ゼンレスゾーンゼロ ・ 聖剣   作:うどん米

46 / 186
エピローグ

 

 

数日後、ビデオ屋にはあの事件以来、初めてクレタが来ていた。

「クレタ、体はもう大丈夫なの?」

「心配すんなって。どれも大した怪我じゃねえし、もうほとんど元通りだ。それよりも、ナナシは大丈夫なのか?もろに融合されかけてたじゃねえかよ」

「ん?あぁ、大丈夫。この通り、元気だ!!」

ふふん!とどや顔で体を一回転させて無事である事をアピールする。

あの後、俺は治安局が来るということなので即刻尻尾を巻いて逃げたが、アキラ達に連行され病院に行くことになった。

 

 

幸いにも検査結果は特に異常なし、胸をなでおろしていたのを覚えている。だというのに、エーテル浸食が~。とか言われて、何個も検査をはしごするしまつだ。

それは、クレタも同様なようで、うんざりした顔で事の経緯を説明してくれた。

「ならよかったがよ・・・そういや、手は大丈夫なのか?痛めてただろ」

 

 

 

スン。クレタの発言で場の空気が凍り。さっきまで、笑顔だった俺の表情が無くなる。後ろを振り向くのがものすごく怖い。

「・・・どういうことかな、クレタ?」

「なんだよ、言ってなかったのか?あれと戦ってる途中ずっと、歯を食いしばってたじゃねぇか」

流石社長、周りをよく見ているわけね。

 

 

(もしかして、あの決戦前の怪我がないのかの確認の時点でばれてたんじゃ・・・)

まぁ、一つだけわかることがある。

 

 

トンっ。肩に手が乗せられる。

「・・・ナナシ。病院行こうね」

般若がそこにいた。

「はい」

俺はただじゃおかれないということだ。うん、大人しく言っておけばよかったね!

それはそれで、別の方面で怒られそうだが。

 

 

「ともかく、二人とも。あの怪物と至近距離で戦って、それにナナシに関しては融合されかけているんだ。あの怪物が人体に悪影響を及ぼさないって保証は、まだどこにもないんだ」

「はい。その通りです」

「ま、言われてみりゃそうだけどよ」

出来るだけ、短文で。これ以上余計なことをいわないように返答する。

 

 

「はぁ・・・ナナシ。しっかり話してくれ。怒らないから」

「はい!と言うか大丈夫だよ、アキラ。俺の体は調べてもらって問題ないとわかってるんだから!!」

一部分を除く。

 

「今はね」

「はい」

どうやら、許しはもらえないらしい。と言うか今怒らないだけらしい。

 

 

「そうだクレタ、あの怪物とプロトタイプについてだけど・・・その後、調査の進展はどお?」

「実を言うと、今日はその話をしに来たんだ。まず、あのバケモンだがよ---」

治安局から今朝連絡があったらしい。技術的な準備が整い次第、すぐに残骸の回収に取り掛かると・・・。ホルス社長の時のようにずさんじゃないといいのだが。

 

 

「へえ、それはよかった。残骸はずいぶん特殊そうだったから、治安局もそれなりに時間がかかるだろうとばかり・・」

「ああ。これも全部、現場に足を運んでくれた治安局の姉ちゃんのおかげだ。」

俺はあの後、治安局に見つかるわけにはいかないので尻尾を巻いて逃げたのだが、その後映像越しに見た二人の治安局の職員。一人は小柄だったが、もう一人が・・・その。

 

(めっちゃ・・・グラマラスでダイナマイトなボディをしてたんだよなぁ・・・)

と言うことでものすごい脳裏に焼き付いていたのだ。

 

 

「とはいえ、治安局がバケモンについて調べてるのをただ待ってるワケにもいかねえ--『パエトーン』、こいつを託してもいいか?」

そう言い、渡されたのはプロトタイプから取り外された外部記憶素子だった。確か、グレースが生きてる・・・うんたらかんたらって言ってた気がする。

 

 

「これを解析すればホルス社長の手がかりが見つかるかもしれないってわけか」

「そうだ。親父は、あのバケモンがモニュメントに隠れてることに気づいてた。だからプロトタイプを操縦してぶっ倒そうとしたんだ。」

 

 

「そういえばさ、ナナシ。あの化け物のことを『サクリファイス』って呼んでたよね?どうして?」

「いや・・・そういえば、言ってなかったな」

俺は、モニュメントに触れた瞬間流れた記憶について話した。

 

 

 

「なるほど、過去のナナシはあの化け物のことをサクリファイスと呼んでいた。それに寄生虫か・・・おそらく、たとえだろうが確かにあの化け物はナナシと融合を試みていた。ともかく、ナナシが夢で見た規模ほどにならなくてよかったよ」

「だが、俺も無意識だったんだが。何か必殺技を発現させた・・・」

結局あの必殺技については、思い当たることもなかった。

 

 

(・・・一体過去の俺は何をやっていたんだ?)

 

「そうだ、こいつは親父が特殊な暗号化でプロテクトしてやがんだ。だから、それを解いてほしい」

「遠慮なく僕たちを頼ってくれ、クレタ。実は僕たちも・・・訳あって、あの怪物が少し気になっていたんだ」

あの怪物と俺はきっと何か関係がある。それもかなり密接にかかわっている。と言うか、アイツ俺を見た瞬間一直線で襲ってきやがったし。

 

「わかった。それじゃ、記憶素子はお前らに託したからな。これから仕入れ業者との打ち合わせなんだ、ぼちぼちお暇するぜ」

「そっか、クレタ。どうか、君たちの仕事が順調に行くように祈っておくよ」

「ああ、そうだ。ナナシ、どうだうちに来ないか?」

去り際に、クレタから爆弾が投下される。

 

 

 

「え?」

「いや、考えておくだけでいい。よく考えたら、エーテリアスと真正面からやりあえる戦力は貴重だし、それにナナシがいれば重機の代わりにもなるからな!」

肩…ではなく、腹をつつきながらクレタはそう言った。

 

 

(冗談かと思ったがあれはマジの目だ・・・)

結局、押されに押されたが・・・。

「ア、アルバイトでお願いします・・」

「そうか!じゃあ、待ってるからな!」

そう言い豪快に去っていった。

 

 

 

クレタがいなくなった後。

「なんだか、初対面のころからずいぶん雰囲気が変わったね。今のクレタは・・・前よりずっと、頼りになる社長に近づいた気がする。」

なぜだか俺の肩に手を置く、アキラ。

「うん、でも・・・」

なぜか腕を組んでくるリン。

 

 

「・・・大丈夫。辞めないよ。俺はここの従業員だ」

「信じてるからね」

何をいまさら。あえて振りほどこうとはせず、そのままそちらから離してくれるのを待った。

 

 

「でも、本当に予想外の連続だったな。シンプルな依頼かと思えば、白祇重工の過去を掘り起こす羽目になり・・・しまいには謎の怪物・・サクリファイスがまで出てくる始末だ」

「全くだ。そういえば、リン。あの怪物がエネルギーを放射したとき急に眼の違和感を覚えたって聞いたけれど、大丈夫?」

サクリファイスが融合する瞬間。虹色のエネルギーを噴出したとき、HDDシステムの向こう側にいるリンに不調があったと後で聞いた。

 

「一瞬のことだったから。大丈夫、心配しないで」

「あの怪物の裏には、絶対に何かあるはずだ・・・僕たちが追いかけ続けている「あの件」、そしてナナシの記憶の真相も・・・」

あの件とやらについてはまだ教えてもらっていない。まぁ別に、何でもいいのだが。

 

 

「ともかく、治安局にあとは任せないとね。『パエトーン!』頑張って、記憶素子を解読してね。俺は完全に無力だから!!」

「胸を張って言うほどでもないと思うけど・・・。それに頑張るのは、5倍の電気代を払っているフェアリーだよ。ね?情報の解読なんて楽勝だよね?」

リンが、フェアリーに対して圧をかける。

 

 

『マスターのお役に立ちたい気持ちはありますが、システム演算能力の使用状況、そして解読に要する時間や消費電力に対する要求を考慮すると、留守番の私にそのようなタスクをゆだねることはお勧めできません』

と芳しくない。返答がフェアリーから帰ってきた。

 

「・・・やっぱり人口無能か・・」

ぼそっと、そうつぶやくと、フェアリーから『ちっ』と舌打ちが聞こえる。

 

『で・す・が、インターノットに『レイン』と言う名のハッカーがいます。履歴を参照する限り、この人物ならマスターたちの要望に合致しているかと。また、『レイン』は邪兎屋のニコともビジネス上の取引を行っています』

「レイン?」

こういう話には疎いので、全然思いつかない。

 

「確か、システムやデータをクラッキングする腕前なら、インターノットでもピカイチだとか」

「へ~」

つまり、ものすごいハッキングの腕を持つハッカーと言うことだ。

 

 

「でもさ、ニコに仲介を頼んだら。法外な値段を要求されそうじゃない?」

なんだか、頼めばあのニコが高笑いする姿想像に難くない。

 

「大丈夫だ。むしろ、ニコの知り合いなら話が早い」

「どういうこと?」

首をかしげる。あのニコが法外な値段を吹っ掛けてこないというのか。

 

 

すると、少しアキラは笑ってから。

「人を紹介してくれたら、ツケを帳消しにしてあげよう・・・なんて言ったら、きっと飛びついてくるだろうから」

「・・・ははっ!確かに」

アキラに言われた後、すぐに人参ぶら下がった釣り竿に跳んでいくニコの姿が想像できてしまった。

 

 

 

こうして、一日は終わりを告げるはずだったが、案の定二人に捕まり病院に連行されることになった。

 

 

これは白祇重工がいい方向に舵を切るきっかけとなるだろう。

その夜。ベッドに入るとすぐ、俺は暗闇に飲まれた。

 

 

 

 

(あれ?今度は一人称なのか?)

 

 

今度は、俺を含めてなんと5人もいた。いつもの金髪黒髪と老人、そして、次は白髪つんつん頭。そして、特殊なゴーグルのつけた男もいた。

 

 

『---こここkで・・・・・さ酷い・・・』

『そ・・か、とととめら・・・か・・・たのか』

拳を強く握る俺。何か写真を握っている。だが、靄が立ち込めてうまく見えない。

ただ、その写真には合計で”12人“の人間が写っていた。

 

 

 

『----襲・・・だッ!!』

ゴーグルをつけた男が声をあげる。周りの顔がこわばると同時に俺の頭は声が聞こえたほうを向く。どうやら、この場所はどこかの山の洞窟らしく。すぐ目の前には森が広がっていた。

 

 

『お・・がややややや・・・る』

動き出した俺、敵とはなんだと現れた何かを凝視する。

(あれは、サクリファイス・・・なのか?いや、エーテリアスに近いような)

ともかく化け物。それだけはわかった。

 

 

『やれれれれる・・---?』

『あaaaa・・・・や・・・さ』

向かってくる無数の怪物。あの多さでは『ゴッドハンド』での対応も『真・熱血パンチ』でもましてや『正義の鉄拳』なんて意味をなさない。だが、俺は“左手”を天に上げ。

腰と共にひねる。

 

 

「『マジン・ザ・ハンド!!』」

現れた黄色と青のマジンそれらが、一帯の怪物を全て駆逐する。

 

 

(あれが、マジン・ザ・ハンド?本当に?)

俺があの時発言させたマジンはこれではなかった気がする。

 

 

 

 

そのまま、再び俺の意識は浮上していった。

 

 

 

 

 

 

皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?

  • 読みたーい!(特にヤンデレ)
  • 読みたーい!(ラブラブ!)
  • 読みたーい!(好感度測定器みたいなやつ)
  • いや、読みたいのは本編だ!遅れてんぞ!
  • 作者さんの自由で!
  • こんなアンケートする前に書け
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。