トレーナー寮に戻る途中悲鳴のような声を聞き駆けつけるとぐったりした様子で倒れ込んだウマ娘と、それを必死に介抱する2人のウマ娘がいた。

 

あの後、倒れたウマ娘、アヤツマを保健室へ運び込んだ。診断結果は度重なるオーバートレーニングによる過労と軽い脱水症状で、点滴をしてしばらく安静にすれば大事には至らないとのことで一安心する。勝てないばかりに焦りで故障を重ねる。勝負の世界ではよくある話だった。

 

養護員の方に彼女を任せた後、付き添いできた2人、セツナリタンとミヤノマエにも足の消耗が見られたためアイシングとマッサージをしながら2人と軽く雑談をしていた。先週からトレーナーとして着任したこと、3人が2年目で未勝利戦に向けて頑張っていること、トレーナー試験でそこそこ優秀だったこと、トレセン学園に入学した時どんな気持ちでレース人生に突入したか、トレーナーとしての夢など、色んな話をした。

 

「余計なお世話かもしれないが、そんなに足を削ってまで走り込んでたら勝てるものも勝てなくなるぞ。」

話の途中、同情の気持ちが湧いてついそんなことを言った。

 

「わかってます。それでも、勝つためには走らないとですから」

ミヤノマエが困ったように笑いながらいう。

 

理解はしてるのだろう。それでも勝ちたい気持ちが強すぎて視界が狭くなっている。少しだとしても知ってしまった相手ということ、そしてトレーナーとしての自尊心から分かりきったことを口にした。

 

「だからって無理しすぎだ。故障したら元も子もないだろう?効率よくトレーニングすればきっと勝てるんだから。それか、ちゃんとしたトレーナーと契約して指導を受けるなりしたら—」

 

「あなたに」

それまで黙っていたセツナリタンが小さく、しかしはっきりとした声で遮った。

「あなたにはわかりますか?未勝利戦すら勝ち上がれない。地力も、伸び代もないからスカウトもされない。ある意味、受け皿の役割を果たしているお飾りトレーナーにすら契約してもらえない!トレーニングを積んで限界まで走り込んでも成長が実感できない!次勝てるかもわからない!」

 

まるで今まで心に溜め込んでいたものが決壊したようにセツナリタンの言葉が溢れ出す。

 

「未勝利戦に勝てなければここを去るしかないんです!勝つしか!道はないんです!私たちはすでに1年以上無駄にしてしまった!だからなりふりかまっていられないんです!走るために、勝つためにここに来たのに、何もできずに荷物をまとめて出て行かないといけなくなる恐怖と戦いながら……」

 

気付けば、途中までは止めようとしていたミヤノマエがうつむいて唇をかみしめていた。

 

「トレーナーの組んだトレーニングを観察して、真似したりもしました。でも、自分たちに合わせたメニューじゃないから、部分的に取り入れても中途半端で成果は出ない。むしろ怪我するリスクが増える一方。結局、走るしかないんです。私たちみたいな、重賞ウマ娘の引き立て役にすらなれないモブの中のモブウマ娘はいつかくる終わりに向かってるとしても、でも走る以外にできることなんてないんです。」

 

言葉が出てこない。一定期間勝てなかったウマ娘がどうなるか知っているはずだった。どんな気持ちでいるのかは、誰も教えてくれなかった。想像すらしなかった。

 

「それともあなたが契約してくれるんですか……?足をギリギリまで使い潰して、それでも勝てない、それどころか掲示板にすら乗れないモブウマ娘と、契約してくれますか?」

 

「そ、れは……」

直接聞かれて初めて、自分の中に彼女たちと契約する選択肢がなかったことに気が付く。同情して、きっと勝てると言って、自分は眼中にすらなかった。

 

「できませんよね。トレーナーも結果を出さなきゃ評価が下がる。より大きな賞を勝たせることができれば評価にも繋がるし実績も増える。そうすれば、より良いウマ娘と契約もしやすくなる。」

 

「なら、私たちのような勝てる見込みのかけらもないウマ娘に構ってる暇なんてないですよね。トレーナー試験では10番以内でしたっけ。優秀なんですよね。それなら、もっと条件のいいウマ娘はたくさんいます。2年目の未勝利ウマ娘なんかと契約するメリットなんて何一つない」

 

口がカラカラに渇く。何か言わなきゃいけない。それなのに、喉が張り付いて何も言葉が出てこない。

 

「すみませんでした。助けてもらったのに、感情に任せて言いすぎました。あと、足のことありがとうございました。少しだけトレーナーと契約できたらこんな風になるのかなって、夢が見れました。もう遅くなるので寮に戻ります。失礼します。」

 

あ、というのがやっとで、彼女の背中に何もいえなかった。ミヤノマエが申し訳なさそうに、つらそうな表情で会釈しながらセツナリタンの後を追って帰っていくのをただただ見送るしかできなかった。勝負の世界だ。想像はしてた。知識としても知っていた。でも、現実を何一つ見れていなかった。自分がウマ娘について何一つ理解できてなかったことを痛感した。

担当ウマ娘と苦楽を共にし、支えあって、共に成長していって、勝利を分かち合う。そんな、トレーナーとして当たり前に思い描く理想像が、音を立てて、崩れていった。

 

 




読んでいただきありがとうございました。初めて小説を書きましたが、あまりにも難しくて投げ出しそうでした。書きたい場面をかけても、そこに行き着くまでや場面と場面の自然なつながりがどうしても出来なかった……
トレーナーが調子乗ってる描写をもう少し入れたかったけど無理でした。
今回書いてみて、小説を書いてる人たちが凄い人たちなんだと改めて実感しました。
それはそれとして似たような話をたくさん読みたいので誰か書いてください(他力本願)。

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