「最近、先生がおかしい」   作:Raitoning storm

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前話を書き足したのでよかったら見てね。


ノーマルエンド√2

「…卒業、ですね。」

 

"…そうだね。"

 

 

シャーレの部室で、アイがバックを腕にかけながら、外の景色を見ていた。

その隣で先生も、どこか寂しそうな様子で、同じように外を見ていた。

 

 

"…初めからわかってたことだけど、みんな卒業してくんだよね。"

 

「…そうですね。でも、卒業してもキヴォトスから離れない人もいますよ。ホシノさんとか、アビドスのOG続けてますし…」

 

 

先生の悲しそうな言葉に、アイが補足を入れる。

 

 

"それでも、気分的にね。外へと旅立つ子もいるじゃない?"

 

「…そうですね。でも、先生去年も同じこと言ってましたよ?」

 

 

アイも、おそらく先生がこれ以上悲しくならないように言葉を選んでいるのだろう。

 

 

"うん…毎年こういう気持ちになるんだろうな"

 

 

そう、今月は3月。別れの月だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

"わたしが初めて来たときの、2年生だった子が卒業なのか…なんだか早いね。"

 

「一年とちょっと、あっという間でしたね。」

 

時間の経つ早さに、少し悲しそうな表情をする先生。

 

 

"そうだね。色んなことがあったからかな…"

 

 

本当に、色んなことがあった。

 

 

"ユウカも卒業なんだよね…進路は会計士だっけ?"

 

「はい。セミナーの経験を生かして、会計士をやりたいって言ってました。」

 

彼女は自分の夢を持つのが周りの子より早かった。3年生になったときから自らの目標に向かって努力していた。

 

 

"ユウカらしいね。大変な道だと思うけど…"

 

「でも、彼女ならきっと大丈夫ですよ。純粋で、努力家で、みんなからも頼られてますから。」

 

"…そうだね。ノアも一緒に書記になりたいって言ってたし、一緒に頑張ってくよね…"

 

 

仲が良くて、お互いのことを熟知している二人なら、支え合いながら前に進んでいくだろう。

 

 

 

"シロコと、ノノミは、アビドスに残るんだったね。"

 

「そうですね。シロコさんはサイクリングで町を活気づけたいって行ってましたし、ノノミさんもそれについてく感じになると思いますって行ってましたね。」

 

 

シロコはクロコと一緒にサイクリングを楽しんでるし、二人はやっぱりアビドスのためになることをしたいんだろう。

 

 

"うん。あの二人なら大丈夫でしょ。新入生も増えてきたって言ってたし。去年が5人、今年が8人だったね。"

 

「ホシノさんも一緒にいますし、お店の誘致も上手く行ってるらしいですから。大丈夫ですよ。」

 

 

アビドスのみんなは家族みたいなものだ。切っても切れないような絆が彼女らにはある。きっと支え合いながら前に進んでいく。

 

 

 

 

 

「…アリウスのみなさんも、最近はよく笑っている気がします。自治区の整備も終わって、自分のやりたいことをやれているんだと思います。」

 

"…みんな、前に進んでいくんだね。"

 

 

嬉しそうな、悲しそうな、いろんな感情が入り混ざったような顔をしながら先生は呟く。

 

 

"…アイくんは、外に行くんでしょ?"

 

「…はい、外の世界で、先生を目指したいと思って。」

 

"…やっぱり、シャーレの経験が大きかった?"

 

「…そうですね。先生の補佐をしているうちに、自分も困っている生徒を助けたいって思うようになってきて。」

 

そう。彼は外の世界で先生を目指す。

 

"…ヒナと、サオリと一緒だったね。"

 

ヒナは一年間、風紀委員会の補佐を務めながら自分の目標について考えた後に、先生と同じように、困っている生徒を助けたいと思い先生を目指す。

 

サオリは調印式の出来事や、アリウスでのアイの働きを見て、先生になることを志した。

 

 

「三人の中で、一番先生に近づいた人が誰か競おうってなってます。」

 

"…でもなりたいものは人それぞれだよ。あんまりそれに執着しすぎないようにね。"

 

彼がわたしのことを目標にしているのは嬉しい。でも、

 

 

「…はい、肝に命じておきます。」

 

"…出発は、明日だったね。"

 

彼がいなくなってしまうのは、すごく、嫌だ。

 

 

「はい。二人と待ち合わせしてるので。」

 

子供みたいって言われるかもしれないけど、それでも嫌だ。

 

 

"…明日は駅まで送っていくよ。お見送りもしたいし"

 

 

「…じゃあ、よろしくお願いします。」

 

 

…明日だ。明日で全てが決まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、

 

 

"忘れ物はない?お財布とか、スマホとか。"

 

 

「全部ありますよ。昨日しっかり確認しました。」

 

 

…ついにこの日がきた。きてしまった。

 

 

"じゃあ、荷物載せていいから座って。"

 

 

「はい、失礼しますね。」

 

 

…どうしよう。わたしはどうすればいい?このままアイ君の背中を押して離れ離れになるか。彼の意思を無視して彼を押さえつけるか。

 

 

"…向こうに行ったら、まずどうするの?"

 

 

「とりあえず家ですかね…衣食住は整えないといけないので。」

 

 

"…そっか。"

 

 

駄目だ。いつものようにいかない。彼に対して冗談もいえないし、意地悪なこともいえない。

 

 

こうして何もないまま、駅に着いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「この辺りで大丈夫ですよ。サオリさんもあそこにいますし。」

 

 

どうする。思えば二人はアイと仲がいい。もしあっちで交流を深める内にそういう関係になってもおかしくない。

 

 

彼が、盗られてしまうかもしれない。でも、

 

 

 

 

 

 

 

 

"…うん。じゃあ、元気でね?"

 

 

わたしは、作り笑いしか返すことができなかった。

 

 

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

…終わりだ。彼はもう、わたしのものじゃない。

 

 

 

 




初めて投稿したシリーズのリメイクやろうとしてる作者

アイ君がいる本編見たい?

  • 別に…
  • 書いてくれたら嬉しい。
  • そんなことよりハピエンの続きを書けよ。
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