ゼンレスゾーンゼロ ・ 聖剣   作:うどん米

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第22話・倒壊

 

 

 

ホロウ内での戦闘ではエーテリアスとの縁は切っても切り切れない。

それは当然人であれ、機械であれ変わらない。

 

 

 

 

そう、真白クンにもエーテリアスの手は伸びていた。

 

『やだっ!真白クンから降りてよ!ばっちい手で彼に触らないで!あっち行ってよぉ!これ以上失礼なことされたらあたし、あたし・・・』

真白クンの中でのんびり座っているエーテリアスを見てデモリッシャーの様子がおかしくなる。

 

 

 

チェーンソーを俺達と戦った時よりもふかしだし。その凶器をエーテリアスへと向ける

『メッタ切りにしてやっかなカビの生えたカス共がああ!!』

「き、急に豹変しやがった!」

 

(・・・こっちが素だな・・・絶対)

そう叫びながら、ご自慢のチェーンソーを携え真白クンに住み着くエーテリアスを打倒するため突撃する。

 

 

「驚いた、これが恋する乙女のパワーってやつ?」

「そうだね!でも、この世界にあんなチェーンソーをぶん回す恋する乙女がいるのかな!?さっき俺もひどい目にあったし・・・でもさ、これ大丈夫なのか?」

それは、どう考えても我を忘れているデモリッシャーを指さしつつ、聞く。

 

「大丈夫って、何がだよ?」

「いや、あのチェーンソーって建物の解体用だろ?真白クンごとやっちゃうんじゃないのかなって?」

後悔先に立たずなんていうが。その疑問が芽生えたころには全て手遅れだった。

 

 

 

バゴンッ!

 

 

 

工事現場で聞いたらやばい音が鳴る。そう、根本が崩れた音。解体現場の音。

 

『ごっ、ごめんね真白クン!あたしってば取り乱しちゃって・・・』

「あっ、元に戻った・・」

しかし、時すでに遅し。倒壊してくる真白クンから身を守るためイアス達とともに撤退する。

そしてデモリッシャーは倒壊する真白クンに飲み込まれるのだった。

 

 

 

 

しかし、流石は重機。全くびくともしていない。

『真白くぅぅぅ—---ン!!しっかりして真白クンッ!!』

 

どう考えても、人間基準だとばらばらだがそれでも懸命に彼?の名前を叫ぶデモリッシャーに思わず申し訳なく思ってしまった。

そして、もちろん真白クンが答えるわけもなかった。

 

 

「さっきの一撃で耐力壁が壊れたか・・・」

「DVかな?」

 

そんなまさに彼氏をやっちゃった、デモリッシャーに駆け寄るグレースさん。

『そんな、真白クン・・・全部あたしのせいだ・・・』

「自分を責める必要はないさむしろ、私は君に『おめでとう』と言いたいくらいだよ!」

聞く人が聞いたら速攻胸倉つかまれそうな発言をするグレースさん。

 

「おっ、おい・・・グレース!自分が今何を言ってるか、ちゃんとわかってるのか?」

新しい、争いの火種を生み出そうとしているグレースさんに待ったをかけるベンさん。

 

「しまった!グレースはメカには強いが、恋愛は経験ゼロのド素人なんだ!」

(突っ込んだ方がいいのかな)

だが、何か不用意な発言をしそうなので口を紡ぐことにした。

 

 

 

夕日が差し込む、瓦礫の中グレースさんは手を広げ話し出す。

「顔を上げて、周りを見てごらん。真白クンが君を抱きしめてるよ!」

『!!!』

何を驚いているのか全く分からない。ともかく追いつけない次元にいるんだろう。

 

「これは建物にとって一生に一度しか交わせない『抱擁』さ。彼はそれを君にささげた上、エーテリアスからも守ってくれた。素敵な恋人じゃない、君はビルを見る目があるね」

 

 

泣き出すデモリッシャー・・・。

 

 

「大丈夫、これが永遠の別れじゃないさ・・・私達がそうさせない。ほら、一緒に帰ろう?みんなで力を合わせて、新たな土地に真白クンを立て直そう!」

 

その言葉を最後にデモリッシャーは周りを気にせず泣いた。その涙には確かに愛があった。

 

 

 

『うわぁぁぁぁぁぁん!!』

 

 

 

 

こうして、いい話でデモリッシャーを連れ帰ることができたのだった。

(・・・これが原因でデモリッシャーがDV気質になったらどうするんだろう・・・)

 

色々ツッコミたいことはあったが最終的に浮かんできたのはそれだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、今日の探索が終わったということで帰ることになった夕暮れ。

 

「ナナシ。デモリッシャーの捜索を手伝ってくれてありがとう。」

グレースさんがそう礼を言いに来た。

 

「それが、仕事だからね。それに、色々あったけどデモリッシャーが自分の意志で帰るって言ってくれてよかったよ」

あのまま戦闘になっていたらどこかへこませていた自信がある。

 

「ふふっ。そうだったね、でも感謝しているんだ。君はデモリッシャーを傷つけないように戦っていた、それに私たちにヘイトが向かないように動いてたんだろう?」

「・・・わかってたのか」

満面の笑みのグレースさん。よほどデモリッシャーを連れて帰れたことがうれしいんだろう。

 

 

 

『ナナシ、早く帰るよ!』

イヤホン越しからリンの声が聞こえて来る。どうやら、車で迎えに来てくれたようだ。

 

「それじゃあ、俺はここで帰るね。また、明日」

 

「うん、また明日・・・」

振り返り、再び出口へ歩を進める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『グレースさんってきれいだなぁって・・・』か---。久しぶりだな、私が自分のことを褒められてこんなにうれしいのは・・」

 

 

その言葉がナナシに届くことはなかった。

 

皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?

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