ゼンレスゾーンゼロ ・ 聖剣   作:うどん米

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第8話・デッドエンドホロウ

そして、イアスを抱えながら猫又と共にデッドエンドホロウへ向かった。

 

 

(やはり、奥から妙に気色悪い気配を感じる。・・・デッドエンドブッチャーか?)

 

 

「それにしても、猫又。お前、俺がパエトーンの実働部隊って知ってたんだな」

「ああ、ニコからすごい強い奴がいるって聞いてるぞ!」

適当な世間話を重ねながら向かっているが、心拍の乱れ、瞬きの回数の増加、特異な動きなどの現象は見られない。つまりは平常心もし、これで猫又が裏切っているとするならばとんだ詐欺師だ。

 

 

ホロウに到着するとイアスを立たせてH.D.Dにログインしたことを確認する。

『もしも、ナナシも猫又も聞こえてる?』

「あぁ」

「おお、すごい!直接ホロウの中と通信できるプロキシなんて初めてだぞ。道理で、ニコが新エリー都最強のプロキシって言うわけだ。」

『褒めてくれてありがとう。今から列車を止めるための計画を始めるよ。とりあえず、ナナシ。ボンプを担いでくれ』

「あぁ、いつも通りな」

結局移動にはこれが一番早いということで俺が担ぐことになった。

 

「あたしたちの目標は、爆薬を積んだヴィジョンの無人列車。自動運転モードの列車はコンピュータが操っているから、線路に障害物を置けば、強制的に進路をトンネルのほうに変えられる!」

「それで、減速した後俺がボンプをもって列車の上に乗る。そっからはリンたちの見せ場だ」

『うん、私達が列車を故障させるね』

 

 

そして、俺達は列車の元まで向かうのであった。

(・・・はぁ、もう気配を感じるなぁ)

おそらくデッドエンドブッチャーと言うやつだ、今の俺だと逃げることはできても有効打を放つことはできないだろう。今使える攻撃技はせいぜい『熱血パンチ』のみ『ゴッドハンド』はあくまで防御と拘束に特化しているのだ。

 

そうこう考え事をしていると、大きな瓦礫が積もっている場所にぶつかった。

 

(こんなの積もってたっけ?)

 

 

「なぁ、目の前に瓦礫が積もってるんだが本当にこの先なのか?」

「うん、間違いなくこの先だね。おそらくエーテリアスが投げたんだろう」

数トンはありそうな電車をぶん投げるエーテリアス・・。おそらくデッドエンドブッチャーだろう。つまり、ここら辺は奴の縄張りと言えるだろうか。

 

「うひゃっ!恐ろしい馬鹿力だ・・・」

「次の目的地は、車両の向こう側だ。」

「そうなのか?でも、あたしはともかくナナシは通れないぞ」

下には少しの隙間しかない。これではボンプも通れるか怪しい。

 

 

「ねぇ~ナナシ。この瓦礫をさどかせたりしない?」

冗談半分にリンが聞いてくる。

「君は俺をゴリラかなんかだと思ってないか?・・・たぶんできるけど」

「え?」「うそ!?」「そんなわけない・・・」

三者三様の驚きの声が聞こえるが、不思議とできない気はしないのだ。

 

 

と言うか、3人の反応がうっとおしいのでもう退けてやろうかと思ったその時だった。

「あ、あの、えっと・・・」

瓦礫の向こう側から女の子の声が聞こえたのだ。

「まさか、電車さん!?しかも、かわいい女の声だったぞ!」

「そんなわけあるか、明らかに瓦礫の向こう側から聞こえたぞ」

声色からして、そこまで年は取っていない。耳を澄ませると足音が聞こえる、小柄な体系が予測される。

 

 

「あの・・・皆様は、ホロウ調査協会の調査員様ですか?」

丁寧な言葉遣い、高貴な出・・もしくはどこかに使えているなど仮説を立てられる。

「ちょっと待ってほしい。まず君の名前を聞かせてもらってもいいかな?」

ホロウ内部にいるということはエーテル適応体質の可能性が高い。その上、俺達のことをホロウ調査協会の調査員様と聞いた。

 

 

(相手はホロウレイダーか?だとしたら、なんでここに・・・)

邪推しすぎてしまうのも悪い癖だと一旦思考を振り払い彼女の返答を待つ。

「は、はい!えっと・・・私はカリン、家事代行会社の従業員です。」

(家事代行?ありえない、何かしらのエージェントの可能性あり・・・やめろ、やめろ!邪推は辞めろ!)

 

「星座は双子座、血液型はRH-、好きなことはお掃除です。市民ナンバーは・・「ストップ、ストップ!」」

「それで、カリンって言ったかな?なんで、こんなところにいるんだい?」

優しく、声色に抑揚を持たせる。相手に、敵対させないように、正直言ってパエトーンと猫又に話させると何が起こるかわからない。

「つ、ついさっき、危険なエーテリアスを避けて通ろうとしましたら、同行していた皆さんとはぐれてしまったんです!」

(つまり、複数でホロウに潜るような家事代行業者ねぇ・・・)

そんな危険な職種があるのだろうか。

 

「私はキャロットデータを所持してなくて・・・調査員のお二人なら、きっとホロウから脱出するルートをご存知ですよね?ど、どうか私も連れて行ってくれませんか?」

声色的に嘘は語っていない。動揺が節々に見られるがこれは元からの物だろう。

 

「猫又、どう思う?」

「どう思うって・・・。ホロウで道に迷った一般人、か。それにしても、家事代行の人なんかがどうして危険なホロウなんかに?・・・どうする?あの子を助けてやるか?」

『どうするたって・・・このまま引き返していたら列車の時間に間に合わないし・・・』

「はぁ・・・仕方がない。俺がどかそう」

怪しさは満点だが、流石に俺もその子を見捨てる気にもなれない。

 

「え?本当に行けるのか?」

猫又は半信半疑と言う感じでこちらを見つめて来るが。俺は袖をまくる。

「カリン!ちょっとこの瓦礫どかすから下がってて」

「え!?・・・どかす?・・・はい、わかりました」

足音でどいたことは確認した。

 

 

 

「『ゴッドハンド!』」

巨大な手のオーラが現れそれが列車をつかむ、そして思いっきり持ち上げた。

「嘘!?辞めちゃってない!?人間を!!」

なんだか、ボンプがうるさい気がしたが、その後少しずらしてとりあえずは通行できるようにはした。

「う、うそでしょ・・・」

ちなみに、猫又が俺をありえないものを見る目で見つめていた。

 

 

「流石は、最強のプロキシの実働部隊ってこと・・・ニコが言っていたのもわかる気が・・・」

(うん?)

 

 

なんだか嫌な予感がしたのでさっさと猫又の話は無視して、車両の向こう側にいた少女カリンに会う。

 

 

 

 

「え、っと・・・ありがとうございます?は、始めまして」

緑色の髪に片手にチェーンソー・・・。絶対どっかのエージェントやん!?

そんなことを思いながら勢いよく頭を下げたカリンを見ながら。選択、ミスったかなぁと思うのであった。

 

「は、初めまして、調査員様!カリン、ただ今電車をよけてまいりました!えっと・・・私がさっきまで話していたのはあなた様とボンプ様?」

俺と、ボンプを見る。

「あわわ、すみません!ボンプ様のご身分を疑っているというわけじゃなくて・・・」

「大丈夫、このボンプは信頼できるから。・・・・それよりもさ、本当にただの家事代行業者?」

(なんだか、掃除の意味が大分違いすぎるよう気がするんだよなぁ)

 

 

「すみません、その・・弊社は幅広い分野でビジネスを展開していまして、中にはホロウ関連の業務もあるんです・・・」

どんな家事代行業者だよ!とツッコミそうになったがあのチェーンソーの殺傷能力の圧の前に屈するほかなかった。

(まぁ、別に考え事をしていただけなんだけど・・・)

いい加減邪推、邪推言っているが、そろそろ根拠もそろってきた。いよいよ、猫又が怪しく思えてきたが・・・。

それよりも気になる事がある、ヴィジョンが今回の工事を落札したと言っていたが、後から調べてみるとこの工事規模に見合わないほどの低価格で受けていたのだ。

そして、そのことが気になって色々調べてみることにした、当然爆破なんてするもんだから、住民の避難やら建設費用はなら莫大なものとなるはずだった。

そんなこともあり『正義の鉄拳』完成のついでに調査をすることにした。そこで、俺は一つの事実にたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

おそらく、住民は避難していない。なぜならその町から誰一人外に出たなんて人はいないからだ。

ヴィジョンの奴ら、ホロウに隠れているのをいいことに住民ごと吹っ飛ばすつもりなんだろう。

 

 

皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?

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