アンビーからの誘いが多くなったきっかけと言うのはやっぱり映画だった。
街中でばったり会った、俺達はアンビーに映画に誘われ、闇映画と言うのに挑戦した。
「ごめん、待った?」
「ううん、待ってないわ。あなたも私も集合時間よりも早く来ているのだから」
相変わらず動かない表情筋にはもう慣れた。そのことについて彼女は気にもしていた。
それは、いつぞやの闇映画の時だった。
『ナナシは楽しい?私、あまり・・・その、しゃべらないから』
『え?楽しいよ。なんというかさ、気楽っていう感じがするんだよね。相手がさ常にしゃべっているよな相手だとこっちも返さなきゃって無意識に思っちゃうんだけど、アンビーとはそうはならないから』
映画館に向かいながらそんなたわいのないことを話していた思い出がある。
それに、映画を見ているとき横目でアンビーを見ると実は表情が変わっていたりして、映画と加えて二度楽しかったりしたのだ。
『そう、ならいいのだけど』
『あっ!笑った、そうやってアンビーが笑顔になってくれるのを見ると嬉しいし、楽しいよ!』
アンビーの頬が緩んだ、彼女も俺の話で笑顔になってくれているのを感じると心が温まるのを感じる。
『も、もう。からかわないで』
そこで、くらった腹パンは胃の内容物を吐き出しそうになるほどの一撃だったが何とか止める。
だって、それで彼女の赤くなった頬が汚れるのが嫌だから。
と言う感じから。その後も色々な闇映画をしてきた。最新版だと、プロレスの人情劇だった。
今でも、思い出す。謎の仮面戦士、シルバータイガーがダークタイガーとの最終決戦で放った、ドライビングジャーマンスープレックスは感動ものだった。
隣のアンビーが微妙そうな顔をしていたのをよくおぼえている。だけれど、そんな表情を察せられるほどアンビーの表情はわかりやすくなっていた。
「じゃあ行こう。今日はどんな映画が来るかな・・・」
「私としてはサスペンス物・・・感動系・・・SFも捨てがたいわ」
と言っても今日は闇映画。2回目以降はビデオ屋で途中まで闇映画をしていたのだが、途中から映画館に行って見たいと提案され俺もニコに奢られて浮いた金があったので、OKした。
その映画館のチケットを買い。リストから目をつぶり一つ指をさす。前回は俺が目をつぶって、決めたが。今回は、アンビーが目をつぶって決める。
「じゃあ、行くわ」
目をつぶり、指を動かす。もちろん、事前にリストは見ない。
(あれ?)
なんだか一瞬アンビーの目が開いたような気がした。
そして、彼女が指したのは・・・。
『愛とラブは劇場で』
と言う、いわゆる恋愛映画だった。
(恋愛映画か・・・。)
アンビーと一緒に闇映画を行っていたということをリンとアキラに話したその日、恋愛映画はばっちり見た。確かに、なんだかわからないことも多かったが人情と言う部分だけではなかなか感動するストーリーだった。
「じゃあ、行きましょう」
「あぁ」
事前にポップコーンとジュースを購入し、座席に座る。
そして、数分後映画が上映される。当然、マナーを守って無言なのだが、俺は映画に見入ってしまい気が付かなかったが、俺の手にアンビーの手が添えられていた。
(な、何じゃこのストーリー!?)
見入ってしまったのは理由があった。それは、主人公は転校生でと言ういくらでもありそうな設定なのだが、ヒロインとの出会いが映画館。
無口なヒロインと活発な主人公が仲を深めていくというストーリーなのだが。そういえば、俺とアンビーが仲良くなったきっかけも映画だったなぁ・・・。なんて思ってからものすごい気まずい。
今にも白目をむきそうになっているのだが、横目でアンビーを見る。すると、アンビーは頬を赤らめながら、じっと映画を見ていた。
(・・・・くっ、俺はなんて邪な心を持っていたんだ!そうだ、俺も映画を心から楽しまないと!)
ストーリー面から見ればヒロインの心情の変化が丁寧にえがかれているため、面白い。
最後キスシーンで幕を下ろしたが、ストーリーに感動していた俺は素直に泣いていた。
なんて考えていたため自分の手元に気づくことはなかった。
「ほ、本当によかったぁぁぁ!」
感想はその一言、涙をぬぐいながらそう述べる。
アンビーは相変わらずの変わらない表情だったが、満足そうな雰囲気は感じ取った。と言うか、途中ですすり泣く声が聞こえていた。
俺たちは映画館内で感想を言い合うわけにはいかないので、近くのカフェに来ていた。
「えぇ。本当に面白かったわ」
「うんうん、俺はさ、やっぱりヒロインの心のうちがさわかりやすく描写されているのが心震えたなぁ・・・」
「私は・・・あの二人が私達のようで驚いたわ」
スン、さっきまで泣き顔だった俺の表情が元に戻る。
俺が気が付かないように触れないようにしていた地雷をアンビーは見事踏み抜いてきた。
「た、確かに・・・と、特に映画が深く絡み合って仲が発展していくのは似ているなって思ったけど・・・。そ、そうだここのパンケーキものすごく美味しんだ!食べない?」
「そうなの?じゃあ、食べてみようかしら」
そう、ここはニコに誘われて来たカフェでもあった。あの時、ニコからパンケーキがおいしいって誘われて覚えていたのだ。
運ばれて来たパンケーキを食べるアンビー。
「ふふっ、確かにおいしい。ナナシはよく知ってたわね」
「まあね!ニコとこの前一緒に来てね・・・いたっ」
話をしようと思ったら思いっきりアンビーから足が踏まれる。
「ニコと一緒に来てたの・・・。それじゃあ・・ほら、あーん」
そうつぶやきながら、こちらにフォークで突き刺したパンケーキを近づけて来る。
「いいの?パンケーキを食べなくて、俺は前にニコと一緒に食べ・・・いたぁ!」
「早く食べて」
なぜかまた踏まれたので大人しく彼女から差し出されたパンケーキを口に運ぶ。
「おいしい?」
「うん、おいしいけど・・・」
程よい甘さと、はちみつがマッチした素晴らしい逸品だ。
「ニコと一緒に食べたものよりもおいしかった?」
意図がよくわからない質問だ。
「いや、あの時と変わらぬおいしい味だけど・・・?っと」
今度はアンビーからの足踏みを察知しよける。すると、ぷくーと頬を膨らませるアンビーがいた。
そして、“そのまま”彼女はパンケーキを完食した。
その後、店を出るとアンビーにまだどこかに行かないか誘われたが明日は白祇重工のアルバイトがあって朝早いからと断って解散となった。
ちなみにその後・・・
風呂上がりの夜。
「ナナシ、またスマホがなったけど出なくていいのかい?」
「あぁ、出る出る」
アキラからスマホを受け取る。
案の定通知の正体は、アンビーだった。
(なんだか、最近アンビーも増えたなぁ・・)
『ナナシ、今度は闇映画じゃなくて一緒に見たい映画があるのだけど、明日は空いてるかしら?』
予定を確認するとその日はビリーと一緒にスターライトナイトを見る約束をしていた。
『ごめん、その日はビリーと約束しててさ。また今度誘ってほしいな』
すぐ、既読になり。返信が来た。
『わかったわ。それなら仕方ないわね、またどこかで誘うわ』
「えっと・・・『ありがとう』っと」
返信を送り、俺はベッドに座る。
(それにしても、今度は闇映画じゃないのか~。地味に楽しかったんだけどなぁ・・・。でも、アンビーのおすすめってのも面白そうだしいっか!そういえば・・・ニコも映画とか・・・どう?って聞いて来てたな・・・。今度二人とも誘ってみよっかな!)
「まさか、ニコも・・・。」
あの時、ナナシがニコのことを話した時ものすごく暗い感情が湧き出してきた。無意識の中出てきた疑問。
(どうして、ニコと一緒に行ってるの?)
最初は、大事なニコとナナシが一緒に居てナナシに対して嫉妬しているのかと思っていたけど・・・。
「ナナシ・・・。また、映画誘うから二人で見に行こう」
そのつぶやきは誰に聞こえることもなく暗闇に消えていった。
ちなみに、闇映画でヒットしたスターライトナイトの映画でビリーと話せるようになったもよう・・・。
皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?
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読みたーい!(特にヤンデレ)
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読みたーい!(ラブラブ!)
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読みたーい!(好感度測定器みたいなやつ)
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いや、読みたいのは本編だ!遅れてんぞ!
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作者さんの自由で!
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こんなアンケートする前に書け