軍事学校生徒のキヴォトス入りZ   作::REX

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お久しぶりぶり(投稿する度久し振りって言ってね?)






6話 エゴだよそれは!

 

ソレは、一瞬の出来事だった。

大規模の襲撃を、誰も欠ける事なく切り抜けられた事による油断もあったかもしれない。

目の前のヘイローの無い男から事情を聞いて、バックにいる何者かの正体を突き止めて、アビドスの状況はまた一歩良くなると思っていた。

 

その矢先に、事は起こった。

男がシロコちゃんの銃を放った瞬間、校舎が爆破された。今にして思えば()()()()()()()()()()()気もしたが、そんな事を気に留める余裕は無かった。

 

一瞬、ほんの一瞬だけ、男から目を離しそちらに目線を向けた。動揺と油断からだろう。しかしそれでも視界の端には男を収めて、何をされても動けるようにしていた。

 

でもそれも叶わなかった。男は青い粒子となって消えたのだ。気配と勘頼りに盾を振ったが…そらすら利用され逃げられた。あまつさえ、狙撃手の存在を失念して先生を危険に晒した。バリアのおかげで事なきを得たらしいものの、私のミスである事に変わりは無いだろう。

 

校舎を爆破された喪失感と、相手を逃がしてしまった己の無力感により、私はすぐには動けなかった。

 

「…!皆、あれ!」

 

一番初めに動いたのは先生だった。しかしその言葉は予想に反し喜色を帯びている。

 

「あれ?殆ど無傷…?」

「ん、確かに爆破したと思ったけど」

 

爆破されたのは、どうやら校舎の中央の辺の教室だったらしいが、それでも見た目と影響のギャップが有りすぎる。

 

「とりあえず、爆破された教室に行ってみようか。」

 

皆に優しく微笑みかける先生を、私は直視出来なかった。

 

 

 

 

 

_____________________________________________

 

 

「これは…手紙?」

 

 

あの後、私達は無事アヤネとノノミとも合流し、先程爆破された教室まで向かった。そこにはやはり無傷の教室と、一通の手紙が置かれていた。

 

「『アビドス対策委員会と先生へ』…?」

「私達宛の手紙だね、ここにあるってことは…」

「ん、あの爆破は逃げる隙を作るためだけじゃなくて、この手紙を読ませる意図もあったのかも」

 

いや、恐らくあの爆破は後者のため。前者は逃げざるを得ないため止むなく爆破を手段とした可能性が高い。…が、わざわざ指摘する必要も無いだろう。

 

「とりあえず、手紙読もっか〜。先生?読んでくれる〜?」

「もちろん。それじゃあ読むよ。」

 

 

"拝見、対策委員会の皆さん並びに先生へ

 

要件は、今回の襲撃に至る経緯、それから謝罪とお願いがございます。…しかし、このままでは誰がこの手紙の主か分から無いでしょうから一応、自己紹介をしておきます。

私の名前は『一桜我(にのまえ おうが)』といいます。皆さんに分かるようにするならば、『ヘイローの無い男』です。"

 

「えー!?」

「ん、喋り方が違い過ぎる。ゴーストライターかも」

「手紙だから畏まってるだけなんじゃ…?」

 

"私の立場は、雇われの更に雇われ…という、少々面倒な立場にあります。先ず、裏社会でも幅を利かせる大物から『便利屋68』という会社に『アビドスの生徒を倒して校舎を奪え』こういった旨の依頼が入りました。私はその便利屋に雇われた形になります。"

 

「裏社会の大物がアビドスを…?」

「何か気に触る事でもしたでしょうか…?」

「ん、まだ私は銀行襲ってない」

「まだって言いましたかシロコ先輩…!」

 

"裏社会の大物、そんなヤツからの依頼を断ればどうなるか分からない…そういう事情から今回の依頼を受けたそうです。…以上が、事の経緯となります。謝って済む問題では無いと存じますが、大変申し訳ありませんでした。しかし、『便利屋68』の面々は事情故仕方無くなのです。もちろん、比はこちらにあります。憤りは尤もでしょう。しかし、それを呑んで、許してあげて欲しいのです。"

 

「何よそれ!事情があったら悪い事してもいいの!?それなら私達にだって事情があるからって何でも悪い事てきるじゃない!」

「でも、逆の立場だったら…」

「…ん、同じ事をしてたかも」

「何よ、じゃあ皆アイツ等を許すって言うの!?」

「そうは言ってないよ!でも、仕方無い所もあるんじゃって…」

「そうだけど!「ストップだよ、皆」ホシノ先輩…?」

 

ヒートアップし過ぎて口論になりかけた所で、ホシノが待ったをかける。その言葉には有無を言わせない力強さがあった。

 

「皆が熱くなる気持ちも分かるけどね〜とりあえずまだ手紙が途中だし、最後まで読んてもらお〜?」

「うっ、そういえばそうだったわね…その、遮ってごめんなさい先生。」

「…ん、私もごめんなさい」

「すいません…」

「うんうん、皆謝れて偉いね〜。おじさんは嬉しいよ〜」

「皆気にしなくていいからね。それだけ真面目に聞いてくれてたって事だし。じゃあ、続きを読むね。」

 

"そして、この手紙は私の独断で送っています。なので、この手紙に対しての不満等があるようなら私までご連絡下さい。

また、今回の作戦立案者は私です。恐らくされたであろう爆破にて器物の損害等が見られた場合ご報告下さい。可能な限り補填致します。"

 

「…急に事務的になったわね」

「ん、ここで高めの長椅子が壊れたって言っとこう」

「そんな事言わなくても長椅子くらい買ってあげますよ☆」

「今ので一枚目が終わり。もう一枚あるから、そっちも読むね。」

 

"拝見、『一桜我の手紙を読んだ皆さんへ』

 

ごめんねー!ウチのオウちゃんったら「ご連絡下さい」とか言う割に連絡先とか書いてなくてさ〜。裏に書いといたから、依頼とかあれば連絡してね♪

 

ウチのオウガが生意気にも「全部俺の責任」みたいな書き方してたけど、あの襲撃は便利屋全体の合意の上で行われたものだから、責任は全員にある。だから、この件でオウガだけに何か言うのは止めて欲しい。もちろん、謝罪はするよ。こっちからは一回限り依頼をタダでこなす…とかしか提示できないけどね。

 

ps.ピンク髪の子へ

オウちゃんが君のことを、ちびゴリラとか直情的かつ短絡的単細胞とか言ってたけど怒らないであげてね☆"

 

ガタッ

 

私が手紙を読み終わった瞬間、ホシノが立ち上がる。

 

「ホシノ先輩!?どこに行くんですか!?」

「止めないでアヤネちゃん!アイツ殺せない!」

「殺しちゃダメだよ!?」

 

ホシノは激怒した。必ずかの邪智暴虐な男をぶち殺さんと。ホシノにはあの男の事情など分からぬ。しかし、いつか必ずアイツは一発殴ると決めた。なんなら今から殴ろうとしていた。

 

「放してみんな!アイツ殴れない!」

「気持ちは分かりますけど落ち着いて下さい!」

「ん、さっきのセリフが台無し。」

「そもそも居場所分からないでしょ!」

「ハッ!そこはおじさん盲点だったよ〜だったら依頼だね。『一発殴らせろ』で行こう!」

「ダメよホシノ先輩!」

「そうですよ、セリカちゃんの言うとお「一発じゃ足りないわ!」セリカちゃん!?」

「私も散々煽られたんです!私も殴らせて下さい!」

「ん、セリカはツインテツインテ言われただけ。私なんて銃投げられた。だから私にも殴る権利がある。」

「シロコ先輩!?」

「わ〜、皆楽しそうですね〜☆私も混ぜて下さ〜い☆」

「ノノミ先輩まで!?」

「さぁ、アヤネちゃんも一緒に殴ろう!」

「すごく物騒だよ!?」

 

先生は祈った。桜我が無事であるようにと。

そして思った。アビドスの道徳とか倫理観について、一度きちんと話し合うべきかもしれない…と。

 

 

 

_____________________________________________

 

 

「…?なんだ、急に寒気が…?」

「突然だね、風邪とか?体調には気をつけなよ」

「俺の体調に気遣うくらいなら姿勢を直させてくれませんか?」

「それはダメ」

「さいで…」

 

便利屋68事務所内にて正座させられている俺…一桜我と、見下すように正面のソファに座る他4人。

そう、絶賛叱られ中ですwって、何笑とんねーん!

…はい、現実逃避もここまでにして現状から脱する策を講じなくては…

 

「自分が何で正座させられてるか、分かる?」

「はい、私が伊草のメンタルのため陸八魔のおっぱい「ッ!」を引き合いに出し、揉むとか揉まないとか揉みしだく「ッ!?」だとかデリカシーの無い発言をしたからです。」

「30点」

「30点!?」

 

残りの70点は!?

 

「たしかに社長のおっぱ…胸を揉むとかデリカシーの無い発言をしたことも叱ってる要因の1つ。でもそれだけじゃないよ。」

「なん…だと…!?」

 

バカな…ではいったい何が…!?

 

「…ムツキに手紙を渡したでしょ?爆弾しかけた教室に置いてこいって。」

「おう…。って浅黄ィ!口止めしたろぉ!?」

「えへへ〜私分かんなーい!」

「てめぇクソガキ(ガタッ」

「座って」

「へい(スッ…」

「完璧に調教されてるじゃない…」

 

男は女に無力ってじっちゃが言ってた。

 

「黙ってたのは悪かった、申し訳ない。報連相の重要さを見誤った俺に責が「そこじゃない。」あ、る…?」

「黙っておいた件もだけど、それよりも内容。」

「内容…?って中身まで見たのか浅黄ぃ!?」

「てへ☆」

「ぜってぇ泣かす」

「…話が進まないからオウガ黙って。ムツキも、煽りはほどほどにね」

「へい」「はーい」

「で、手紙の内容なんだけど「そこまででいいわよ、カヨコ」…社長?」

「ここからは私が直接言うから。」

「…了解」

 

あれ?陸八魔キレてる?キレてね?ヤバくね?

 

「手紙に書いてあった事を簡単にまとめると、便利屋68の事情と起こした事への謝罪、そして責任追求は自分にって事。合ってるわね?」

「…」

「合ってるわね?」

「……」

「合ってるわね!?」

 

すまん陸八魔。今の俺は鬼方に「黙ってろって言われたから答えないとかだったらアンタの鼓膜が吹っ飛ぶ事になるよ」マジかよコイツ

 

「合ってる!合ってます!だからその銃しまって鬼方さん!?」

「…」

 

めちゃくちゃ渋々って感じで銃しまうじゃん…

 

「あ〜、で?手紙の内容に問題でもあったか?」

「…そうね、致命的な問題が1つあったけれど本題じゃないから後で話すわ。」

「本題じゃない?」

「ええ、本題は別にあるの。何か分かるかしら?」

「いや?」

「内容よ!手紙のな!い!よ!う!」

「内容がなんだよ?アビドスの奴らに補足とか入れとかねぇと後々苦労するだろ?あのままだと先生にも誤解されかねんだろ?」

「そうね!それについては本当にありがとう!でもそうじゃないのよ!確かに感謝はしてるけどそうじゃないのよ!オウガ!あの手紙の内容の!『責任追求は自分に』みたいな部分が問題なの!」

「…?」

「あんな、貴方だけが恨まれるような書き方する必要無かったでしょ!?」

「あ〜…いや、それはだな」

「それに、作戦を立てたのはオウガでも実行したのは私達も同じ。なのにあの作戦の責任を全て一人で取ろうとするのはおかしいんじゃない?」

 

言い訳のテンプレみたいな話出し方をした俺に被せつつ陸八魔をフォローするように鬼方まで聞いてくる。

 

「じゃあもし、全員の責任とした場合どうなる?…アビドスと先生から見た『便利屋68』は印象最悪だろ?でも俺1人なら、お前等に対する印象は悪くとも最悪まではいかないだろ?

会社を運営するにあたって『信用』ってのは何にも代えがたい大切な物だ。それが分からないお前等じゃないだろ?」

「…そうね」

 

全部事実による只の正論パンチだが、まあ反論は無いだろう。陸八魔なんか悔しそうな表情するんじゃねぇかな?…なんていう俺の予想に反し陸八魔の表情は変わらず、それどころか余裕すら見える面持ちで、更に俺には反論不可能な言葉を飛ばしてきた。

 

「でも、それはアウトローじゃない。」

「………」

「いい?『便利屋68』は"我が道を行く"がモットーよ!『信用』も会社を運営していく上では大事なのは間違いないけれど、それ以上に信念を貫くのが大事なの!社員1人に責任を押し付けて少しでも周りからの印象をあげる?はっ!そんな事するなら会社を畳んだほうがマシよ!」

 

あぁ、そういえばコイツはそういう奴だった。そんな事、依頼を受けると決めた時には分かっていた事だった。俺の今回の行いは、コイツらからすればエゴでしかなかったのだろう。

 

「…そうか、そうだな。今回の事は素直に謝っとく。悪かっ…いや、ごめんなさい。以後、俺は"我が道を行く"事を誓おう。」

「ええ、それでいいのよ。これからよろしくね、オウガ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちなみに俺って何時社員になったんだ?まだ見習いって話だったろ?」

「元々するつもりではあったのよ?でも決めたのはハルカを助けてくれた時ね。あの状況でもハルカを助けようとしてくれただけで『便利屋68』に是非欲しいと思ったもの。改めてありがとう、オウガ。」

「…(お前ってやっぱ悪とかアウトローとか向いてねぇよ)」

「そういえばオウちゃん、あの手紙に『連絡は自分に(キリッ』って書いてたけどさ〜?」

「おう、キリッって所には目を瞑ってやるよ。それで?」

「連絡先とか書いたぁ?そもそも持ってるぅ?」

「あ…」

「くふふっ!あははははは!やっぱり忘れてたんだ〜!」

「……」

「オウちゃんってしっかりしてるように見えて実は結構抜けてるよね〜」

「………」

「言葉遣いとかも取り繕ってるけど素では無いよねぇ〜?」

「…………」

「ま!連絡先は事務所の電話番号書いといてあげたし!問題ないよ!あはは!」

「……………死にたいので散歩してきます」

「はいはーい!でも死なないでね〜!」

 

 

 

 

 





アル「ほ、本当に死んだりしないわよね…?」

カヨコ「流石に冗談でしょ」

ハルカ「…(気持ちは凄くわかります…!帰ってきたらお話を聞いて…いや、でも私なんかが話を聞いた所で…)生きててすいません!」


アルカヨコムツキ「「「!?」」」


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