ゼンレスゾーンゼロ ・ 聖剣   作:うどん米

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第31話・決戦!未確認生命体!

 

 

相手は融合したとはいえ重機、遠距離攻撃なんてないはず!

「ひとまず、俺が動きを止める!『正義の鉄拳G3!』」

 

(ぐっ・・・)

訴えかけて来る拳の痛みを食いしばり拳を動かす。正義の鉄拳はデモリッシャーのチェーンソーとパイルドライバーの掘削機をものともせず激突しそのままモニュメントの方向に後退していく。

 

(ま、まずい徐々に押し返されてる・・・)

「よくやった!ナナシ・・・後は、私たち・・・ッ!危ねえ!」

クレタはすぐ気づいた、正義の鉄拳がぶつかった。しかし、そう第3の腕、つまりデュアルショベルの片腕がナナシをとらえていた。

 

 

もちろん、デュアルショベルにビームを出す能力なんてない。だけれど、クレタの直感は感じ取ったのだ。

反射的に拳を突き出している、ナナシを押しのけて防御の姿勢を取る。

「クレタぁぁぁッ!!」

 

 

アームから放たれたビームを防御したもののもろに受け、後方に吹き飛ばれてしまう。

「社長!」

「おチビちゃん!」

 

 

当然、助けに行こうと思ったが、再びビームがこちらを向く。

「クッソ『ゴッドハンド!』」

 

 

ビームを防ぎきる。

「『熱血ジャンプ!』」

前に全力でとんだ後、掘削機とチェーンソーをかいくぐり、本体のサクリファイスのもとに一直線で向かう。

 

当然、相手もタダでやられるわけではない。その両腕はその第3の腕はこちらに向き俺の命を狙ってきている。

「させるかよ!」

アンド―がデュアルシャベルのアームをはじく。

 

「やらせないよ!」

グレースがデモリッシャーのチェーンソーの回転部を攻撃し食い止める。

 

「やらせないぞ!」

ベンさんがパイルドライバーの掘削機を武器で止める。

 

 

その姿を振りむことなく、信じ。両腕に炎を纏わせる。

「くらえ!『真・熱血パンチ!』」

二つの拳を一つにして、今。敵の前に放つ!

 

 

「うっしゃああああっ!」

その一撃はサクリファイスの胴体を貫き重機ごと吹き飛ばした。

 

 

 

「やったのか!・・・・あっ」

吹き飛ばした後、ついグレースがそうつぶやいてしまう。思わず互いに顔を見合わせる。

あちゃーと言う表情に全員なる。

 

「やってないやつだな・・・」

もう割り切って何か来るものだと覚悟を決める。そうしたら、案の定煙の向こう側から何か放たれたような音が聞こえる。

 

 

「全員!俺の後ろに来て!!」

ものすごい嫌な予感と察知し、防御の構えを取る。全員俺の後ろに隠れる。

煙が晴れた個所から飛び出してきたのは。

 

「ミ、ミサイルだと!」

「ナナシ!頼むぞ、このままだと全員お陀仏だ!」

ジェットが空を切る音と同時にこちらに迫ってくるミサイル。

 

 

「『ゴッドハンドW!!』」

(こんな兵装まで備えているなんて・・・)

腕に、ミサイルの衝撃が響く。と言うか数が多すぎる、幸いにもゴッドハンドWを避けるようなミサイルではない。数十発分の爆撃を食らった後・・・止んだ。

 

 

「はぁ、はぁ・・・。このままだと、本当にアンド―の言う通り全員お陀仏だ」

この中で唯一遠距離ができるのは俺の正義の鉄拳とグレースだけだ。正義の鉄拳を使うとミサイルやビームの一撃で俺達がお陀仏。

 

 

グレースの攻撃は確かに安全で相手の攻撃も俺達が防ぎきればいい、だがあの未確認生命体にはあまり有効打になっていないのだ。その上、俺の必殺技の発動回数の限界も近づいてきている。

簡単に言えばじり貧。戦い続けていればこちらが100%負ける。

手をこまねいていたその時だった。

 

 

背中側から、何か掘り進めているような音が聞こえる。

「な、なんだ!?」

 

振り向くと、現れたのは・・・。天を進む白い機体。

「プロトタイプ!?」

先ほどまで、封印を支えていた。プロトタイプがあらわれたのだ。そのショベルが未確認生命体を攻撃し、後退する。

 

 

誰が乗っているかなんてもう考える必要もない!

「クレタ!!」

「社長!」

先ほど、吹き飛ばされていった先にちょうどプロトタイプが止まっていたのだ。

 

 

「動かすのに手間取ったが・・・あたしに任せろ!来い、バケモン!」

「ファイトっす社長ぉ!!」

相手の未確認生命体もただではおかない。すぐ体制を整えて、その両アームで反撃をしプロトタイプを後退させる。

それはおかしなことではない、プロトタイプは他の重機のもとになった機体。そのせいもあって、すべての性能が凡。他の重機のように特化しているわけではない。

 

 

 

勝てる見込みはかなり薄いのだ。

だが、不思議とクレタが負ける想像はできなかった。

「勝ってくれ!!クレタ!プロトタイプ!」

最後の戦いを俺はクレタとプロトタイプに託すのだった。

 

 

 

クレタは鮮やかな操作の手並みとプロトタイプの軽やかな動きで相手の攻撃をかわし、その脚部で相手を思いっきり蹴りつけた。

すぐ、体制を立て直した未確認生命体はその両腕をプロトタイプに向ける。しかし、それらをキャッチし追撃を防ぐ。

 

 

だけれど、アームの数では未確認生命体の方が多い、それもビームを出すデュアルショベルのアームだ。だから・・・。

「その一つは俺がッ!」

完全にヘイトがクレタに言っている今。後方に回る。

 

 

「そのアームを自由にさせない!『ゴッドハンド!』」

今にもビームが放たれそうなアームに向けてゴッドハンドを放ちつかむ思いっきり発射先をつかんで握りつぶす。

 

 

「ナイスだナナシ!!」

「おチビちゃん!そのまま押すんだ!モニュメントに向けて!」

グレースの一言の後思いっきり操縦桿を動かし、未確認生命体をモニュメントのとがっている先に押す。さっきの『真・熱血パンチ』が聞いているのか、ずるずると後退していく未確認生命体。

 

 

だが、パイルドライバーの掘削機を地面に突き刺し楔とすることで体をつなぎとめる。

「マズイ!止まった!」

「大丈夫だ!あと少し、もう一丁!!」

再び操縦桿を前に倒し、モニュメントの方に押そうとするも。

 

「拮抗している!」

「マズイ!アイツと長い間接触してると、プロトタイプまで浸食されるぞ!!」

『ナナシ!正義の鉄拳でどうにかできないの!?』

したいのはやまやまなのだが、あの位置関係だとどうしてもプロトタイプ内部にいるクレタ事潰すしかないのだ。

 

 

そして、浸食と同時にプロトタイプの勢いがだんだん失われていく。

「くそッ!もうちょいなんだ!とっととうごけぇ!!」

画面に映し出されれる、危険を示す文字たち。だが、モニュメントはもう目と鼻の先だというのに押しきれない。

 

 

(あの攻撃は!デュアルショベルの!)

その時、先ほどナナシがつぶした第3のアームが鞭のように撓り、プロトタイプに直撃した。あの攻撃はデュアルショベル戦で俺が最も警戒しないといけないと分類した攻撃。あれが直撃すれば、体の外部だけでなく中身にもそれなりにダメージが行くからだ。

 

 

 

つまり、プロトタイプの中も・・・。

操縦桿は離さなかったが、体が後ろにのけぞる。その衝撃と共に、目の前をまとめられた書類が舞う。

(親父・・・)

 

 

舞った書類を無意識に見つめる。複数枚重ねられたその間に挟まれていた一枚の写真に目が留まった。

 

『クレタ。さぁ、名前を付けてくれ』

記憶が奥底からあふれ出す。

 

 

 

『名前を呼べばきっとクレタの願いにこたえてくれる!』

懐かしい、親父の記憶。その写真をつかむ、そこには満面の笑みであたしを抱える親父と、笑顔の自分が写っていた。

 

「親父もっかい・・・信じていいか?」

親父が作ったこのプロトタイプがあんな化け物に負けるはずがない。強く、再び操縦桿を握りしめる。

「頼む・・・動け!!」

きっと、答えてくれると信じて、その名前を呼んだ。

 

「---ゲローイ!!」

呼び声に答えるように再点火したエンジン。だが、負けじと未確認生命体もとどめを刺そうとそのチェーンソーを振り下ろす。

だが、それはたやすくプロトタイプいや、ゲローイに止められる。

 

 

「ナメんなよ!これが白祇重工の誇る・・・!ホロウ用知能重機だ!」

力を振り絞り未確認生命体をひたすら押す。奴の両腕はすでに動かない。だから、今再び第3の腕でせめてもの抵抗とプロトタイプへ振り下ろす。

侵蝕が進むコックピット内。でも、クレタは諦めない、当然ゲローイもあきらめない。

 

 

「だから!そろそろ、くたばれ!!『ゴッドハンド!』行け!!」

コックピットの上を足場に使い振り下ろす第3の腕に向かってゴッドハンドを放ち、クレタ達を守る。

だが、そこは防げても接近による浸食を解消できたわけではない。

「浸食がなんだ---白祇重工のモンはな!絶対負けねえんだ---!」

 

 

 

 

 

プロトタイプはそのまま、未確認生命体を押し切りモニュメントに突き刺した。

そのまま、未確認生命体は聞き取れない叫び声をあげて完全に動きを止めた。

 

 

「なあ親父・・・。今の白祇重工は悪かねえだろ・・・?」

脱力しながら、つぶやく。どこかで、親父が笑っている気がした。

 

 

 

 

 

 

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