プロローグ
腹が減った。とにかく腹が減った。
手に持つ大根を皮ごとかじりながらあたりを確認する。
(追っては来ていないか)
名前はわからない。気づいたら、この街で倒れていた。
身分を証明する物も無ければ、金もなかった。どうにか働く場所にありつけたと思ったら契約書を交わしていないからとか難癖付けられ無賃。依頼者はその場でぶん殴ってその仕事も首になった。
そして結果、今では八百屋にこっそり忍び寄り、泥棒を繰り返すそんな生活になっていた。
(この生活も5日目か・・・。)
幸いにも近くに噴水があるためそこで軽く洗濯やら、体を洗っているものの最近それが噂になったのか公園周りの巡回が増えていた。
ぐぅぅぅぅぅ。
己の腹の音に頭を抱えながら、耳を澄ます。
「ここら辺に治安局はいないのか・・・」
そう思い、腰を下ろそうとした時だった。
青髪の女が目の前を通り過ぎる。
「おい!!そこのお前、俺達のシマで何やってんだぁ!!もしかして、さっきの女の仲間か?」
そう叫びながら集まってきたのは、5人の男たち、おそらくごろつきだろう。
女と言うのは先ほど俺の前を通り過ぎた奴のことだろう。
「何、無視しとんじゃわれぇ!!」
「別に、無視はしていない。ただ・・・、申し訳ないがこの大根を食べているだけなんだ。放っておいてくれないか?」
大根をまた一口、口に運ぶ。うん、辛い。これしか食うものがないのだから仕方がない。
ちらっと横目で男たちを見るとなめられていると思ったのか、顔をトマトみたいにまっかにしていた。
「ちっ!てめぇみてぇな。生意気なガキになめられたままじゃ・・・な!こっちのメンツが持たねぇんだよ!!」
そう言い、取り出したのはナイフだった。
(血がついている・・・。初めてじゃないな)
「それは脅しの道具じゃないんだ。さっさと納めてくれるんだったら俺もすぐここを出ていこう」
また、大根を一口、うん。やっぱり辛い。
「どこまでも俺達をコケにしやがってよぉ!お前今更無事に出れると思ってんのかぁ!」
どうやら、俺は対話に失敗したらしい、男はそのナイフの切っ先をこちらに向けて刺してきた。
(・・・こいつらから、お金もらうか)
「はっ?」
ありえないものを見た目でこちらを見るごろつきども。
俺は大根をまた一口、口に運びながら奴らを見下げる。
奴らが声を漏らした原因はただ一つ。こちらに向けてきたナイフに対して俺は拳を握りしめ応戦した。
結果、ナイフが折れた。
「別に恨みはないが。そっちから吹っ掛けてきた喧嘩だ。覚悟はしているよな」
「ひっ!ひぃぃぃぃ!」
男たちは腰が抜けたのか、その場で動けない。まるで死にかけの虫のように這いつくばりながら俺から逃げようとしていた。
『熱血パンチ』
炎を纏った拳がごろつきのおそらくリーダー格に向けて放たれる。
「当てねぇよ」
だが、顔面に当てる寸前で止める。
「あっ」
軽い脅しになればと思ったがその男は気絶していた。
(肝っ玉が小さいなぁ)
それでなんだか、財布を盗む気も失せた俺は、ごろつきどもに「どっか行け!」と一喝し、今度は腰を下ろし、大根を再びかじりだした。
記憶もない俺がここがどこかを判別する方法はあまりない。
とりあえずここの街の名前は『新エリー都』と言うところらしい。
まぁ、記憶がないのでどうにもならないが。
大根を食い終わった俺はまた何か食えるもんないかなぁと町へくり出した。
そこで、初めに目に着いたのは、街の電気屋が店頭に置いているテレビだった。
「・・・速報です。十四分街で共生ホロウが突如発生。管制レベル3を突破。ホロウ調査協会が
緊急対応に当たっており近隣住民の避難誘導を進めています」
「ホロウ?」
聞いたことがない現象だ。だが、避難ってことはきっとろくでもないものなんだろう。おそらく、自然災害の類。
レベルが区分されているということは、それなりの頻度で起こる災害だと考察できる。
(おそらく、地震とか津波とかそれくらいメジャーな災害だと思うけれど・・・。そこら辺の人に聞いてみるか・・・。いや、下手すれば怪しまれてまた鬼ごっこが始まる気がするなぁ・・)
戦う力は持っている。だからと言って戦う理由にはならない。
「はっ」
急にそんな言葉が頭に浮かんでぼーっとしていたが、ちらっと見ると。電気屋の店員らしき人が俺を睨んでいる。
Uターンしてそのまま、電気屋を離れた。
熱血パンチって人殺せるよね。
さて、始まりましたゼンレスゾーンゼロ・聖剣、イナイレの必殺技は人を殺せるだろう(確信)という思いから生まれた今作、意外と設定は凝ってるので是非楽しんでください。
――まあ、オリ主がいるのになぜか本編より鬱なんだけど。
皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?
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読みたーい!(特にヤンデレ)
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読みたーい!(ラブラブ!)
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読みたーい!(好感度測定器みたいなやつ)
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いや、読みたいのは本編だ!遅れてんぞ!
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作者さんの自由で!
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こんなアンケートする前に書け