機動戦士ガンダムSEED THE GATHERING   作:えいじぇんと

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星が落ちる時 前編

 

 

コズミック・イラ70

 

6月14日

L4の地球連合東アジア共和国領の資源衛星「新星」にザフトが侵攻、迎え撃つ共和国軍との間で攻防戦が開始された。

 

 

7月8日

双方とも決定打のないまま小競り合いが続き、損害を憂慮した国防委員長パトリック・ザラの命令により各地からエースパイロット達が呼び出されL4宙域に集結していた。

 

 

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東アジア共和国が保有する資源衛星「新星」があるL4宙域を目指して航海中の巡洋艦「クラウジウス」の中に、ザフト特務隊の1人アイリ・シュバルツァーの姿はあった。

彼女は《踊る黒い死神》の異名を持つザフトのエースパイロットで、その専用機である漆黒のジン・ハイマニューバーが、航海と並行して整備が行われていた。

 

「新星の制圧は思うように進んでいないようですね」

「東アジア共和国の連中も奪われまいと必死なのだ。連日に渡る戦闘で我が軍の消耗も著しい。おまけに先日の戦闘で未登録のMAが確認された。そいつにジンが8機落とされた」

 

クラウジウスのブリッジ内。艦長席に座る壮年の男―ウォルター・バレットは隣に立つ長いブロンドの髪の少女―アイリ・シュバルツァーの顔を見つめ、その問いに応える。指揮官の証であるホワイトの制服に身を包んだ少女は、まだ年若にも拘らず強い存在感を放っている。彼女が目を引く容姿をしている所為もあるが、特務隊という立場が余計にそう感じさせた。

 

「ジンを8機も?」

信じられない、と言う風にアイリが呟く。地球連合ではジン一機を落とすのにメビウス5機の犠牲が必要と言われている。にわかには信じ難い話だ。

 

「どうやらガンバレルと呼ばれている特殊な武装を装備したMAのようでな」

クラウジウスの艦長ウォルターはアイリに頷くと重々しく口を開く。

 

「ガンバレルと言えば、グリマルディ戦線で確認されたメビウス・ゼロと呼ばれる機体もそうですよね。それとは違うのですか?」

メビウス・ゼロを駆る最も有名なパイロットと言えばエンデュミオンの鷹が挙げられるが、その彼もグリマルディ戦線での撃墜記録はジン5機だった筈だ。

彼と同等かそれ以上のパイロットが東アジア共和国にいるというのだろうか。

 

「広報部のエンジニアが映像記録を分析しているが、報告ではメビウスの3倍以上の大きさとのことだ。君もあとで映像記録を見せてもらった方が良い。生き残りの兵士が言うには並のパイロットでは歯が立たんという話だ」

「私が呼ばれたのもその為ですか?」

「ザラ委員長直々のご指名だからな。君以外にも各地からエースパイロットらが招集されている」

 

アイリの所属する特務隊はプラント国防委員会直属の実行部隊で、通常のザフトの指揮系統に属さない言うなれば独立部隊である。

部隊と言っても各隊員同士がチームを組むことは無く、個人に作戦の立案、命令権限が与えられておりその権限は通常の部隊指揮官よりも上位にある。

 

「つまり、私達で落とせと」

「十中八九な。これはまだ発表前の情報だがザラ委員長は新星をザフトの軍事要塞として転用するおつもりなのだ。邪魔な共和国軍を早々に追い出す気なのだろう」

「エースと言われても、私は一兵士に過ぎません。ですがパトリック様の期待には必ず応えて見せます」

アイリはにっこりと微笑んで力強く頷く。

丁度その時、ブリッジにアラートが鳴り響いた。

 

「そろそろラザフォードとのランデブーポイントのようだ。君はモビルスーツデッキで発進の用意を」

「ここまでの航海に感謝します、バレット艦長」

「頼むぞ、我らに天の加護を」

ブリッジの扉の前まで移動してアイリは振り返る。

 

「ザフトの為に」

これは開戦当初からザフトの兵士たちの間で定番となっているやり取りだ。アイリは艦長に敬礼を返すと、モビルスーツデッキへと急いだ。

 

 

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L4宙域から少し離れた座標に滞在しているナスカ級巡洋艦《ラザフォード》のモビルスーツデッキにはノーマルのジンを含めカスタムジンやアサルトシュラウド装備のジンが出撃準備のため整備中だった。

アイリが自分の機体をドックに固定して降りてきた時、丁度機体の調整をしていたパイロット達の中に顔見知りを見つけ声を掛ける。

 

「エミリー、久しぶり!」

「アイリ、何でこの船に?特務隊クビになったの?」

 

冗談交じりの口調で返したのは赤服を身にまとった浅黒い肌の少女、エミリア・フィリス・ベルサリオである。

アイリ同様、新星攻落の為に招集されたエースパイロットで《針鼠(イーゲル)》の異名を持つ。アイリとはアカデミー時代の同期で、特務隊に配属される以前は2人とも同じ部隊に所属していた。

戦友ないし親友と呼んで差し支えない間柄である。エミリアの専用機・薄桃色のジンアサルトの頭部には彼女のパーソナルマークの針鼠がペイントされていた。

 

「なわけあるか!私は指揮官として新星を落とすようパトリック様に言われて来たの!」

憤慨したようにアイリが言う。

 

「アイリってばまだザラ委員長の追っかけやってるワケ?」

呆れながらエミリアが脱色した髪をかきあげる。

アイリはアカデミー時代は異性からよくデェトに誘われていたが、エミリアの知る限り誰とも付き合ってなかった筈だ。彼女ならもっといい相手が見付かると思うのだが。

 

「パトリック様は私の恩人だもの。それに追っかけじゃなくて、私はただ傍で支えになれたらっていうか何というか・・・」

次第にしどろもどろになっていくアイリの顔を覗き込むとエミリアはニヤリと笑みを浮かべる。

 

「はいはい、一途だね~キミも」

「違うったら!」

顔を真っ赤にしてアイリは否定するが、エミリアは意に介さず別の話題を振る事にした。

 

「あ、そう言えば、あの機体知ってる?そこの奥にある赤いジン」

エミリアが指さしたのは、奥のモビルスーツデッキに佇んでいる赤いカスタムジンだ。

そのジンは英雄の愛機としてザフトでは知らぬ者がいないほど有名だ。

 

「あのジン。もしかして《ザフトの英雄》の?」

「そそっ。グゥド・ヴェイア。パイロットの子はあまり強そうには見えなかったけどね」

「ふぅん」

戦闘においてパイロットの性格などはさして重要ではない。重要なのは英雄と呼ばれるだけの実力があるかどうかだ。

エミリアと世話話をして別れた後、アイリは赤いジンの元へと足を運んだ。

機体の調整をしている少年を見据えると背中から声を掛ける。

 

「あなたがザフトの英雄?」

「グゥド・ヴェイアです。あなたは?」

軍人らしく銀髪を短く切り揃えた少年ヴェイアは振り返るとアイリを見て眉を顰める。

彼の私物なのか、首から使い古したヘッドフォンをぶら下げていた。

 

「はじめまして。特務隊所属アイリ・シュバルツァーよ。本日付でこの部隊の指揮を任されることになったの。英雄と呼ばれるその実力、見せてもらうわ」

アイリはそういいながら右手を差し出す。

 

「よろしくお願いします。買い被りは面映いですが、ご期待に添えるよう努力します」

ヴェイアは温和な表情を浮かべると、その手を握り返した。

エミリーが言ったように、確かに気弱そうな雰囲気ではある。

それ以上話はないとでも言うように、ヴェイアは再び作業に戻っていく。アイリもそれ以上何も言わず、モビルスーツデッキを後にした。

 

ヴェイアと別れてすぐにラウンジに移動したアイリは、再び見知った顔を見付けた。壁に背を預けて談笑していた少年はアイリの姿に気が付くと会話を打ち切り敬礼する。

 

「ご無沙汰してます、シュバルツァー隊長」

「シャルル、久しぶり。ヤキン・ドゥーエ攻防戦以来かな」

 

シャルル・ヴァイス。アイリが特務隊に任命される前、隊長として部隊を率いていた時副隊長を務めた少年だ。

銀色の巻き毛を首の後ろで短く結った、少女めいた顔立ちの彼は《サーカス》という人材派遣組織からスカウトされたパイロットで、その操縦センスはザフトレッドにも引けを取らない。

その特徴的な戦い方から疾風迅雷(ライトニングスピード)の異名で一部のパイロット達の間で噂になっていたりする。

 

「ブ、ブレナン隊アレックス・リスタであります。シュバルツァー隊長」

シャルルが会話していた相手―赤毛を短く切り揃えた少女アレックスが慌てて敬礼する。その頬は僅かに上気しており、緊張しているのが見て取れた。

 

「アイリでいいわ。・・・ブレナン隊長の事はその、残念だったけれど私が後任します。これから宜しくね」

そういってアイリは笑顔を作り右手を差し出した。

ブレナン隊は先の戦闘で未登録の大型MAと交戦、隊長を含め主だったパイロット達の多くが戦死した。

生き残ったのは新人パイロットのアレックス・リスタとレオール・ハイゼンの二名のみ。隊長を失った部隊を再編し新星を攻落せよ、というのがアイリがパトリック・ザラから受けた司令だ。

 

「ハイ!あの、こちらこそよろしくお願いします!」

アレックスはおずおずとアイリの手を握り返す。

 

「そういえば、隊長はヴェイアと話してたんですか?」

「そうだけど・・・彼の事を知っているの?」

このラウンジはモビルスーツデッキを一望できる。シャルルはここから自分の様子を覗っていたのだろう。

 

「ヴェイアと俺は《サーカス》にいた頃の同期なんです。・・・あいつは腕は確かですが戦闘になるとその・・・手が付けられないところがあって」

シャルルはアイリから視線をそらしながら歯切れが悪そうに告げた。くせっ毛のある銀髪が頬の横で揺れる。

 

「本当に?そんな風には見えなかったけど」

「モビルスーツに乗ると性格が変わるんです。一種の発作みたいなものですけど」

 

MSに乗ると性格が豹変する、というのは何もヴェイアに限った話ではないとアイリは思う。多感な年頃のパイロットがMSを手にしたら、気分が高揚するのも無理からぬ話だ。

 

「もし隊を分けるなら俺とヴェイアを組ませてくれませんか?」

シャルルは双眸を細め、再びアイリの瞳を見据えた。シャルルは特務隊について詳しくは知らなかったが、通常の部隊長より権限があるという話を聞いたことがあった。

実際はこの宙域に集まっているザフト全隊で、アイリの権限はその中の誰よりも上だった。

 

「うーん?シャルルがそう言うなら。あなたに任せるわ」

 

そう言ってアイリは備え付けのドリンクホルダーからダイエットコークのパックを取り出すと口につけた。

 

味方が全滅する中でたった一機で敵を倒し帰還を果たしたという伝説が残るヴェイアだが、シャルルは暴走したヴェイアによって敵味方問わず撃墜されたのではないかと考えていた。

もし今回もヴェイアが暴走すれば、どうなるか分からない。自分やアイリの手に余るかもしれない。

パイロット達の間でヴェイアには表向き研究が禁止されている「戦闘用コーディネーターの実験体」だという噂があった。

シャルルはそれが真実であることを知っている。何故なら自分もその実験の犠牲者の一人なのだから。

 

 

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《ラザフォード》のブリーフィングルームでは先日の戦闘で戦死した前任者に代わり新たに部隊の指揮を任されたアイリがパイロット達を集め、作戦を説明していた。

エミリアやヴェイアなど、助っ人として派遣されてきたエースパイロット達の姿もその中にはあった。シャルルは若干の居心地の悪さを感じつつ、集められたパイロット達の様子を覗う。

 

「戦闘開始と同時、我々シュバルツァー隊は先行して右翼に展開している敵部隊を殲滅するのが仕事だ。敵の包囲網に穴が開けば、そこから新星へのルート確保できる。各員、バッテリーと弾薬切れには注意するように」

ここでアイリは言葉を切ると、背後のモニターの横に移動する。

 

「それと先日の戦闘で見知っているものもいると思うが、ガンバレルを搭載した大型MAの存在が確認されている。本部ではこれを《八本脚》と呼称しているが、拠点防衛のために配備されているものと思われる。このMAに遭遇した場合、決して単独では相手にしないように」

 

モニターに映された機体は、円錐状の巨大な機首から八本の樽状の足が生えているという異様な外観をしていた。

樽状の攻撃モジュール「ガンバレル」は機首と有線でつながっていて、それぞれのモジュールがあらゆる方向から攻撃を仕掛けてくる。

超人的な反射神経を持つコーディネーターといえど、前後左右から同時に繰り出されるオールレンジ攻撃に対応できるパイロットなどザフトでも極わずかだ。

現在エンジニアが映像記録から解析した《八本脚》の性能予測値を検証・確認している最中らしいが、具体的な報告はまだ上がってきていない。

 

「ガンバレルと対峙する際は、常に複数の敵を相手に戦っていると思うように。全方位に気を配る必要があるが、これは簡単にできる事ではない。戦場では常に3人の小隊で行動し、お互いが死角をカバーするように」

 

ガンバレル付きのMAと言えば月のグリマルディ戦で初めてその存在が確認されたが、追い詰められた地球軍が自爆を狂行したために多くのザフト兵が帰らぬ者となった。アイリ自身もシュミレーター上でしかガンバレルと戦った経験はない。

アイリが耳にした話では、この兵装を扱うには高度な空間認識能力が必要で、現在ザフトでもガンバレルを参考にした複合試験機を開発中らしい。

 

「私とシャルル・ヴァイスを小隊長に部隊を2つに編成する。エミリアとレオールは私の小隊に。ヴェイアとアレックスはシャルル・ヴァイスの小隊に入るように」

 

黙って話を聞いていたシャルルはアイリの瞳を見据える。アイリはシャルルを見つめ返すと口元を和らげた。しかしすぐに表情を打ち消すと鋭い声音で隊員達に命じた。

 

「全艦全隊の再編、出撃準備はまもなく整う。作戦開始は、一八○○。各員の奮戦に期待する」

 

「「はっ」」

 

 

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「もらったぁ!」

「油断して落とされるなよ、オロール」

「ナチュラル如きにやられるかよ」

 

ディーツェン隊に所属するミゲル・アイマンはマシューとオロールの二人を率いて新星防衛に回っているMA部隊に攻撃を仕掛けていた。

敵の先行部隊を突破すると新星の防衛艦隊や新星周囲に展開しているMAの母艦から大量の火器が発射され躱しきれなかった友軍のジンが数機爆発する。

 

ミゲル・アイマンはエースパイロットとしての腕を認められパーソナルカラーであるオレンジのカスタムジンを与えられている。

彼の実力は地球軍から「黄昏の魔弾」の異名で恐れられている程だ。

ミゲルは敵の砲撃を加速して躱すと、付近にいた巡洋艦の一隻に狙いをつけ機体を転身させた。

2機のMAがリニアガンを撃ちながら向かってくるが、カスタムジンの運動性能をもってすればかき回してやるのは容易い。

すれ違いざまに一機をサーベルで両断し、もう一機をマシンガンで蜂の巣にする。

 

「オロール、マシュー!先に艦を沈めるぞ。お前たちは回り込んでエンジンを破壊しろ」

「「了解」」

 

巡洋艦はこちらの接近を察知すると雨あられと対空火器を発射してくるが、対MS用の武装が不十分と言わざるを得ない。

マシンガンで砲塔を破壊すると、スラスターを吹かし艦橋へと移動する。

ミゲルは艦橋にありったけの残弾を叩き込んでから一気に距離を取った。

次の瞬間、巡洋艦は爆散し残骸を晒す。

ミゲルは空になったマシンガンの弾倉を交換しつつ、戦場を見渡すと他のモビルスーツ部隊も護衛艦隊やMAの相手に手いっぱいでなかなか新星に取り付けないでいるようだ。

 

「数だけは多いな。ローラ、そっちはどうだ?」

自分と同じく小隊長を任されているローラ・ヴァイスに光通信を入れる。

 

「中央の守りは相変わらず固いですね」

ミゲルと同じディーツェン隊に所属するエースパイロット、ローラ・ヴァイスは愛機のジン・ハイマニューバーを駆り敵の機体と交戦中だった。

通信に答えながら、両手に装備したマシンガンのトリガーを引き立て続けにメビウスを3機沈める。

ジン・ハイマニューバーのマシンガンは従来のジンの物に比べ威力が高く改良されているのだ。

 

「私達で前方の部隊を叩きます。ミゲル達は隙をついて後方にいる母艦をお願いします」

「了解だ。連日の戦闘で相手も疲弊している。一気に叩くぞ」

「消耗戦になれば私達は負けます。敵の増援が来るまでに新星を抑えなくては勝機が」

「そう一人で気負う必要はないさ。隊長の話じゃ今日から助っ人部隊が参戦してるはずだぜ。奴等の腕前に期待しよう」

 

昨日までは新人パイロットが主体だったザフト軍だが、この日からはエースパイロットを中心とした特別編成部隊も参戦していた。

噂では特務隊のメンバーも参加しているらしい。

 

当初は、L4宙域に多数の護衛艦隊を展開していた東アジア共和国軍だが、連日のザフト軍との戦闘により戦力を損耗し残った戦力が新星に集結し、最後の抵抗を試みていた。

両軍ともここ数日は毎日のように小競り合いを繰り返しておりお互いに決定打のないまま悪戯に戦力を消費していた。

ローラは敵の巡洋艦の周囲を飛び回っていたモビルアーマーに狙いを付けると、僚機に光通信を入れる。

 

「MA部隊を叩きます。デレクは援護を」

「オーケー。周囲の警戒は任せな!」

 

デレクはバズーカ砲を構え直すと、3時の方向にいる敵に向けて撃つ。

ローラの駆るハイマニューバーは高速で移動しながら、すれ違いざまに次々とメビウスを撃墜していく。

機体を走らせながらも、その狙いは正確無比だ。

通常のジンを超える高い機動性を活かしたヒット&アウェイ戦法は本来《黄昏の魔弾》の異名を持つミゲル・アイマンの得意技なのだが、ローラはその戦い方を完全に自分のものにしていた。

 

(やっぱスゲェ。俺はいくら訓練してもあんな戦い方無理だ)

デレクはマシンガンでこちらに向かってきていたメビウスを蜂の巣にしながらローラの戦い振りに見とれていた。

 

ローラ・ヴァイスはザフト内のパイロット達の間で「外人部隊」と揶揄される、いわば外部からのスカウトで入隊してきたパイロットである。

志願したわけでも厳しい訓練を受けザフトに入隊したわけでもない。そういった経歴を理由に一部の兵士からは嫉妬や反感を買うことが多い。

またエース機を充てがわれているという事実も自分等のような一般兵士からすればやっかむ要因ではあるが。

そんな風潮もあってか当初はローラを冷たく扱っていたデレクだが、彼女の人柄とパイロットとしての実力を目の当たりにしてからは態度を改めた。

ローラと編隊を組んだのは新星攻防戦が初めてだが、戦場で助けられたのは一度や二度ではない―。

 

その時前方で、大きな爆発が起こった。モニターをズームして確認するとミゲル達が巡洋艦を沈めたようだ。

 

「さすがミゲルじゃん。このままいけば勝てるな俺達!」

「デレク、油断しないでください」

 

ローラは固い口調で浮足立つデレクを諌めた。

 

「分かってるって!」

 

何気なく計器に視線を走らせた時、ローラは妙な気配を感じた。何かが自分の精神に触れてくるような奇妙な感覚だ。

 

(この感じ、シャルが近くにいるの?)

優れた空間認識力を持つ者同士は、離れていてもお互いを感じ取る事が出来るという。

シャルルとローラの姉弟は幼いころからお互いの存在を感じ合う事が出来た。

それが戦闘用コーディネーターとしての実験の副産物なのか、天性の力なのかローラには分からない。

 

「私は右翼側の援護に回ります。デレク、そちらの損害は?」

「ノーダメージ!」

「では付いてきてください」

 

言うがいなや、ローラはスラスターを吹かし右翼側へ飛び退っていった。

レーダーに目をやると右翼に展開していた敵軍のシグナルが少なくなっている事に気づいた。

このまま押し切れば敵の防衛ラインを突破できるかもしれない。

おそらくローラもそう考えたのだろうとデレクは結論付け、後を追いかけた。

 

 

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一方、新星の右翼側に展開している護衛艦隊を相手にしていたアイリ率いる特別編成隊は次々に敵を沈めていた。

隊長含め欠員の出た部隊に無理やりねじ込まれた形の今回の編成だったが、その戦果には目を見張るものがあった。

それもそのはず、踊る黒い死神の異名を持つアイリに加えて、針鼠(イーゲル)エミリア、英雄ヴェイア、疾風迅雷(ライトニングスピード)のシャルルがいるのだ。

 

連日の戦闘で破壊された戦艦の残骸に身を潜めながら、アイリは獲物の長射程ライフルを構えると、敵の駆逐艦の艦橋を撃ち抜く。

アイリの駆る漆黒のジンハイマニューバーは頭部に特殊なカメラモジュールが取り付けられており、彼女の能力に合わせて長距離索敵能力と狙撃力を特化されている。

近接格闘戦も不得手ではないが、アイリが最も得意としているのはスナイピングなのだ。

 

アイリは右翼艦隊の旗艦と思しきネルソン級を捉えると、狙撃ポイントを求めてデブリの中を素早く移動する。

 

「敵艦隊の足を止める。エミリーとレオはメビウスの相手をお願い!」

「了解!まったく、すぐブッ壊そうとするんだから」

エミリアは軽口を叩きながら前方の艦隊へ増速をかけた。

 

「り、了解!」

余裕のあるエミリアとは対照的に、アイリの僚機を務めるレオール・ハイゼンは双眸に焦りを滲ませる。

右翼に展開する敵艦隊はネルソン級を中心に駆逐艦4隻と艦隊陣形を敷いており、それを護衛するメビウスもそれなりの数である。レオールとてメビウスに後れを取る気はないが、それは数と状況による。

レオールが先行したエミリア機を追い掛けようとフットペダルを踏んだ瞬間、左前方にいたドレイク級の艦橋に砲弾が撃ち込まれ小爆発が起きた。アイリの狙撃だ。

直後、艦隊の中央にいたネルソン級がゆっくりと後退していき、右方にいた護衛艦―2隻のドレイク級が旗艦を庇うように前進してくる。

カタパルトから数多のメビウスが打ち出され、あっという間にエミリアとレオールのジンを包囲した。

 

「数だけ揃えたって、意味ないって!」

エミリアが駆る薄桃色のジンアサルトから火線が飛び出し、メビウスのパイロット達は断末魔の悲鳴を上げる間もなく次々に撃墜されていく。

 

「レオ!手前の駆逐艦をヤる!」

メビウスの爆発を目眩ましにしてドレイク級に肉薄したエミリアとレオールは上下から挟み撃ちにしてこれを沈黙させた。

同時に前進してきたもう一隻のドレイク級から対空砲とミサイルが発射され、堪らずレオールは回避運動に移る。一方のエミリアは機体を走らせながらこちらに猪突してくるモビルアーマーの群れをアサルトシュラウドの火力で薙ぎ払った。エミリアはレーダーに視線を走らせ後退したネルソン級の位置を確認する。追い掛けるべきか、追わざるべきかを思案する。

 

(くそっ)

レオールが歯噛みした直後、眼前のドレイク級の艦橋に砲弾が撃ち込まれ、火花が咲く。アイリの助け手だったが、その事に感謝する間もなくコックピットに鳴り響くアラート。センサーを確認すると左側から20機近いメビウスがこちらに向かって来ていた。その後方にドレイク級の熱源。

ジンとメビウスの戦力比は一般的に1対5とされているが、自分が新米だという事実を差し引いてもキツい数だ。

そう考えていた矢先に、友軍機の接近を示すアラートが鳴る。慌ててカメラを見渡すと、凄まじい速度でジンアサルトと赤いカスタムジンがメビウスの大群に向かって行くのが見えた。別働隊を率いる小隊長シャルル・ヴァイスから通信が入る。

 

「モビルアーマーはこちらで引き受けます。エミリー先輩、レオールは奥の戦艦を!」

「ありがと、シャルルには悪いけどこのスコアはワタシが貰うよ!」

少しも悪びれた様子もなく弾む声でそう言うと、エミリアは飛び退って行く。2人はかつて同じ部隊に所属していた事もあってお互いに一定の信頼を置いていた。

 

「た、助かりました。ここは頼みます!」

慌ててエミリア機を追い掛けて行ったレオールと入れ替わるようにして、アレックスのジンがシャルル達に合流し戦闘に加わる。

 

「す、すいません隊長、遅くなりました!」

「構わない、援護を頼む!」

そう返すとシャルルはフットペダルを踏み込んで機体を跳躍させた。敵モビルアーマーにバルカン砲とマシンガンを浴びせて瞬く間に3機を撃墜する。突進して来るメビウスの攻撃を躱しながらすれ違いざまにグレネード弾を叩き込んでこれを黙らせる。

 

(相変わらずのウデだな。けど)

ヴェイアはシャルルの手際の良さに感心しつつ、自身の愛機をメビウスの群れに正対させた。ヴェイアのジンは全身が真っ赤に塗装されたカスタム機で、右肩にアーマーと一体になったシールドを装備している。

ヴェイアは敵の攻撃を最小限の動きで躱しながらマシンガンで次々とメビウスを撃ち落としていく。

 

「僕も伊達に英雄と呼ばれてるワケじゃない」

ヘッドフォンから激しいノイズを流しながらヴェイアは口元に不敵な笑みを浮かべた。

 

ノイズ中毒者(ジャンキー)―戦闘用コーディネーターとして、幼少の頃から望まぬ訓練を受けてきたヴェイアの精神は不安定だったが、ノイズを聴いている間だけは戦闘のストレスを忘れる事が出来た。

 

ヴェイアはバズーカとマシンガンを斉射して、射線上の敵を一掃した。艦橋を撃ち抜かれたドレイク級の艦艇に回り込むと、バズーカを発射してこれを完全に破壊する。

 

 

その時、一際強い光がコックピットのモニターを照らす。先行したエミリア達がやったのか、モニターを拡大するとのネルソン級が火球に包まれていた。

シャルルはレーダーに素早く視線を走らせる。この空域で唯一生き残ったドレイク級の周りには、モビルアーマーが集まっていたが、程なくして遠距離から艦橋を撃ち抜かれて沈黙した。

シャルルとヴェイアの2人は示し合わせたように、同時に機体を翻すと敵のメビウスが密集している空域へ増速をかける。

 

アレックスは残存戦力に攻撃を仕掛ける2人を援護しながら、自分がとんでも無い部隊に編成されてしまったな、と思った。

 

 

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一方、デブリに紛れて遠距離から敵艦を狙撃していたアイリはレーダーに視線を走らせる。

 

「流石に気付かれたか」

彼女のジンハイマニューバーを囲むようにメビウスが徐々に距離を詰めてきていた。

アイリは弾数を撃ち尽くしたスナイパーライフルを背中にホールドすると腰にマウントされていたサーベルとマシンガンを抜き放つ。

 

「エミリーとレオはそのまま先行して!私も直ぐに追いつく」

「「了解」」

 

アイリはデブリの中を高速で移動しながらサーベルでメビウスを次々に切り裂いていく。アイリのジンハイマニューバーと違いメビウスはデブリが邪魔で碌な軌道を取れずにいる。まさにアイリの独壇場だった。

この程度の相手、物の数ではない。真に相手をすべき敵はこいつらじゃない。

 

「来るなら早く来い、どんな敵だろうと私が倒してみせる。フフ、帰って早くパトリック様に勝利の報告がしたい」

敬愛するプラント国防委員長の名を口にすると、死神は次の獲物を求め戦場を駆け抜けるのだった。

 

 

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新星内部に設置された東アジア共和国軍の司令部では先日の戦闘に比べ味方の損害が急激に増えた事に戸惑いの声が上がっていた。

戦端が開いてから2時間足らずで展開してたMA部隊の3分の1が撃墜され、護衛艦隊の包囲網に穴を空けられようとしている。

このままでは2、3日後には新星から撤退しなければならないだろう。

 

「一体どういう事だ。戦況を報告しろ!」

共和国軍を率いるリ・ゲンシュウ大佐はメインモニターを睨みつけ怒鳴り散らす。

 

「左翼艦隊に甚大な被害!ザフトは左翼側に戦力を集中しているようです。防衛ラインが突破されつつあります」

MA部隊を取りまとめるイワナミ少佐が冷静に戦況を報告した。

モニターに複数のウインドウが表示され、左翼艦隊を撃墜する漆黒のジンハイマニューバー、薄桃色のジンアサルトシュラウド、真紅のカスタムジンが映る。

 

《あの黒いのを早く何とかしろ!》

《あれは高機動機だ。好きに出来るか!》

《母艦を沈められた!救援を頼む!》

《クソッ、振り切れない!・・・火がっ・・・母さん》

 

司令部は戦況を把握する為全部隊が使用する無線を常にモニターしている。だがそれは時に味方機の苦戦を見て見ぬ振りをするに等しい行為でもある。

 

(こいつが踊る黒い死神か・・・)

友軍機を次々に沈めていく黒い機体を見て、イワナミは口の中で呟く。彼が知る限り、昨日まであんな機体はこの戦場にいなかった筈だ。

しかも厄介なのはこの一機だけではなく、各戦線でエース機と思しきジンが新たに確認されている事である。

 

「一点突破する腹積もりか?!中央艦隊を左翼に移動させろ。右翼艦隊と挟み込め!・・・まだ《アイアンヘッド》は出せんのか!」

一瞬の自失から立ち直ると、リ大佐は怒鳴り返す。

 

彼が口にしたのは共和国軍が開発したガンバレル搭載型の大型MAの名称だ。

この機体は先日の戦闘でザフトのジンを相手に獅子奮迅の活躍を見せたものの複雑化するメンテナンス性を解決できず、現在も修理に手間取っている状況だ。

しかしこの戦況を覆すには、圧倒的な力が必要なのだ。ジンを蹴散らせるだけの力が。

 

 

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シャルル・ヴァイスは愛機のジンアサルトシュラウドを駆り、新星の右翼側に展開している護衛艦隊を相手に戦っていた。

全身のスラスター制御とアンバックを使い、まるで稲妻のような軌道を描きながら、サーベルでモビルアーマーを切り飛ばしていく。

 

その特徴的な戦い方からザフトパイロット達の間で疾風迅雷(ライトニングスピード)の異名で呼ばれるシャルルだが、パーソナルカラーを持たない為か敵軍の間では別段、名を知られていなかったりする。

 

エースパイロット達を中心に編成されたシュバルツァー隊の中で異常とも呼べる活躍をしているのはグゥド・ヴェイアだ。

彼の駆る真紅のジンは戦闘開始から一時間足らずでMA17機、戦艦3隻を沈めていた。

彼に敵対した者は必ず倒されると言われている。事実ヴェイアは開戦以来ずっと負け知らずだ。

 

「ここは粗方片付いたな。どうするシャルル?」

先刻、共和国軍の駆逐艦を沈めたヴェイアがシャルルに近距離用の光通信を入れてくる。

シャルルはレーダーに視線を走らせた。

 

(例の《八本脚》がまだ出て来ないのが不気味だが・・・)  

シャルルは先行したアイリ達の小隊を追い掛けるべきか思案する。ジンの計器に目をやると、機体のバッテリー残量は5割程度。

ジンの連続稼働時間は、3時間ないし2時間持てば十分とさえ言われている。MSはバッテリーの消費がとにかく早いのだ。

少しでも稼働時間を伸ばす為に出撃直前までパワーコンジットを装着しているのもそれが理由だ。予備のバッテリーを携帯していれば話は別だが、それも一人では交換する事はできない。

無理をすれば最悪バッテリー切れを起こし、敵陣のど真ん中で撃墜される可能性もなくはないのだ。

 

「アレックス、そちらの機体状況は?」

シャルルは僚機を務める元ブレナン隊の新人パイロット、アレックス・リスタに尋ねる。

 

「だ、大丈夫です。バッテリーもまだ6割程あります」

実戦の緊張からか、上ずった声でアレックスが応える。

 

彼女と小隊を組んだのは初だったが、新人にしては動きは悪くないとシャルルは思った。

大規模戦闘でいつもベテランパイロット達の盾代わりにされて犠牲になるのは新人パイロット達だ。

小隊長として隊員全員を母艦に返す。シャルルはそれが自分の責任だと考えていた。

 

「ヴァイス隊はシュヴァルツァー隊の援護に向かう。俺とヴェイアが先行する。アレックスは後ろから付いてこい。バーニアは最小限度に使い慣性飛行で距離を詰める」

「り、了解です!ヴァイス隊長」

「アレックス、あまり気負うな。生きて帰る事だけ考えてればいい」

咄嗟に口を衝いて出た言葉に、シャルルは自分でも少し驚いていた。

 

一体誰の言葉だったか―。

すぐに思い出す。ザフトに入隊したばかりの頃にアイリから言われた言葉だ。

 

「格好良いな、シャルル。最初は隊長できるのか心配していたけど無用だったみたいだ」

2人の会話を聞いていたヴェイアからの通信。その言葉は捉えようによっては皮肉に取られかねない内容だが、ヴェイアはただ思ったことを口にしただけに過ぎない。そしてシャルルも彼の性格は理解していた。

 

「別に、小隊を任されるのはこれがはじめてってワケじゃない」

どこかバツが悪そうにシャルルは答えた。お互い過去を知る者同士だが年上かつ技量も上のヴェイアを自分が率いるというのは少々やりにくい。

 

「ヴェイアは・・・大丈夫なのか?」

「被弾はしていない」

「そうじゃない、俺が言いたいのは」

「おせっかい。そういうところ昔から変わらないなシャルル」

シャルルの言葉を遮り、ヴェイアは呆れ半分に呟く。

 

「俺は!」

思わずシャルルは声を荒げる。

 

「分かってるさ、僕なら大丈夫だ」

シャルルの言う事は正しい。実際のところヴェイアも自身の問題については自覚していた。

自分の中にはもう一人の攻撃的な人格が住んでいていつ身体の主導権を奪われるか定かではない。だが少なくとも今はそうなる予兆はない。

自分はまだ自分のままでいる。ヴェイアはレーダーでラザフォードの位置を確認すると機体に増速をかけた。

 

 

****************************************************************************************************

 

 

戦闘開始から1時間が過ぎ、ザフト、地球軍双方ともに決定打がないまま防衛ラインを死守していた。エミリアは薄桃色のカスタムジンアサルトを駆り、前方のMA部隊に火線の雨を浴びせる。

数多の爆発が起こる中、エミリアが撃ち漏らした敵をアイリとレオールの二人が仕留め、そろそろ敵の防衛ラインを突破しようという頃。

コクピット内に敵機の接近を知らせるアラームが鳴り響く。慌ててレーダーを確認すると、20近い光点が前方から接近してくるのが確認できた。

 

「敵の増援?まだくるの!?」

前に突出し過ぎたのが仇になったか。エミリアはバッテリーと推進剤の残量を慌てて気にし始める。

 

「メビウスばかりで私達を落とせると思っているなんて、舐められたものね」

踊る黒い死神の異名を取るアイリが皮肉交じりに呟く。これだけ戦場をかき乱してやれば八本脚が出てくると踏んでいたのだが、どうやら当てが外れたらしい。

 

「アイリ、こっちは残弾が少ないのよ!余裕かましてる所悪いけどヤバイって」

「分かってるってば!応戦しながら後退する。殿は私が務めるからエミリーは援護を。ばら撒けるものはすべてばら撒いてよ」

アイリは即座に決断を下した。バッテリーと弾薬が十分ならば、この程度の相手は物の数ではないが退き時を誤れば自滅する事になる。プライドで最後まで戦うのも美学だが、ただ美しいだけで何の意味もないのだ。

 

「レオ!そちらの状況は?」

僚機を務める元ブレナン隊の新人パイロット、レオール・ハイゼンに通信を入れる。

 

「バッテリーはまだ余裕がありますが、弾薬はほぼ撃ちつくしてます!」

レオールが焦りながら応える。

 

「この距離ならまだ振り切れる、思い切り後退して!」

アイリはマシンガンの先端にサーベルを装着すると、接近してくるメビウスの群れへと増速をかけた。直線軌道においてはメビウスの加速力はジンを凌駕するが、アイリのジンハイマニューバーはメビウスのスピードをも凌駕する。

 

《なっ、速》

メビウスのパイロットは何が起きたのか理解できずに機体を両断され爆散した。漆黒に彩られたジンハイマニューバーの姿を確認した地球軍のパイロット達は動揺しながらも攻撃の手を緩めない。

 

「鬱陶しい、まとわりつくな!」

アイリはメビウスのリニアガンを最小限の動きで躱しながら、次の敵へ狙いを定め引き金に手をかける。

 

「アイリ!」

瞬時にエミリアの意図を理解したアイリはフットペダルを踏み込み、機体をほぼ直角に上昇させた。直後エミリアの駆るジンアサルトシュラウドから火線の雨が飛び出す。射線上にいた3機のメビウスが火花を咲かせた。

 

「今ので打ち止め。後退するよ!」

エミリアは機体を回頭させると先に後退したレオールの後を追うように飛び退っていく。後退していくエミリアと入れ替わるようにシャルル・ヴァイス率いる小隊が現れた。

 

「隊長、こちらで引き受けます!」

「さすがシャルル、相変わらず良いタイミング」

アイリが歓喜の声を上げる。

 

「遅れて来た分は働きます。隊長は後退を」

「ここは任せるよ」

そう言い残すとアイリは機体を転身させ飛び退っていく。突出し過ぎたアイリをサポートするのはいつも副官であるシャルルの役目だった。この戦場での自分の役割も以前と変わらない、とシャルルは思う。

 

「ヴェイアは後ろの母艦を。MAはこちらで引き付ける。アレックス、撹乱程度で良い。付いてこい!」

「は、ハイっ!ヴァイス隊長」

上ずった声でアレックスが応えた。

 

シャルルが先陣を切る。アサルトシュラウドの推力を活かして編隊を組むメビウスと距離を詰めると、一斉射を浴びせる。動力部に被弾した機体が派手な爆煙をまき散らした。

その爆発を目眩ましにアサルトシュラウドのスラスターを全開にして機体をロールさせる。

迷うことなくこちらを追髄してくるメビウスの群れ。シャルルはスラスター制御で機体を急旋回させると両手にもったマシンガンを敵機へ放った。

一瞬遅れて敵のメビウスが爆ぜる。瞬く間に6機のメビウスを撃墜したシャルルの手腕は見事としか言いようがないものだ。

 

(スゴい、あんな加速私なら絶対に耐えられない)

アレックスは思わず感嘆の息を漏らした。先刻の戦闘でも思った事だが、まさに疾風迅雷(ライトニングスピード)の名に違わない高速戦闘。

並の人間であれば失神しかねない慣性Gにシャルルが耐えられるのは、戦闘用に強化された肉体を持つからに他ならない。

尚も攻撃を仕掛けるシャルルに追随しながらアレックスはレーダーに目を走らせる。先程まで中心にあった光点がゆっくりとこちらに近づいている事に気付いた。

 

「左前方から更に増援が来ます!数10、12!」

損耗した右翼側の戦力をカバーする為か、とシャルルは推察する。ちらりと計器に目をやると機体のバッテリーは4割程度。ヴェイアもおそらく似たような状況の筈だ。

 

「どうする?シャルル」

メビウスの母艦を沈めたヴェイアが戻って来る。ここで右翼に流れてきた中軍を迎え撃つ為に前進しても、新星までは辿り着けない。弾薬とバッテリーが保たないからだ。

かと言って背中から撃たれる状況はうまくない。シャルルは瞬時に状況を整理して決断を下した。

 

「俺とヴェイアで迎え撃つ。アレックスはこのまま後退しろ、こちらに構わずラザフォードまでの進路をクリアにするんだ。こいつらを片付けたら俺達も直ぐ追い掛ける」

「はっ、ハイ!ヴァイス隊長」

 

言うが否やシャルルとヴァイスのジンは示し合わせた訳でもないだろうに同時に身を翻し飛び退っていく。

 

「俺が左をやる、ヴェイアは右を!」

「オッケー、連携でやろう。昔みたいに」

ヴェイアは口元に笑みを浮かべ、操縦桿を握る腕に力を込めた。

 

アイリ達が派手に暴れたお陰でシャルルらがいる地点からラザフォードまでの軌道上の敵機はほぼ一掃されていた。

共和国軍が深追いしてくるかは分からないが、中軍の動きが散漫なのはこちらの友軍相手にリソースを割いているからで、本来ならば右翼側のシャルル達までは手が回らない筈なのだ。

 

 

****************************************************************************************************

 

 

シャルルらと別れラザフォードへ向かっていたアレックスはジンの光学センサーが捉えた新たな敵の熱源に身を強張らせる。左右から3機ずつ2小隊が接近してきていた。

新兵の自分が新星攻防戦を今日まで生き抜いて来れたのは、己の実力ではなく仲間達が生かしてくれたから、というのは彼女自身が一番よく理解している。

慌てて計器をチェックするとマシンガンの弾薬が尽きかけていた。アレックスは唇を噛みしめる。前方へ増速をかけながら予備弾倉をマシンガンに装填した。

機体を加速させながら弾倉を交換するなどアカデミーの教官が見たら卒倒ものだな、と場違いな考えが一瞬頭をよぎる。

アレックスは向かってくるメビウスのリニアガンの砲撃を大きく躱しながらすれ違いざまに銃弾をばら撒くが狙いが甘く当たらない。追撃を諦め向かってくるもう一機のメビウスにジンを相対させた瞬間、驚いた事に急加速してこちらに猪突してきた。

咄嗟にスラスター吹かして回避運動を取るが、左バインダーが接触しバランスを崩してしまう。アレックスの喉から思わず悲鳴が漏れる。

 

(ヤバいっ?!)

アレックスが反射的に目を閉じた瞬間、友軍機の接近を示すシグナルがコクピットに鳴り響いた。数瞬遅れて先刻接触したメビウスが火花を咲かせる。

慌ててモニターを確認するとジンハイマニューバーとバズーカを両肩に構えたジンが、敵に攻撃を仕掛けていた。

 

「こちらはディーツェン隊所属、ローラ・ヴァイスです。そちらを援護します。よろしいですか?」

アレックスを助けたジンハイマニューバーから近距離用の光通信が入る。

 

「こちらはブレナっ・・・、シュバルツァー隊アレックス・リスタです。援護に感謝します」

謝辞を述べながら、慌てて機体を立て直そうとするがバランサーが狂ったのか安定しない。機体の不具合を示すアラートはさっきから鳴りっぱなしだ。

 

(ローラ・ヴァイス・・・ひょっとしてヴァイス隊長の―)

兄妹だろうか、と口の中で呟く。

 

「踊る黒い死神の部隊!?マジかよ」

通信に割って入る若い少年の声。ローラの僚機を務めるデレクはメビウスに追随し、至近距離からバズーカ砲を撃ち込んでこれを撃破した。

 

「デレク!油断しないでください、9時の方向!」

「分かってる!」

会話を続けながらもローラは変則的なスラスター制御でジンを走らせながら、周囲に散開していたメビウスを撃ち落としていく。

 

(機体の動きもヴァイス隊長に似てる)

アレックスは知る由もなかったが、ローラは一度見た相手の動作を学習し、習得する事に長けている。

戦闘用のコーディネーターとして調整され訓練を受ける過程で、身に着けた技能の一つだ。

 

「クリア!だがこっちも弾薬が尽きた、一旦戻ろうぜローラ」

周辺に敵影が無いことを確認したデレクが言う。

 

「デレクは先に帰投してください。私は彼女を船まで送り届けます。良いですか?」

アレックスが機体の制御に戸惑っているのを見兼ねたローラは自分の機体でジンを抱える様にして掴むと増速する。

 

「ン―了解だ、置いてく訳にもいかないしな」

デレクは僅かに逡巡したが、ローラの指示に従う事にした。噂の《踊る黒い死神》を一目見たいとも思ったが、それを理由に押し掛ける訳にもいかない。

 

「あ、ありがとうございます!ローラさん。あなた達が来なければやられてました」

「気にしないでください。元々は私達が取り逃がした敵だったので」

 

****************************************************************************************************

 

ヴェイアと共にラザフォードへ帰還したシャルルは、整備ドックに見慣れないジンハイマニューバーと強行偵察型のジンが鎮座しているのに気が付き眉根を寄せた。

出撃前にあんな機体はいなかった筈だ。おそらくは補充要員。援軍か、とシャルルは推察する。どのみち人をまとめるのはアイリの仕事で自分が気にすることではないが。

 

「お疲れ、シャルル」

「ヴェイアもお疲れ様」

そういってお互いの拳を軽くぶつけ合う。

 

「戦闘配備は解除されてる。今日は終わりみたいだな」

2人で他愛のない会話をしつつ、MSデッキからラウンジに移動する途中で、シャルルは不思議な感覚に襲われた。

こちらに纏わりつくような、奇妙な感じ。そして勘違いでなければこの感覚をシャルルは良く知っていた。

 

ラウンジに入るとアレックスが慌ててこちらに敬礼する。その隣には二人の姿を見て嬉しそうに手を振る少女。

 

「シャル!ヴェイア!」

呼び止められたシャルルは半ば予想していたとはいえ声の主―ローラがいる事に驚く。

 

「・・・姉さん、ここで何してんの?!」

「ヴァイス隊長、お疲れ様です!・・・あのっ!ローラさんが被弾した私を助けてくれたんです」

すかさずアレックスがフォローを入れる。正確には被弾、と呼ぶのは間違いな気がしたが説明がややこしい為細かい点は省く。

 

「それはこっちの台詞。シャル達は助っ人部隊なんだっけ。アレックスちゃんにこの艦にシャルがいるって教えて貰って」

 

聞けば損傷したアレックスのジンをローラが牽引してきたらしく、今ローラの機体―ジンハイマニューバーは補給と整備を受けている最中だという。

 

アレックスはふと振り返って、ローラとシャルルの顔をまじまじと見比べた。身長はローラの方がわずかに大きいが、双子というワケでもないのに二人の容姿はそっくりである。

シャルルにウィッグを被せたら見分けがつかなくなりそうだ。アレックスの視線に気がついたローラはにっこりと微笑む。

 

(うっ、美人だ)

アレックスは急に気まずくなり視線を逸らす。その時ローラのパイロットスーツの胸の辺りにある刺繍が目に入った。

翼を生やした雷マークのエンブレムで、その左右には2と11の数字が小さく描かれている。シャルルとヴェイアのスーツにもこのエンブレムはあった。

一体どういう類の物なのか、興味が湧くが今尋ねるべきではない気がする。アレックスは姿勢を正す為後ろ手を組んだ。

 

「姉さんはずっと新星で戦ってるワケ?」

「うちの部隊は1週間前からかな。この戦いが終わったら一度プラントに戻ることになっているけど。シャルは戻らないの?」

「いや、わかんないけど・・・休暇は欲しいけどさ」

ローラが差し出してきた栄養ドリンクのボトルを掴みながらシャルルは微笑む。

 

「ヴェイア、シャルの事どうかお願いね」

シャルルと同様に差し出されたボトルを受け取るヴェイア。

 

「あぁ、分かってる。それにしても3人揃うのは久しぶりだね。僕とシャルルは何回か任務で一緒になったけど。ローラはずっと宇宙にいたのか?」

「今はディーツェン隊にいるけどね。そっちこそ今は英雄って呼ばれてるじゃない。びっくりだよ」

 

2人はザフトに入隊するよりもずっと昔からお互いの事を知っていた。

かつてL4宙域に存在したコロニー・メンデルには、戦闘目的で遺伝子操作を施された人間達の実験施設があり、その人間達は戦闘用コーディネーターと呼ばれた。同胞であるコーディネーターを殺すためナチュラルの手で生み出された存在だ。

反射神経、運動能力、状況判断能力。成長の過程でそのすべての数値が通常のコーディネーターの基準値を超えるように設計された者たち。

ローラはそこで弟のシャルルと共に生み出され、大の大人が裸足で逃げ出すような軍事訓練を物心ついた時から強制されてきた。同時期に生み出された者の中には、能力が理想値に届かなかったとして処分された者も少なくない。自分が生き延びる事が出来たのは、運が良かったからだとローラは思うことにしている。

 

メンデルがブルーコスモスに襲撃される少し前、実験体の中でもリーダー格だった少年カナード・パルスから脱走を持ちかけられたのがすべてのはじまりだった。

 

「近いうちにこのコロニーはブルーコスモスに襲撃される。俺たちはその混乱に紛れてここを抜け出す」

 

あの時彼が何故事前にテロが起こると知っていたのか、自分には今でも分からない。結局彼が言っていた通りテロは起き、その混乱に乗じて自分たちは上手く逃げ出すことが出来た。

カナードは自分達を逃がすため最後まで囮になり、ついに合流することはなかった。

その後ローラたちは身寄りのないコーディネーターを引き取り、完璧な兵士を育て上げるエース養成機関《サーカス》に身を寄せることになる。そしてヴェイアや弟のシャルルと共にスカウトされる形でザフト軍へ入隊したのだ。

 

 

****************************************************************************************************

 

 

ラウンジにやって来たアイリは帰還したヴァイス隊のメンバーに労いの言葉をかける。シャルル達は未だパイロットスーツのままだが、アイリは既にホワイトの制服に着替えていた。

 

「あなたがローラ・ヴァイスね。特務隊所属アイリ・シュヴァルツァーよ。部下を助けていただき感謝します」

アイリはローラの姿を認めるとそう言って右手を差し出した。

 

「ディーツェン隊所属ローラ・ヴァイスです。お会いできて光栄です。こちらこそ弟がいつもお世話になってます」

踊る黒い死神のプレッシャーに気圧されつつも、手を握り返し社交の言葉を口にするローラ。アイリが何か言おうと口を開きかけた時―

 

「皆さんお疲れ様でーす!初めましての方はどうぞよしなに。ヴェイアさん、シャルルさんはお久しぶりですね!」

 

甲高い声がそれを遮った。

アイリの背後から濃いブルーの髪をウェーブ巻きにした少女が現れる。

ザフト軍の制服と思しき上着を羽織ってはいるものの、妙な柄がプリントされたタンクトップにベルトを二重に巻いたプリーツスカートという出で立ちで、首と左手首に巻いたチョーカーをチェーンで繋いでいた。濃いアイシャドウ、おまけに頬にはザフトマークのタトゥー入り。およそ軍人とは言い難いビジュアルである。

シャルルは誰だこいつ、と一瞬思ったがすぐに思い出す。シュヴァルツァー隊にいた頃にアイリに取材を申し込んできたジャーナリストだ。名前は確か―

 

「知られざるザフトパイロットの武勲を紹介するザフト情報局。今回もお馴染みソフィア・ローレンスの解説にお付き合いください!」

エアマイクを持ちながら急に謎の前口上を述べてポーズを決めたソフィアを「正気か」という目でシャルルは見つめた。

 

「嘘!本物のソフィー!?何で!」

何故か傍らにいたローラとアレックスが目を輝かせながら、当のソフィアに握手と記念撮影を求める。シャルルは訝しみながら「この人有名なの?」とヴェイアに耳打ちする。

 

「ネット番組のMCをしてるんだよ。ザフト公式の。観たことない?」

 

ザフト軍には広報部というものが存在し、平たく言えばザフトのイメージを良くする為にメディア向けの対策をしている部署の事だ。元々は個人で情報発信していた彼女の人気に目を付けた広報部が正式に登用したらしい。

ちらりとソフィアを一瞥すると【ザフト広報部】と書かれた顔写真付きのIDを上着に付けていた。

 

「えっと・・・ソフィアさんは、どうしてラザフォードに?また隊長の取材ですか」

シャルルは多少面食らいながらも平静を装い尋ねた。嬉々として携帯端末のカメラレンズに向かってポーズを決める姉と部下の事は見て見ぬ振りをする。

 

「《躍る黒い死神》特集回は非常に反響が大きかったんですけどね〜。今回は別件なのですヨ」

 

聞けば新星を占領した暁には、L5宙域に移動させながらザフトの軍事基地として改修する計画があるらしく、新星攻落の情報はプロパガンダとして大々的にニュースに使いたいらしい。

あんなデカい物を移動させるなんてイカれてるな、とシャルルは思ったが口には出さない。

 

「本部の方でも話題に上がってるのですが、新星に配備されている大型MAを見事撃破した折には、その映像記録を広報部で使わせて頂ければな〜と。つまりシュバルツァー隊の皆さまのお力をお借りしたいのです」

拝む様に両手を合わせるソフィア。

 

「私が新星に呼ばれたのも《八本脚》を落とす為だし、断わる理由もないと思ってね」

苦虫を噛み潰したようなシャルルの表情を見ていたアイリがフォローする。

 

「隊長がそう言うのなら・・・全力を尽くしますけど」

「ありがとうございます!いや、それにしても、シャルルさんにこんな美しいお姉さまがいらしたとは!美男美女のパイロット姉弟、非常に画になりますネ!是非取材させてください!」

二人に向けて携帯端末のシャッターを切りまくるソフィア。

 

「よろこん〜ムグッ」

「イヤです」

 

何かを言いかけたローラの口をふさぐと、ソフィアの申し出をにべもなく断るシャルル。後でローラは憤慨していたが知った事ではない。

 

 

****************************************************************************************************

 

 






その他補足・元ネタ


・シャルルとローラの姉弟。
戦闘用コーディネーター、エルザ・ヴァイスの妹弟として考えたキャラクター。星が落ちる時の主人公はシャルルです。ダンテの設計ではありませんが、強化された肉体と高い戦闘能力を持ちます。ローラ・ロッテ(マティス)と名前が被っていますが、まぁいっかと。

・東アジア共和国軍、共和国軍という名称は何と無く地球軍の中で派閥ごとに差別化したかった為このように呼称。普通に地球軍の事です。書籍によってはユーラシア軍などの呼称もある為、まぁいっかと。

・踊る黒い死神の二つ名はリド・ウォルフが元ネタ。

・疾風迅雷の二つ名は角川スニーカー文庫のラグナロクの主人公が元ネタ。

・本作のグゥド・ヴェイアはシャルル、ローラと共にメンデルを脱走しサーカス経由でザフトに入っています。その為赤服ではなく緑服。
公式小説だとノイズを聴いている間は攻撃的な性格に変わりラクスの歌を聴いている間は穏やかになる、という設定でしたが戦闘中はずっとノイズを聴いていたとも語られている為、本作ではアレルヤのように切り替わるスイッチがあって、時折正気を失うという体にしてます。

・ミゲル、オロール、マシューは本来はクルーゼ隊にいる筈ですが、作者都合で別部隊にしてしまいました。

・シャルルがやってる稲妻のような機動、というかジグザグの動きは《ライデンの帰還》でキマイラ隊がたまにやるジグザグ機動が元ネタです。

・ソフィアはプロットの段階では存在しませんでしたが、星月の欠片を読んでいてMCリーチェルみたいなキャラがいたら面白いなと、無理矢理出したキャラクターです。後先考えずに出しました。

・ローラが遠距離からシャルルの気配を感じ取れるのに対して、シャルルが気付かないのは空間認識能力の差です。あと愛の差。

・ナスカ級に(一時的に)8機MSが居るのはおかしい問題。
これは自分も思ったんですが、一話目のヴェサリウスは、よく考えるとシグー、ミゲル専用機(修理中)、オロール機、マシュー機、ミゲル機(自爆)、ミゲル機(2機目)とイージスに加えてストライクも本来収容予定だった(ラスティとアスランが同室)のでMS積むだけなら割と余裕はあるんじゃないかと。DESTINY時代には12機搭載してますし、まぁいっかと。

・ジンのバッテリー稼働時間は実際の設定ではもっと短いですが、今作は伸ばしています。めっさ長持ち。

・エース養成機関《サーカス》について。
身寄りの無いコーディネーターを引き取り完璧な兵士に育てる人材派遣組織。公式では人間爆弾を作ったり、殺し合いしてますが今作ではそこまでは残忍じゃない組織をイメージしています。

・サーカスのエンブレムの数字について。
カイトが肩に彫っているタトゥーが元ネタ。本作では右の数字が序列(サーカス内での成績)、左の数字が何期生かを示すものとしています。シャルルは11期生の中で序列4位。ヴェイアが1位でローラは2位。

・外人(スカウト)部隊への差別について。
これはジオン正規兵が傭兵部隊、外人部隊を毛嫌いしていた為そういう事もあるかなと。

・ジンアサルトの武装について。
書籍によって肩にレールガンを装備した機体もありますが、シャルルとエミリアの機体は脚にミサイルポッド、肩にバルカン砲、胸・腕にグレネード弾の標準的な武装としてます。

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