使用可能必殺技:ゴッドハンド 真・熱血パンチ 正義の鉄拳G3 など
プロローグ
白祇重工でのごたごたを終えた数日後、記憶素子の中身を閲覧するためにレインと言うハッカーへの繋がりを持つニコに連絡をアキラが取っていた。
その途中、話題は記憶素子から例のモニュメントから出てきた怪物の話に移っていた。
俺は、その当時は治安官が来ると聞いていたので速攻でとんずらし、アキラに車で拾ってもらいながら帰ったのは記憶に新しい。
そして、今はその怪物の亡骸は治安局ではなくH.A.N.Dと言う組織に渡ることになっていた。
ニコ曰く、治安局よりH.A.N.Dの方がそう言うのを調べるのは十八番と言うことらしい。
「アキラ、ニコに電話してたの?」
「ああ、それだけじゃない――クレタから、例の怪物の残骸を回収する時間が決まったみたいでね連絡が来たんだ」
「やっと決まったんだ?回収作業、順調に行くといいね」
いくら決まったとはいえ、俺達ができることは何もない。加えて、記憶素子を解けるレイン探しもニコ任せの為本当に、しばらく暇になっていた。
「リン、ナナシ。どうせ今はやることもないんだ。近いうちに時間を見つけて、一緒に治安局へ行かないか?」
「え、いや~そのまだ自首はしたくないんだけど――」
治安局と言うワードが聞こえると同時に脳内で過るのは、自首――逮捕、拘留――死刑、解剖――ととにかく悪い連想が止まらない。
「大丈夫だ、ナナシ。捕まるのは君じゃなく僕たちだ」
「それはもっとダメぇ!?」
「ふふっ、お兄ちゃんあんまりナナシをからかわないで」
焦るナナシ。笑うリン。真剣な顔のアキラ――とにかく、話を本題に戻すためにアキラが口を開く。
「笑えないぞ、リン。これを忘れたら最後、本当に治安官に捕まるかもしれないんだ――僕たちの運転免許、もう更新しないといけないタイミングなんだ」
「あー確かに重要だね」
『マスター、貴方様と助手二号の免許更新は、既に治安局のWebサイトから申請済みです。ですが残念ながら受取には直接、本人が治安局まで行く必要があります』
今後、色々な場所に行く中でニコのように無免でぶっ放すわけにはいかない。俺は、ぶっちゃけ、頑張れば車と同じくらいのスピードで走れるけど、それを見られるわけにもいかないのだ。
「でもさ、それって俺必要なの?――ていうか、外に出ていいの?」
公然と出ているいわゆるお尋ねものであるナナシは、二人の仲間になって以来ほとんどをビデオ屋やホロウで過ごし身を隠す日々を続けていた。
「ああ、運転免許にナナシは関係ないけど――いつぞやに僕たちが零号ホロウで活動していた時に出会った個性的な女性を覚えてるかい?」
「あー、レイさんね」
ホワイトスター学会の研究員でありものすごいキャラの濃い人だったことをよく覚えている。一度、勝手に奥に行ってそれを助けるために零号ホロウ突入していったのは記憶に新しい。
「そのお礼かわからないけど、彼女の伝手でナナシの『調査ライセンス』を治安局で発行してくれるみたいでね。これが、あればホロウ内をある程度ならわが物顔で闊歩できるようになるよ」
「存在が違法みたいなものだけどね、俺達――」
「だけど、ナナシが捕まえる可能性が少しでも低くなるんでしょ!だったら、行こうよナナシ!」
「うーん」
脳内で必死に考える。果たして、お尋ねものである俺が治安局にズケズケと現れていいものなのか――。だが、この先きっとライセンスがあればホロウ探索は数段有利には――ならない気がするけど、無いよりはマシ。
「よし!行くよ、治安官なんて全員ぶっ飛ばしてやる!」
「ダメ、ダメ!?冗談抜きでつかまっちゃう!」
そして早速、俺達は治安局があるルミナススクエアに向かうことになった。
だが、ナナシが盗みを働いていたのがまさにここ、ルミナススクエアなのだ。
緊張の面持ちで、アキラとリンを先頭に後方を歩きながら辺りを索敵する。
「大丈夫だよ、ナナシ。僕が知る上で君の顔が手配書に乗ったところを見たことはない」
「うん、それよりも問題は駐車場が空いてなかったことだよ!――はぁ、遠い――疲れた」
本来なら、ルミナススクエアに車を置いて治安局にいくはずだったのだが残念なことに近辺で空いている駐車場はなく、結構遠くに止めることになってしまった。そのせいか、すっかりリンは息が上がってしまいた。
「いや、急がば回れって奴だったか」
「全くだよ、けど――最近はナナシはともかくリンは運動不足だったんだ、これくらいが丁度いいんじゃないか」
「なあに運動不足って!私、毎日ちゃんと運動してるんだから!例えば――例えばイアスの体で、ホロウの中を走り回る――とかね?」
「最近はナナシに担いでもらっている気がするけど?」
確かに、最近のホロウ探索ではよくイアスを肩の上に置いて移動することが多い。イアスは不服そうだが、肩の上から“極楽~極楽~”と聞こえて来るのは記憶に新しい。
「だって、その方がずっと楽だし早いんだから仕方ないじゃん!」
「分かった分かった、君の勝ちだ。リン、前に美味しい物でも食べたいって言ってたろう。治安局で用事を済ませたら、この辺りで何か食べてから帰ろうか。お店はナナシに決めてもらうけど」
「えー!私が美味しい物食べたいって言ったのにナナシが決めるの!?」
「当然じゃないか、君は最近ナナシの肩に乗ってるだけなんだから」
アキラの言葉に返答がつまり「んー」とうなるリン。これだけでも、二人が仲良しな兄弟だとわかる。
「大丈夫だよ、リン。アキラ、俺はここら辺のお店知らないからリンに決めてもらってもいい?」
「ナナシがそう言うなら、リンが決めていい」
「やったー!!ナナシ、一緒に近くに美味しい所があるか調べようね!!」
大げさに喜ぶと同時にスマホを取り出し、調べ始める。
(俺にも妹がいたのかな――ぅっ)
頭に電流のようなものが走る、何か思い出そうとすると大体こうだ。いまだに、記憶が戻る予兆は見えてこない。
鼻歌を歌いながら、治安局までの残り数百メートルの路地をリンと並んで辺りのお店を調べている時だった。
リンのスマホにノイズのようなものが走る。
「ん?電波が――」
「画面にノイズ?」
電波を探ろうと、上にスマホ本体を掲げてみたりするも中々画面が正常に戻らず苦闘しているリンを見てほほえましいと思いながら歩く。いずれリンは路地を抜けていきそうになったタイミングでナナシはある気配を感じ取った。
(車の音なのは間違いないけど、明らかにスピードが出過ぎてる都市部で出せるものじゃない。それに、通行人の悲鳴も聞こえる)
瞬時に嫌な予感を感じ取ったナナシはリンのもとに全速力で駆け寄る。
「壊れちゃった?」
そう、緑色の車が歩道を爆走していたのだ。それを歩きスマホをしていたリンは全く気が付くことなくむしろ明後日の方向を向いて電波を探している。
「リン!」
引かれる寸前の彼女を押しのけ、車線からどかす。しかし、その代わりナナシがその場に残ってしまう。
(マズイ、避けられない。激突――いや、死なないな俺)
よく考えたら車に追突された程度なら問題なかったことを思い出し瞬時に防御の姿勢を取る。
激突される最後に見たのは、運転手の焦った表情、左側から飛び込んでくる乳――そして、ブレーキの気配が全く見えない爆走っぷりに違和感を持ったのみだった。
目の前の景色が吹っ飛び、同時に車が激突した音が一体に響く。
「ありがとうございます。乳、治安官さん」
だけど、安心してほしい決してナナシが車にサクッと轢き殺されたというわけじゃない。
そして激突したというのは、もう一人の治安官が三節棍によって暴走した車を止めたに過ぎない。
「え、ちち?」
「い、いや!父のことを思い出していました!!」
「うむ、あのような状況なら走馬灯の一つや二つは思い浮かぶのはいたしかないあるまい」
少し、心の声が漏れ出していたのを何とかフォローし立ち上がる。
(一人は、ビリーみたいな機械人かな?見た目は小柄だけど一撃は早そうだな、こっちの乳じゃなくて、治安官さんは銃器が主かな――近接をするには邪魔が多い装備だし、やっても蹴りかな、拳はないとみていいか)
一瞬で彼女らを分析しながら右目だけ彼女らから視線を離さず、左目で押し倒したリンを探す。
「大丈夫かい、ナナシ!」「大丈夫、ナナシ!」
アキラとリンが駆け寄りながら俺の体に異常がないか色々なところを触っていく。
「俺は大丈夫、治安官さんが助けてくれたから――それよりも、リンは大丈夫?」
「それよりもじゃないけど、ナナシが助けてくれたおかげで助かったよ!」
そして、続いてアキラとリンの視線が二人の治安官に向く。
「あれ?私たちどっかで会った――?」
「ん?『会った』――?」
「ああいや――混乱してるんだろう」
慌てて、アキラがリンをフォローする。俺は会ったことはないが二人はイアス越しに会っているのだ。
(まずいな、完全に今の動揺であの小さいほうの治安官の目線が鋭くなった)
今この状況で突然逮捕はありえないが、例えばビデオ屋に来てみればすぐ立地や造りが裏の家業に適していることを推察される可能性がある。
(対してこっちの大きい乳、じゃなくて治安官さんの方はさっき違和感を持ったみたいだけど情に弱そうだ、引っ掛けるんだったらこっちだな)
こうして、策を脳内で弄しながら今の事件の調書を取られるのだった。
意外と身内以外には厳しいナナシでした。
うーむ、まるでナナシがド変態みたいじゃないか
皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?
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読みたーい!(特にヤンデレ)
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読みたーい!(ラブラブ!)
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読みたーい!(好感度測定器みたいなやつ)
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いや、読みたいのは本編だ!遅れてんぞ!
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作者さんの自由で!
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こんなアンケートする前に書け