Sky:星を紡ぐアーカイブ   作:紙コップ113

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お久しぶりです。いつの間にか12月、年末年始のSkyはイベント盛りだくさんである。


巣窟の集い

集い当日。開催地からそこそこ離れた集合場所で待機していた。

蟹の巣窟を観察しているのだが、ゾロゾロと蟹の行列が出来ていた。

向かっている方角はアビドス高校。何の意図があるのかは知らないが、蟹の思考回路など分かるはずもない。

仮に戦う羽目になっても、あの連中がいるなら大丈夫だろう。ピンクリトルのホシノがいるからね。

 

話は変わるのだが、音楽の日々が始まった。聞いた話によれば、ジャム・ステーションがアイテムとして持ち運べるようになるとのことだ。ちなみにジャム・ステーションは、四つの楽器を鳴らすタイミングを設定し、短いトラックの曲を作れる。奏の音楽堂の奥にある四角いアレだ。楽器をそこまで上手に使えるわけではないので、いまいち凄さが分からないのだが、専門家の手に掛かれば、素晴らしい作品が作られるのだろう。表現者の季節といい、重なる音色の季節といい、定期的に音楽関連のイベントは結構な頻度で開催される。それに聖なる星の日々には不思議な国のア◯スとのコラボカフェが開かれるとの噂だ。キヴォトスにでの新発見も楽しいが、王国でのイベントも盛りだくさん。ここ暫くは退屈しないで済みそうだ。

 

そう考えてる間に、参加者と思わしき星の子達がやって来た。

キャンドルを寄せ合い、コスチュームを見せ合う。

 

コスチューム自体は特に変わってはいないが……背負ってるものはなんだ。

銃だと思うが、デカい、長い、太いの三拍子。筋肉モリモリマッチョマンの変態が持っていそうな代物である。連れも同じく。

 

フレンド登録してどこで見つけたのかを聞いてみたところ、ミレニアムに住んでる、犬耳の生徒が持っていたのを交換したらしい。

 

車に撃てば爆発四散。小さい建物なら数発撃てば跡形もなくなるとのこと。威力がエグいので、使用を躊躇っていたが蟹の巣窟なので今回用意してきたらしい。

 

なんて事だ、素晴らしい!集いを盛り上がるのに打ってつけだ。

ではコイツを巣窟に撃ち込むのを集い開始の合図としよう。

 

自分が合図をすると同時に、デカい銃は斜め上に発射された。

放たれた砲弾は山なりに飛び、見事巣窟に墜落。中で爆音が響いた。

 

「敵襲、敵襲ーーー!」

 

「どういうことだ!?アビドス高校の差し金か!?」

 

集い開始ィー!

我々は一斉に飛翔し、巣窟の中に潜り込む。

 

「敵と思わしき集団を確認!星の子です!」

 

「なにぃっ!?報復しに来たとでもいうのか!?」

「とにかく理事に連絡しろ!そして戻ってくるまで一匹も中に入れるな!」

 

蟹共の慌てふためく鳴き声が辺りに響き渡る。それでも固まって我々を攻撃する。

別に対応できないことはないが、ひっくり返った仲間を起こした方がいいのではないかとも思っている。王国の蟹はひっくり返った蟹を起こすぐらいの仲間意識があるのに、薄情な蟹だこと。

 

まぁ今回にとっては固まってくれた方が嬉しいですけどね。

 

蟹共はドカンと爆破され、花火の如く散り散りに吹き飛んだ。

 

オードブルはここまで。次はスープと言わんばかりの車がぞろぞろと出て来た。

 

車に付いている大砲は次々と発射され、我々の羽を散らしていく。

自分の武器ではどうにもならないので、参加者の羽の回収とエナジー回復に専念することにした。

 

「待って、止まれ!ウワァァァ!?」

 

「テメェらなんざ怖くねぇ!野郎ぶっ殺ッシャァーー!!」

 

うん、デカい銃持ちの連中を今日からコマンドーと勝手に呼ぶことにしよう。

コマンドー部隊に翻弄された車軍団は無慈悲にもその車体から爆炎を上げていく。

 

「ウワァァァァァァァァァ……!」

 

「今日は厄日だわ!」

 

空飛ぶ星の子のによる爆撃は、もはや大惨事対戦である。

 

「やむを得ん!スペアのゴリアテを出せ!」

 

「無理だわ!アイツらの前では足の生えたただの鉄屑よ!」

 

ブラックマーケットで見覚えのあるロボットが出て来た。

同じ時間に反対方向から同じ形をしたロボットが向かって来た。

ロボットの頭をよく見れば、乗ってるのはミリオタである。お久しぶりです。

 

ロボット同士がぶつかり合い。装備されてある武器をバカスカ撃ち合う。

 

実況者としての自分からは迫力のある光景だ。これはメインディッシュと捉えていいだろう。

 

ひっくり返った蟹は火鉢で炙られているし、追加で出て来たエビみたいな飛翔体はコマンドーにフルボッコ。砲台付きの車に至っては、星の子が交換して乗り回している。この風、このカオスっぷりこそが集いだ。

 

そろそろお土産の買い物をしたい。適当な建物の中を物色してみようか。ジャム・ステーションの分はどうせ恒常アイテムだから後回し。

 

 

 

 

 

蟹を相手取りつつ商品を見る。いつも通りの銃器は勿論、車だったり飛翔体だったりと、心惹かれるものが置いてある。

中でも気に入ったのは二輪の小さな車、というよりバイク、いやスクーターか。アフヨが持ってる大きな車もいいが、こちらの方が小回りが利きそうだ。キャンドル100本と少々懐が寂しくなるが、キヴォトスの冒険に役立つことには間違いない。魔女の箒などの移動を支えるアイテムは貴重だからね。

 

交換して乗ってみる。

スピードはまずまず。この狭い建物の中でも問題なく運転できる。

しかし、蟹のせいで事故は起こるよどこまでも。

 

「こっちを狙ってくるぜオイオイ!?」

 

「やられ千葉ぁ!?」

 

まぁ起きたところで問題ないですけどね、ハイ。このレースはヘルシーなサラダである。

 

 

 

 

 

スクーターに満足し、すり抜けで隠し部屋を探していたのだが、何やら広い大穴みたいな場所を発見した。ついでにアフヨが血眼で探しているらしい黒ハゲもいた。

何か赤い糸が中央の狭い足場に集中して、そこにいるのは…………

 

ピンクリトル。ホシノがいた。どういう意味だ。誰か分かるように説明しろ。

 

「……そっか。また、大人に騙されたんだ。」

 

ホシノの両手が柱に固定されている。どうにもここから飛び出してくる様子はない。

顔は下を向いて何やらボソボソとつぶやいている。何を言ってるのかはサッパリだが。

 

これ解いていいのか?捨てられた地の煮込まれた蟹みたいに、解放すればハートを出して懐いてくるとかだといいのだが。

 

まぁいい。プエと大鳴きしてひっくり返そうとするも反応なし、これは想定内。

 

「……あっ。」

 

マズい、気付かれた。

 

「……別に、助けに来てくれたわけじゃないよね。」

 

……あんなに恐ろしく感じたホシノが、今では弱弱しく見える。それもユメの記憶を辿っていた時と似たような顔だ。

 

「……アビドスに居なければ、私も君のように自由でいられたのかな?」

「大人に騙されず、私は私のままでいられたの?」

 

……何だか可哀想になってきた。

糸を解き、ホシノの両手を開放する。

 

「……え?」

 

うなだれているホシノにそっとハグをする。悲しいときに寄り添うのはこれが一番。お互いの体温を全身で感じ取り、心の寂しさを払ってくれる。

 

「うへへ……あったかい。」

 

ホシノは意図を理解できたのか、自分に体を委ねた。うむ、これでいい。言葉は伝わらなくとも、誰かに抱き着きたくなるのは誰もが一度は思うことだ。

 

「……うん、もう大丈夫。」

 

気分が落ち着いたのか、ホシノは離れた。

 

さて、これからどうしたものか。すり抜けで侵入したため、ここからホシノを連れて帰る方法がない。

 

辺りを撮影し、ネットに救助要請を上げて数分したら、コマンドーが壁を爆破してくれた。

 

「……うへぇ。」

「折角可愛らしい子達なのに、もうちょっと穏便にしてくれないのかなぁ。」

 

ホシノを連れ出して地上に戻る。既に蟹は全滅していた。

 

今日は楽しかった。

折角なので、アビドスで打ち上げと行こう。デザートだ。




読んでいただきありがとうございました。

何かフルコースみたいな表現なのは気にしないでください。その場のノリです。
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