「最近、先生がおかしい」 作:Raitoning storm
結構面白い考察合って楽しいよ。
でも全部違うんだよね。
ここはD.U.地区に存在する総合病院。キヴォトス1設備が整う病院とも言われるほど、病室の設備や医療器具が整っており、突然の手術や珍しい病気にも対応できるよう凄腕の医者や設備が配置されている。そんな病院の一角に位置する病室に、一人の青年が訪ねていた。
「…失礼します。」
「あ、いらっしゃい。久しぶりだね。」
「『先生』の方も、お元気そうで何よりです。」
「…そうだね。『あの頃』に比べたらよっぽど元気さ。」
頭に小さなヘイローを浮かべた彼はもう一人の『先生』、プレナパテスと呼ばれた"男"だ。
「どうですか?あのときから何か変化は?」
「お医者さんからは、バイタルが前より安定してるって。健康状態も改善されてるし、黒服からも、色彩の影響が少なくなってるって言われた。まだ重い食べ物は無理だけど、おにぎりとか、うどんとかは食べられるよ。」
「そうですか…ならよかったです。アトラハシースを降りたときはそれこそ一大事でしたから。」
そう、まさに一大事だった。
遡ること数ヶ月前…
先生とアイ、そして別世界のアイとシロコと『先生』はアトラハシースでの戦いを終え、地上へと戻ってきた。
だが、5人のうち3人は既に満身創痍といった様子で、先生とシロコに肩を借りながらなんとか立っていた。
「先生!アイ君!どうしたの!?」
「すみませんホシノさん。詳しく話は後で。先生、すぐに救護騎士団と救急医学部を呼びます。電話するのでちょっと待っててください」
"うん。わかった"
「もしもし。はい、至急救護を要請したいです。セリナさんがいらっしゃるならつないで欲しいです。はい、セリナさん。できるだけ強度の強い。ここに重症患者が2人と今にも死にそうな成人男性が一人います。すぐに大病院に連れて行きたいです。ていうか連れてってほしいです。あとミネさんには伝えないでくれると嬉しいです。以前の救護が自分でもびっくりするほどトラウマになってるので。はい、場所は今送りました。よろしくお願いします。」
「もしもし。はい、シャーレ所属のアイです。セナさんにつないで欲しいです。はい…セナさん。僕です。アイです。はい、救急です。あと数時間で死体になりそうな成人男性が一人と重症患者が2人です。今すぐに車で大病院に連れてってほしいです。はい。場所は今送ります。あと救護騎士団にも声をかけているので鉢合わせても喧嘩しないでください。よろしくお願いします。」
「先生、すぐに来てくれるそうです。」
"よかった…"
「…すまない。こちらの世界に迷惑をかけてしまった。」
「お願いしたのはあなたですよ。すぐに来ると思うので待っててください。」
そうして彼ら3人は駆けつけた救護騎士団と救急医学部によって病院に連れてかれ、一命をとりとめた。こちらの世界のアイとあちらのアイの容態はすぐに回復し、歩けるようになるまで時間はかからなかったが、ヘイローの無かった『先生』はそうもいかず、ご覧の有り様だ。
そうして今に至る。
「…今考えても、大変だったね。」
「はい、大変でした。」
「…君にも、辛い目に合わせてしまった。」
「…自分からやったことです。どうかお気になさらないでください。」
「…ごめん!」
ベットに座ったまま、『先生』は顔を下げる。
「わたしは先生なのに…生徒に大変なことを押し付けてしまった。こんなことをしてもこのことが消えるわけじゃないけど、でも」
「顔を上げてください。先生。」
「僕は先生を恨んだり、怒ってませんから。僕、エデン条約のときに先生に言ったんです。『辛いことも、嬉しいことも、一緒に分け合おう』って。そちらの僕はわかんないですけど、きっと同じようなことを言ったと思うんです。」
「だから、僕は先生に怒ったり、恨んだりしてないです。もし、それでも自分が許せないなら、その分先生が幸せになってください。きっとあちらの世界の人たちも、それを望んでいると思うので…」
「…そうだね。うん。わかった。ありがとうアイ君。」
「どういたしまして。ところで、そっちの僕とシロコさんはどうですか?最近」
「シロコはたまに来て、ちょっと話とかしてるかな。アビドスの方にも少しずつ行ってるってさ。まだ対策委員会のみんなとは会う心の覚悟ができてないって言ってたけど、そのうち会いたいって言ってたよ。」
「よかった…個人的に、シロコさんが一番心配でしたから。」
「ああ、まあこっちのアイは色々と振り切ってる感じだしね。」
「アイはそうだな…シロコほどじゃないけどちょっとずつ合ってるかな。最近は自然をよく見てるってさ。森とか、川とか、山とか、あっちの世界であまり見れなかったのもあるけど、みてると心が落ち着くんだって」
「…そっか。そっちも元気そうでよかった。あの、そちらのアロナさんは?」
『お呼びでしょうか。』
「ああ、久しぶりですね。アロナさん。」
『…できればその、プラナと呼んで欲しいです。』
「ああ、すみません。えっと、プラナさんはどうですか?」
「プラナなら最近、こっちの世界のシッテムの箱に接続して一緒に働いてるよ。まだわたしは仕事できる感じではないし、こっちのシッテムの箱にずっといてもらうのも申し訳ないからね」
『アロナ先輩と一緒に、楽しくさせていただいてます。』
「楽しそうならよかったです。」
「ああ、そういえば。」
「どうかしたの?」
「こちらの先生から、これを先生にと…」
そう言ってアイが渡したのは、紙袋だった。
「開けてもいいかい?」
「はい、問題ないと思います。」
「これは…シャーレの制服!?」
「先生から、『体調が安定してきたら一緒にシャーレで働かないか』ってお誘いがあるんですが…どうですか?」
「わたしとしては願ってもないことだけど…いいの?」
「はい、僕としても先生がいてくれた方が心強いですし。先生のことも放っておけませんから。」
「…うん。ありがとう。じゃあこれからよろしくね。」
その後、最近あったことや退院したらやりたいことを話して、アイは帰っていった。
彼は本当に優しい。どんなときでも、どんなことがあっても、どの世界にいても。
(こっちの世界のアイも優しいね。いつでもこちらを労わってくれているのが身に染みてわかる。こちらの様子や事情を理解して、わたしを不快にさせたり、心の傷を抉るような真似は決してしない。)
だからこそ心配にもなってしまう。その優しさは彼にとって最大の好感を持てる場所だが、同時に彼にとって最大の欠点でもある。自分のことを二の次三の次、いや、もはや自分のことは何も考えずに行動しているのかもしれない。
(前の世界でも同じだった。どの世界にいても藍方アイという人間は変わらない。彼の優しさによって彼の周りには人が集まり、彼を慕う人が数多く存在するのもそれが理由なんだろう。でも優しさは彼の弱点でもある。たとえ大罪を犯した人間だろうと、困っているところを見せたら彼は助けてしまう。)
だから、守らなければならない。彼を。彼がわたしを心配するようにわたしも彼を心配している。いや、わたしだけではない。こうしてわたしがここにいるのも彼を心配する他の生徒や、この世界のわたしがいるからだろう。
「プラナ、わかってるよね?」
『はい。必ずお守りします。』
彼を縛りつけるなんてもってのほかだが、彼の意見を最大限尊重した上で彼のことを守る。それがシャーレ所属としてのわたしの最初で最大の仕事だ。
UAが10000超えたのが嬉しすぎる。
感想くれるともっとモチベが上がるので書いてくれると嬉しいです。
アイ君がいる本編見たい?
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別に…
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書いてくれたら嬉しい。
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そんなことよりハピエンの続きを書けよ。