ゼンレスゾーンゼロ ・ 聖剣   作:うどん米

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第37話・激闘! 神 VS 魔神!!

 

 

「聖・・剣?俺が聖剣使い?悪いけど、人違いだ生憎剣なんて持ってないんだ」

寝耳に水だ、どこをどうすれば俺が聖剣使いだと思えるんだろうか。

 

「いや、君は間違いなく聖剣使いだろうね。君は僕の『ヘブンズタイム』の中でも動けている。それが、何よりの証拠さ」

ちらっと見ても、カリンやライカンさんが動くような気配は感じられない。

こいつが言っていることが本当なら俺は聖剣使いと言うことになる。

 

 

「ほら、抜きなよ。君の聖剣を、そのくらいは待ってあげるからさ」

 

(だけど――剣なんて持ってない。と言うか、俺が目覚めた時服しかなかったし)

身分証とかもなく自分がわからずたださまよっていた時、聖剣なんてたいそうなものは持っていなかった。

 

 

「待てよ。抜けって言う方が先に抜くべきじゃないのか、聖剣を!」

(俺は何を言っているんだ。こんなはったりが効く相手か――?)

 

 

「フフッ。まあ、一理あるね。では見るといい、神の聖剣を!」

アフロディの手の中に光が集まる。思わず目がくらみ顔を抑える。

 

 

 

そして、光が収まるとアフロディの手には弓が握られていた。

「これが僕の聖剣『ゼウス』さ」

「せ、聖剣――!?それ弓だろ!」

神々しく、マジで神の弓と言われたら信じてしまいそう、見た目自体は簡素だが感じるプレッシャーが段違い。

でも、このプレッシャーに似たものを俺は知っている。

 

 

「お前があのデュラハンを作ったのか!」

「ああ、そうさ。君の実力を図るために差し向けたんだけど――楽しんでもらえたかな?」

エーテリアスは元人間それを、軽々しく扱い。あまつさえ、自分の目的のために利用したこいつに俺は憤りを深く感じていた。

 

 

「楽しんではくれてないみたいだね。じゃあ、早速僕の聖剣の力を見せてあげよう」

「だから、弓だろ。それ!」

もう、冗談を言っている暇はない。アフロディが弓を引くと光が集まってきている。

(ともかく、この距離ならよけられる)

 

「避けていいのかい?」

「ッ!」

そうだった、今はヘブンズタイムとやらで俺以外は動けない。つまり完全に無防備な状態なのだ。

 

「神の力その一端を見せ上げるよ。『ディバインアロー!!』」

 

「止める!『ゴッドハンド!』」

 

自身を神と自称する物から放たれた光の矢。それに対抗するのは神の手。互いに神を名乗る者同士、長い時間が必要かに思えた。

 

 

対してナナシも。ここに来るまでたくさんの戦いを経験し自分は強くなったと思い込んでいた。そして『ゴッドハンド』はこれまで破られたことがないという信頼。相手は力の一端しか出していないのだ、破られるはずがない、そう高をくくっていた。

 

 

「はっ?」

『ディバインアロー』が『ゴッドハンド』に激突した瞬間。何の抵抗もなくゴッドハンドは破壊され俺は吹っ飛ばされた。

 

 

「へぇ――。この一撃で終わらせるつもりだったのに、存外固いものだね」

放たれた矢は確かにゴッドハンドを破壊したが、軌道は逸れ、幸いもナナシはかすり傷程度で済んでいた。

 

 

 

だが、一方ナナシには動揺が収まらずにいた。

(何――が起きたんだ。ゴッドハンドとディバインアローが激突した瞬間俺は気づいたらここまで吹き飛ばされていた。体は――ッ。動く、大丈夫だ)

体に積もった瓦礫をどかし、立ち上がる。

 

 

ゴッドハンドが砕けるのは、まだ納得できる。あのデュラハン相手でもきつかったし。

「ここまで、差があるのか――」

肩で息をする俺、一方アルロディは余裕綽々と言う感じだ。どうやら、あれが渾身の一撃でしたと言う落ちではない。完全にこちらをなめ切っている。

 

 

 

「予想外だったよ。君がまだ意識があるなんてね――せっかくだ、何か聞きたいことはないかい?今なら何でも答えるよ」

これは、チャンスだ。今の俺は、正直体が回復していない、時間を稼げる。

それにヘブンズタイムとやらがずっと発動しているが、こんな広範囲な技が長く継続できるはずがない。

 

 

(相手は油断している。こっちが、なすすべがないことをわかっているんだ。だからこそ、そこが付け入る隙となる)

「じゃあ、質問だ。何で、ここに来ているんだ?」

「確かに、君たちの立場からすれば僕は完全に通り魔そのものだね。答えてあげよう、僕の目的はレインと言う少女を君たちに保護させないことさ。まだ、彼女にはやってもらうことがあるからね。――まあ、何をとかは言うつもりはないさ」

 

(なるほど、じゃあこいつはどちらかと言えば誘拐犯よりってわけね)

 

「じゃあ、二つ目だ。聖剣とはなんだ?」

「――何?君は聖剣使いだろう、なのに知らないのかい?」

「知らない。俺は記憶喪失なんだ」

きっぱりと食い気味に答える。すると、アフロディは腹を抱えて笑い出す。

 

「笑うところじゃないぞ」

「いや、すまないね。ただ、運がない、そう思っただけなんだ。そうだね、聖剣とは――か。簡単に言えば願望機のカケラさ」

「願望機?」

それは、旧時代の中世ヨーロッパと呼ばれる場所で書かれた騎士道文学にて登場する聖杯とかを言っているのだろうか。

 

 

「もしかして、4本そろえれば願いが叶うとか言いださないよな?」

「その通りさ。4本そろえた時、揃えたものの願いが叶う。それが、聖剣使いの戦いだ」

(マジで願望機じゃん。でも、本当に存在するのか、そんなもの。大体、何でもかなえるなんて不可能なはずだ、エネルギー保存の法則とかその他もろもろに抵触してるだろ)

 

「そんなものあるはずないだろ!現実的に考えて、それとも叶えた奴でもいるのか?」

 

「ふふっ」

アフロディが薄気味悪い笑顔を見せる。まるで、愚か者を見ているような、見下ろしているような目。

 

「何がおかしい!」

「すまないね、確かに信じられないのも理解できるが、君たちはよく知ってるはずさ。聖剣によって引き起こされた災害を」

(聖剣によって引き起こされた――災害?)

 

 

「もしかして、ホロウか!」

「そうさ、旧時代、本来聖剣使い同士が戦い、願いを叶えても、世界を壊すほどの災害は訪れないはずなんだ。けれど、その戦いでイレギュラーが起こった。本来、聖剣使いでないものが全ての聖剣を集めてしまった」

「それで、どうなったんだ?」

前回と言っていた。つまり、この聖剣の戦いは何回も繰り返されているということだ。

 

 

「本来なら、誰かを思い、助け、救い世界を守るために振るわれる聖剣の力は担い手ではないものにわたり、悲劇が起こった。そのものの願いは歪み、世界を蝕む呪いとなった!それこそ、ホロウと呼ばれるものの正体さ」

「――聖剣がホロウを発生させていたのか」

(じゃあ、過去の俺が聖剣を4本集めるように言ったのは、何かの願いを叶えるためだったのか――)

 

 

「じゃあ、最後の質問だ。お前の願いは何なんだ?」

こいつが、聖剣使いである以上。何かしらの願いを持っているはずだ、もしもそれが歪んだものならば止めなければいけない。

 

 

「世界をよりよくする、ただそれだけさ」

「――具体的には?」

 

ニヤリとアフロディの口角が上がる。

「もちろん。旧時代の人間たちには全て消えてもらって。新たな新人類を作り出す。それが、神である僕の使命さ」

「――ッ!!それは、今を!今を懸命に生きている人たちを滅ぼすってことか!」

「そうさ、だからこそ君の聖剣を僕にくれないか?なるべく、苦しめたくはないんだ」

やっぱり、自称神はロクな奴がいないって映画知識で学んでおいてよかった。

こいつ、やっぱりかなり歪んでいる。

 

 

 

「それで、返答を聞かせてくれないか、ナナシ?」

「断固拒否一択!!」

勝ち目が薄くとも絶対にこいつには負けてはいけない。

 

 

「――残念だよ。同じ聖剣使いなら僕の意見に賛同してくれると思っただけど。『リフレクトバスター!』」

アフロディが上に向かって矢を放つ。すると、上空に鏡のようなものが出現し、それに光の矢が反射していく。

 

対して、俺は左手を上に振りかぶり、心臓から気を送り出す。

「『マジン・ザ・ハンド!!』」

 

現れた青と黄色のマジン。反射しこちらに向かってきた矢を受け止める。

「まだ、まだ。こんなもんじゃないよ」

受け止めた瞬間矢が分散し、俺の体に数発命中する。

 

(あまり、痛くはないけど――。何回も食らってたらまずいな)

 

 

「それに、そろそろ時間切れみたいだ」

瞬間、先ほどまでの包まれたような感覚は切れ、周りも動き出す。どうやら、ヘブンズタイムが終わったらしい。

 

 

『え?ナナシ、大丈夫!って、誰!?』

すぐに異変に気付いたイアスが俺のもとに駆け寄ってくる。

 

「みんな、後で色々話すから!とにかく、アイツは敵!」

ライカンさん含めヴィクトリア家政の皆はすぐに意図に気づいて攻撃を開始する。

 

 

「どんな攻撃も神には通用しない『ダッシュストーム!』」

ちょうど、アフロディの喉元に攻撃が届くかと思った瞬間、アフロディが動き出す。

それと同時に、そこだけ竜巻が起きたような感覚に襲われた後、接近していた。俺とライカンさん、そしてカリンは壁に叩きつけられる。

 

 

だが、時間差でとびかかったエレンがすぐそこまで近づいてきていた。

「へぇ『ダッシュストーム』をかわすなんてね」

「これなら、弓を構える暇なんてないでしょ!!」

エレンの刃が神を追い詰める。

 

 

「だけど、神には通用しない」

半身避けることで最小限の動きで一撃をよける。

 

「本当にそうか試してみる?」

 

しかし、エレンの刃から氷が出現し、アフロディの足元を凍らせる。

「この程度で!!」

「私がするのはこの程度で十分なの――」

氷から脱出するのに数秒は必要になる。その間、動けないからダッシュストームも発動できない。

「今だ!!『マジン・ザ・ハンド!』」

「くっ!『ヘブンズタイム!』――ッ!止まらない!」

時が再び制止するも。俺は動き続ける、マジンの左手はアフロディへ拳をぶつけ、その体を吹っ飛ばした。

 

 

「よし!」

時が再び動き出したのを確認する。どうやら、今の衝撃で技が解除されたようだ。

動き出すと同時にリナさんの追撃の雷がアフロディに落ちる。

 

 

 

「これで、満足いただけたらよろしいのですが」

「どうかな、相手はかなり強欲みたいだから。難しいかも――」

俺もできればこれで終わってほしい、赤いデュラハンをワンパンする今の俺の最大火力の拳とリナさんの雷。これで倒れないって逆におかしい気がする。

 

 

「はぁ、はぁ――『ディバインアロー!』」

案の定予想通り、アフロディは瓦礫をどかし立ち上がってきた。弓を引きながら。

だが、その苦し紛れの一撃は俺のマジン・ザ・ハンドによって止められる。

 

 

「終わりだ、アフロディ」

明らかに奴は消耗している。無理もない、大規模な時間を止める技を長時間使用し、強力な技を二回使用した。その上、俺達からの追撃を食らいかなりの痛手のはずだ。

 

 

 

 

「言っただろ――神には通用しないと『ヘブンズタイム!』」

再び時が止まる。だが、きっと今回のヘブンズタイムは長続きしない。奴がそもそもかなり消耗しているし、連続で使えるような技じゃない。

 

 

「それに、俺は動けるぞ!こんな苦し紛れの行動をしても無駄だ!!」

「――無駄か。それはどうかな?神の力、見せてあげるよ」

そう言うと、ディバインアローやリフレクトバスターなんかとは比較にならないくらいの光がアフロディに集まる。思わず、その量に後ずさりしてしまうほどに。

 

 

「これが、僕の聖剣の真の姿さ」

光が収まると、淡くも美しい光を纏った剣。まさしく、聖剣が姿を現していた。それと同時にアフロディに光の翼が生え、天へ飛び立つ。

 

 

 

「ホントのホントに、神だっていうのかよ――」

光の翼と剣を携え、構える姿はもはや神。

 

 

 

「決めようじゃないか、君のマジンと僕どちらが本物の神なのかを」

光は剣に凝縮され、放たれる寸前で会った。

 

(後ろにはエレンとライカンさん――。避けられないか)

止めなければ、今までに見たことがないあの必殺技が二人を襲う。

 

「来い!」

左手を天に上げ心臓から気を押しだす。現れる黄色と青のマジン。そのまま腰をひねり構える。

 

 

「神の力を知るがいい!」

「止めて見せる!!」

互いに今放てる最強の技。そのぶつかり合い。そして、ナナシは負けるわけにはいかない。なぜなら、後ろに守るもがあるから。

 

 

 

「『ゴッドノウズ(神のみぞ知る)!!』」

「『マジン・ザ・ハンド!!』」

放たれた光の塊はマジンと激突する。その激突した時間は現実に直せば0.5秒ほどで会ったが、ナナシにとってはそれが永遠のように感じられた。

視界が白く覆われ。それが、どちらが勝利したかを示していた。

 

 

 

マジンは砕かれ。光の塊は軌道をずらし、壁を貫通し爆発した。

「本物の神は一人で十分さ」

 

倒れる、ナナシを見下げてアフロディはそう言い放った。

 




やっと書きたいところが書けた。まあ、聖剣と末路で察してた人が多そうだけど。
また、モチベが上がったら書きます。

皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?

  • 読みたーい!(特にヤンデレ)
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