ゼンレスゾーンゼロ ・ 聖剣   作:うどん米

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久しぶりに書いてて楽しかった。
初めて投稿日付設定なるものを使ってみました。おそらく、15時30分あたりに投稿されてるかな?
pixivは無理だった。許せ


第74話・ただの人間VSサクリファイス・ブリンガー!!

 

 

アルターエゴからのメールを読んだ後、リンはある準備を整えていた。

「データによると、あっちのホロウはエーテル性質が不安定で、周囲の通信にも影響が出るって。ビデオ屋からでも遠隔操作は可能だけど、どうしてもちょっと不安だね」

「そうだね、リン。万が一に備えて、今回は携帯式デバイスで港の近くから操作しよう。ナナシは僕と青衣が残って守るよ」

 

「わかりました。こちらのことが片付いたら、私たちもできるだけ早くポート・エルビスに向かいます。今度こそ――絶対にブリンガーを逃がしません!」

そう言い残し柳からの通信は切れた。

 

 

一同はポート・エルビスに集合することにした。リンは周囲に怪しい人物がいないことを確認した後、ビデオ屋を後にする。

 

 

 

そして、ビデオ屋を出た同時刻――アルターエゴはポート・エルビスのホロウに突入していた。

キャロットも無い無謀な突貫に見えるかもしれないが、奪われたジ・アースの力を感じられるので何とか踏破することができた。

 

 

しばらく歩くと、そこにいたのは『聖剣ジ・アース』の力のこもった指輪を持ったブリンガーだった。

(間に合わなかったか)

 

「お前はなぜここにいる!サラはどうした?」

「さぁ、固いベッドの上じゃない?それよりも、目的はもう言ってるぜ。あんたのアホ面に蹴り入れに来たんだよ!!」

 

「聖剣のないお前に敗北するほど柔い鍛え方はしていな――ッ」

「アホ面にヒット――だな」

言葉が途切れたのは、接近したアルターエゴの蹴りが防御の間に合わなかった顔面に突き刺さったからである。先ほどまで柔いなど何とか言っていた男は痛みに耐え蹲っている。

 

 

だが、数秒後何事もなかったようにブリンガーは立ち上がった。

「ふっ――どうやら、その化け物のような力は健在のようだな」

「何がおかしい?」

睨みつける。すると、ブリンガーは懐から何か注射器らしきものを取り出す。

 

「おかしい?おかしいに決まっている!なぜなら、既にオーガの力は手に入っている!見せてやろう、ホロウの時代を先駆ける究極の姿――!!」

「やめろ!!」

勢いよく注射器を自身の腕に刺し、何やら珍妙な液体を注入する。

 

「始まりの――主よ――再創を――!!」

(始まりの主?)

治安局の副総監であるこの男の上に、まだ誰かがいるということなのか。加えて聖剣の技術まで有している。

 

「エーテルの濃度が上がっていく――もしかして、エーテリアスにでもなるつもりか!?」

ブリンガーが液体を注入した個所から勢いよく広がっていく模様。同時に彼を包み光を発しあたりの光景を変えていく。

 

そして、ブリンガーの姿が一瞬ぶれたかと思えば、体がエーテルの膜につつまれていく。

そこから現れたのは、人型を辞め白い腕だけとなったエーテリアスだった。

 

体長は10mほどと推測できるが腕の甲と平の部分に瞳。

 

「手の平から何か出てくる!?」

手の平の瞳から現れたのは、左腕はブレード。ぎょろぎょろと複数の目を宿した右腕を装備し、どことなくブリンガーの面影を感じなくもない人型の異形であった。

 

 

「―――」

エーテリアス?は一言も発さず、こちらを見据えていた。

 

「流石に、素手じゃきついかな」

アルターエゴはそう言い背負っていた赤い大剣を取り出す。

 

一瞬の沈黙が慣れた後、戦闘の開始を知らせるように二人の視線は交差した。

 

「はぁぁぁぁっ!!」

「でやっ!」

ブリンガーが召喚した巨大な腕が大剣とぶつかり合う。

 

キンッ!とまるで金属同士がぶつかったような音を立てながら数度打ち合う。

(相手がどういう攻撃をしてくるかわからない。まずは、情報収集から――)

 

 

「逃がすか!」

大剣を担いだまま軽やかな動きで後退したアルターエゴ目掛けて右腕の瞳からレーザーを照射する。

 

「――ッしつこい!!」

 

「はははははははっ!!」

ビームを動かしながら徐々に迫るブリンガー。完全にエーテリアスになってしまったのか声はまるでボイスチェンジャーに通したかのようになっていた。

 

(どう考えても弱点はあの目玉。あそこまで、急所を晒して馬鹿笑いってのもこっちを舐めている証拠。――どうにかして、一瞬チャンスが作れないか)

 

「あれだ!!」

右往左往目を動かしながら攻撃を凌いでいると目に入ったのは、ホロウの中に止められていたトラック。

急いで、トラックの背後に回り込み身を隠す。

 

 

耳障りな声を上げながら意気揚々と近づくブリンガー。

「どうした?それでは、時間稼ぎにもならないぞ!!」

そのまま、瞳からビームを放ちトラックを粉々に破壊する。だが、途端にそのビームの勢いで煙が辺りを包む。

 

 

「それで、隠れているつもりか――」

 

煙が晴れるよりも前に、ブリンガーは炎のように赤い大剣をちらちら視認していたのだ。

「見えているぞ!貴様の赤い大剣がな――!!」

 

ドォン!と大剣があった場所にブリンガーのビームが襲い掛かる。――しかし、悲鳴一つ上がらず、その上煙が晴れたというのにその場には赤い大剣が突き刺さっているだけだった。

 

「まさか!」

「見せてるんだよ」

視線を向けた時にはもう遅い。既に反応が間に合わないほどアルターエゴはブリンガーに接近していた。

片手には――さっき破壊されたトラックの破片を持って。

 

 

「あぁぁぁぁ!!」

トラックの破片を思いっきり奴がビームを放っていた瞳に向かって全力で突き刺した。

少しの抵抗感はあれど、そのままの勢いで破片を押し込む。

 

「ぐぅぅああぁ!!」

「血じゃないのか――だが、結構効いただろ」

傷口からエーテルが漏れダメージがあるのかその場で苦しむ。

 

 

「アポロォォォ!!怪物め!!」

「お前にだけは言われたくない!!」

裂け目から現れた手が拳を握りこちらに向かう。今度こそ、バックステップで回避し、相手からのビームによる追撃は来ない。

 

 

 

大回りしながら大剣を回収し、畳みかけるため走り出す。

 

 

「力を貸して、姫子先生」

大剣の刃先に熱が籠り、辺りの空気を熱しながら切れ味を増す。

 

動揺したのか、雑多な左腕のブレードによる大ぶりを放つ。

「そんな世代遅れのゴミに負けるはずがないだろ!!」

「ゴミかどうかは今!わかることだ!!」

叫んだ瞬間、アルターエゴは手に持っていた大剣を上に放り投げる。

 

 

「血迷ったか!!この距離で外すはずがないだろう!」

「そうだ、外すはずがない――ならその前提で動けばいいだろう!!」

何と、無謀なことに何も持っていないアルターエゴはそのまま直線的にブレードに向かって行ったのだ。

 

(意識しろ――必要なのは右腕だけ、即死を避けれれば致命傷でもいい)

 

「なっ――バカな」

ブリンガーは目を疑った。彼の思惑通り、ブレードはアルターエゴの体を通過した。

 

 

しかし、そんなことも意に介さず跳躍してきた男の拳はブリンガーの顎を打ち抜いたのだ。

「ッ、ここォッ!!」

「うぐぅぁ!」

 

 

そのままの勢いで空を舞ったアルターエゴは空中に放り投げておいた大剣を回収。

「やめろ――」

「ゴミかどうか、これで決まったな――」

視線が再び交差する。

 

 

「やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!」

彼に許されたのは唯一間に合う口で許しを請うことのみ。既に、腕での防御なんてできないほど刃は接近していた。

 

 

「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

「やめろ?そんなことが通じると思うか!お前のような人間にィ!!

容赦なく振り降ろされた熱剣はブリンガーに直撃し、エーテリアスと化した男の体を真っ二つに切り裂いた。

 

 

 

「ッ――あぁ、はぁっぐぅ」

切り裂いた後、一人アルターエゴは痛みに悶えていた。いくら、覚悟を決めていようが痛いもんは痛い。

 

 

「でも、左腕の一本で済んだのはラッキーか」

肩から切り裂かれ地面に力なく落ちた左腕を眺めながらそう呟いた。しかしながら、今気を付けるべきは失血死だろう。

普通に血が止まらないし、手指の先も冷えてきた。

 

 

 

 

一方その頃、戦闘の一部始終を見ていたものがいた。

 

既に、アルターエゴに戦う力は残されていない。それを嘲笑うかのように女はライフルを構えていた。

「ふふっ、始まりの主が――汝を再創せん――」

放たれた弾丸、本来ならばライフル弾であるべきものは悍ましい液体で満たされた注射器であった。

 

 

 

ダァン!

銃声と同時に身を屈めどこからの攻撃か、周囲を見渡す。

(違う、これは俺を狙ってない。なら、一体どこを――いや、誰を?)

 

「あれは、さっき刺してたやつと同じ!?」

真っ二つに切り裂かれたブリンガーを見てみれば先ほど刺していた注射器と同じものが突き刺さっていた。そして、中の液体が注入されている。

 

 

大剣を掴み、飛び掛かる。

「マズいッ――!」

 

 

しかし、目の前で減っていく注射器の中身。

「ッ!うあぁぁぁぁぁッ!!」

目の前で雄たけびを上げるブリンガーその風圧だけで軽くアルターエゴは吹き飛ばされていた。

 

「――しつこい。ゾンビかよ」

口では悪態をつくアルターエゴも内心ではもう手立てがないと焦っていた。片腕を失い、唯一の有効打である大剣も本来の力を引き出せていない状態。

 

「――はぁ」

どうしようかと考えが脳内を巡る。しかし、どれだけシミュレーションをしようと勝てる未来が見えない。

 

 

(一番いいのは逃げることか――まさか、グランとの戦いでナナシに言ったことと同じことが返ってくるなんてなぁ)

 

「諦めなければ、か」

絶望的な状況。アルターエゴの心情を嘲笑うかのように先ほど潰したはずの瞳からビームを放つ。

 

 

「あ、ッ」

完全に回避できるような、気力もなく振らついた足取りで何とか致命傷は避けるもわき腹を掠め軽いクレーターを作った。

 

 

ジ・アースは手にはなく

 

 

大剣は扱えず

 

 

片腕は失い

 

 

もはや、体を動かす気力も体力すらない

 

 

(諦めよう)

意識を手放そう、そうすれば安らかな死がやってくる。

 

 

そうやって――

 

『今なら!今なら届くんだよぉ!あの時、目の前で届かなかった手が届くんだよ!』

だが、アルターエゴに仲間はいない。邪兎屋、白祇重工、ヴィクトリア家政、カリュドーンの子、そして対ホロウ六課。これらは、ナナシが絆を結んだ組織達だ。

 

(俺に届かせる先はないよ、ナナシ)

 

 

そして、アルターエゴは意識を手放した。

 

 

 

 

 

ナナシ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諦められるわけないだろ!!」

気力を振り絞り、再びブリンガーに相対するアルターエゴ。

 

 

「なぜ、諦めない」

意味が分からない、とでも言わんばかりにブリンガーは問いかける。

 

 

「俺の手が届く先が一つあったことを思い出してね」

「届く先、だと?」

この時代に、本来ならばアポロやアルターエゴとのつながりを持つ者はいない。

 

「人は思い出があるから進んでいける。挫けた人間の足も立ち上がらせてくれるほどにね。俺もちょうど思い出せたんだ――」

「進めば、その先がどうなるか理解していないのか?」

戦力差は如実に表れている。

戦車に素手で殴り込みに行くようなものだ、無謀で愚かでだけど、無駄じゃないし、無価値じゃない

 

 

「してるさ、十分ね。でも、俺たちはいつだって負けると思って戦った日はないよ」

「そうか、なら試してやろう!!」

 

(ナナシは目覚めたら絶対ブリンガーを倒しに来る。これ以上、あいつの体に負担をかけるわけにはいかない)

 

 

「仲間の未来は俺が守る!!」

 

第二ラウンドの幕が上がった。

 




まさかのブリンガー第一形態に勝利。しかし、片腕とわき腹に穴を開けられるという大損壊を負う。
ていうか、アルターエゴくんは自分はアポロやナナシとは違うとかなんとか言ってた割に根が似てますね。
さてと、根性論は置いておいて果たして勝てるのか!!作者はぶっちゃけ勝てないと思っています!!
だけど、きっと一筋の光が遡ってみればあるのかも?

皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?

  • 読みたーい!(特にヤンデレ)
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  • 読みたーい!(好感度測定器みたいなやつ)
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  • 作者さんの自由で!
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