「最近、先生がおかしい」 作:Raitoning storm
"わっ!だーれだ?"
「うわぁ!もう先生!驚かせないでくださいよー!」
"ふふっ、ごめんね。君が反応が面白くてつい…"
僕は藍方アイ、シャーレっていう特別なとこで働いてるんだ。半年くらい前に外から来た「先生」と一緒に働いてるんだけど…
"それにしても今日は早いね。何かあった?"
「ああ、この前の百鬼夜行の件の事後報告がまだ終わってなくて」
"そのくらいならわたしがやるよ?"
「ぼくも先生の補佐ですから。ぼくがやりますよ」
"…そっか、そうだよね。じゃあよろしくね。"
僕がそういうと先生は少し微笑んで自分の席に戻っていった。
僕と先生の席は真正面、向かい合って座る感じになる。この方が仕事が早く済むって先生が言ってたので変えた。思えば先生も初めて会ったときからだいぶ変わった。初めは髪の毛も肩まで届くくらい長かったのに、今はショートにしてる。本人曰く「わたしも前線には行けないけど戦いには参加するから、短い方が都合がいいでしょ?」とのことだ。正直そっちの方が好みなのでたまにドキッとしてしまう。服装は相変わらずシャーレの制服だけど、私服はボーイッシュなものに変わった。たまにお出かけに同行したりするんだけど、こっちも結構ドキッとする。自分でもあまり良くないとは思う。先生はただ生徒のことを思ってるだけなのに…
「あ、先生」
"どうかした?"
「今日、午後からアリウス自治区に向かってもいいですか?」
"用件は?"
「サオリさんから、インフラの整備についていくつか聞きたいことがあるそうです。」
"なるほどね…ちょうどわたしもトリニティに行く用事もあったから、一緒に行こっか"
「そうですね。わかりました。」
…今思えば、このときの先生の用事ってなんだったんだろう?まあ今気にしてもしょうがないか。
"…ありがとね。アリウスの子たちのこと任せちゃって。"
「何言ってんですか。元々僕から言い出したことですし。僕もみんなの役に立ててるのが嬉しいですよ」
"…ふふっ。君も先生みたいになってきたね"
「先生には及びません、僕なんてまだまだですよ。シャーレの人間として突っ走ってるだけです。」
"君はそう思ってるかもしれないけど、みんな君のおかげで助かってるんだよ。アビドスの子たちもゲーム開発部の子たちも、風紀委員の子たちも補習授業部の子たちも、みんな君に感謝してる。もちろんわたしもね?"
「…そう言ってもらえると、今までの頑張りが報われた気がします。」
"うん。ちゃんと報われてるよ。だからこれからも一緒に頑張ろ?"
「…そうですね!じゃ、お仕事頑張ります!」
そう。
これからも一緒。
ずっと。
わたしが先生としてここに来たときから、彼は一緒にいてくれた。
初めてのことがいっぱいあって不安だった私のことをいつも支えてくれた。
"じゃあ、そろそろ行こうか。車だすからちょっと待っててね"
「はい!」
シャーレの駐車場で車のエンジンをかける。
"…思えば、この車にも数えきれないくらい一緒に乗ったよね"
わたし一人じゃなかったから。いつも二人で行動してたから。
"おまたせ。助手席どうぞ"
「はい。失礼しますね。」
"もう。今更だよ?何回乗ってると思ってるのさ"
「すみません。…でもやっぱり、気が引き締まるというか」
"別に怒ってるわけじゃないよ。ただもっとリラックスしてくれてもいいのになって"
そう。もっとゆるい姿を見せてほしい。わたしの前では気を張らないでほしい。
"…ふふっ。"
「どうしました?」
"いや、この車にもたくさん乗ったよね"
「それだけいろんなことを経験したってことですかね」
"そうだね。いろんなことがあった…"
いろんなことを経験した。彼と一緒に。
初めてキヴォトスに来たとき、
「初めまして!藍方アイです。今日からシャーレの部員、及び先生の補佐としてよろしくお願いします!」
「先生、カップ麺だけだと栄養偏っちゃいますよ?もしよければ明日からお弁当、作ってきましょうか?」
「先生、初めての依頼ですね!頑張りましょう!」
アビドスのときも
「アドビス…砂漠化が進んでいるとは聞いていましたが、ここまでとは」
「ラーメンですか。いいですね!先生いきましょ!」
「…僕は、先生の生徒を助けたいって気持ちを信じます。だから行きましょ?生徒を助けに」
「よかった。みんな笑顔ですよ?頑張ったかいがありましたね?先生?」
ミレニアムのときも
「ゲームか…あんまりやったことないんですよね。先生はあります?」
「え?廃墟に行ってきた?何やってるんですか先生…」
「アリスを助けに行くんですよね?僕も行きます。先生の補佐ですから」
「やったー!先生!特別賞ですよ特別賞!」
エデン条約のときも
「補習授業部ですか…気をつけてくださいね?先生」
「個性的な人が多いですね…でも、みんな仲良さそうですよ?」
「先生!大丈夫ですか!?よかった…一時はどうなるかと」
「先生、助けに行きましょう。生徒を助けたいんですよね?僕も、同じ気持ちですから」
「僕はミカさんを止めます。大丈夫ですよ。しっかり合流しますから」
「違う…違う!お前は大人なんかじゃない!!この場所で、人を一番思いやれてないのはお前だ!そんな奴が、大人を語るな!」
「僕は、アリウスの人たちを助けたいです。シャーレの人間として、僕にはその義務があると思うから」
SRTのみんなとも
「公園で立てこもりか…ヴァルキューレの人も大変ですね」
「僕は、Rabbit小隊じゃないです。でも、彼女たちの助けにはなれると思うんです。」
「SRTが閉鎖されても、自分の正義は貫けます。どんなに苦しいときも、それを貫いてきた人を僕は知ってます。」
アトラハシースのときも
「あれが、アトラハシースの方舟…すごく怖いですけど、先生とならきっと大丈夫です。なんとなく、そんな気がするんです。」
「あれが、別の世界のシロコさんと、僕…?」
「そんな…!プレナパテスが別の世界の先生なんて…!」
「僕もやります!僕も、先生を助けたい!」
「…大丈夫ですよ。僕は、消えたりしませんから。ずっと」
「みんながずっと笑っていられるような、そんな場所にキヴォトスを変えたいです。シャーレの人間としても、一人の人間としてもそう思います。」
今までのことが、全部鮮明に思い出せる。
ずっとわたしのそばにいて、わたしを支えてくれた。
「ここで大丈夫ですよ?ありがとうございました。」
"気をつけてね。何かあったらすぐ連絡してよ?"
「そんな心配しなくても大丈夫ですよ。行ってきます」
彼のことが好きになったのはいつかはもうわからない。気付いたらずっと目で追っていた。彼の好きな髪型にして、彼の好きな服を着て、彼の好きなものをわたしも好きになっていく。
彼の嬉しそうな顔が好き。
彼の喜んだ顔が好き。
彼の驚いた顔が好き。
彼のわたしのために怒った顔が好き。
彼の悲しそうな顔も好き。
彼の苦しそうな顔も好き。
彼とわたしは先生と生徒、世間一般的には結ばれることはない。許されない関係だってことはわかってる。でもキヴォトスでは先生と生徒の恋愛は犯罪じゃないって誰かが言ってた。
ほんとはわたしだけが彼の良さを知っていたい。だけど彼は優しいから、周りの人にもその優しさを振り撒いて生きている。だから彼のそばには人が集まる。彼を慕う人もいる。
わたしに対してそういう感情をもっている生徒がいることは知ってる。でもわたしは彼がいい。彼じゃないと幸せになれない。
"好き。"
"彼が好き。"
"彼がいい」
「大好き」
「大好きだよ?アイ君」
アイ君がいる本編見たい?
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別に…
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書いてくれたら嬉しい。
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そんなことよりハピエンの続きを書けよ。