映像の場面は切り替わる。そこは、見覚えのある研究所跡地。
『久しぶりですね。アポロさん』
後ろに3本の聖剣を浮かせ、飄々とした雰囲気でまるで友達に話しかけるように軽く会釈もした。
バンッ
だが、アポロは会釈したとき一瞬目線が切れたのを見逃さず、手に持つ拳銃を発砲した。
『ゼウス』が銃弾をはじく。
『全くひどいなぁ――僕じゃなかったら死んでましたよ』
『殺すために来たんだ、話に来たんじゃない』
バンッ、バンッ――続けて発砲するも空中に待機している聖剣にはじかれる。
『つれないで――ッ!』
バゴォォォォォン!手榴弾が爆裂し、後退した影山にかすり傷を付ける。
『やっぱりか――あいつは範囲攻撃の防御手段を持ってないな』
小声で何かをつぶやくアポロ、マジで殺すことに集中している。
『ははっ、いきなり手榴弾とは―――っと撃たないでくださいよ、少しだけ喋りたいんですよ』
『黙れ死ね――いや、十秒くらいなら聞いてやるよ』
そう言いながら、空薬莢を捨て、カートリッジを押し込む。
『いや、リロードしてるだけじゃないですか――。まあ、いいですけど覚えていますかここは?』
『研究所だな、ちょうど聖剣についての』
地図を取り出し、何かを確認するアポロ。
『ちょうど、この日あなたは妹さんを失った!そして、今日!あなたは同じ命日に妹さんと同じ場所で死ぬ!』
『そうか、奇遇だな。俺の妹をもてあそんだ奴らの命日も場所も今日で、ここなんだ――お前も同じところに沈めてやるよ』
バンッ、バンッ。再び銃弾を二発放つ。
『バカの一つ覚えじゃないんですから、大体拳銃なんてはじけ―――ぐっ!』
放った、銃弾は着弾と同時に爆裂し慣性の法則にしたがい影山を襲う。破片は影山の体にかすり傷を付ける程度だったが、何が起きたのかわからず口が開いたままだ。
『第二次世界大戦でドイツが使った炸裂弾って奴だ、まあ威力はさほどはないが半端者に傷をつけるくらいなら十分だと思わないか?』
『何で持ってるのかは聞かないでおきますよ――ですが、イラついてきましたよ!』
こいつは、完全に3本の聖剣を使いこなしている。だが、あくまで3つの聖剣は誰かを殺す、壊すことに特化している。
だが、俺の『ジ・アース』は違う。守り特化の聖剣、それゆえ必殺技には殺傷能力のないものも多いが、それは別でカバーすればいい。
それに、聖剣と人体が融合しているので体も固い。オート防御付きだ、おかげで自殺ができなかったが、注射器は刺さった。
『ちっちゃいな、世界をすべようとしている魔王様がそんな醤油皿程度の器しかないなんて驚いたよ』
『――ッ!『カオスブレイク!』』
聖剣は聖剣単体で使っても十分強い。しかし、組み合わせるとそれ以上の力を発揮することがある、カオスブレイクなんてその代表みたいな技だ。
破滅の光と炎と氷、その姿はカオス。触れたものをねじ切り、破裂させその光がとおった後には何も残らない。究極奥義の一つ。
『――――』
元は、聖剣使いの友情から生まれた必殺技。それを見て、感慨深い表情に至りながら、アポロは閃光弾のピンを抜きカオスブレイクの当たらないほど高く影山のもとへ放り投げた。
『な、なんだ!!』
破裂する閃光弾。完全に予想外だった影山はまともに食らい目を抑える。
『当たらなければどうということはないんだよ』
聖剣の防御ができないほどまで近づいたアポロはバンッ、バンッ、バンッ!銃弾を乱射する。それにすぐさま反応し、影山は後退し建物の影に身をひそめる。
『――は、はぁ閃光弾とは恐れ入りましたよ。でも、なぜあなたの最高火力『ジ・アース』ではなかったのですか?それでしたら、私の体なんて一瞬で引き裂けたはずですが』
『意味ないだろ、お前の体を真っ二つに引き裂こうが『ゼウス』がある限りほぼ無限に復活するだろ』
そう、聖剣『ゼウス』には所持者を守り、莫大な自己治癒能力を授ける。それゆえ、先ほど放った弾丸のかすり傷はすでに治っている。
『それは、弾丸でも変わらないのでは――ッ!』
『気づいたか?そう簡単にその弾丸は取り外せないぞ――まあ、いわゆるダムダム弾って奴だな』
ダムダム弾、1899年にハーグ平和会議によって非人道的な武器として使用が禁止された武装だ。着弾するとまるで花が開くように弾頭が変化し肉に食い込み、鉛中毒を引き起こすやばい奴。
だが、影山も十分いかれ側、自分の体内に手を突っ込んで弾を取り外すなんてわけないだろう。
『これでもくらってろ』
自分の腰に下げていた大きめのナップサックを影山が隠れている近くにまで放り投げる。
ナップザックの口から見えた、小さなゴルフボールのようなものがたくさん入っていた。
『いわゆるクラスター弾って奴だな』
近くにナップザックが転がると同時に後退しながら何かのスイッチを押す。
バゴォォン!バゴォォォン!バゴォォォォン!ナップザックに入っていた爆弾が連鎖的に爆発していく。
煙が晴れた後、地面に転がっていたのはところどころ焦げた影山だった。もちろん、ゼウスの急速再生によって直りかけてはいるが。
『それって、戦争で禁止された倫理無視の兵器じゃないですか』
『そうだけど?何か悪いの?』
全く持って不服と言う表情で手榴弾を追加で投げる。
バゴォォォォン!
きっとアポロの辞書には倫理と言う言葉も、容赦と言う言葉も存在しないのだろう。
土煙の中から剣が射出されて出て来る、しかし半身になり躱し再び手榴弾を投げる。
『何発も食らってたまるか!『ノーザンインパクト!』』
聖剣から放たれる、氷の柱そのスピードは弾丸も優に超えている。
『かわしきれないか――『絶ゴッドハンド!』』
ここで、アポロは初めて技を使用、絶まで進化させたゴッドハンドがノーザンインパクトを完璧に防いだ。
『相変わらず頑丈だな――。もう再生が終わったのか』
ダムダム弾もどうやら体から抜いたようで出血の痕はあるものの傷は完全に塞がっていた。
『――ははっ!わかりましたか?あなたは、弾や爆薬を消費しているというのに俺はこの通り無傷。勝ち目なんてないんですよ』
こっそり、何かのスイッチをアポロは押した。
『かもな、でもさ――無敵の存在なんてありえないんだ。いくら再生を続けようがそれには限度があるはずだ、体力?細胞分裂の限界もあるかもしれないな。何より、3本の聖剣を扱うお前がそれほどいい燃費だとは思えない』
『どうしたんですか?やけに、話してくれるじゃないですか、それともついに万策尽きましたか!!』
『いいや?』
俺は、何かの栓を抜き投げる。
『はあ、また閃光弾ですか――もう慣れまし――ッ!違う!』
目をくらませる閃光と耳をつんざく爆発音が響く。つまりスタン・グレネードと言うやつだ。
『ははっ、何だ何も起こらないじゃないですか――万策尽きたんでしょ!いい加減、敗北を認めたら――って何言ってるんですか、聞こえてませんよ?』
『―――!』
聞こえないのも無理はない、なぜなら今影山の耳は正常に作動していない。それゆえに、先ほどアポロが押したスイッチから放たれた脅威に気づけなかった。
『『絶・イジゲン・ザ・ハンド!』』
アポロがいる場所を中心にドーム状のバリアが展開される。それと同時に、アポロには風切り音が聞こえていた。
目線を向けると、そこには先ほどのスイッチと共に放たれたミサイルが降ってきていた。
『俺は、お前が裏切ったときのことをいまだに覚えてるよ』
ミサイルによって辺りは煙に包まれ、イジゲン・ザ・ハンドがなければ鼓膜は破壊されていただろう。
『全ての聖剣は俺の手に納める。そして、願いを叶えるんだ!!』
かつて、ゴッドハンドを初めて習得したとき流れた映像――。しかし、今回はノイズはない。
『だが、間違っている。間違っている!!』
手を横に振り制止するようにアポロが影山に向かって叫んでいる。
『来い!アポロッ!!剣よ今、俺の手に』
『ゴッドハンド!』
ゴッドハンドで影山を止めようとする、しかし聖剣の力を一部とはいえ行使した影山に簡単に破壊されてしまう。
『あの時、お前を殺しておけば――止めれていればこうはならなかったのかもな』
イジゲン・ザ・ハンドが解除される。煙が晴れる、当然ミサイルをあんなにくらえば防御の姿勢も取れないし、再生も間に合わない。
アポロの勝利だ。
仲間の居ない真の最後の戦い。その戦い方は―――。一応、アポロは結構前に試作で書いていた主人公の名前です。
皆は閑話とか、IFの話とか読みたい?
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読みたーい!(特にヤンデレ)
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読みたーい!(ラブラブ!)
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読みたーい!(好感度測定器みたいなやつ)
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いや、読みたいのは本編だ!遅れてんぞ!
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作者さんの自由で!
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こんなアンケートする前に書け