同じころ、デッドエンドホロウの外、ヴィジョン・コーポレーションのスキャンダルが発覚した場所――
「新エリー都は奇跡の都市であり、ホロウ災害の時代にあってただ一つの拠り所となれる場所だ、私がまだ小さいころ、生き残りのリーダーが言っていたことです。ホロウを避けて荒野を流浪する、辛く厳しい日々の中にあってその言葉は私の希望でした――」
治安局の衣を纏った男――いや、ブリンガーは一人何もいない空間に向けて耳障りのいい演説を繰り返しているさなか、ハイヒールの乾いた靴音が響き、黒と赤の服に身を包んだすらりとした人影がゆっくり近づいてきた。
「どうしたのかしら?万人の上に立つ、総監の地位が目の前にあるのに――ちっとも嬉しそうじゃないわね?」
「――皮肉はよせ」
「本心からの言葉よ」
「ヴィジョンという隠れ蓑はもはや役に立たず、モニュメントの中にあったものはH.A.N.D.の手の中――千面相の襲撃は失敗し、郊外の愚か者は鄙びた土地から権力を奪うことすらままならない!ギャングどもは言うに及ばずだ!」
これまで、解決してきた数々の事件を引き合いに出しながらブリンガーは鬱憤を吐き出しながら髪をかき上げた。
「サクリファイスのサンプルがなくては、計画が進まんのだ!貴様は私に、あの六課の虚狩りから発言権を取り上げて見せろと言うのか?それとも、ただ清廉潔白なヤヌス区総監の誕生を見届けたいだけか?」
「計画は目的のための手段であって、目的そのものではないわ。シチュエーションに基づいて調整するか、新しい計画を仕立て直すか――信徒としての資質が試されるわね?」
「――はっきりさせておこう。私と貴様の位に差はない。頭ごなしに何かを言われる筋合いはないのだぞ」
イラつきが抑えられなくなったのか、鋭い目つきで女を睨みつける。しかし、一応は局長であるブリンガーの睨みでも表情一つ変わらない。
「興奮しない頂戴。私はただ、あなたの新しい計画に手を貸してあげたいの。これを見て――」
「なっ、これは!?」
ブリンガーは大きく目を開け、女の渡してきた“刀”を上から下までじっくりと観察する。
「ふふっ、驚いたかしら。この世界に4本しか存在しない聖剣のうちの一本――聖剣オーガ。安心して、星見家が持っている模造品なんかじゃないわ。間違いなくオリジナルよ」
「なるほど――そうか、これがあれば万能の力を――」
聖剣を鞘から引き抜けば、あふれ出る妖艶なオーラを見てブリンガーは思わず腰を抜かす。
「それだけじゃ、足りないわよ。でもラッキーね、ちょうど聖剣ゼウスの力は手に入ったの、もうじきジェネシスのハイ・フェイクも到着するわ。十分代用は可能でしょうね」
女の手元にあるのは一本の注射器。一目見ればすぐわかる、それがとんでもない力の塊だということを――
「だが、ジ・アースはどうする?貴様の話ではオリジナルはとっくの昔に失われ、ハイ・フェイクも行方不明ではないか」
「心配ないわ――アポロが蘇ったもの」
「蘇っただと!?間違いないのか?」
「えぇ、この目で見たもの」
その場から立ち上がり抗議するブリンガーだが、女の表情は常に冷静だ。
「だが、奪えるのか?貴様の言う分には圧倒的な強さを持つのだろう?」
「そうね、どのくらい力が戻ってるかにもよるけど――もし全盛期クラスで力が戻っていたら難しいわね。とりあえず、核兵器で新エリー都ごと吹っ飛ばしても足りないわ」
「不可能ではないか!!」
一人の男を倒すのに新エリー都を滅亡させれば本末転倒という結果になりかねない。
だが、女はブリンガーに向き直り何かを確信したような妖艶な笑みを浮かべた。
「けど――勝算がないわけじゃないわ」
その手には透明な指輪が握られていた。
少し時間が経過し、ニコに連れられ郊外に訪れた後、パールマンから『驚愕の真相』」について最初から最後まで詳細に説明を受けた。
「なぁ、ナナシ何やってんだ?」
「うーん?あ、ビリーか土いじりだよ」
ナナシがその場でうずくまりながら何やらスコップ片手に土を掘っている。それを不思議そうにビリーがのぞき込んでいた。
「土いじりつーか、それ地雷じゃね?」
「違うよ、煙幕しか出てこないさ。けど――」
丸っこい円盤状な煙幕弾を片手にニコの方に視線を向ける。
「ぶっちゃけ、今からここに治安局が来てもおかしくないと思ってる」
「――親分、あんたナナシから信用されてねーぜ」
やれやれと顔を覆うビリー。
「信用はしてるさ、ビリー。でも、不思議と何かが起こる気がするんだ――うん」
ちゃんとばれないように土を戻し、周りも違和感ないようにいじる。
それから、しばらくして――
「――と、とにかくだ!私は名義上こそヴィジョンのCEOだったが、実際にはお飾りに過ぎんかったのだ!会社の長期的な事業計画はみな、サラの奴が仕切っとった!例の旧地下改修プロジェクトを含めてな!そして、あの女があれほど危険な橋を渡ることができたのは、治安局のブリンガーが後ろ盾になってたからなのだ!」
要するにこの小太りのおじさんは完全な操り人形で、手を引いてたのはサラとブリンガーというわけなのだ。
後、どうでもいいが社員食堂に追いやられていたらしい。
ちなみに、サラというのはヴィジョンをとっちめた時に気づいたら逃げてたやつ。よく考えてみれば、あのタイミングに来た治安官はブリンガーだった。つながっていなら、逃げられたのもうなずける。
(でも、もしも旧地下改修プロジェクトをヴィジョンが受け持ち続けてたらサクリファイスは二人の手に渡ってたのか――偶然か?)
「口だけなら何とでもいえるからね。ちゃんとした証拠はあるの?」
「おお、あるとも!奴らの計画がどんどん過激になってると感じた私は、その動きに目を光らせていた。何せ名ばかりのCEOとはいえ、対外的な書類のほとんどには私のサインがいるからな!」
「それで、証拠はどこにあるんだ?」
「ふふん、せかすな小僧。なんと、サラから送られてきた計画書やメールは全てバックアップの名目で印刷しておいたのだ!社員食堂に追いやられるたびに、隙を見てはせっせと!」
そして、その証拠は現在、他の工事の書類と混ぜられ行方知れずとのこと。
見つけられれば動かぬ証拠――ほどではないが、金や情報のやり取りに使っていたアカウントは特定できるかもしれないとのことらしい。
「でも、どこにあるのかわからないんだろう?」
「待って、ナナシ。スキャンダルの後、クレタ社長率いる、白祇重工が工事を落札してたじゃん!」
「なんだ?あの人より熊が、熊より機械が多い会社は、お前らの知り合いなのか?それなら話が早いではないか!」
「うっ、白祇重工か――」
確かに、白祇重工を探せば証拠が見つかるかもしれない。だが、絶賛俺は行きたくないのだ、なぜならグレースに一回手錠と足枷で動きを封じられ、ボンプに意識を封じ込められかけたのだ。
「ニコ。だるまのオッサンがホントのことを言ってるとして――これからどうするの?にゃんとかして、こいつを治安局まで連れてく?あーでも、治安局には悪い奴もいるから――」
「おまけに今は選挙期間中で、新エリー都は治安官だらけ。誰が敵で、どこで敵がつながってしまうかを判断することはできないわ」
アンビーの指摘通りだ、たとえ勤勉で正義に燃えた治安官に伝えたとしても上がブリンガーでは伝われば即刻ピンチにつながる。
「ふっふーん!みんな安心しなさい。だるまのオッサンと違って、このニコは名実ともに邪兎屋のC・E・Oなのよ!ちゃーんと対策を考えてるっての!」
「――嫌な予感がする。パールマンみたいに、飛行船でダイナミックに行くとか言わないでね」
「言わないわよ!!――闘獣棋ってやったことあるかしら?鼠は兎に、兎は猿に、狼は虎に、虎は象に――の順番で食べられるんだけど一周回って、鼠は象に食べられるってやつ!」
「象を呼んできたってこと?」
敵が治安局なら、それに対抗できるような相手を呼び出すしかないのだが、そしてついでに少し遠くから聞こえるトラックの走行音のようなものはもしかして――
「そうよ!あたしが呼んできたのはね、今の新エリー都で一番フレッシュかつ、いっちばん大きな象さんなんだから!」
(嫌な予感がさらに強くなった!?)
もうすぐそこまで、接近しているトラックを確認しいつでも守れるようにリンの前に移動する。
「ナナシ!?」
「リン、絶対離れるなよ」
数秒後、プップ――!クラクションを響かせ、『諸突猛進』のロゴが入ったトラックが数台、空き地に入ってきた。寝ぼけ眼のかわいらしい童顔が、運転席から顔をのぞかせる――
「おうおう、時間ぴったりだなあ。本日は諸突猛進・特急便をご利用くださり、まことにありがとうだぜい。ほーら降りた降りた~」
パイパーの運転の元、トラックから現れたのは――
「うわぁ~!ここが郊外なの!?すごいねぇ~お空がくるくる、地面はゆらゆら、空気の臭いでゲーしちゃいそう!」
まんま、青鬼の鬼族の少女
「それは車酔いですよ、蒼角。しばらく私の手を取って休んでいてください。浅羽隊員、貴方は大丈夫ですね?」
胸がでかい、知的な雰囲気を持つ胸がでかい女性。
「と、飛ばしすぎだってぇ――信じらんないな、あのドライバー!あ、やばい――アレどこですか、アレ――おろろろ!」
一見気が抜けてそうだが、指先を見ればすぐ只者ではないと感じられる男。
「このような特別な日に、人目を忍んで郊外まで連れ出すとは――我らを謀っているのなら、容赦しないぞ。邪兎屋のニコ」
マジで一番会いたくない――画面越しとちらっと眼に入っただけの間ながらもうとんでもない実力者だとわかる女性――
対ホロウ六課が、集結していた。
(あー、頭が痛い)
六課の4人は、すぐさまパールマンへの審問を行うことを要求した。四人の執行官が空き地の片隅でパールマンを取り囲み、簡易的な『取調室』を作り上げる。しばらくして――
「ほんとに大丈夫?だるまのオッサン、さっきから泣いたり笑ったり忙しいぞ――あ、また地面に突っ伏して泣いてる――どんな質問されたら、あんなリアクションになるわけ?」
「防衛軍の取り調べでも、似たようなものが見られるわ。けど、道具を使わずに言葉だけであんな風にするなんて――あの執行官たちは天才みたい」
(あいつらの目的がそれだけで終わりならいいんだけどなぁ――)
鬼族の少女を除いた3人の視線の動き。トラックを降りてすぐ見たのは、パールマン。これはわかる、けどおそらく知り合いのニコに視線が動くのではなく次に向いたのは俺とリン、最後にニコたち。
(この間、墓前で会ったから?それにしては、不自然――もしかしたら、あいつらにリンがパエトーンだとバレてるかもしれない)
視線だけを対面のビリーに向け、暗に会話する。
(めっちゃ嫌な予感がする。一応、作動のボタンは持ってるけど無理だったらビリーが撃って)
(わかった、位置はあそこで間違いねぇか)
最後のは瞬きで返答し、象の帰りを待つ。
数分後、取り調べを終えた六課はこちらに戻ってきた。
「いやぁ――っ!!――も、もう取り調べは終わったの?早いわね~、流石象だわ!」
「象?私はキツネだ」
「そこはどうでもいいのよ。それで、どうかしら?嘘じゃなかったでしょ?ヴィジョンの背後には黒幕がいて、それが何を隠そう、あのブリンガー次期総監なのよ!」
ここからが問題となる、もし相手が協力してくれるならいいが、してくれなければこちらに次の手はない。冗談抜きで、飛行船でのダイナミック輸送が選択肢として出てくる。
「貴方はブリンガー長官が犯罪に関与してると示唆しましたが、あの承認が司法取引を求めて提供した情報は、現時点で他に主犯がいるということのみです。この両者には天と地ほどの開きがあります」
つまり、これ以上捜査するならもっと証拠を持って来いというわけだ――現状の情報がパールマンの証言のみでは動けるはずがない。
「あ~ら、専門的なご講演をどうもありがと、学級委員長さん。でも、あんたの意味不明な説明じゃこれからどうしたいのかってのが1㎜も見えてこないわよ!」
「柳の専門的な語彙は、私にもよくわからない。だが、私は彼女の判断を無条件に信じることにしている。ヴィジョン事件の背後については、もっと踏み込んだ捜査が要るだろう」
「ちょっと、あんた今こっそり笑ったでしょ!見えたわよ!『勝った――』みたいな顔下の!」
ニコの言う通り月城さんは眼鏡を触りながらすごい勝ち誇った表情を見せていた。
(はぁ、どう考えてもこいつら包囲しようとして来てるなぁ)
もう嫌な予感がフルスロットルなのだが、嘘だと言ってほしい。
「へん!どうせあんた、学校で一人も友達いなかったでしょ?」
「ははは、わかるなあ~副課長って絶対、先生に贔屓されてるタイプの委員長だったって」
喋りながら、浅羽は少しずつだが自然な動きで動いている。
「そこまでよ」
だが、そこに待ったをかけたのはアンビーだった。
「おっと――こちらのお嬢さんは委員長キャラがタイプで?それは気に障ったよね」
「私はそれ以上前に進むなと言ってるの。12時、9時、6時――あなたたちは明らかに、私たちを包囲するように移動してる――そういうの、気に入らないわ。何も意図がないなら、私の死角に入るような真似はしないで」
これが、単なる喋ってるときに足が動くタイプならいいのだが、他の3人も連動して動いているのだ怪しすぎる。
ちなみに、俺は包囲から少し外れるような位置までリンをこっそり動かしながらトラックの近くまで向かっている。
そして、アンビーの冷静且つ厳格な声色が周囲の雰囲気を一変させた。それまで口論をしていた誰もが、突如として奇妙な沈黙に陥る――
「へーえ――鋭いんだね。ひょっとして、そこのメカチックな彼がホルスターに手をかけてるのも――偶然じゃない感じかな?見た目弱そうな彼がこっそり後退してるのもわざと?」
「委員長の姉ちゃんが、その伸び縮みする柄を離したら――俺も手を下すさ」
「いや~あんたみたいなイケメンフェイスが近いとうちの店長の目に毒かなって――ゆっくり下がらせてもらっただけだよ?」
完全に、先ほどの和やかな雰囲気は消え去り残ったのはあたりを支配する緊張だけだった。
「ど、どうしちゃったのよみんな?アンビーの言ってることは本当なの?ちょっと、お武家ギツネ!あんた何企んじゃってるワケ?」
「先ほど述べたように、ヴィジョン事件の背後についてはもっと踏み込んだ捜査が要る。そして――我らが連行すべき証人は、パールマンだけではない」
新エリー都における当代最年少の虚狩りは、凛とした視線を場の端に向けた――
「え?連行するって――私を?」
「ここで貴方にお会いすることも、我々にとっては想定外でした。独立調査チームの責任者様、いえ――プロキシ様、とお呼びすべきでしょうか?」
「ははっ、民間人にしては大したスキルだと思ってたけど――『副業』で場数を踏んでたんだとしたら、まあ納得だよね。いや――零号ホロウの方が副業って可能性もあるかな?」
どうやら、俺の嫌な予感は当たってしまったらしい。そういえば、アキラとリンは実際にこいつらと顔を向き合わせているんだった。
「ちょっと!こいつはヴィジョンの件とは無関係でしょ?」
「パールマンの供述によると、件の不祥事には全体を通して『あるプロキシ』の関与があったとのことでした。工事を引き継いだ白祇重工に起こったことについても数々の調べで、同様にプロキシの介入が判明しています」
もう、言っているようなものだが――要するに、こいつらはリンを捕まえようとしているわけだ。そして、完全に星見雅の手は刀に触れている。
「更には、治安局の証人護送にまつわる飛行船の件、そして郊外――確か、郊外はこのほど、彼らの伝説にまつわる重要な催事を行ったばかりだそうですね。責任者様が再びこの地を訪れたのは、偶然でしょうか?」
「ぐぐぐ、偶然に決まってるでしょ!こいつらとあたしたち邪兎屋は、それはもう昔馴染みのお得意様同士なのよ!本当に事件とは無関係だわ!」
無駄だろう、ニコの言い分が聞き入られるはずがない。こいつらが本当に想像通りの組織なのであれば――新エリー都が危険晒されるような危険分子を放置するはずがない。
「新エリー都は今、極めて稀な時期にある。各役職の要たる方々が一堂に会しているのだ。何か起きた暁には、都市運営の根幹が揺らぐだろう」
「もっちろん分かってるわよ。だからわざわざあんたを呼んで、黒幕探しを手伝ってもらおうとしたんじゃないの!どうして無関係な人間を巻き込まなきゃいけないワケ!?」
「お前らが我らに見せたのは、如何様にも形をとる陰謀の断片――そしてお前らの主張する『真相』とは、その可能性の一パターンに過ぎない。都市の潜在的脅威は、何であれ徹底的に排除する。それがH.A.N.Dの流儀だ」
淡々と、星見雅は間接的に信用に値しないと言って見せた。この時点で、六課との亀裂は決定的なものになった。
(さて、パイパーは気づいてくれてるね――もう、車に乗り込んでる。でも、パールマンを放置するわけにはいかないしなぁ――あれ、バイクの音が聞こえる、シーザー達か?)
「でも――!こいつは本当に、脅威でも悪人でもないんだってば!」
「ニコ――もう――」
「邪悪務本――『悪』樽を定るは、我らにおいてほかになし。たとえこの者が『悪』でなくとも、真相に迫る何かを持つ可能性がある。お前がそれを遠ざけようとするほど、私の疑念は確信へと傾く」
その時、確かに虚狩りの威圧感が辺り一帯を包み込む。
その圧は普段は怖いもの知らずのニコすら珍しくうろたえさせた、だがほんの短い間視線を泳がせたのち、歯を食いしばってキツネのシリオンの前に立ちはだかった。
「考えが変わったわ。今回はあたしの勘違いだった。だからあんたたちの助けもいらない――なんて言ったら、回れ右してくれるのかしら?往復分の交通費くらいは持ったげるわよ」
「ニコ――私はもはや、H.A.N.D.に入りたての青二才ではないのだぞ」
「ちっ――物の分別がついてない頃のあんたは、そりゃあ可愛げがあったわよ――!プロキシ――ごめん。あたしたちとナナシだけじゃ、大した時間稼ぎにもならないかもだけど――できるだけ遠くに――」
さらっとナナシを頭数に加えてる所にニコらしさを感じた――その時だった。
パァン――!遠くないところから短い銃声が鳴った。それは、夏の夜に打ちあがる花火のような音だった。
(シーザー達じゃない!?全く、知らない第三者か)
すぐさま、ナナシはムゲン・ザ・ハンドG2を発動させ、パールマンとリン、ついでに近かったアンビーをトラックに押し込む。
「ナナシ!!」
「パイパー飛ばして!!俺なら、トラックに走って追いつけるから!!」
パン――!パン――!パン――!パン――!
銃声が雨のように連続し、空き地に土埃が舞い上がる。トラックに着弾しそうになった銃弾はムゲン・ザ・ハンドがキャッチし、そのままトラックは発進した。
「待て、逃げるな!ううっ――!」
「悪いけど、あんたの相手は俺が務めさせていただくよ!!」
銃弾が舞う中、星見雅が刀で弾丸を切り裂いた瞬間に合わせてマジン・ザ・ハンド改を叩き込むことによって衝撃で退かせる。
俺に対して降り注ぐ銃弾はムゲン・ザ・ハンドG2によって疑似的な盾を作り出し防ぐ。
ニコたちも車を出し、この場に残ったのはナナシと六課――そして、見知らぬ第三者ということになった。
第三者の制圧に忙しい六課、だが目の前の星見雅は完全にこちらをロックオン。
「退かないのであれば――退かせるまでだ!」
「だから、戦いたくなかったんだ!」
こうして、星見雅VSナナシの勝ち目のない戦いが始まった。
次回はついに星見雅VSナナシですね。うん、絶対ナナシが試合だったら、負ける。
さらっと、ナナシがアポロと間違えられてますね、まぁクローンだし似てるのは仕方がない。
そして、タイトルが『矛盾』という――一体どこが矛盾してるんですかね?
皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?
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読みたーい!(特にヤンデレ)
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読みたーい!(ラブラブ!)
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読みたーい!(好感度測定器みたいなやつ)
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いや、読みたいのは本編だ!遅れてんぞ!
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作者さんの自由で!
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